- 虐待時間が短くてゆるく感じられるかもしれません。
- 初SS投下。
ここは公立湯栗中学校。
今日もいつも通りの一日が始まります。生徒たちは
ゆっくりとした生活を送れるのでしょうか。
――早朝…部活の朝練
「オーーー、ファイッ!」
「「「オー!」」」
「ファイッ!」
「「「オー!」」」
「1,2,3,4!」
「「「5,6,7,8!」」」
現在は午前7時30分。朝から運動部の生徒達がランニングをしています。
野球部、陸上部、テニス部、バレー部、卓球部…。ざっと50人はいるでしょうか。
各部活ごとに運動場で練習中です。
そこへ
「あさからうるさいよっ!れいむたちはまだおねむなんだからしずかにしてよねっ!!!」
「まだねむねむなんだぜ!ばかなにんげんさんたちは“きんじょめいわく”ということばをしるんだぜ!!!」
この湯栗中学校の近くに巣を作っていたゆっくり達が騒音にいちゃもんをつけてきました。
ゆっくりにしてみればまだまだおねむの時間文句の一つも言いたくなるでしょう。
しかし50人が走り、しかも声を出しているのです。
ゆっくり2匹の不満の声は簡単にかき消されてしまいました。
「オーーー、ファイッ!」
「「「オー!」」」
「ゆううう!!!れいむたちをむししないでねっ!!!」
「ファイッ!」
「「「オー!」」」
「きこえないの?ばかなの?とっととしずかにするんだぜ!」
「ファイッ!」
「「「オー!」」」
「し・ず・か・に・し・て・ねえええええええぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!!!」
「ファイッ!」
「「「オー!」」」
「おでがいだがらじずがにじでぐだざいいいいぃぃぃぃぃぃ」
「1,2,3,4!」
「「「5,6,7,8!」」」
「おぢびぢゃんだぢがねでづんでずうううううううぅぅぅぅぅぅぅ」
……………
「ふう…、今日の朝練も疲れましたッスね先輩。」
「あ…タオル忘れた…。どうしよう……。」
どうやら先輩はタオルを忘れてしまったようです。今は冬、汗で風邪をひいてしまいますし何より衛生的にもよろしくありません。
ところですっかり忘れ去られているれいむはまだ不満です。とことん食い下がってきます。
「ぷくううううう!!おにいさんたちのせいでおちびちゃんたちがおきちゃったよ!どげざしてあやまってとっととしんでね!!!」
「ん。おお、なんだれいむがいるじゃん。ちょうど良い。」
そういうと先輩はれいむのリボンを奪い去り、汗をぬぐい始めました。
「やべでええええええ!!!!!でいぶのおりぼんがあああああ!!!!!!よござないでええええええええ!!!!!!!!!!!!!」
「うわ…すげえ。」
先輩は朝から張り切りすぎたようで、タオルの代わりにされたおりぼん(笑)はびしょびしょです。
しぼってもしぼっても水気が抜けません。結局おりぼん(失笑)はしぼりつくされ、しわくちゃにされてしまいました。
「でいぶの…きゅーとなおりぼんがあぁぁぁ…」
「さぁーて今日も一日がんばりますか!」
「はいッス先輩!」
その後れいむは醜いおりぼん(爆笑)を巣に持って帰ったところハブにされ、
まりさには逃げられ子供たちには嘲られ苦しみのあまり発狂して絶命したそうです。
――朝…朝の会
「ククク…。先生どんな顔するだろうな。」
そんな鬼井君が設置したのはおなじみ“黒板消しトラップ”ならぬ“ゆっくりトラップ”。
その名の通り、黒板消しトラップの黒板消しを赤れいむにしただけのトラップです。当の赤れいむは
「おちょらをちょんでるみちゃい!」
と呑気です。あぁ、この赤れいむはどうなってしまうのでしょうか!?
