ゆっくりいじめ系1487 キノコのないドス

  • 微調整しただけです。
  • ちょっとだけ以前自分の書いた作品『やってみよう何でも実験』と繋がっています。
  • 群れは生き残ります。この群れはドスの概念がありません。
  • この作品のドスには特殊能力が無いドスがいます。
  • ゆっくりのジャンプできる高さは自分の身長の5倍と換算されています。
  • ドススパーク(ドスパーク)は一回放つと15時間は撃てない、というグラビトォーン!(大鉄人17)な設定になっております。


キノコの無いドス

ある山の上の平原に平和なゆっくりプレイスがあった。天敵もなければ(たまに鷹や鷲に持っていかれることはあるが)自然災害もあまりこない、実にのんべんだらりとできる場所だった。
普通こんな場所で暮らせばさぞかしゆっくりしている(悪い意味で)ゆっくりが産まれるであろうが、このゆっくり達、ゆっくりにしてはいい意味で向上心あふれるゆっくりだった。
ゆっくり達は巣穴を作り、水が巣に流れるのを防ぐために居留地をすり鉢上に削ったり、と自分達が『末永く』ゆっくり暮らせるように努力を重ねた。
「きょうよりはあすもっとゆっくりすることがだいじなんだよ!」といったれいむもいたとか。
一度『ゆっくりの形をした大災害』で群れの数は半減したが哀しみを胸に結束を強めさらにこの群れは発展を続けていった。
そんなある日のことである。
あるまりさの巣穴から声がする。
「た……たすけてぇ~!」
「ゆゆっ、まりさどうしたの!?」
「か、からだがうごかないぃぃぃぃぃぃ!」
「と、とりあえずどあをあけて……ゆぁぁぁぁぁぁぁ!?」
れいむは驚いた。巣にみっちりとゆっくりの体が詰まっている状況を驚かないゆっくりがあるだろうか、いやない。
それはさておき、このままでは巨大になったまりさの命が危ない。主に圧縮された息苦しさでだが。
「た、たいへんだよ!これじゃあおうちをこわすしかまりさをだせないよ!みんなをよんでくるからまっててね!」
「わ、わかったよ!」
巣穴はまた掘ればいいが、ゆっくりの命は戻ってこない。餡子脳とバカにされているとは思えない的確な判断だ。
「「「ゆぅえす、ゆぅえす!!」」」
掘り始めて2,3時間たったころだろうか。やっと、巣穴からまりさが出てこれた。
「ゆ、ゆぅぅぅ……たすかったよぉ。ゆ?みんなちいさくなっちゃったね?」
息苦しさから開放されたためかまりさはほっとしていた。
「ま、まりさはかなりおおきくなったね……」
「ゆ?     な、なにこれぇぇぇぇ!?」
気づいていなかったようである。そんな中群れの長である老ぱちゅりぃがやってきた。
「まりさ……あなたはどすになったのよ!」
「どす?」
「ゆっくりをもっとゆっくりさせることができるでんせつのゆっくりになったのよ!」
それからぱちゅりぃは自分の知る限りのドスの伝説を語った。
やれ熱線を放つことができる、やれキノコを使いいろいろなことができる、など。
「ゆゆっ!? でもまりさはきのこさんなんてたべたことはないよ!」
「むきゅ、そうなのよねぇ……、なんでどすになったのかしら」
「でも、どすになってもまりさはまりさだよ!」
「むきゅ、それもそうね!」
気にしない方針らしい。そもそもキノコがなければドスの能力などないも同然である。無いのなら大きくなったゆっくりと認識した方が楽だ。
幸いドス化しても食べる食料の量は変わらなかったことだし。
ドス化してもまりさの生活はいつもと変わらなく過ぎていった。
大きくなった分、通常のゆっくりより速く移動でき、食べ物を運ぶ際にも多く運べるようになったことが変わったところであろうか。
一度変な人間が来たこともあったがまりさを見るなり
『なかなかおもしろいねぇ、群れには迷惑をかけないから遠くから観察してもいいかい?お礼はしますから』と聞かれた。
別に見られるぐらいどうでもないので了承した。男は大量の果物(この辺りでとれるものばかりだったが秋頃だったのでありがたかった)を渡し、飼っているのであろうちぇんと一緒に遠くでしばらく群れを観察してから帰っていった。
大きいゆっくりであることから皆からも慕われ、春になったころにはまりさもドスらしさ(知性的な意味)が少しずつ出てきた。
<ここからドスまりさは会話文に漢字を使うようになります>

