ゆっくりいじめ系2104 ゆっくり2匹目

  • SSやイラストなどからネタをパクっています
  • ここのゆっくりは、すっきりするゆっくりです
  • 俺設定をひたすら綴ってみました


タイトル「ゆっくり2匹目」


ゆっくりに心惹かれ、いつかまりさを飼ってみたいと思っていた。
どうせ飼うなら、高級品種をと思っていた。
ゆっくりハウスも段ボール製の安物ではなく、木製の高級品を与えたい。
ゆっくりフードもカロリー控えめ栄養価の高い高級品を与えたい。
ゆっくり用おもちゃも、量産品ではなく職人による手作りのものを与えたい。
収入とにらめっこしながら、具体的な構想を練ってみる。
ハウスやおもちゃはともかく、ゆっくりフードのような消耗品には妥協が必要だろう。
高級品種は野良のように際限なく餌をねだるような下品なことをしないから、ちょっと安めのものでもきっと大丈夫。
初期投資分さえ用意できれば、まりさとの日々は妄想でなくなる。
青年は必死に貯金をした。
毎日特売のカップラーメンをすすり、必死に働いた。
もちろん定時でばっちり帰宅。
残業は一切しない。
そうしなければ、まりさが我が家に来たとき、寂しい思いをさせてしまうではないか。
残業なんかしたら、まりさがきっと心配する。
生活全てをゆっくり中心にする準備を着々と整えていった。

ついに資金が確保できた。
早速、ゆっくりショップに出かける。
入り口付近のケースに放り込まれている躾の行き届いていない下品なゴミ共に用はない。
目指すは店の奥、高級品種のコーナーだ。
一匹50円からの安もの共とは桁違いの高級品種達は、豪華な人工芝がしかれたケース内で実にゆっくりとしている。
青年は目的である高級まりさを確認した。
『子まりさ 250,000円』
値段表の金額を見ても、青年の決意は揺るがなかった。

高級ゆっくりハウス         :80,000円
職人による手作りおもちゃセット :15,000円

青年は妥協しなかった。
高額お買い物してくれたので、高級ゆっくりハウスはその日のうちに配達してくれると店長さんが言ってくれた。

そのまりさは完璧だった。
朝は青年より早く目覚め、「ゆっくりしていってね!」
朝食も食べこぼしなどせず、「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」
飼い主によっては、この「むーしゃ、むーしゃ」を嫌う人もいる。
そんな飼い主の場合は、静かにごはんを食べることも出来る。
まさに高級ゆっくりたる所以だ。
仕事に行くときには玄関まで見送りに来て「ゆっくりいってらっしゃい!」
帰宅したら「ゆっくりおかえりなさい!おしごとおつかれさま!」
うるさくご飯の催促をすることも、遊びを強要することもしない。
飼い主にほとんど面倒をかけない、できておるゆっくりであった。
青年は幸せだった。
まりさは、餌が安物だったせいもあり、すぐに成体サイズまで成長した。
可愛い子まりさ状態をキープするには、高級フードによるカロリー制限などが必要なのだ。
しかし、青年は成体まりさになっても愛を失わなかった。

まりさに癒され続けた青年は、だんだん仕事中にまりさを一人きりにしていることを申し訳なく思うようになっていった。
これは青年の間違いで、高級品種になると孤独をストレスに感じるようなことはない。
しかし、ゆっくりを飼えない時代にSSなどを読みまくったのがいけなかった。
青年が好きなジャンルが「家族愛もの」だったことも、まずかった。
さらにゆっくりペット業界が多頭飼いを誘発するような、ゆっくり家族の仲睦まじい姿の広告をバンバン打ったために、洗脳されていた。
 ゆっくりは、家族で暮らすのが、一番のしあわせ~♪
青年はゆっくり好きになった時からずっと業界に踊らされていたのかも知れない。

