ゆっくりいじめ系1333 およめにしなさい_02


 さっそく、まりさは自分の巣にれいむを案内した。
 まりさの巣は、長老クラスに次いで群れの中で一番大きかった。
 群れへの貢献から、まりさは立地条件の良い巣を譲ってもらい、それを拡張したのだ。
 きっとれいむも満足してくれる……にんまりとまりさはほくそえんだ。


「ゆふ~ん、だーりんのとことくらべるとせまいけどまぁまぁだよ。ゆっくりしてあげてもいいよ。」


 どうやら、れいむはお気に召さなかったらしい。といって、特に文句を言うわけでもない。
 あの人間と比べられるのは癪だけど、仕方がない。どう頑張ったところで、自分より強い人間より
 凄いゆっくりプレイスを作れるわけがないのだ。


 そう、無理やり自分に言い聞かせることでまりさは気持ちを抑えていた。

 だいじょうぶ、れいむはまだきたばっかりなんだぜ。そのうちあのにんげんさんのことをわすれて
 まりさとだけゆっくりするにきまってるんだぜ。



 「じゃあまりさはかりにいくから、れいむはゆっくりしていくんだぜ」
 「ゆっくりがんばってね。」

 まりさはれいむに親愛のすりすりをしてもらうと、元気に出ていった。夫婦としてのすりすり
 ではないことがまりさには悲しかったが、離婚したばかりなのだ。時間が経てばまりさにもきっと
 愛情のすりすりをしてくれるはずだ。



 ムカデ、ダンゴムシ、イモムシ、桜の葉、クローバー、大きな蛾。
 頬に一杯食べ物を詰めてまりさはれいむの待つ巣に帰ってくる。


 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」
 「むーしゃ、むーしゃ、それなりー。だーりんのとことくらべるとまずいけどまぁまぁだよ。
 ありがとうね、まりさ!!」


 どうやら、れいむはお気に召さなかったらしい。といって、特に文句を言うわけでもない。
 あの人間と比べられるのは癪だけど、仕方がない。どう頑張ったところで、自分より強い人間より
 美味しい食べ物を採ってこれるわけがないのだ。


 そう、無理やり自分に言い聞かせることでまりさは気持ちを抑えていた。

 だいじょうぶ、れいむはまだきたばっかりなんだぜ。そのうちあのにんげんさんのことをわすれて
 まりさとだけゆっくりするにきまってるんだぜ。




 食事の時間が終わり、まったりとした空気が流れる。
 まりさはれいむの頬にこすりつけ、だんだんとスピードをあげていく。
 いつの間にか体もぶるぶる小刻みに震る。目つきがとろんとしてくる。
 つい、劣情に駆られてしまうのを止めるのも野暮なものだろう。
 特に今日はあの美れいむをようやくつがいとして向かえた後である。たまりにたまっているのだ。

 当然、交尾の時間となる。

 「ゆっゆっゆっ……」
 ねちゃねちゃとした、粘っこいものが糸を引きそうな音を出してこすり合わせる。
 「ゆゆゆゆ……ゆっゆっゆっ……」
 「…………」
 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」
 「…………」
 二匹のほお擦りは加速していく。だが、興奮するまりさを尻目に、れいむはどこか冷めていた。
 「ゆっゆっ……んほぉぉぉぉ!!!」
 「すっきりー!!!」
 「すっきりー」
 二匹の交尾は終わった。


 「ゆゆっ、まりさはそーろーだね。だーりんのとくらべるとへたくそだけど、しょうがないよね。」
 「ゆあああああああ!!!どうじでぇぞんだごどいぶの~~!!」

 どうやら、れいむはお気に召さなかったらしい。しかも、ボロクソに文句を言っている。
 あの人間と比べられるのは癪だけど、意味が分からない。どう頑張ったところで、ゆっくりである自分より人間
 がれいむをすっきりさせられるわけがないのだ。

 だいじょうぶ、れいむはまだきたばっかりなんだぜ。いまはすっきりーできないけど、おちびちゃんができるのは
 まりさだけだから、まりさとだけゆっくりするにきまってるんだぜ。

 そう、無理やり自分に言い聞かせることでまりさは気持ちを抑えていた。
 そう思わなければ、まりさを支えるプライドが持たないのだ。


 まりさの名誉のために言えば、人間と比べることが間違いなのだ。
 そもそも、ただでさえ惰弱なゆっくりが交尾のときは完全な無防備になる。
 野生の生物は交尾は早ければ早いほど良いのだ。
 気持ちよさなど二の次、とにかく受精したら即警戒態勢に入る必要がある。


