作:キャベツ頭(仮称です。ハチの人から改称しました)
※すっきり描写&スカトロ描写注意(そこまでハードじゃないと思います)
都市に生きるゆっくりは、人間が出すゴミを食料源とする。
家庭のゴミをつめたビニール袋を破かれる側にしてみれば、
そうした行為は迷惑極まりないわけで、即座に対策が講じられた。
「ゆっ!!きょうもゆっくりさがそうね!!」
「「「ゆっくりさがすよ!!!」」」
ニワトリよりも甲高く、耳ざわりなコーラス。ゆっくりれいむの一家だ。
メロンサイズの親一匹に、リンゴサイズの子三匹。子は皆れいむ種である。
これからゴミ荒らしにかかろうというわけで、やる気満々である。
「ちびちゃんたち、ゆっくりがんばってね!おかあさんはここでみてるからね!!」
「「「ゆっくりがんばるよ!!!」」」
ふてぶてしい顔つきでどっしりと構える親れいむ。
どうやらゴミ荒らしが、野生における狩りに等しい行為となっているらしく、
子れいむたちは今日がその「狩り」デビューの時らしかった。
「まずは、じゃまな“あみ”をくぐってね!!でないとちかづけないよ!!」
「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」
カラスよけの網をくぐって、ゴミ袋を食い荒らすと言うのが、
ゆっくりのやり方だった。そこで、第一の防波堤として、
特殊な素材で編み上げたネットが用いられた。
「ゆっくり、ゆっくり……ゆっ?」
勢い良く近づき、ネットをくぐろうとした一匹の子れいむ。
違和感をおぼえ、一歩飛びのいたが、既に遅かった。
その体には、格子状の切り込みが入り、うっすらと餡がにじみ出している。
「ゆぅああああああああ!!!いだいよおおおおおおおおおおお!!!」
「どぼじでええええええええええええ!!!!???」
素材としてピアノ線を用いたネットは、いともたやすく、
饅頭の体を切り裂いた。
ぱっくり、ぱっくりと幾つも傷口を開き、絶命する子れいむ。
「もうやだ!!おうちかえる!!!」
「ゆっ!!!まっで、いまがえっだら、ごはんがたべられないよ!!!」
この場を去るか否かで揉め始めた親子。
本当は子れいむたちの判断が正しかった。ここで第二の防衛システムが作動する。
「そんなにごはんがたべたいなら、おかあさんだけここにのこってよね!!
れいむたちしにたくないよ!!」
「そうだよ!いじきたないおかあさんはゆっくりいつまでもここにいてね!!」
「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!!!?……ゆぴぴっ!!!!!」
仲間割れした親子。そこに高圧の冷水が吹き付ける。
しつこく居座るゆっくりを退治するのと、
ネットにかかって死んだゆっくりを掃除する為の、洗浄用スプリンクラーだ。
強烈な水圧の為、触れるそばからゆっくりは粉みじんになっていく。
「あ゛ああああああ!!!!!!おがーざ いぴぴぴっ!!!」
「どぼじでえええええええええ べべべべ!!!!」
無残な餡塊となったゆっくり一家は水の流れに乗り、道路脇の排水溝へ一直線。
道路も綺麗に洗うことができて、一石二鳥である。
このおかげで、路上のゴミ袋を狙うゆっくりは絶えていなくなった。
「ゆぅ~これじゃ、まりさたちちっともゆっくりできないよ!!」
「れいむもおなかぺこぺこだよ!!ゆっくりごはんがたべたいよ!!」
不満を爆発させる、ゆっくりまりさとゆっくりれいむ夫婦。
数日前から降り続く雨と、人間の仕掛けたトラップのせいで、
いつものように餌を取りに行くことが出来ず、飢餓状態となっている。
ドブに突き出した家庭用の排水管にもぐり込んで、
命を永らえたのだが、もはや飢えと渇きは耐え難かった。
当然、排水管の中には、何の蓄えもない。
「ねぇれいむ、このなかをさがしてみようよ!」
「ゆぅ~、そうだね。おそとはあめさんがふってるからしかたないね…」
本来、暗くてじめじめした場所を好まないゆっくり。
デリケートなれいむは特にそうで、乗り気ではなさそうだが、
このままじっとしていても埒が明かない。
疲れた体に鞭打って、のろのろと排水管をさかのぼる二匹のまんじゅう。
「ゆっ!?まりさ、あかりがみえるよ!!」
「ほんとう!!?これでゆっくりできるね!!!」
「ゆぅ~、でもたかくてとどかないよ!!!
これじゃぜんぜんゆっくりできないよ!!!!」
見上げれば確かに光が見えるが、ほぼ垂直に伸びる管。
これを登っていくのは、かなり骨が折れそうである。
「れいむ、ゆっくりとまりさがふみだいになるよ!
