ゆっくりれみりゃ系いじめ24 土用丑の日れみりゃの日

「うっう~~♪ きょうはぴぐにっくなんだどぉ~~♪」
 人間が寄り付かない屋敷、紅魔館。
 その中の、草木が生い茂った庭に一組のゆっくり家族が整列していた。
「うっう~~♪ きょうはぴぐにっぐだどぉ~~~♪」
「う~~~♪」
 一家の今日の予定はピクニック。
 お母さんれみりゃが、自分のポーチからガさゴソと取り出したメモ帳には、ゆっくりがのたくった様な線で幾何学模様が書かれていた。
「う~~♪ きょうのすけずーるだどぉ~~♪ かえっでぎだらおいしいぷっでぃ~~んがまってるどぉ~~♪」
「「「う~~♪ ぷっでぃ~~ん♪」」」
 ゆっくり一馬鹿な頭で、幾何学模様の暗号を解読したれみりゃは、この日の同伴者の姿を求めて一声あげる。
「う~~~!! おそいどぉ~~~!! おそいどた~べちゃ~うぞ~♪」
「すみませんね~~♪ 遅れちゃいました♪」
「う~~♪」
 何時も通り自分が呼ぶと、直ぐに人が来ることを確認したれみりゃは満足そうに頷く。
「それでは、楽しい楽しいピクニックに出発しましょうか」
「うっう~~♪」
 れみりゃ五匹を後ろに引き連れての大行進。
「ば~~か♪」
「う~~~♪」
「う~~~!!」
 門番に悪態をついて屋敷を出た後に、綺麗な湖を過ぎ、緑の森を過ぎ。
 そして、漸く今日の目的地、人里へとやってきた。
「う~~!! ここはちがうどぉ~~♪ ぴくにっぐをしにきたんだどぉ~~♪」
 そう言って、お母さんれみりゃはスカートをグイグイと引っ張ってくる。
「……。プリン食べたくないですか?」
「うっう~~♪ ぷっでぃ~~んだべる~~♪」
 街の男達の視線が一斉に此方に向いたが、気にせずにれみりゃに提案する。
 勿論、反論も起こる筈も無く本来の目的も忘れてぷっでぃ~んコールを始める親子。
「ふふふ。こっちですよ」
 微笑を浮かべ、一つの店へと案内する。
「「「「「う~~♪」」」」」」
 そして、何の疑いも無くゾロゾロと中に入ってくる一家。
 傍目には、そこはどう考えても洋菓子屋には見えない。
「いらっしゃいませ~~~!!」
「いらっじゃいませ~~!!」
「う? う~~~~♪」
 中に入ると、一匹のれみりゃと一人の男が一行を出迎えてくれた。
 そのれみりゃは、何時ものババァ臭い紫の衣装の上に夏らしい金魚のアクセントが涼しげな、水色のエプロンをつけている。
「依頼されていたれみりゃ、親1、子4です」
「どうも、有難うございます。やはり今日は忙しいですから一家族だと足りないんですよ」
 男が、れみりゃを引率してきた者と喋っている間に、れみりゃ家族は店員れみりゃに近寄っていく。
「うっう~~♪ おどるんだどぉ~~♪」
「「「うっう~~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪ にぱ~♪」」」
 仲良くれみりゃダンスを踊ろうと近づいていったようだが、肝心の店員れみりゃはうんともすんとも答えない。
「うーー!! うーーー!!!」
 せっせと、ひたすら何かを作っているだけだ。
「う~~?うーーー!!!!」
 それが何なのか、ニコニコと覗き込んだお母さんれみりゃの顔が一気に驚愕の表情となる。
 そこでは、店員れみりゃが、自分の子供と思われるれみりゃ達から、ドンドンドンドン肉まんを作っていたからだ。
「うーー!!! うーー!! わるいやつだどぉーーーー!! やっつけるどーーー!!!」
 子供殺し、というよりかわいいかわいい自分達の子供をこんな風にする事が許せなかったお母さんれみりゃは、その店員れみりゃに攻撃しようと近づいていった。
 しかし、寸での所で男に抱え上げられる。
「うーー!! はなぜーー!! れみりゃはこーまかんのおぜーさまだどーー!!」
「今回は、余り時間が無いので、少し強めにやります」
 そう言うと、抱え上げたれみりゃに、なにやら話し始めた。
「さて、今からお前も自分の赤ちゃんで肉まんを作ってもらうぞ」
「うーー!! ばぁ~~がぁ~!! れみちゃはそんなごとしないどぉ~~♪ !! ぎゃーーーー!!!!」
「どうだい? 作る気になったかな?」