ガラガラガラ…
「おはようございます。」
入ってきた先生の頭に赤れいむが直撃
しませんでした。
赤れいむが仕掛けられていたのは2つある扉のうち、教室の前がわ。
先生は後ろから入ってきたのですから赤れいむが落ちるはずがありません。
「えー…。それでは朝の会を…」
………………
「これで朝の会を終わります。礼!」
「1時間目って何やったっけー?」
「音楽やろ。移動教室やではよせな。」
ぞろぞろと生徒たちは教室の“後ろ”から出て行きました。
「おりょしてえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」
――1時間目…音楽
音楽室では既に尾根さんがピアノを弾いています。
音楽の先生が授業に来るのが少し遅いので、音楽の時間の最初はクラス内ピアノ発表会となります。
『ちゃちゃちゃーんちゃちゃちゃーんちゃちゃちゃちゃちゃ!
だっ!
ちゃったからったっちゃったったったーん
たーらったーらったかたかたかたん』
「ゆゆううぅぅん!すごくゆっくりできるおうただよ!!」
「おねーしゃんしゅごい!!」
尾根さんはクラスの中でもすご腕のピアニストです。生徒もゆっくりもすっかり聞き惚れています。
「お。尾根、ゆシコスポストか。次俺!俺に弾かせて!」「えっ、あ!ちょっと鬼井君っ!?」
『ら゛ぁぁああぁああぁぁ!!!
る゛っだぁぁあぁぁぁああぁあぁ!!!
ら゛っだぁぁぁああぁ!!!
る゛っだぁぁあぁーらーぁぁあ゛ーーぅ!!!』
『れっでっでっでれぇれれっでっでっ!!
れっでっでっでれぇれれっでぇぃ!!
れっでっでっでれぇれれっでっでっ!
れっでっでっでれぇれれっどぅぅぇえ!!!!
れっでっでっでれぇれれっでっでっ!!
れっでっでっでれぇれれっでぇぅ!!
れっでっでっでれぇれれっでっでぇ!!!
れっでっでっでれぇれれっ!!!』
鬼井君が演奏し始めたのは優雅なメロディーとは程遠い曲でした。
それでもクラスメイト達はノリノリで歌い踊り狂っています。鬼井君も本気を出して演奏。もはや手が見えません。
しかしゆっくりできない曲や鬼井君の手の動きにに、見物していたゆっくり達が耐えられるはずがありません。
「ゆぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!????」
「ゆっきゅりできにゃいよおおおおおおおぉぉぉぉ…レロレロレロレロ」
ショックでゆっくり一家は餡子を吐き出し絶命しました。
その後鬼井君はピアノの腕を買われて合唱コンクールの伴奏に抜擢されたところ、
本番で“ヒャア!我慢できねえ!”とこの曲を演奏してしまいメチャクチャになってしまったそうです。
――2時間目…理科
「今日は水の沸点の実験をしまーす。」
先生の一声で生徒たちは試験管に入れた水をガスバーナーで熱し始めます。
そんなところにもゆっくり達、今回はまりさの親子が現われました。どうやら片親のようです。
「ゆゆぅぅーん!ここはあったかくてすごくゆっくりできるんだぜ!!」
「きょきょをまりしゃたちのゆっきゅりぷれいしゅにしようね!!!」
冬にガスバーナーを使った実験をしているのですから、今の理科室はよほど快適に違いありません。
「おいじじい!いまきゃりゃきょきょはまりしゃたちのゆっくりぷれいしゅになりゅんだから、とっととでていっちぇにぇ!!!」
机の上で赤まりさが騒ぎます。その時!
『ごぼぼぼぼぼぼぼ!!!!!』
試験管からお湯がいきなり吹き出し、机の上にいた赤まりさに勢いよく襲いかかりました!
「あぢゅいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「おちびちゃあああああん!!??」
親まりさはぴょこん、と机に飛び乗り赤まりさに駆け寄ります。
「おちびちゃん!だいじょうぶなんだぜ!?」
「いぢゃいよおおおぉぉぉ……だずげでぇぇぇぇぇぇ………!!」
「すぐによくなるんだぜ!ぺーろぺーろ…」
親まりさが必死の手当をしますが、全身に火傷を負い、皮もどろどろになっている赤まりさはもう助かりません。
「もっぢょ…ゆっぎゅぢしぢゃがっだ……」
「おちびちゃああああああん!!!?ゆぐぅ!このくそじじい!!ゆっくり殺し!!!じねええええええ!!!!!」
親まりさは子供を殺したじじいに飛びかかりました。しかしここは実験中の机の上。そんなに暴れたら…。
「あ…いけね。」
ジュウウウゥゥゥ!!!!!
