- やったら身体能力の高いゆっくりが登場します。
- ドスが登場します。
- 鬼井山、愛で兄等が登場しますが、直接手を下すことはありません。
「きよくただしいきめぇ丸でぇーす。広報ー、広報でーす。」
きめぇ丸が何やらチラシをばらまいています。一体どんなチラシなのでしょうか。
パラリ。
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村内対抗マラソン大会!
鬼井村から隣村までの10kmを走ります。
どなたでも出場OKです!
優勝された方には旬のお野菜山盛りセットをプレゼント!
あなたも綺麗な景色を眺めながら
爽やかな汗を流しませんか?
奮ってご参加下さい!
主催:素晴らしき村長
協賛:ぶんぶんまるしんぶん
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―――各々の家・鬼井山、愛で兄、虐姉
「広報です。」
「ん…?ああ、御苦労さま。何々…、“村内対抗マラソン大会”?
…ッヒャア!山を一日中歩いて培った体力を愛で兄どもに見せつける良い機会だぜ!」
「はあ…。“村内対抗マラソン大会”か…。運動不足解消にはいいかもしれないね。」
「最近太ももがたるんできたし…。」
3人は参加を決意しました。
―――所変わってゆっくりの巣
パラリ。
「ゆっ!なにかおちてきたよ!どすにほうこくするよ!!」
ここは一匹のドスが治める群れの巣。虐待鬼井山の脅威から逃れつつ、畑も荒らさない群れだったため
人間と争うことも無く、ゆっくりとした生活を送っていました。
文字が読めないドスまりさは参謀のぱちゅりーにチラシの解読をさせます。
「むきゅ!これには“まらそんたいかい”でいちばんになればおやさいがいっぱいもらえる、とかいてあるわ!!」
「“まらそん”?」
「ようするに、かけっこがながくなったようなものよ!」
お野菜がいっぱいもらえる。しかもかけっこに勝つだけで。
そう考えた群れ中のゆっくり達が勢いづきます。
「おやさいいっぱいたべたいよ!」
「まりさはかけっこがとくいなんだぜ!ほかのやつらなんていちころなんだぜ!!」
「みんなではしればかったもどうぜんね!ゲラゲラゲラ!」
「これでゆっくりできるんだね、わかるよーー!!」
「どすたちは“まらそんたいかい”にでるよ!」
「えいえいゆーーーー!!!!!!」
当日。
『それでは村内対抗マラソン大会を開会いたします!各選手はスタート位置についてください!』
ついにマラソン大会本番です。参加人数は3人+6匹。どうなってるんでしょうねこの村。
「おぉ、愛で兄。お前も出場するのか。」
「はい。手加減はしないからね。」
「ゆっくり走りましょう。ゆっくり。」
人間さんたちがレース前の会話をしています。
一方ゆっくり達はというと…。
「みんな!なにがなんでもゆうしょうしてね!ひとりでもいちいになれば、みんながゆっくりできるからね!!」
「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」
「おやさいか…。ゆへへ、わらいがとまらないよ!!」
「まりさがんばるんだぜ!!ありすはおうえんよろしくなんだぜ!」
「ありすのあたまのおちびちゃんもおうえんしてるわ。がんばってね、だーりん!!」
「むきゅ、みんなできょうりょくすればこわくないわ!」
お野菜を手に入れるため、円陣を組んで気合いを入れていました。
出場するのはどすまりさ、まりさ、れいむ、ちぇん、ぱちゅりー、そしてみょんです。
これだけ出場するのだから圧倒的有利に違いない、下手な鉄砲数うちゃ当たる。ドスの案でした。
さらに抜きんでて体力のあるまりさがいる…。完璧だ、と出場ゆっくり全員が確信していました。
さあ、いよいよスタートです。
『位置について…』
パーン!ドドドドドドドドド………「わかるよおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ,,,,,,,,,,,,,,,..............」
「うおっ速っ!」
スタートで先頭に立ったのはちぇん。
まさにゆっくりらしからぬスピードで疾走していきました。速さのあまり砂煙が立っています。
おそらくゆリンピックの100m走選手も顔負けでしょう。
「まってちぇん!ぺーすはいぶんをかんがえるのよ!!」
しかしちぇんはもうぱちゅりーの声が聞こえないほどかなたに走っていってしまいました。そして
べちっ…。べちっ…。
「ゆ゛っ…、ゆ゛っ…、わがらだいよ゛ぉぉぉぉぉぉ………。ゲホゲホッ!!!」
10kmもあるのに序盤の序盤から全力疾走してしまっては完走できる訳がありません。
ちぇんのペースはどんどんと落ち込み、
べちっ…べちっ…バチン!!
