その他 ゆっくりさせてあげる!

 ゆっくり霊夢は思う。
 このぽかぽかとした場所は、とってもゆっくりできると。
 現にれいむは日向にいるような居心地に眠くなってきている。
 なんの心配も無く、ほんわかしていてゆっくりできる。
 周りには他のお友達もいる。
 ゆっくりありす、ゆっくりめーりん、それにゆっくりれみりゃにゆっくりふらんもだ。
 普段であれば自分に襲い掛かるれみりゃやふらんも、この場所だとすっごくゆっくりしている。
 皆みんなお友達だ。
 ここは本当にゆっくりできる場所だね。そう思いながら、れいむは夢の世界へ引き込まれた。

 たまに、目を覚ますとお友達が減っていることがある。
 自分たちにご飯をくれる人間に、ご飯の時間に聞いてみた。
 すると
「選ばれたゆっくりたちは、ゆっくりさせるためにもらわれていったんだよ」
 と教えてくれた。
 れいむは、自分もここでゆっくりするより、誰かをゆっくりさせたいと訴えたが、人間は何度か首を振るだけだった。
 その人間が決められることではないらしい。
 どうやったら選ばれるの? いつになったら選ばれるの?
 そのれいむの問いに、人間はただ
「あそこでゆっくりしていれば、そのうち選ばれるよ」
 という答えをよこした。

 それかられいむはいつもよりゆっくりした。
 ぽかぽかとした心地よい場所で、いつも以上にゆっくりしていた。
 いつのまにか寝入っていたれいむは、寝ぼけ眼で何気なくあたりを見回すと、見知らぬ人間と目が合った。
 れいむは、なんだろう?と思った。
 その見知らぬ人は、ご飯をくれる人間に一言二言告げていた。
 ご飯をくれる人間は、とてもゆっくり出来る場所かられいむをとりだすと、その体に綺麗なものをつけていった。
 れいむは、自分が選ばれたことを察した。
 自分はあの見知らぬ人間をゆっくりさせることが出来る。
 そう思うと、まだゆっくりできる場所にいる同胞に対して、立派な姿を見せようと思いつき、胸を張った。
 誇らしげな想いと、どんな人間だろうというわくわくとした感じ。
 包まれる感触と知らない温かみに、れいむはどきどきした。
 見知らぬ人間の温かみだった。

 その人間と共に外に出ると、身を切るような風が吹いていた。
 思わず寒いと言ってしまいそうになったが、それではゆっくりさせることができないと想い、口をつぐんだ。
 ゆっくりしていってね!
 人間にそう告げようと振り向いたとき、笑顔のれいむが見たものは、穴だった。
 白い弧と桃色の塊を持つ、黒い穴だった。
 それはとても怖い気がした。


終わり。

「ほのぼの」と「少ない要素」を目指してみたら意味わからんようになってしまった。
舞台はコンビニ的な場所w

著:Hey!胡乱

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最終更新:2008年09月28日 19:49
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