ただ、攻撃用の新しい力はとんと得られなかった。

そんな平和な群れにある日また災厄が襲った。
別のゆっくりの群れが進攻してきたのである。そしてそちらの群れにもドスがいた。
ドスは熱線を放ち、こちらを脅してきた。
「おとなしく、このゆっくりぷれいすをこっちによこすんだぜ!そうしないとどすのどすぱーくがひをふくんだぜ!」
たちまち群れは混乱に陥った。降伏するべきだ、という意見とここ以外知らないから戦うべきだ、という二つの意見に。
先の冬にドスを知っていたりした賢いぱちゅりぃはもうあの世に行ってしまった為、纏め役はキノコの無いドスに託されていた。
「まりさ、どうするの?あっちはまりさがつかえないどすぱーくとかいうのをうってくるよ!」
「撃てないものを嘆いてもしょうがないよ………、あるものでどうにかしよう!」
「こうふくすればたすかるかもしれないよ!」
「降伏したら助かってもこのお家には住めなくなるよ!あいつらを追い払うしかないよ!!」
どう見ても人の意見を聞きそうに無い相手への対応はコレで十分だ、とぱちゅりぃが言ってたそうな。
そして、この群れは相手を迎え撃つ準備を始めた。

一方、やってきた無法ゆっくり共の群れ。
「どすぅ、あいつらなんかやってるんだぜ!」
「ゆゆゆ……、いつもならどすぱーくでほいほいでてったのになまいきなんだぜ……」
このドス…ドゲスの群れは別のゆっくり達のゆっくりプレイスを奪って生きてきた。
食料が無くなったら次の場所、また無くなったら次の場所、と移動していったのである。ある日、れみりゃなどもこない、という平和なゆっくりプレイスの存在を聞いた。
そのゆっくりプレイスは自分達にこそふさわしい、ドゲス達はそう信じていた。
「よぉし、こうなったらみなごろしにしてでもあのゆっくりぷれいすをうばうんだぜ!さいしょはせんけんたいがいくんだぜ!」
相手が動かないならそれでいい、皆殺しにしてあのゆっくりプレイスにほんとうにふさわしいのが誰かを教えてやる。
ゲスゆっくりの先遣隊がまず出ていった。
「ゆへっへっへ、てごろな美ゆっくりをみつけたらすっきりしてやるんだぜ!」
自分勝手な言葉をのたまいつつ、草むらを跳ねて行きどんどん距離を詰めていく。ふと一匹のまりさが違和感に気づく。
「ゆ?こんなにかずがすくなかったっけ?」
最初に飛び出した時点では15匹はいた先遣隊がいまや5匹。
「どういうことなんだゆひゅうっ!?」
また一匹声が途切れた。
そして気づけば一匹だけになった先遣隊のれいむはさけぶ。
「ど、どぉゆぅことなのぉ!?」
こーゆーことだよぉ、わかるねぇ?
次の瞬間、れいむは足元を弾かれ、草むらに沈んだ。
草むらには三匹のちぇんがいる。その向こうにはすでに事切れた仲間達の遺骸も。
「いっぴきじゃかてないからねぇ」「わるいけどたたかいなんだよぉ、わかるねぇ」「ふいうちじょうとうなんだね、わかるよぉ」
叫びを上げようとして れいむはちぇん達に引き裂かれて果てた。
「なかまごろしはいけないけれど」
「いまのおうちにちぇんたちがずっとすんでいたからね」
「よこどりはいけないよ、わかるねぇ」
こうして先遣隊はあっけなく全滅した。先遣隊の連絡が来ないことに業を煮やしたドゲスは総攻撃を宣言した。
ドゲスの群れが先住のゆっくりより数が多かったからだ。ドゲスは楽に勝てる戦いだ、とふんでいた。
しかし―――
キノコのないドスの存在が戦局を大きく変えた。
基本、ドスのやる仕事は群れの統率・備蓄計画・巣の拡張である。基本、インドアの仕事が多く、元から強力な自分の力を伸ばすことなどそうない。
結果、与えられた力が弱体化することが多い。さらにドゲスの場合は怠惰なくっちゃね生活を送っていたためにその状態が顕著に現れていた。
自分にはドスパークという凄い力があるのだ、体が鈍くとも問題はない、とドゲスは思っていた。

