ゆっくりてんこ系いじめ2 てんこを虐待してみた



 ゆっくりてんこはMだと言われている。
 事実、開口一番「もっとぶって!」と叫び、実際に痛めつけると法悦とした表情で打ち震え、快感に浸っている様子はMにしか見えない。
 しかしてんこが心から望んでいるものは、快楽とは少し違っている。
 その言葉の通り、ずっと自分に構っていて欲しい──。
 てんこは、ゆっくりの中でも特に寂しがり屋な種族だった。




「もっとぶってね! もっとぶってね!」

 テーブルの上に乗せられたてんこが飛び跳ねてはしゃぎ回る。
 さっきまで通りかがる誰に声をかけても相手にされず、落ち込んでいた所を拾って貰え、心は有頂天だ。早く構って欲しいと、大声で拾ってくれた男に呼び掛ける。
 果たして、男はてんこへ手を伸ばすと、そのまま頬を抓り始めた。

「ゆゆゆゆっ!!」

 とろけそうな心地よさと気持ちよさに、だらしなく開いた口から涎を垂らして喜んでいる。ようやく希望が叶い、ご満悦な様子だ。
 その様子に、男は手を放さずさらに抓り続ける。
 渾身の力を込め、腕には血管が浮き出ていた。

「……ゆゆ゛ゆ゛っ」

 次第にてんこの表情に陰りが見える。

「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐっ!!」

 気がつけば涙を浮かべ、痛みから顔が歪んでいた。
 Mといっても、全ての痛みが快感になるわけではない。痛いものは痛く、抓られている頬の痛みはてんこの許容範囲を既に超えていた。

「ゆっぐりざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!」

 途端、男は力を抜き、手を放した。

「ああああああああああああ……」

 痛む頬に涙を流しながら耐えるてんこ。抓られた皮は赤くなり、窪みとなって残った手の跡が、その痛みを伝えてくる。
 やがて痛みが治まり、ようやく気持ちが落ち着いた頃。
 男は、てんこから遠く離れた場所で椅子に座り、本を読んでいた。

「……ゆっ?」

 様子を伺うように体を左右に動かすが、男はまるで反応せず、静かに読みふけっている。
 近づこうにも、てんこにとって乗っているテーブルの高さから降りるのは、飛び降り自殺に等しい。
 孤独からあふれ出る涙を止めることは出来ず、次第にてんこの目が滲み始めた。

「もっとぶって! もっとぶってよおおおおっ!!」

 ぱたんと。
 ハードカバーの閉じる音がした。

 ゆっくりと近づいてくる男に、笑顔で向かえるてんこ。
 その笑顔も、また男の手が伸びると苦悶の表情に変わっていた。

「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」

 抓るだけでなく、今度はそこから更に引っ張り、てんこの頬は捻れながら大きく広がっている。
 皮の伸びていく感触に心地よさを覚えながら、男は更に力を込めた。

「いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 ミチミチと、皮の引きちぎれていく感触が手に伝わっていく。
 もうじき千切れるかというその瞬間、てんこの絶叫が部屋に響いた。

「ゆっぐりざぜでよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!」

 男の腕から力が抜けていく。
 頬から伝わる激痛にてんこはまた泣きじゃくるも、男はまるで気に止めず、また本を読みに椅子へと戻っていく。
 痛みが引いていき冷静になると、てんこはまた自分が独りぼっちであることに気がついた。

「ゆっ! ゆゆゆ……っ!!」

 はしゃいでも、声を上げても変わらず、先ほどのように無視されてしまう。
 てんこは思い出す。男が動いたのはなんと言った時だったかを。
 同時に、傷ついた頬が熱を持って訴えていた。