 時間が無い、と言っていたとおり男は持っていた包丁でれみりゃの頬をくり貫くと、そこに熱々の油を流し込んだ。
「あああーーー!!! あづいどぉーーー!! ざぐやーー!! ざぐやーーー!! だずげでーー!!」
 目に大粒の涙を浮かべ必死に今まで世話をしてくれたものの名前を呼ぶ。
 が、しかし、生憎とその従者はここには居ない。
 博麗神社で行われる宴会の準備に借り出されているのだ。
「ほらほら、作るのかい? 作らないのかい?」
 男は手を休めない。
 既に両頬、背中、そして今は片目にナイフが迫ろうとしていた。
「うーーー!! つぐるーーー!!! つぐるーーーー!!!!!」
 その勢いに負けたのか、はたまた自分が助かるためのおべっかか。
 ともかく、このお母さんれみりゃは肉まん作りを納得したようだ。
「それじゃあ、これ着て」
「コッチ来て」
「良くこのれみりゃを見て」
「ちょっとやってみて」
「下手だね。美味くできなかったら、油を流すよ」
 とは、男の声。
「う~~♪ れみりゃにないすににあってるどぉ~~♪」
「うっう~~♪」
「うーー!! いやじゃーー!! うぐぐ!! みだぐないーー!!!」
「う~~♪ れみりゃにかかればかんたんだど~~♪」
「うーー!! れみりゃはへたぶそじゃないどぉーーー!! ぎゃはーー!! あづいーーー!!!」
 此方は、れみりゃの声。
 その後、十回油を流された所で漸く人様に出せるほどの肉まんを作ることが可能になった。
「まぁ、良いだろ」
「うっう~~♪ れみりゃはてんさいだどぉ~~~♪」
 自分の作ったモノが褒められて嬉しいようで、満面の笑みで男にアピールするれみりゃ。
「う~~♪ あがじゃんたじもみてだぁ~~? ?」
 振り向いた先に、自分の赤ちゃんは居なかった。
「う~~? あがじゃんどご~?」
「ここだよ」
 男が見せてくれたのは、大きなサウナだった。
「うーー!!」
「あじゅいどーー!!」
「まぁまぁーー!!」
「うあーー!!」
 中では、余りの高温で赤ちゃん達が泣き叫んでいる。
「あああーーー!!! れみりゃのあがじゃんーーー!! あがじゃんーーー!!!」
 お母さんれみりゃの声も、中に居る子供達には届かない。
「おいれみりゃ。どの子供が一番かわいい?」
「う~~? !! あにょこ!!」 
 中で、泣き叫んでいる内の、一番不細工な赤ちゃんを指差しながら答えるお母さんれみりゃ。
「そうか」
 と、男はそのれみりゃを中から取り出し、店の表へと引き返していく。
「うーーー!! れみりゃのぷろで~なあがじゃんをぞんなふうにもっじゃだめーー!!!」
 お母さんれみりゃが懸命に講義するが、そんな事は男の知った事ではない。
 そそくさと、カウンターに戻ると、店員れみりゃはキチンと肉まん作りに精を出していたようだ。
「ほら、お前も作るんだよ」
「う~~? !! にぐまんつくるどぉ~~!! あがじゃ~~ん!! まぁまぁはつくるのがうまいんだどぉ~~♪」
「びぎゃーーーー!!!!」
「うわーーー!!! なにするんだどぉーーー!!!!」
「何って、さっきもやっただろ? ほら、さっさと作れ、それともお仕置きが良いか?」
 自分の赤ちゃんの腕を目の前に置かれ、泣き叫ぶお母さんれみりゃだが、お仕置きは嫌らしく渋々と肉まん作りを始めていく。
「遅い!! 60秒に一個作らなかったらお仕置きだぞ!!」
「うーー!!! はいーーー!!! はいーーー!!」
 そこからは、二匹の親が次々と肉まんを作っていった。
 途中から開店時間になり、店員れみりゃはオーダーの肉まん作りに回り、普通の肉まん作りはお母さんれみりゃ任された。
「はいーー!! れみりゃのこどもたじがらつぐったおいしーーにぐまんですーー!!」
「ありがどーーございましだーー!! まだおいしいれみりゃのにぐまんをかいにぎでくださいーー!!!」
「遅いよ!! れみりゃは肉まん作るのが天才なんだろ?」
「はいーー!!! いそぎまずーーー!!!」
 どちらのれみりゃも大忙し、あっちでもこっちでも泣き声が聞こえてくる。
 それでも人波が途切れないのは、この味と、この声の所為かもしれない。
「れ! れみりゃのぷりでぃーーな!! ……れみりゃのあがじゃんのおいじーにぐまんでずーー!! こーまがんのれみりゃたじのにくまんはおいしーでずーー!!!」
