ゆっくりいじめ系92 ゆっくり少女達の収穫祭-1

ある朝。
男がいつものように畑に行くと、ゆっくり霊夢の一家が作物を荒らしまわっていた。
大きな母ゆっくりが1匹、中くらいの子ゆっくりが3匹、赤ちゃんゆっくりが3匹。

「ゆっくり食べてね!」
「ちょっとまずいけどがまんして食べてね!!!」
「ちゅっくりにがーい!」

昨晩のうちにしっかりと柵を作っておいたはずなのにどうして、と怪訝な顔をする男。
慌てて柵を調べると、柵の下にゆっくり一匹分くらいの大きさの穴が開いている。
どうやら柵の下に穴を掘って潜り抜けたようだ。
「他人の畑」という概念は理解できないくせに、こういった悪知恵は働くらしい。
男は腹を立てるというよりも半ばあきれたような顔をしながらゆっくり霊夢の家族たちに近づいていった。

「君たちは何をしてるのかな?ここはおじさんの畑だよ?」

「ゆ?」「ゆゆ?」
「おじさんだれ?」
「ここはゆっくりたちが見つけたゆっくりプレイスだよ?」
「おじさんもゆっくりできるなら一緒にゆっくりさせてあげるよ!」
「ゆっくりするならごはんも分けてあげるよ!」

男の顔が引きつる。
しかし男は気を取り直し、ゆっくりたちへと説教を試みる。

「ここにある野菜はおじさんがゆっくり時間をかけて作ったものだから勝手に食べちゃいけないんだ。
 だからちゃんと柵で囲って入れないようになっていたんだよ。ゆっくりたちも自分の家の食べ物を勝手に食べられたら
 ゆっくりできないだろう?」

「おやさいは勝手にできるんだよ????」
「ここにはいつもゆっくりおやさいができるんだよ!」
「ゆっくりたちのおうちはここだよ?」
「おじさんが邪魔なものをゆっくり作ったの?」
「邪魔をするおじさんはゆっくりできないからゆっくり出て行ってね!」
「ちゅっくり出てってね!」

口々にそう言いながら男に体当たりを始める。
当たり前のことではあるが、ここに野菜が現れるのは男が栽培しているからである。
栽培していたのが小松菜など収穫までの期間が短いものばかりだったので、以前にもここで食べたことを覚えていたらしい。
どうやらゆっくりたちにとってこの男の畑は「ゆっくりやさいができるプレイス」という認識のようだ。
普通の農夫ならここで餡子の大量生産を始めるところだが、この男は違ったらしい。
男は人懐こい笑みを浮かべ、なにやらゆっくりたちに話し始めた。

「ああ、ごめんごめん。確かにここはゆっくりたちのおうちだね。私も実は知っていたよ。
 柵は加工場の人たちが入れないように、ゆっくりたちを守ろうと思って作ったものだったんだ。
 最近は加工場の人たちがこの辺りにいるからね。でも、ゆっくりたちの邪魔になってるみたいだし、今から壊すよ」

「「「ゆ゛!!!!」」」
「が゛こ゛う゛じ゛ょ゛う゛は゛い゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「ざく゛ごわ゛ざ゛な゛い゛で゛え゛え゛え゛え゛」

「ははは、冗談だよ。今日は柵を頑丈にするためにやってきたんだ。
おじさんが柵を直してる間、ゆっくりたちはそこで食事を続けてていいよ」

「ゆ!」
「おじさんありがとう!」
「はやくゆっくりがんじょうにしてね!」
「しょうがないからゆっくり待ってあげるよ!」
「ゆっくりおやさい食べてあげるね!」

やれやれ、といった感じで思わず苦笑する男。
こうしてゆっくりを待たせておいて、男は柵の強化に取り掛かった。
十分に掘り下げてからしっかりと柵を埋め込み、地上部分にも地下部分にも板を張ってきっちり隙間を埋める。
カラスやれみりゃに襲われないように、上部にもネットを張り巡らす。
雨に濡れないようにとの配慮なのだろうか、小屋のようなものまで片隅に用意する。
そんな作業を黙々と続け、日が暮れるころにはかなりしっかりとしたゆっくりプレイスができあがった。
汗を拭きながら男はゆっくりたちに呼びかける。

「みんな、もう柵を直し終わったよ。これで加工場の人たちはもう入れないよ。
 雨に濡れないようにゆっくりハウスも用意しておいたよ!」

食事を終えてゆっくりしていたれいむたちが返事を返す。

「おじさん、ありがとう!」
「直し終わったらとっとと出て行ってね!」
「おじさんは汗くさいから一緒にゆっくりできないよ!」
「おじちゃんくちゃーい!」
「ばっちーいよねー!!」

