8×8マスの板をはさんで火花を散らす一組の男女。板上には生まれて間もないプチトマトサイズの小さな
ゆっくりたちがずらりと並んでいる。このサイズからすると蔓から生まれた子どもだろう。
ゆっくりの種類こそ多種多様だが、地面との設置部分に小さなビスケットを貼り付けられ、自力で動けないようにされているという点は全員共通だった。
板の両端から2列目のマスには、各マスに1匹ずつゆっくりれいむが並べられ、両端のマスには額に「び」「る」「な」と刻印されたゆっくりまりさがそれぞれ2匹、中央の2マスを除いて並んでいる。
そして中央の2マスには「き」と刻印されたまりさと「く」と刻印されたれいむが1匹ずつ配置されていた。
もう分かったと思うが、このボードはチェスの際に用いるもので、この幼ゆっくりたちはコマの代用品である。
ルールは普通のチェスとほぼ同じだが、2つだけ特別なルールがあり、そのルールとは“10秒以内に打て”というものだ。
このルールによってスピーディなゲーム展開と絶えることのない阿鼻叫喚を演出することに成功した。
そして、もう一つこのゆっチェスに欠かせないの特別ルールが、奪ったコマの扱いだろう。
一組の男女の脇には天井部分を除いて全面ガラス張りの箱があり、その中には自分の側にあるコマを産んだ親れいむが入れられている。
双方の親はコマにされている子どもたちに「ゆっくりはやくにげてね!」だの「ゆっくりこっちにきてね!」だのと叫んでいる。
時々プレイヤーに向かって「おなか空いたよ!」だの「ゆっくり出してね」だのと文句を垂れることもあるが、そんなものを気にする必要は無い。
慣れている人は文句を言った瞬間、取られやすい場所に子どもを動かすらしいが、プレイヤーはプレイヤーらしく無視してゲームを進めていれば良い。
親の入っている箱の天井部分で奪ったコマから帽子やリボンを外し、自分の側の箱の中に入れる。
するとどうなるか、アイデンティティたる頭の飾りを失ったゆっくりはゆっくりとはみなされず、箱の中の親ゆっくりに食べられてしまうのだ。
もっとも、自分の子どもの場合は流石に食べないらしいが。つまり、親だけが飾りが無くても子供を認識できるということだ。
勿論、ゲームが終わった後には親ゆっくりは解放してあげる。すると、ほとんどの親ゆっくりは板上へ全力疾走する。
それもビスケットに固定されて身動きの取れない、あまりにも非力な超小型のゆっくりの元へ。
しかも、この子どもの親が目の前でわが子を食い殺す姿を見ているときたら・・・後はどうなるかわかるよな?
---あとがき?---
今回はチェス。ただし、虐待はなし。
誰か気が向いたらこれで一本かいてください。
byゆっくりボールマン
最終更新:2008年09月14日 09:38