 午後になると、予約販売分の肉まんを求めて、またまた長蛇の列ができた。
 それの相手はお母さんれみりゃが任せられた。
「本当においしそうね! さすがれみりゃのあかちゃんね!!」
「はいーー!! れみりゃのあがじゃんはおいじーですーー!!!」
「さすが紅魔館の肉まんだ。とっても美味しく育てたんだね!」
「ぞうでずーー!! れみりゃがおいじぐなるよーにあがじゃんをさだでたんですーー!!!」
 ずらっと並んだお客が、次々とれみりゃを褒めて店を出て行く。
 もし文句を言ったら、その場でお仕置き。
 そして、永遠に続くかと思われた列も途切れ、漸く今日の営業は終了した。
「おし! 二匹ともお疲れさん!!」
「おずがれざまでじたーー!!!」
「うーー!! うーーー!!!!」
 激務から開放された二匹は、思い思いの言葉で男に答える。
「それじゃあ、君の赤ちゃんを返すよ」
「う~~~!! あがじゃんをがえすんだどぉ~~!!」
 今もってくるから、そう言って奥に引っ込んでいった男を尻目に、お母さんれみりゃは店員れみりゃに話しかける。
「う~~~♪ れみりゃだどぉ~~♪」
「う~~♪ そっちもれみりゃだどぉ~~♪」
「うっう~~♪ あうあう♪」
「う~~~~♪ うっうう~~~~♪」
 ここで肉まんを作り始めてから、仲間に有った事の無い店員れみりゃもご機嫌な様子でお母さんれみりゃに答える。
「おーい!! つれてきたぞーー」
「「れみ☆りゃ☆う~~~♪ にぱ~~~♪」」
 男が戻ってきた所で、二人のダンスも終わりを迎えた。
「う~~♪ はやくかえるんだど~~♪」
「「う~~♪」」
「「まぁまぁだ~~♪」」
 久しぶりの親子再開で、何時もの調子を取り戻した一家は、さっさとこの家を出ようと今日一緒に来ていたモノの名前を呼ぶ。
「う~~♪ かえるど~~~♪ さぐやにいっていじめでもらうど~~♪」
「うーー!!」
「うーー!!」
「ごぁぐま~~♪ どこだどぉ~~♪ はやくでてくるんだどぉ~~♪」
「うーー!! でてごーーい!!」
「ででごーーい!!!」
「遅れてすいませんでした!!」
 呼ばれた小悪魔は、店の奥ではなく、入り口から現れた。
「う~~♪ はやぐかえるんだどぉ~~♪ ぷっでぃ~~んのよ~いをするんだどぉ~~♪」
「この五匹で何個の肉まんができますか?」
「まぁ、百五十個位かな?」
「それじゃあ、お願いできますか?」
「いいよ、今日はこっちが卸して貰ったから、肉まん代は只でいいよ!!」
「有難うございます。では、できたら頃にまた寄らせてもらいますね」
 れみりゃと全く視線を合わせずに、また店から出て行ってしまう小悪魔。
「うーー!! まつんだどーー!! れみりゃをおいってちゃだめだどぉーーー!!!」
「お前はこっち!」
「うぎゃ!!」
 一緒に外に出て行こうとするれみりゃを捕まえて中に引き戻す。
「ほら、良く見てろよ」
「うーーー!! はなすんだどぉーー!! こーまかんのれでーにこんなことしちゃだめなんだどーー!!」
「おい!! しごとだ!!」
「「「「ぶぎゃ!!」」」」
 店員れみりゃの前に四匹の赤ちゃんれみりゃを蹴り出す、勿論それはお母さんれみりゃの赤ちゃんだ。
「あああーー!! あがじゃんをげっじゃだめーーーーー!!!!」
「それ、全部使って肉まん作れ!! 今すぐ!!!」
「!! はいーー!!」
 言われて、直ぐに一匹を捕まえ調理していく店員れみりゃ。
「お前もだ」
 そして、男の腕の中で泣き叫んでいるれみりゃにも伝える。
「うーー!! いやだーーー!! はなぜーーー!!!」
 しかし、お仕置き、というと素直に従った。
「うーー!! おやしぎにかえりだいどーー!!!」
 黙々と作業をするれみりゃ達。
 二匹とも、一匹目の調理が終わり二匹目に取り掛かろうとする。
 しかし、お母さんれみりゃの方は、頭を残している。
 自分達が再生することを知っているからの処置だろう。
 当然、だからこそ今までもそこまで激しく抵抗しなかったのだから。
「おい! コイツの頭の変わりにやってやれ」
「はいーー!!」
 しかし、今回は違った。
 男は、残った頭を店員れみりゃへ渡すと、調理を支持したのだ。