なんとも酷い言われようである。
しかし男に気を悪くした様子はない。

「ごめんごめん。すぐに出て行くよ。でもその前にお野菜を持っていくね。
 食べ残したお野菜はせっかくだから料理にしてあげるよ。一晩預かってまた明日持ってくるね」

「くさいおじさんありがとう!」
「おじさんも自分の家でゆっくりしていってね!」
「ゆっくりごはんを持ってきてね!」
「くちゃいけどいいおじさん!」

男は野菜カスなどを手際よく集める。
また、ゆっくりたちがまだ手をつけていなかった未収穫の野菜も全て集めていく。
もともと男が趣味でやっている家庭菜園だったので大した広さも無く、あっという間に収穫は終わった。

「それじゃあまた明日。ゆっくりしていってね!」



翌日。

男が再びゆっくりに会いに来たのはもう正午を回る頃のことであった。
柵の中を見ると、わずかに拾い残していた野菜カスも全て食べ尽くされ、綺麗になっている。
ゆっくりたちは男の姿を認め、口々に文句を言い始めた。

「ゆ!」
「おじさんゆっくり遅い!」
「れーむたちのおやさい早くちょーだい!」
「これじゃゆっくりできないよ!」
「おなかへったー!」

ここぞ、とばかりに男は口の端を吊り上げてニヤリと笑う。

「あの野菜はおじさんが作った物だから、全部食べちゃったよ。
 悪いけどゆっくりたちの分はもう無いんだ。ゆっくり飢え死にしてね!」

白目になり、歯茎を剥きだして驚愕の表情になるゆっくりたち。

「「ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!!!」」
「ひどーい!!!!」
「れーむたちのおやさいなのに!!」
「うそつきのおじさんとはゆっくりできないよ!!!」
「ゆっくりごはんをくれないとゆるしてあげないよ!!!」

男はパニックに陥るゆっくりたちを見てニヤニヤと笑っている。

「私は自分の作った野菜を食べただけだよ。ゆっくりたちも野菜を食べたかったら自分で作らなきゃなぁ(笑)
 そうしないとごはんを食べられずに干からびて干し饅頭になっちゃうぞ~☆」

「おじさんひどい!こんな所じゃもうゆっくりできないよ!」
「ゆっくり出て行くよ!」
「おじさんなんかもうしらない!!」

顔を真っ赤にして怒るゆっくりたち。
柵の中から出て行こうとして柵の下を必死に掘り始める。
どうやら「加工場の人から守るため」に作ったことをすっかり忘れてしまっているらしい。

「いいのかな?外には加工場の人がいるんだぞ~?」

一瞬ゆっくりたちの動きが止まる。が、すぐにまた掘り始める。

「おじさんはうそつきだから信じないよ!」
「うそつきのおじさんはゆっくり死んでね!!!」
「ちゅっくりちね!」

みるみるうちに地面が掘りすすめられていく。
柵を地面に埋めなおしたとはいえ、1時間とかからずにゆっくり達は自由の身となってしまうだろう。
しかし、男はニヤニヤとそれを眺めるだけで阻止しようとはしない。

「ゆっくり掘るよ!!!」
「おかーさん!がんばってゆっくり掘ってね!」
「ゆっくり!ゆっくり!」

あっという間に穴は掘りすすめられ、母ゆっくり霊夢は地面の下に消える。
しかし、それから10分もしないうちに、なにやら状況が急変する。

「く゛う゛ぇ゛ほ゛ほ゛!!ゆ゛、ゆ゛っ゛く゛り゛て゛き゛な゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」

ぐちゃぐちゃになった母ゆっくりが穴から水とともに飛び出してくる。
見れば母ゆっくりが必死になって掘っていた穴には水が流れ込んでおり、あっという間に水没してしまった。

「と゛お゛し゛て゛み゛す゛か゛な゛か゛れ゛こ゛ん゛て゛く゛る゛の゛お゛お゛お゛お!!!!」

待ってましたとばかりに満面の笑みの男。

「この柵の周りには水路が張り巡らしてあるんだ。どこを掘っても水が流れ込んでくるよ!
水でふやけてぐじゃぐじゃになるか、干からびてカラカラになるか、好きなほうを選んでね!」

男は元々休耕田であったところを借りて家庭農園をやっていた。
なので、枯れた水路を少し整えてやるだけで周囲にはあっという間に水の壁ができあがる。

「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「お゛し゛さ゛ん゛た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛」
「も゛う゛や゛た゛こ゛こ゛か゛ら゛て゛る゛うううう!!」

