今子供たちの間で『東方 ゆっくり・(シール付)』というお菓子が大人気になっている。
このお菓子は東方のキャラクターたちのシールが入っている子ゆっくりのお菓子である。
この子ゆっくりは食べられることが至上の喜びであると刷り込まれているため、
袋を開けると「ゆっくりたべてね!」とか「おいしくたべてね!」と逃げ出さずに
食べられるのをじっと待っている。
ちなみに子ゆっくりは全てれいむで大きさはバスボールと同じ。
これがなかなかの売上を誇り、シールの種類もどんどん増えていった。
コンビニから男の子2人と女の子1人がそれぞれそのお菓子を持って出てきた。
子供たちはコンビニの前で輪になって話し出す。
「それじゃあ、みんなで一緒に開けようね!」
「「うん!」」
「「「いっせーのせっ!」」」
3人でお菓子の袋を開ける。中のゆっくりが「ゆっくりたべてね!」と声をかけるが、
気にも留めずにシールを取り出す。
「よっちゃんは何が出た?」
「咲夜だよ、ほんとはレミリアが欲しかったんだけどな~」
「まーくんは?」
「魔理沙だぜー」
「けんちゃんはー?」
「ひ……なんとかてんこ!」
「えーなにそれー」
「だって読めないんだもん」
「じゃあさ、ゆっくりを早く食べちゃおっ!」
袋からゆっくりを取り出す、が女の子がゆっくりを落としてしまった。
泣きそうになる女の子。
「ゆべっ!」
「落っことしちゃった…」
「じゃ僕の半分あげるよ」
そう言うとその子は持っていたゆっくりを頭から半分に割った。
「ゆぎゃあああぁぁぁぁ」
「はいっ」
「あいがとう、まーくん」
落としたれいむは潰れてはいなかった。
子供の手から落ちて、潰れてしまうほどゆっくりはやわではなかった。
「いたいよおぉぉぉぉ!だれかすりすりしてええぇぇぇぇ!」
「食べ終わったことだし、遊びに行こう!」
「ゆっ!?」
それを聞いてれいむは驚いた。だってまだ自分は食べてもらってない。
「うん、行こっ!」
「まってね!れいむをたべてからにしてね!」
れいむが必死に訴えるが子供たちはコンビニから駆けていってしまった。
れいむは追いかけようとするが子ゆっくりでは追いつくのは無理だった。
「れいむはおいしいんだよ!ゆっくりたべていってよおっ!」
コンビに前のアスファルトの上を跳ねていくが遅々として進まなかった。
そしてれいむの足は黒く汚くなってしまった。
「どおじでたべでぐれないのおおおおぉぉぉ!」
皮はどんどんと擦れていき、跳ねることもできなくなって這っていたが、
ついにそれもできなくなってしまった。
「いだいいいぃぃぃぃ!ゆっぐりでぎないぃぃぃぃ!!
おがあざんだずげでえげべれげっっ!!!」
れいむはコンビニに駐車する車に轢かれて、汚いシミになってしまった。
ランドセルを背負った男の子が家に帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえり」
「お母さん東方ゆっくり買ってきてくれた?」
「そこのテーブルの上に置いてあるわよ」
男の子はお菓子の袋を手に取り、開ける。
ゆっくりが声をかけるが無視し、シールを取り出すがすぐに渋顔になる。
「げぇーまたチルノかよーもう⑨枚目だよー」
そう言いながら男の子は冷蔵庫の中からタッパーを取り出して開ける。
その中にはゆっくりが3匹入っている。
「「「ゆっくりたべていってね!!!」」」
元気に声を出すが男の子は気に留めずに先ほど開けたお菓子のゆっくりを入れる。
そしてタッパーの蓋を閉めて元の位置に入れる。
「れいむをたべてよおおおぉぉぉ!どおしてたべてくれないのおおおぉぉぉ!」
「たべてくれないとゆっくりできないよおおぉぉぉ!!!」
「おなかすいたよおおぉぉぉ!!!」
「れいむをたべてくれないとおこるよ!ぷくぅぅぅ」
そのまま冷蔵庫は閉められた。
「早くゆっくり食べちゃいなさいよ」
「えぇ冷蔵庫に入れたゆっくりっておいしくないんだよ」
「あれ全部食べきるまでもう買ってこないからね」
「いいですよーだ、遊びに行ってきまーす!」
「夕飯までには帰ってくるのよ」
2週間後、冷蔵庫の中から干からびた4匹のゆっくりが入ったタッパーが
出てきてまとめてゴミ箱へ放り込まれた。
終
あとがき
もちろん大人買いすると白い目で見られます。
元ネタは皆さんご存知のビッ○リマンチョコ。
じゃあゆっくりだった場合どうなるかなと思ってSSにしてみました。
このSSにあやかって今度から『オマケ』と名乗らせていただきます。
今後ともよろしくお願いします。
さあみんなもレッツ虐待!
今まで書いたSS
最終更新:2009年02月03日 22:00