そうすれば、くだにひっかかってよじのぼれそうだよ!」
「ゆっくりりかいしたよ!」
まりさが下敷きになり、れいむがそこに飛び乗る。
饅頭にしては良く考えたもので、自らの体の特性を生かし、
ぎゅうぎゅう詰めの状態で、体を蠕動させることによって、
じわじわと管をのぼっていこうというのだ。
「ゆっくりのぼるよ!!」
のろまなれいむはまりさの助けを借りて、
まりさは自慢の跳躍で、うまく足がかりを得て、
二匹は順調に排水管をさかのぼってゆく。
体力のとぼしいれいむは、途中で何度も休息をとりつつ、
のぼり続けて、気が付けば管の出口にいた。
「まりさ、でぐちだよ!!れいむやったよ!!」
「ゆっくりいそいで、まりさもゆっくりさせてね!!」
まりさのくぐもった声。れいむはぶよぶよと体を動かし、
管から飛び出した。続いてまりさも、同じように飛び出る。
薄暗いその場所は、使われなくなった廃屋のトイレで、
その排水管は、和式の便器に繋がっていたのだった。
「ゆぅ~、やっとゆっくりできるね、れいむ!!」
「そうだね、まりさ!!やっぱりまりさはかしこいね!!
れいむほれなおしちゃったよ!!」
「ゆぅ~ん、はずかしいよ…」
顔を赤らめ、恥じらいながらも、れいむの言葉に満更でもない様子のまりさ。
いつしか二個の饅頭は発情し、激しく体をこすり合わせ、
ぎとぎとした粘液にまみれている。
「んほおおおおおおおおおおおおおおお!!ばでぃざ!!!」
「きひいいいいいいいいいいいいいいい!!でいぶぅ!!!」
干上がった和式便器の中で愛を叫ぶ、つがいの饅頭。
そこに闖入する者があったが、二匹は気付く由もない。
「これ、お前さんたち」
「「んひひひひひひひひ、ほおおおおおおおおお」」
「これこれ」
「……ゆ゛っ゛!!!!???おじさんだれ!!!?」
「わしはこの家で雨宿りしているホームレスじゃ」
「れいむたちすっきりー!するんだからじゃましないでよね!!!」
「こりゃすまんすまん。しかし、雨で体が冷えて、催してきてのう」
「もよおす?もよおすってなあに?おいしいもの?」
「うーん、食ったことが無いからわからんのう。試してみるか?」
「「ゆっくりたべたいよ!!!」」
「よしよし。それじゃ、そこに座って待っておるんじゃ」
「「ゆっくりりかいしたよ!!!」
言うが早いか、尻をまくって突き出し、力みだす老人。
その様子に目を白黒させる二匹の饅頭だが、望みのものはすぐにやって来た。
「ゆっ!ゆっくりでてきたよ…」
「ゆっくりたべさせてね!!ゆっくりさせてね!!」
「こ、これはゆっくりできんほどの量じゃぞ…!!」
飛び出したのは、悪臭を放つ、暗褐色の巨大な塊だった。
それが、れいむの右顔面を直撃し、穿つ。
「ゆっくり、ゆっく…… づぶぶびびっ!!!」
「でいぶうううううううううううううう!!!」
恐るべき質量を持った、ゆっくり風に言えば、うんうんの塊は、
新幹線のような勢いで、れいむに激突した。
やわな饅頭が耐え切れるはずもなく、
れいむの顔面はいともたやすく吹き飛び、うんうんに混じってわからなくなった。
「ゆぎゃああああああああああああああああああ!!!!!
いだいよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!おうぢがえる!!!
いまずぐがえる!!!!!」
「でいぶ!!!!!!!!でいぶ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「これはしばらく止まらんぞ!!東京から終点までノンストップじゃゾイ!」
便器にこんもりとしたうんうんの山ができあがり、
黒い新幹線はJR博多駅へ到着していた。
顔半分となったれいむは虫の息で、まりさもすっかりうんうんまみれである。
「いやあ、すっきりしたわい。おまえさんたち、味の方はどうじゃったかな?」
「ゆ……ゆっぐり…じねぇぇ……」
「……!…!…………!……」
まりさが悪態をつき、ハーフれいむがビクンビクンと痙攣して、
老人の言葉に答える。もはや、先は長くないだろう。
「よしよし。後は流して仕舞いじゃな」
その言葉とともに、老人が紐を引くと、赤さびた水が勢い良く噴射し、
すべてを押し流してゆく。幾度も紐を引いたので、
数分後には、すべてが綺麗に洗い流されていた。
「なんと、まだ水が出たとはのう。これで、わしもホームレス脱却じゃな」
つい先ほどまで、苦労してよじ登っていた管の中を、
ひどい臭いのする水とともに流されながら、まりさはひたすらに、
つがいのれいむのことを思っていた。
死ぬ前に、もう一度だけ、もう一度だけ「すっきりー!」をしたかった。
するはずだった。それが、すっきりしたのは、わけのわからないじじいだった。
目の前を、半分だけになったれいむが、うんうんとともに流れていく。
急速に近づく外の明かり。
まりさは、降り続く雨のことを思い出し、溶けはじめている体で、
なおも「どうしよう」などと考えたが、排水管から勢い良く飛び出して、
ドブの壁面に激突し、放射状の餡塊となった。
ほんの数秒前、同様の餡塊となったれいむの上に折り重なるようにして。
ドブに張り付いた、ふたつの饅頭。
しかし、その痕跡すら、後続の汚水が洗い流してしまうのだった。
最終更新:2008年11月08日 10:33