ゆっくりいじめ小ネタ310 ゆっくりできないゆっくり達その2

何でもありなゆっくりが登場します










「よ、おぜう様」

森の中を自由気ままに飛んでいた私は飛ぶのを止めた。
見知った顔が顔がそこにあったからだ。

「珍しいわね貴方がもう山からいなくなるなんて。もう少しあそこに留まると思っていたのだけど」
「昨日人間さんを一人行方不明にしちまったんでね。まぁ、そこまで気にしてないけど山狩りとかあるだろうから面倒ごとには巻き込まれたくないんだぜ」

視線の先にいるまりさは腕を組みながら私に答える。

「運の悪い人間もいるのね。でも、貴方がそんなことをするだなんて夢にも思わなかったわ」
「そこら辺の事情はこっちの失態だから詳しく聞かないんでほしいんだぜ」
「いいわよ。別に興味ないもの」

人間がいなくなった事に興味なんて無いし、詳しく聞いたとこで私には何の得も無い。
夜なのに山の方が明るい。それは、まりさの話した事が事実であの明かりは行方不明にされた人間を探しているのだろう。
それで終わりだ。これ以上いなくなってしまった人間に私達ゆっくりが話すことなんて何も無いのだ。
ちなみに、このまりさと私がこうやって話を珍しい事ではない。
人間には捕食種被捕食種の関係と思われている私達だが、あくまでそれは擬態した私達や好き勝手に生き返った残骸を見て人間が勝手に思っている事である。
一応人間の前では食べるふりはするけれど、こんな得体のしれないモノを食べるなんて人間くらいだろう。
もっとも、人間が私達を食べるのもあくまで饅頭や肉まんに擬態しているからではあるが……

「で、しばらくはここに留まるの?」
「いんや、まだ修復の済んでない仲間がいるから休憩してるだけなんだぜ」
「よっぽど慌ててたのね。修復しないまま逃げてくるなんて」
「あの『虐待お兄さん』…… 消えた人間さんが無駄に破片を撒き散らしたんでね、今頃山には好き勝手に復活したあれがいる筈だぜ」
「それにも興味ないわ。あれは私達とは違うのだから」
「……おぜう様相手だと会話が続かないから困るんだぜ」

まりさは困った顔をしながら頭を掻いた。だが、本当に興味が無いのだから仕方が無い。
気遣うのは人間だけで十分だ。私は同じゆっくりといる時ぐらいは素の自分でいたいのだから。
そんな風に思っていると、少し遠くからガサガサという音が聞こえてきた。
獣だったらよいのだが、うっすらと光が見えるので人間だろう。

「む、困ったぜ……」

光を見たまりさはぽつりと呟いたが、なぜ困ったなんて言ったのか私には分からなかった。。
ただいつものように馬鹿なふりをして、どっかへ移動すればいいだけなのに。

「なにが困ったの?」

私はまりさに問うと、まりさは頬の辺りを掻きながら答えだした。

「ここまでくれば大丈夫と思ってたから、実は修復してる仲間を隠れさせてないんだぜ……」

あははと汗をかいて笑いながら、ばつが悪そうに言う。
そして、次にまりさが言うことが私には分かってしまった。
そこそこ長い付き合いなのだ、こいつとは。

「お嬢様、時間稼ぎに付き合ってほしいんだぜ」

左の腕を引きちぎり、まりさは己のコピーを作り出してどこかへ行かせる。
ある程度の距離までなら自在に動かせる便利なコピーだが、残骸と同じで早く回収しないと自我を持ち人間のイメージ通りのゆっくりになってしまうのが欠点である。
こいつを作ったということは、いつもと同じことを私にさせるのだろう。断る気は別にないから構わないが。

「ま、仕方ないわね……いつもと同じで良いのね?」
「頼んだぜ」
「任せなさい」

人間には捕食種と被捕食種と思われている私達、やるべき事は一つである。
私がまりさを襲い、まりさは人間に助けを求める。
人間という生き物は助けを求めてきたゆっくりをあまり見捨てたりすることはあまりしない。
私を追い払うだけという事が一番多いが、たまに私を問答無用で叩き潰す人間もいる。
運が悪いとどちらも潰されたり、まりさが私に食べられていく様子を楽しむ悪趣味な輩もいるのだが。
別に慣れてるから潰されたりするのは構わないのだが、やはりいつも同じことをするのは面倒だと最近私は思っていた。

「今回は追い払われるだけで済むと嬉しいのだけどね……」
「最近の人間さんは容赦ないから手っ取り早く潰されるとまりさは思うぜ」

涼しい顔でまりさは答える。見れば残った右の腕は収納されていた。準備万端という奴だ。

「まったく、犬や猫のように私たちも小動物の類なら無闇に殺されたりしないのでしょうね」
「その通りだぜ。でも、おぜう様もまりさもこんな出鱈目な命で生まれて来たことは変えられないんだぜ」
「どうせ死んでもすぐ元通りだしね」

そろそろ声を抑えねば人間に聞かれるだろう。でも、最後に私は愚痴を零す。

「本当、ゆっくりが名前の通りゆっくりできる日は来るのかしら」

「ここじゃ無理だとまりさは思うぜ」


まりさは人間の方へ跳ねながら、私の愚痴に返事をした。










こんな駄文を最後までお読みいただき本当にありがとうございます!!
wikiのTOPのれみりゃのAAを見て思わず書いてしまいましたが、あの女王という風格を出すのは難しいです。むしろ出せてません……
あとゆっくりはこれくらい不思議で何でもありな方が自分はもっと好きになれる気がしました。皆さんはどうでしょう?
不思議で何でもありな方が可愛いですしね。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。お目汚し失礼!!


by大貫さん

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最終更新:2009年01月17日 18:11
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