「ゆ……」

 また訴えれば構ってもらえる。でももう痛いのは嫌だ。あんな思いはしたくない……。
 てんこは、寂しさに耐えられるように下を向き、男を見ないように心がけた。

 部屋に置かれた時計の針が秒を刻む。
 男の手が一枚、ページを捲っていく。

 やがて、特徴的な桃付きの帽子が揺れ始め、テーブルの鳴る音が響く。
 次にてんこが顔を上げた時、その目からは滝のような涙が流れていた。

「もっとぶってっ! もっとぶってよおおおおおおっ!!」

 男の腰が上がる。
 近づいてくる男に気づいて、涙を流すてんこの口元に笑顔が浮かんだ。
 てんこは思う。どれだけ痛い目に遭わされても、我慢さえしていれば男は自分に構ってくれるだろう。
 だから、我慢しよう。
 どれだけ痛くても、もう独りぼっちにはなりたくない。
 そしてまた伸びてきた男の手に、てんこは覚悟を決め、歯を噛みしめる。
 その我慢を試したのか。
 男は頬を掴むと、躊躇せずそのまま引き千切った。

「みぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 今日一番の声が、響き渡った。





 我慢していれば構ってもらえる。てんこがそう思って我慢するようになってから、男の攻めは激しさを増していった。
 頬を千切られ、紙ヤスリで削られ、帽子を引き裂かれ、髪を剃られ、足を弱火でじっくり焼かれ、爪楊枝で何度も突き刺される。
 残酷な攻めに我慢できず、何度もてんこの口は助けを求めた。

「おねがいもうやめでえ゛え゛え゛え゛え゛っ!! ゆっぐりじだい゛い゛い゛い゛い゛
い゛い゛い゛っ!!」

 しかし男がその場を去ろうとすると、慌てて訴えてくる。

「ごめんなざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っ!! もっど、もっどぶっでぐだ
ざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っ!!」

 そしてまた、てんこの体は傷つけられていく。
 やがて、てんこだと判別できなくなった饅頭が、その体を一回り削られ、小さくなる頃には。
 てんこはまともに、悲鳴さえも上げられなくなっていた。

「あ……うあ……っ」

 息も絶え絶えなてんこに、男はまた紙ヤスリで削ってみる。
 皮のささくれる感触に体が痙攣するが、悲鳴は上がらない。
 充血した目を見開いたまま、テーブルに力なく倒れ込んでいた。

「……」

 その様子に心が冷めたのか、男は使っていた道具をそのまま置いて踵を返す。治療する事もなく、また本を読もうと歩いていく。
 しかし、男の足は途中で止まっていた。

「……ま、まっで……」

 男は振り返る。先ほどと変わらず穴だらけの体を横たわらせたまま、しかしてんこは訴えていた。

「……さげびまずがら……がまん……じまずから」

 男がまた動き始める。

「だから……もっど……ぶっでぐだざい……」

 訴えかける、てんこの元へ。
 目の前に戻ってきた男を見て、てんこは心は歓喜でいっぱいだった。
 独りぼっちじゃないよ……嬉しいよ……。
 てんこの口が開く。

「も……もっど……ぶって……」

 男の手に握られているのはナイフ。そのナイフが近づいてくるのを、むしろてんこは興奮しながら刺されるのを待ちわびている。
 気づけばてんこは、奉仕の心を男に対して抱いていた。
 がんばってひめいをあげたら……よろこんでくれるよね。
 ……もっともっと、構ってくれるよね……。

 ナイフはそのまま、眼球へと突き刺さる。

「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 どこにそんな力が残っていたのか、今までの様子が嘘のように、てんこは縦横無尽に暴れ回る。
 その様子に、これまで1度も笑っていなかった男の顔に初めて笑みが浮かんだ。
 まだ弄り甲斐がある。そんな歪んだ笑みが。
 きっとこれから死ぬまで、てんこは弄られ続けるだろう。
 しかしてんこにとって、これほど充実した人生はない。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 変わらず、てんこは叫び続ける。
 しかしその心は、きっと桃色に染まっていた。




 End





 Mを虐待してどMにしてみた。


by 762 から改名して ちゃわんむし




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最終更新:2008年10月16日 00:18
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