しかし、キノコの無いドスは違う。ドスには新たに付与されるはずの攻撃は持っていない。また、少し前までは群れの統率は基本ぱちゅりぃが行っていた。
だから、自分はただ皆より大きいだけのゆっくりだ、と認識して同じ仕事に従事していた。
その結果、ただでさえゆっくりにしては高い能力値がさらに上昇していた。
5メートルを超える巨ゆっくりが長距離を跳ね回り、高高度から押しつぶしてくる。多分人間でも恐い。
キノコの無いドスの獅子奮迅の活躍・そして草むらからの奇襲攻撃にドゲス達は翻弄され、ドゲスの群れを完全に包囲してしまった。

「ゆぐぐ………」
頼みのドスパークもさっきの威嚇射撃で使ってしまい、チャージはできていないため、使えない。
「降参して元のお家に帰ってね!」
「わ、わがっだんだぜ……」
ドゲスはその降参を求める発言を聞き入れた。今は勝ち目が薄い。次はもう少し入念に準備してから挑むべきだ。主に人質とか。
だからここは一旦退いても問題は無い、と自己正当化しつつ撤退を開始しようとした。
「あ、その前に」
「ゆべっ!?」
声が聞こえると同時にドゲスはキノコの無いドスから体当たりをくらった。
余りの衝撃に口に含んでいたキノコを落とすドゲス。
「これは置いていってね!」
「ど、どずのぎのごがえぜぇぇぇぇ!」
大事なキノコを取られてはドゲスはろくに闘えない。慌てて、ドスに飛び掛る。
だが頑強なドスにまた弾かれてしまう。
「またあの熱線を撃たれたら困るからね! 判ったらゆっくり帰ってね!」
「ゆぅぅぅぅぅぅ……」

こうまで言われては仕方ない。ドゲスたちはすごすご帰っていった。(口内に胞子は残ってるだろうから数ヶ月すれば戻りそうだが)
「ところでまりさ、そのキノコはどうするの?」
「ゆ?これはこうしちゃうよ!」
そう言いながらまりさはキノコを噛み砕き上空にドスパークを放った。ドゲスの放ったそれより大きく力強い光。
「すごぉい!」
周りのゆっくりはびっくりするわ大はしゃぎだわ。
「ゆへぇ……あのドスがこんな熱いのを撃とうと思ったのかまりさはさっぱり判らないよ」
こうしてキノコの無いドスまりさは最初で最後のドススパークを使った。
怪我をしたゆっくりや死んでしまったゆっくりもいるが、このプレイスを守ることができたことに彼等は満足していた。
明日からまたこの地は平和なゆっくりプレイスに戻るだろう。

その頃ドゲス達は山を慌てて駆け下りていた。キノコまで奪われては勝ち目がない。
「まったく、よわいどすのせいでひどいめにあったよ!」
「にげかえるなんてとかいはじゃないわ!!」
と口々にドゲスをののしりながら移動していた。
「ゆべ!?」
前のれいむとまりさが何かにぶつかった。狭い一本道に見えない壁がある。知らずに下り道を駆け下りてくる後続のゆっくり達。
「と、とまるんだぜ!みえないかべがあるんだべヴぅ!?」
先に壁にぶつかったゆっくり達は後ろに押されどんどん潰れていった。一番後ろを走っていたドゲスを含む一握りのゆっくり達だけが生き残った。