「やめでーーー!!! それはれみりゃのあかじゃんだどーーーー!!!」
「ちがうよー! これは美味しい最高級の肉まんだよ」
「やめでーー!! ざぐやにいいつけでやるそーー!! れみりゃもやめでーー!!!」
 これ以上このれみりゃは調理不可と結論付けた男は、また腕の中にれみりゃを抱き店員れみりゃの流れるような作業を見学させた。
「あああーーー!!! なんでーー!! なんでそんなことするんだどぉーー!!!」
「うーー!! ごめんだどーー!! ごめんだどーー!!!」
 一匹が非難し、もう一匹が謝罪する。
 その間にも、ドンドンと材料が肉まんの形になっていく。
「まぁまぁーーー!!! びひゃ!! ……」
 そして、最後の一匹が肉まんになった。
 同時に、男の他が緩む。
「うああーーー!! れみりゃがやっつけでやるどーーー!!!!」
 お母さんれみりゃが、店員れみりゃに殴りかかろうとしたが、今だ男の手の中に居るのでそれは叶わない。
「!! うぎゃーー!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
 それどころか、両腕に激痛が走った。
 慌てて自分の両腕を見ると、既に男の手から店員れみりゃの目の前に置かれていた。
 そして、肉まんが生まれていく。
「ああーー!! それはれみりゃのおててだどぉーー!!! たべものじゃないどーーー!!」
 そんな事で作業の手が止まるはずも無く、足、胴体と来て最後に頭部だけとなった。
「うーー!! どーじでーーー!!!」
「うああーーー!!!」
 さっきまで、仲良く踊っていた二匹の目が合う。
 同時に、二匹はこの日一番の声で泣き叫ぶ。
「ほら、さっさとやれよ!! 時間が無いんだ」
「はいーー!! やりまずーー!!」
 男の声は絶対だ。
「それに、今日以降はまた一家族で事たりるしな」
 お母さんれみりゃの目に最後に映ったのは、台の上に置いてあった自分のポーチだった。

 ――
「おまたせしましたーー!! 紅魔館特製肉まんですよーー!! 土用丑の日にはぴったりですよーー!!!」
 日が落ち始め、宴会が始まった直ぐに小悪魔が沢山の肉まんの入った箱を抱えてやってきた。
「良く転ばなかったわね」
 魔理沙と、珍しく来ていたアリスと一緒の茣蓙に座っていたパチュリーが、物珍しいモノを見たように話しかけてきた。
「はい!! 来る間にゆっくりの子供を二三潰しちゃいましたけど」
「意外と少ないわね」
「いえ、単位は家族分ですよ。流石に大きいお母さんは踏まなかったですけど」
「レミィ達も肉まんをまっているはわ、そっちにも持って行ってね」
「はい♪」
 近くの茣蓙を探すと、霊夢と一緒にお酒を飲んでいるレミリアを直ぐに見つけることができた。
「レミリア様。肉まんをお持ちしましたよ」
「ありがとう小悪魔。さぁ、れいむ!! これが巷で評判の紅魔館肉まんよ!!」
「ふーん、これがねー。……どうでも良いけど。あんた前に、もう絶対屋敷に入れないって言ってなかったけ?」
 一口食べて、思い出したようにレミリア尋ねる。
「そう思ったけど、パチュリーや小悪魔が、ここで育った肉まんはとっても美味しいからって言ったから、屋敷の中で飼うことを許可したのよ。結構な高値で売れるしね」
「それは、あのメイド長が喜びそうね」
「そうねぇ。でも、養殖という事を咲夜は知っていないし。私や小悪魔が色々と悪戯して、大体半数の肉まんはそのまま死んでしまう。勝手に外へ行っても、やっぱり人間の手にかかるし。それにね、突然居なくなった肉まんを、咲夜が一生懸命探す様子は見ものよ!! 最高よ!! 今度一緒に見てみる?」
 嬉々として語るレミリア。
「そうね、私のれいむにもちょっかい出すし。良い暇つぶしになりそうだわ」
「ふふふ。それじゃあ今度招待するわ。小悪魔を使いに出すから」
「それよりも」
「何?」
「そんなに儲けてるなら賽銭くらい入れてきなさいよ」


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最終更新:2022年01月31日 01:32
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