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいあsdふぃお;jvもs、thb!!!!!!!!!!!!?????」
暴れたまりさを抑えようとした鬼井君は誤ってガスバーナーを倒してしまいました。
その結果まりさの髪に引火。まりさは焦げ饅頭と化しました。
その後鬼井君とその班のメンバーは試験管に沸騰石を入れてなかった事と、ガスバーナーを倒して机を焦がした罰として
焦げ饅頭の後片付けを命ぜられました。
――3時間目…数学
「えーと、ここが55度ですから円周角の定理によって…。」
先生が説明することをみんな一生懸命ノートにとっています。真剣ですね。しかしここにもゆっくり達が現れます。
「ここはなかなかひろくてとかいはなゆっくりぷれいすね!!」
今回はありすが教室をゆっくりぷれいすにしようと目論んでいます。
でも生徒たちはそんなこと気にもとめません。先生も授業を進めます。
「はい、じゃあ次の問題。」
先生が問題を出すため、黒板に巨大コンパスで円を描きます。
『キキキキキキキキイイイイイイイイイイイイイイッッッ!』
「ゆひいいいいいいいいぃぃぃぃl????????」
「おわあああああああああああああおおおおおううう?????」
ゆっくりも生徒もチョーク特有のキーキー音に驚いてしまいました。
教室全体が混乱の渦に巻き込まれます。
「こんないなかものなところにはいられないわ!あたらしいゆっくりぷれいすをさがしましょ!」
こんなゆっくりできない音が鳴る場所ではとてもゆっくりできません。ありすは新しいゆっくりぷれいすを探すために教室を出ました。
窓から。
――4時間目…給食
「「「いただきまーす!!!」」」
給食の時間です。何せ今日の給食はカレー。ガツガツと食べる音が所々で鳴っています。
そんなカレーの匂いに誘われてやってきたのはもちろん…
「ゆっ!おいしそうなにおいがするよ!!」
今日何回目の登場になるのか、れいむです。
れいむは近くに腰かけていた尾根さんの机に飛び乗り、
「おねーさん!このごはんはぜんぶれいむのものだよ!!」
と、お決まりの自分のもの宣言を発しました。周りは騒然とし、本人も状況が飲み込めません。
「え!?ちょっとまっ…」「いただきます!!!!!!」
そのままれいむはサラダも福神づけも平らげました。
そしてついに尾根さんからカレーを奪い取り、れいむはお皿ごと食べてしまいます。しかし読者の方もおわかりの通り…
「がら゛い゛よ゛お゛お゛おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
言うまでもありませんね。
カレーの辛さにのたうち回っているれいむ。
でも尾根さんはたまったもんじゃありません。既に怒りボルテージがMAXです。
「おめー私のカレーに何するんじゃあぁぁぁぁ!!!!!
私がどんだけ今日を楽しみにしとったかわかっとるんかああ!!!!!!」
「死ね!」
「ゆぎゅ!」
「死ね!!」
「ふぎゅ!」
「死んで償えええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
「ゆぼべっ!!!??」
怒り狂った尾根さんの蹴りでれいむは粉々になってしまいました。
………………
「うっ…。私の…ひっく、カ、レーが……。」
れいむを潰したところでカレーが帰ってくるわけではありません。
「やるよ。」
「…え?」
「やるって言ってんだよ。」
立っていたのは鬼井君。
「…ありがとね。」
今日もゆっくりできたようです。饅頭どもの命と引き換えに。
あとがき
いつもwikiで楽しませていただいてますが、ついに書こうと決心しました。
そんなわけで学校をテーマに。
律儀に学校のノートとか教科書とかいつまでも持ってるタイプなので資料としてノートをほじくりだしてきました。
でも全部見るのは骨が折れたので断片的に授業内容が抜き取ってあります。
実際水の沸点は1年生でやって円周角の定理は2年生でやった気がしますよ。ですがまあフィクションということで…。
まだまだ精進していきたいです。
by.ロデイ
最終更新:2009年02月25日 21:42