 ゆっくりも、ご多分に漏れずそのパターンだった。
 対して、男がれいむをすっきりーさせていた場合、天敵はいないためいくらでも時間をかけることができる。
 手も足も道具もある人間のほうが、ゆっくりよりバリエーションも多いのは当然のことだ。
 しかも、悲しいことに人間の足ですっきりーしまくったれいむと違って、まりさは初めてだった。
 れいむを思うあまり、ほかのゆっくりに見向きもしなかった結果がこれである。

 それでも、何とかれいむを妊娠させることが出来た。
 胎児型の出産になるので、2週間後には元気な子供が生まれるだろう。



 れいむが来てからの数日、まりさは全然ゆっくり出来なかった。

 まりさがどんなに努力しても、れいむはそれなりにしか喜んでくれない。
 いや、それはいい。愛するれいむのためなら、どんなに苦労しても、喜んでくれるまで頑張れる。

 ただ、常に人間と比べられるのは我慢ならない。どうやっても勝てないと分かっているだけに、まりさ
 としても嫉妬しようがない。やり場のない怒りを覚えるだけである。

 それでも、子供さえできれば……子供さえ出来ればきっとれいむはまりさの良さに気付いてくれる。
 そんな願望に近い思いでまりさは耐えていた。 







 とうとう、出産日を迎えた。

「ゆゆ!?れっれいむ!ゆっくりがんばるんだぜ!!ゆっゆっふー!ゆっゆっふー!」
「が、がっばるがだで!でいぶがっばるがだで!!」

 閉じていたれいむの産道が、今にも爆ぜんばかりに開き……ポンと1匹のでかいゆっくりを出産した。
「おっ、おじびじゃん!ゆっぐりじでね!!ゆっぐりじでねぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」
 れいむは涙ながらに喜んだ。最愛の娘との対面だ。ずっと、ずっとこの子をゆっくりさせてあげよう。

 「ゆっくりしていってね!!」
 まりさも嬉しかった。長年夢見ていたれいむとの家族だ。嬉しくないはずはない。


 「おかーしゃん…?」
 「そうだよ!おちびちゃんのおかーさんだよ!」
 「ゆっくりしていってね!!というんだぜっ!」

 「ゆっきゅり…ちて…いっちぇね」

 「そうだぜっ!!がばいいんだじぇぇぇ!!!!」
 「れいむ、みるんだぜっ!!とってもゆっくりしたおちびちゃんだぜっ!!」

 「ゆー♪そうだねっ!!だーりんもよろこんでくれるよね!!」




  静寂





 「ゆぶぶぶぶ…………。もういやだぁぁぁ、ゆっぐりじだいんだぜぇぇぇぇ!!」
 「ゆゆっ? どーしたの?まりさ。ゆっくりしていってねっ!!おちびちゃんがこわがるでしょ!?ぷんぷん」

 「ゆっぐりじだいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
 「ゆっぐりざぜでえええええええ!!!」


 何も変わらなかった。
 何一つとして、変わらなかった。
 れいむは、まりさがプロポーズしたときから変わってなかった。
 れいむの目に、まりさはつがいとして映らなかった。


 「で、でいぶばあどじじぃとまりさとどっじがずぎなんだぜぇ!!!!」
 れいむはまりさを受け入れてくれたはずなのに、いつまで経ってもあの男の子とは忘れない。
 とうとう我慢できなくなったまりさは禁断の言葉を口にした。

 「ゆゆっ?そんなの決まってるでしょぉぉおぉ!!まりさはばかなの?」
 れいむは即答した。


 そうだ、決まっている。
 「まりさのほうがすきにきまってるでしょっ!!」

 ああ、よかったんだぜ。れいむはやっぱりまりさをあいしているんだぜ。
 それなら、まだがまんできるんだぜ。おちびちゃんたちがおおきくなるころにはきっと、
 こんどこそまりさとゆっくりできるんだぜ。






 「あいしているのはだーりんだけだけどね♪まりさったら、なにいわせるの?はずかしーよ!」










 「…………でてってね。」
 能面のような顔でまりさは静かに言った。

 「ゆっ?」
 「まりさのゆっくりプレイスからでていくんだぜぇぇ!!」

 そう言うやいなや、まりさはれいむに体当たりを喰らわした。

 れいむはまりさをあいしていなかったんだぜ。
 そんなれいむとはもうゆっくりできないんだぜ。

 「ゆべっ!」
 「やめてよねっ!れいむがほんきになったらまりさにまけるわけないでしょっ!!」
 いくら、まりさの戦闘力が高くとも、栄養状態の違いから固体の大きさが違いすぎる。
 出産の疲れはあるものの、子供を守ろうと強い意志を持つれいむにまりさが勝てる道理
 などなかった。


