幻想郷のある森の中に位置する、一つの施設。
そこは増えすぎた
ゆっくりを処分、加工し食料品として出荷するための施設。
この饅頭の繁殖力は凄まじく、連日新たなモノが続々と運ばれてくる。
今日の材料は普通のゆっくりに加え、妊娠していると思われる成体ゆっくりや巨大ゆっくりなど
多彩な顔ぶれとなった。だが行き着く末路は同じである。
「ゆー! ゆっくりできないよ!」
「ゆっくりごはんちょうだいね!」
「はやくここからだしてね!」
施設の一室に捕獲されたゆっくり達が集められる。大小様々20体はいるだろうか。
と、そこへ作業服に身を包んだ人間が三人入室する。
「ゆっ!おじさんたちこんなことしてただですむとおもってるの!?
ここには森でいちばんえらいまりさがいるんだよ!!」
「どすまりさのいうとおりだよ!! みんなしぬよ!!」
部屋の一角に居座る2m強ほどの巨大なゆっくり。周りのゆっくりに「どすまりさ」と呼ばれ
いかに強く賢いかを喧伝していた。
一方で通常の成体より一回りほど大きい、妊娠ゆっくりれいむとまりさは苦痛に顔を歪めていた。
「ゆぅー・・・ゆぅ-・・・ うまれるぅ~」
「ま、まりさぁ・・・!だいじょーぶ・・・? ゆ、ゅぅぅ・・・」
二体ともアゴの産道がミチミチと開きつつあり、その刺激にプルプルと体を震わせている。
もう出産は時間の問題だろう。
「ん、あっちの二個はそろそろ生まれるようだな」
「最後の出産だ。邪魔しないでいてやろうか」
「いいから子供ごとパパッとやっちまおうぜ!」
血の気の多い作業員の一人は興奮気味に手に持ったナタで空を切る。
残りの二人の作業員はそれぞれ棍棒を手にしている。
この加工所は捕獲を外部のゆっくりハンターに任せ、この三人の作業員が処理・加工・出荷を
行う小規模なものだった。
ゆっくりに十分恐怖と絶望を味わわせ処理することにより、中身の餡子が変質し
甘みが増すという説。
その説を実践し、一定の効果が認められたことを確認したこの加工所では
人間が直接ゆっくりを惨たらしく処理する加工法を取っていた。
「ゆっくりやめてね!ちかづかないでね!ゆっくり・・・ぼべぇ!!!」
「ゆ゙ぅ゙ぅ゙~~~!!!」「い゙や゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!」
つかつかと近づいた人間にナタで両断された一体のゆっくりれいむ。
体が割れ、中の餡子がドロッと流れ出る様を見た他のゆっくり達は、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。
「だずげでくだざい゙~~ みんなのおうち教えるからまりさをだずげで~~!!」
「びどい゙よまりざぁぁぁぁ!!!!」
例のごとく裏切り出すゆっくりも表れだした。まったくもってゴミクズである。
ゆっくり達の嗚咽と悲鳴が交差するこの一室で、ただ一体、あの巨大ゆっくりまりさだけは表向き平静を保っていた。
横では今にも子供が生まれそうなゆっくりを、ナタを持った作業員が鷲づかみにしていた。
「ゆ゙ぅ゙~!!ゆ゙ぅ゙~!!」
もうすでに産道からは子供の顔が見えていた。
生まれそうなその子供の顔面をおもむろに掴み、引きずり出そうとする。
「ほら、手伝ってやるよ!」
「や゙め゙でぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!! ゆ゙っ゙ぎゅり゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙~~!!!! ゆ゙っ゙!!!」
男の手で子供は勢いよく胎内から飛び出した。強く握られていた顔面の皮を引きちぎられながら。
声を発することもなく皮の無い顔面から餡子を飛び散らせながら、べちゃっと床に墜ち、その短い生涯を閉じる。
「あ~あ、子供グチャグチャ 安心しな、お前もすぐに後を・・・ ぐわっ!?」
男が強制出産直後のゆっくりを始末しようとした瞬間、それまで動くことのなかったどすまりさが
突如バウンドしながら男に体当たりを仕掛けた。
ゆっくりと言えどこの体積での攻撃はさすがに人間にも効果があったようで、男は尻餅をついた。
その勇気とも無謀とも言える攻撃は、残り数匹にまで減ったゆっくり達にもかすかな希望を与えた。
「て、てめえ~・・・ゆっくりのくせにやってくれるじゃねえか・・・」
「ほお、さすがにでかいだけあるな じゃあ全員でやるか」
「了解」
人間三人はそれぞれどすまりさを包囲する。
すっかり勇気づけられた生き残りのゆっくり4匹は包囲した人間達を罵倒し始めた。
「ゆっ!おじさんたちこーさんしたほうがいいよ!!」
「どすまりさは森でいちばんつよいんだよ!!」
「ゆ・・ ゆっぐりがんばっでね・・・」
だが畜生に神はいない。
囲まれたどすまりさは体当たりを仕掛けるが、悉くかわされ人間のヒットアンドアウェイ戦法
にあえなく全身をいたぶられ動くこともできないただのサンドバック饅頭と化す。
「はは!こいつはいい木偶人形だ!」
「そろそろだな」
棍棒で両目を叩きつぶされ、ナタで全身を切り刻まれたどすまりさの命はもはや風前の灯火であった。
そこにいたって、傍観していたゆっくりの餡子脳は、再び希望から絶望へと叩き落とされた。
「ゆ゙ばぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!」
ついに勢いよく餡子を吐瀉し、絶命するどすまりさ。
希望の光を失ったゆっくり4匹は、ただその場で震え同じ運命を待つのみであった。
「案外あっけなかったな」
「フン、何がどすまりさだ。ただの饅頭の分際で」
「不意打ちを食らったくせによく言うよ・・・ さて、」
「ゆ゙っぐり゙じだがっだよ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ゆ゙ぶっ゙!!!!」
「じに゙だぐな゙い゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙びゃ゙っ゙っ゙」
汚い断末魔を上げて絶命していくゆっくり達。
最後まで生き残っていた妊娠れいむも結局子供ごと叩き潰されその生涯を閉じた。
「・・・もうこんな時間か、餡子を回収したら休憩にしよう」
「了解ー、ったくこのゴミクズどもが。でかいだけの生ゴミが人間様に敵うと思ってんのか」
「ま、所詮はゆっくりだったな。味の方はどうなのか、後で検証してみよう」
多種多様なゆっくりの生態。だが人間にとって害をなすナマモノであることは共通している。
そしてそれはこれからも変わらないだろう。ゆっくりが餡子脳である限り。
終わり
最終更新:2008年09月14日 10:12