まりさはあまりにできておるゆっくりだった。
そのため、青年が当初予想したより維持費がかからなかった。
「もう一匹くらいなら…」
もちろん、高級品種を買うような予算はない。
だが、青年には安物でもちゃんと飼える自信があった。
子まりさから成体まりさまで育て上げたという自負があったからだ。
躾が行き届いたゆっくりだったからこそ、それが可能だったという真実を、青年は完璧に見落としていた。

青年はゆっくりショップで50円れいむを買った。
野良でもいいかとも考えたが、実際に野良ゆっくりを見てやめた。
病気を持ってそうなくらい汚く愛想が悪かったからだ。
家に帰るとまりさがお出迎えしてくれた。
50円れいむは高級品種であるまりさに一目惚れした
「ゆう~ん、とってもゆっくりした まりさだよ!すっきりしたいよ!」
れいむがこの発言をした時点で潰すべきだった。
だが不幸なことに、青年は食事の用意でその台詞が聞こえないところにいた。
まりさにおうちまで案内されて、れいむは吃驚した。
なんという、なんというゆっくりしたおうちッ!!!
「きょうからここを れいむのゆっくりプレイスにするよ!!!」
あろう事か、おうち宣言をした。
悪いことに高級まりさはおうち宣言などの、自己の権利を主張する本能をごっそり削られている。
飼い主に完全隷属するようにカスタマイズされているのだ。
だかられいむのおうち宣言を理解できなかった。
その行動をたしなめるという発想すら出来なかった。

青年は最初、れいむの傍若無人な態度に業を煮やしていた。
だが、自分はまりさをこんなに立派に育てたではないか。
いずれこのれいむも、まりさのような素敵なゆっくりに躾けてやろう。
じつはその自信には根拠が欠片もないことに、青年は気付けなかった。
いままでのゆっくりライフは、まりさのおかげだったというのに…。

高級ゆっくりは、それと気付かれないように、常に飼い主を観察している。
今飼い主は疲れているか、怒っているか、機嫌が悪いのか良いのか…などなど。
そして飼い主が喜ぶ行動を常に取るように、本能に刻まれている。
それが全て悪い方向へと向かっていった。
れいむと仲良くすると、青年が喜ぶ。
だかられいむと「仲良く」していた。
れいむは激しく勘違いをした。
「こんなにせっきょくてきにすりすりしてくるなんて、れいむと すっきりしたいのねぇええ!」
所詮50円の餡子脳。
悲劇は青年が仕事に行っている間に起こった。

家に帰り着いたのに、まりさのお出迎えがなかった。
不審に思い、真っ先にゆっくりハウスを見に行った。
ゆっくりハウスの前では、大量の蔓を生やして黒ずみかけているまりさがいた。
そして、ゆっくりハウスの中ではれいむが仰向けになって眠っていた。

まりさはれいむが体験したことがないほど高級だった。
肌のすべすべ感も、ちゅっちゅの感触も、まむまむの具合は筆舌に尽くしがたいほど最高ッ!!!
何度も何度もすっきりーしたら、急にまりさの具合が悪くなった。
れいむは疲れたため、まりさなど気にせずゆっくりハウスに戻って眠った。

まりさの死の責任は、全て青年にある。
まりさが高度に躾けられた個体であること、そのおかげで飼育が楽だったことに思い至らなかった。
自分の飼育スキルが高くないことに気付かなかった。
そして、ゆっくりを飼うことに無知でありすぎた。
青年には、住人のいなくなったゆっくりハウスとまりさのおぼうし、そして透明な箱に入れられた50円れいむだけが残った。



あとがき
読んでいただいた方、ありがとうございました。
SSを読んでると、ほとんどの作品で2匹目を飼って後悔して虐待に走っています。
最初に高級品を買って慣れてしまうと、次からグレード下げてもうまくやれるさ、と勘違いすることは良くあると思います。
だから、ゆっくりも初めて飼うときは気合いを入れて高級ゆっくりを飼うのではないかと。
そして次飼うときは、安い奴でもうまく飼えるさと、勘違いするのではないかと。
相変わらずうまくまとめきれませんでしたが、楽しんでいただければ幸いです。

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最終更新:2009年02月01日 20:35
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