男はまたニヤリと笑い、一言言い放つと去って行った。

「ゆっくりしていってね!」





次に男がやってきたのは2週間後だった。

囲いの中は雑草も地中の虫も食いつくされ、柵木すら齧ろうとしたような形跡がある。
懲りずに脱出を試みたのか柵の下には水没した穴が複数開いており、何匹かは心もちふやけているようである。
どこかに隠れているのか、赤ちゃんゆっくりは1匹も見当たらない。

「みんな、ゆっくりしてたかな?野菜おじさんの登場だよ!!!」

ゆっくりたちはぐったりとしていたが、満面の笑みで男が現れると、必死になって命乞いを始めた。

「ゆ゛!!!」
「た゛し゛て゛え゛え゛え゛!!!ゆ゛っ゛く゛り゛こ゛こ゛か゛ら゛た゛し゛て゛え゛え゛え゛!!!」
「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!」
「も゛う゛わ゛る゛い゛こ゛と゛し゛な゛い゛て゛す゛う゛う゛う゛!」
「お゛な゛か゛へ゛っ゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!゛」

ゆっくり種のくせに少しもゆっくりとしていないゆっくり達。
それにしてもこのゆっくりれいむ達、必死である。

「んんん??ここはゆっくり達のゆっくりプレイスじゃないのかな?
 ゆっくりと野菜もできるんだろう?良かったじゃないか(笑)ゆっくりしていってね☆」

今までなら早ければ2週間程度で畑には野菜ができていた。それが今回は兆候すら無いのである。
脳みそが餡子のゆっくりたちであっても、ここが「ゆっくりやさいプレイス」などでは無いということは理解できた。

「ここじゃゆっくりおやさいができないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「も゛う゛や゛た゛お゛う゛ち゛か゛え゛る゛う゛う゛う゛!!!」

うーむ、と男は考え込むような様子を見せる。
ニヤニヤ顔を一転させ、今度は真面目な顔で話し始める。

「悪いけどここから出すことはもうおじさんにもできないんだ…
 代わりと言ってはなんだが、ゆっくりと野菜をつくる方法を教えてあげようか?
 もし野菜を作るなら、野菜ができるまでの間だけはおじさんが食べ物をあげるよ。」

途端に泣き止むゆっくりたち。

「ゆゆ?おじさんが食べ物くれるの?」
「ゆっくりはやくちょーだい!!」
「ごはんくれたらおじさんをゆるしてあげてもいいよ!!」

都合のいい部分しか聞いていないとはいかにもゆっくり種らしい、と男は苦笑する。
一般的に、ゆっくりは自分に都合の良いことしか覚えず、都合の悪いことはすぐに忘れてしまうとされている。
しかし、男はゆっくり種であっても、根気強く教えればいつかは農業のように複雑な作業も習得できると考えていた。
少なくとも、越冬の際に食物を貯蔵し計画的に食べることができる程度には知能があるのだ。
ならば、種を食べることを我慢し収穫を待つこともできるだろう、と。

「話を聞かないゆっくりは嫌いだなあ。どうすれば食べ物をあげるって言ったっけ?」

「そんなのどうでもいいよ!はやくれいむたちにごはんを食べさせてね!」
「「「はやくゆっくりさせてね!!!」」」

やはり絶望をエサにしないとゆっくりは学習しないらしい。

「じゃあ食べ物はあげないよ!ゆっくり死ね!」

そう言って男が去るそぶりを見せると、途端に必死になるゆっくりたち。

「まって!!まって!!ゆっくりしていってね!」
「ゆっくり考えるからまってね!!」
「ゆっくり野菜をつくればいいんだね!!!」
「ゆっくりつくるよ!!!」

なんだ、ちゃんと覚えてるじゃないか、と男は少し感心する。
そして、ゆっくりたちの農業学習が始まった。



まず男はゆっくり達に小松菜の種を食べさせた。

「ぽーり、ぽーり♪」
「ぜんぜんたりなーい!」
「もっとゆっくり食べさせてね!!!」

次に同じ量の種から成長した小松菜を与える。

「むーしゃ、むーしゃ♪」
「やさいおいしーい!!」
「でもたりないからまだゆっくりできないよ!!!」

最後に種と小松菜を見せ、ゆっくり達にどちらがいいかを聞く。
「どっちもくれないとゆっくりできないよー!!」などと言ってくるが、片方だけ選ばないとどちらも食べさせないと脅迫する。
当たり前だが、ゆっくり達は量が多い成長した小松菜を選ぶ。
そしてその後で、種を埋めると小松菜になることを辛抱強く教え、種を与える。