 「“かてーないぼーりょく”をするまりさとはゆっくりできないよっ!!りこんするよ!!」


 よかった。なにはともあれ、れいむはでていくんだぜ。
 これでゆっくりできるんだぜ。












 「“いしゃりょー”と“ざいさんぶんよ”をもらうねっ!!あと、“しんけん”はれいむ
 のものだよっ!!」











 「ゆうううううううううううううう!!!やっ、やめるんだぜ!!まりさのたからものをかえすんだぜ!!」

 「やべでー!!ばでぃざのだべぼのどらないでぇぇぇ!!ゆっぐりでぎないいいいい!!!」

 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ば、ばでぃざのべっどがぁぁ!!」



 「じゃあ、これぐらいでいいよっ!!」
 そうれいむが言ったあとは酷い様子だった。まるで強盗にでも合ったかのように、家はめちゃくちゃに荒らされた。

 まりさが群れを救ったとき、長老達からもらったきれいな石。
 まりさがれいむのために寝る間を惜しんで狩りした結果、たまった餌。
 都会派のありすから貢いでもらった綿。

 まりさの大切な物はほとんど全て奪われた。


 「ゆゆっ!じゃあれいむはおうちにかえるね。まりさ、“りこん”したけどこれからもれいむの“しんゆう”でいてねっ!」

 「もうにどとくるなだぜぇぇぇぇ!!!!」





 ゆ、れいむがあんなにゆっくりできないゆっくりだったなんて……。

 今までの思い出を振り返り、まりさは静かに涙を流し続けた。

 でも、これでわかったんだぜ。まりさにふさわしいのはありすだぜ。
 これからはありすのおもいにこたえるんだぜ。

 まりさは気付かなかった。

 散々大見得をきって人間のところに行ったものの、完膚なきまでに叩きのめされ、れいむにお情けでつがいにしてもらったのに、
 れいむをゆっくりさせることが出来ずに三行半を突きつけられ、挙句実力行使でもれいむの返り討ちにあったまりさが群れのゆ
 っくりの尊敬を集めるわけなどないことに。

 ありすが、れいむに対するまりさほどに辛抱強くないことに。

 まりさがれいむと別れるまでの間は、ありすにほかのゆっくりとつがいになるのに充分なほどに時間が過ぎていることに。













 「ゆゆっ!ただいま、あなた。」

 「ああ、れいむか。久しぶりだね。その様子だと上手く行ったようだね。」

 「ゆほーん、かわいいおちびちゃんだよっ!!」





 あの晩、男とれいむの会話はこうだ。

 「ゆゆ……あなた、ゆっくりきいてね!!たいせつなおはなしがあるの。」

 「なんだい、れいむ。急に」

 「れ、れいむはおちびちゃんがほしいよ!」

 「ほほぅ?だが、僕は君に種付けることはできないよ。お隣さんに頼んで、ゆっくりを貸してもらっても良いが」

 「ゆ~、あのねっ!れいむには“しんゆう”のまりさがいるの!!すっごくゆっくりできるんだよ!」

 「成る程、じゃあそのゆっくりと子作りをしたいわけだ?」

 「ゆっ!そうだよっ!でも、まりさはれいむがあなたとけっこんしている“ひとづま”だってしってるんだよっ!
 だ、だから、だからでいぶどりごんじでねぇぇ!あなだのごどあいじでるど、ゆっぐぢりがいじでねぇぇ」
 途中から涙声になる。

 「ああ、別に構わんが、群れに帰るのか。寂しくなるなぁ~」

 「ゆゆっ!あなた、あんしんしてねっ!!おちびちゃんがうまれたら、“さいこん”しようねっ!!
 すこしのあいだだけど、がまんしてね!!」

 ほ~。仮想離婚か。なかなか考えるなぁ。ゆっくりなのに。

 「そのまりさは、うんというのかい?」

 「だいじょうぶだよ、あなたっ!!れいむはまりさのことがだいすきだし、まりさもれいむのことがだいすきだよっ!!
 あいしているのはあなただけだけど、“しんゆう”のまりさはずっとれいむとかぞくをつくりたがってたしねっ!!
 きっと、まりさもゆっくりできるよ!!」




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 あとがき

 元ネタは童話の「ねずみの嫁入り」(そんな名前だったような気がする)

 [[お家宣言]]して潰されるのなら、お家の人になってしまえば良いじゃない。


 かいたもの

 甘い話には裏がある。 


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最終更新:2008年11月08日 08:00
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