「ど、どういうことなんだぜぇぇぇぇ!?」
「こういうことですが何か?」
壁の向こうには白衣の青年と同じく白衣で長髪の女が立っていた。
「主任、恐慌状態のゆっくり暴動対策に作った透明な壁、結構効きましたね!」
「ドゲスのほうが転がり落ちてきたからなぁ、あっちのドスだったらゆっくり移動してきただろうから効果薄かっただろうしなぁ」
「とりあえず、この結果を纏めて後はコイツら持ってちゃいましょう」
「そうだなぁ」
「も、もってくってど、どこに?まりさにもわかるようにおしえるんだぜ!」
「聞いたことありません?加工所って言葉」
同時に籠に詰め込まれていくゆっくり達。
「がががががごうじょぉぉぉぉ!?」「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっぐじでぎないぃぃぃぃぃぃ!!」
「どずぅぅぅぅぅ、だぢゅげでぇぇぇぇぇ!!」
「ど、どずはゆっぐりにげるんだじゃががががが!」
「逃がしゃしねぇっつぅの」
主任と呼ばれていた女性が何か筒のようなものをドスの口内に撃ち込んでいた。一瞬辛いものかと思ったが辛くは無い、だが体がピクリとも動かなくなってしまった。
「が、がらだがうごがなぃぃぃぃぃぃ!どぼじでぇぇぇぇぇぇ!?」
「今主任が撃ったのは圧縮液体窒素弾っていってね?君の体の中の餡子は凍ってしまったんだよ、そりゃ動けるわけが無いね!」
とイヤににこやかに解説するお兄さん。
「し・か・も!これで凍った餡子は溶けた後もグズグズになっちゃうからもう二度と君は動けませぇん!
 下手に動くとそのまんまグシャッ!!て未熟な赤ゆっくりみたいに潰れちゃうんだよ!ところで主任、この凍らせたドスどうするんですか?」
「まぁ、今ドスなんぞ持ってっても加工所じゃ大して役にたたねぇしなぁ、
 あっちのドスならいい研究対象だったから五体無事に捕まえたろうがコイツはいらんわ」
「じゃぁ僕の研究……というか新商品の実験に使っていいですかね?」
「こないだは上の群れにれみりゃをぶつけてみただったっけか?今度はどんな実験思いついたんだ?」
「この凍らせたドスの餡子を溶かして生きたまま小豆アイスにしてみようかと」
「………小豆バーじゃなくてか?」
「はい、バニラアイスとかをありすやぱちゅりぃでまず作らなくちゃいけないし、
 それからドスの頭を開いてバニラを入れながらかき混ぜてまた凍らせて……いやぁ楽しみだなぁぁぁぁ!」
「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
白衣の男がうっとりしながら語る実験計画を聞いてドゲスは失神した。
「相変わらずえげつないなぁお前………んじゃお前等も加工所に行こうか。なぁに、お前等は食われたりはせんよ」
「ほ、ほんとに?」
「あぁ、だってお前らゆっくり用ハリセンや加工所製すぃーの試用テスト用だもの。どのくらいの強さで叩いたら死ぬか、とか、どのくらいの速度で壊れるか、とか………。
あと一応最大威力で殴ればどうなるかとかのテスト用もあったな。
だからその日が来るまでは死なんよ、つぅか死なせん」
「「「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」
「主任も負けず劣らずのエグさじゃないですか……」
「そうか?でも、自分をドスとして扱わないゆっくりかぁ……研究してみたかったなぁ」
「やるにしてもまた別の日にしてください。第一さっきのドススパークを見たでしょう?生半可なゆっくりじゃないですよ、きっと」
「ちっ……今日はお前のおごりで呑みにいくぞ、あ、あとこの籠お前が背負えよ」
「ドスの下に車輪つけても重いんですよコレ……」
「女に荷物持たせんのか?」
「はぁ……」
「だぢでぇぇぇぇ!」
「もうやだ!おうぢがえる!!」
「どぼぢでごんなごどずるのぉぉぉ!?」
ゆっくりの悲鳴と男のため息をBGMに加工所職員達は山を下っていった。

数週間後、人里では「さっぱりした甘さの」小豆アイスが発売された。
ドスの餡子といういままでの加工所でタブー視されていたものを使用したこのアイス、カロリー控え目・珍しい餡子の使用という売り文句にしたところ売れに売れたらしい。
「ははは、売れたらしいからもっと増産らしいよ、ドスまりさ!!さぁ、どんどん食べてねぇ!餡子増えたらまたアイス入れてあげるから!」
「ぼ、ぼうごろじでぇぇぇぇぇぇ……」

後書き。
キノコがなくて別に無闇にゆっくりしない群れだったら理想としてこんなドスができるんだろか、と書いてみた。
これが過剰にゆっくりする群れだったらドゲスとまで行かずもダメなドスになってたでしょうね。
オチは蛇足ですが因果応報が好きだったのでついやってしまった。




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最終更新:2009年01月21日 19:49
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