男はそういったプロセスを何日もかけて何度でも繰り返し、多くのことをゆっくり達に教え込んでいった。
雑草と野菜の芽は違うということ。雑草は時々採らないといけないということ。雨が降らなければ野菜に水をやらなければならないということ。

「やさいさんにもゆっくりおみずをあげるよ!!!」
「ぴゅー♪ぴゅー♪」
「おーきくなーれ、おーきくなーれ♪」
「わるいむしさんをたべるよ!!」

ゆっくり達は口を使って土を耕すことができたし、水を口に含んで野菜にかけることもできた。
男は巧みにアメとムチを使い分け、我慢すればおいしいものが食べられるということを教え込んでいった。
そして、種を植えるまで、芽が出るまで、葉っぱが成長するまで、といった風に、ゆっくり達が我慢して世話をできる期間も少しずつ延びていった。


そしてある朝。
男がいつものようにゆっくりたちの畑を見に行くと、育てていた野菜はなくなっていた。

「また失敗か…」

最近では種を与えてから、種を食べずにある程度成長するまで世話をできるようになっていた。
しかしやはり我慢ができないらしく、収穫期が来る前に未熟な野菜を食べてしまうのだ。
満腹になるまで餌を与えれば野菜の世話をしないし、かといって空腹すぎても我慢できずに野菜を食べてしまうから難しい。
今回はもう少しで収穫というところであったが、やはりまた我慢ができなかったらしい。

男は気を取り直し、新しい種を与えるためにゆっくりを呼んだ。
こういったヘマをした後は、大抵の場合隅っこにあるゆっくり小屋に隠れている。

「おーい、ゆっくり出ておいで。ゆっくりと新しい種をやるぞ。」

5匹のゆっくり親子がぴょんぴょんと飛び出してくる。が、何やら様子がおかしい。
いつもなら失敗した後は罰に脅えているはずなのだが、ニコニコしている。もう躾を忘れてしまったのだろうか。

「ゆっくりしていってね!」
「今日はおじさんにゆっくりしてもらえるよ!」
「一緒に食べようね!!!」

そう言ってゆっくりたちがゆっくり小屋から引っ張り出してきたのは収穫済みの小松菜。
男は慌てて量を調べてみるが、どうやらまだ手をつけていないらしい。
若干収穫には早かったが、ついにゆっくりたちは欲望に打ち勝って作物を育てきったのである。

「ゆ゛・・ゆ゛っ゛く゛り゛し゛て゛い゛く゛よ゛・・・・」

感極まって泣き出す男。
一瞬ゆっくり達は驚くが、男が笑顔なのに安心してゆっくりする。
男はその日、生の小松菜を食べながら心ゆくまで一日中ゆっくり達とゆっくりした。


そしてその後。
男は小松菜の成功で満足するということはなかった。
より収穫までの期間が長い野菜や穀物などにも挑戦させ、数回の失敗を経て成功させた。
ゆっくり達も4匹だけでは足りなくなってきたので母親を殺さない程度に交配させ、20匹まで増やした。
母ゆっくりと姉ゆっくりが教え込んだおかげで、幼いゆっくり達もすぐに労働力になった。

今ではもうゆっくり達が「おじさん」から餌をもらうことは滅多に無い。
「おじさん」が時々持ってくる肉やお菓子を作物と交換する程度だ。
収穫した食べ物を蓄えてゆっくりと食べ、雑草や虫を食べることで十分ゆっくりと生きていくことができる。
柵と堀が他のゆっくりたちから守ってくれるし、ゆっくり小屋に逃げ込めば空から来るれみりゃも追いかけてこれない。
土地が広くなったので鳥避けネットは外されているが、作物を食べ過ぎない限りは鳥さんともゆっくりできる。

「ゆ~ゆ~ゆ~♪」
「ゆっくりちょうちょだ~!」
「ゆっくりわけっこしようね!」

時々作物を見回って虫や雑草を食べ、その他の時間は家族で遊んだりゆっくりしたり。
今まで大自然で過ごしてきたどの時間よりもゆっくりできてゆっくり家族達は幸せだった。


やがて季節は秋になり、ゆっくりたちの収穫祭が近づいていた。
ここ最近はめっきり顔を見せなくなった「おじさん」も、作物が取れたらまたおいしいものを持って会いに来てくれるだろう。
そうしたら心ゆくまで「おじさん」とゆっくりできる。
ゆっくり達はゆっくりとそう考えていた。


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最終更新:2008年09月14日 05:24
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