「ぼうだべ…。ぎぶあっぶだよ゛ぉぉぉ…。」
ついにちぇんは顔面から地面に倒れこみ、餡子を吐き出してしまいました。
ちぇん…脱落
残り8人
3km地点…
レースはまだまだ始まったばかりです。
先頭に鬼井山、まりさ。その次に愛で兄。真中にみょん、れいむ、どすまりさ。最後に虐姉とぱちゅりーが続きます。
さて、コースは平坦な砂利道。石が所々に転がっています、
人間にしてみればそう大した障害ではありませんが、ゆっくりにとっては脅威となります。
「ゆっと!ゆへへ、こんないしっころまりささまにはきかないんだぜ!」
まりさは身軽に石をかわし、鬼井山についていきます。
「ゆゆゆ、いしさんがたくさんあるよ!よけていこうね!!そろーりそろーり…。」
「いたいのはいやだからね!そろーりそろーり…。」
れいむとどすまりさはゆっくりゆっくりと石をよけた後、一生懸命跳ねていきました。
しかしここでアクシデントが発生!
ギュッ!
「ま゛ら゛べに゛ずっっ!!!??」
みょんが石ころをふんづけてしまったようです。
痛みのあまり、みょんは立ち止まってしまいました。それを見ていた審判がみょんに駆け寄ります。
「大丈夫ですか?まだ走れますか?」
「ぺに…ぺにっぺに!まらちーんぽ!ちん、、ちん、ちーんぽ!!!」
「…???」
みょん以外のゆっくりだったら意思疎通ができてまだ良かったかもしれません。
ですが残念ながらみょんはヒワイな単語しかしゃべれません。審判はみょんの言っていることが理解できませんでしたが、
怪我をしているようだったので一応みょんを救護室に連れていきました。
みょんは審判に無礼な発言をしてしまい、スポーツマンシップにのっとっていないという事で失格です。
すべてのスポーツの基本ですね。即刻退場を命令されてしまいました。
群れに帰ったあとは石をふんづけた事も合わせて
「このむだなしっかくをしたくずゆっくり!」
とハブられるに違いありません。
それに足に穴空いちゃったからもう歩けないでしょう。かわいそうに。
みょん…脱落
残り7人
5km地点…
そろそろ大きな差が付いてくるころでしょうか。ですが未だ順位に変化はありません。
先頭に鬼井山、次にまりさ、愛で兄、れいむ、どすまりさ、虐姉にぱちゅりーです。
中間地点、給水ポイントに入ります。
パシッ!「ソレ!ゴクゴク…。」
ピョン!「ゆっ!ゴクゴク…。」
パシッ!「気温は32度…。優勝するためには確実に給水しておかないと…。ゴクゴク。」
三人とも無事に給水を終えました。続いてはれいむとどすまりさ。
「ごーくごーく…。うめっ!これめっちゃうめっ!ごーくごーく!」
「どぼじてでいぶのぶんまでのんじゃうのおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
お水があまりにおいしかったのか、どすまりさはれいむの分の水も飲んでしまいました。
どすまりさは軽快なステップで跳ねていきました。れいむは見るに堪えないステップで跳ねていきました。
やがて見るに堪えないステップは余りに奇妙でこの世のものとは思えないステップに変わり、れいむはついに倒れこんでしまいました。
続いてやってきたのは虐姉。ぱちゅりーはだいぶ遅れています。
「この炎天下の中、レースに勝つには給水が欠かせないわ……もつれた!!??」
「あぎゃああああああ!!!!???」ガッシャアアアン!!!
ああっ虐姉さん転倒!給水ポイントに激突してしまいました!
「そ、そんな…。誰よりも給水ポイントに激突することなど無かったこの私が…。」
ぎゃ…虐姉さあああああん!!!
「さようなら…。お野菜山盛りの夢は他の誰かに託します。私の棺に入れてください…。」
ゆっくりの虐待漫画にはまりすぎて最近では普通のまんじゅうを見ただけで興奮してしまうという虐姉さあああああん!!!
…………
「むぎゅ…、やっとゲホ…きゅうすいぽいんとにきたわ…。」
ぱちゅりーはもともと病弱な個体です。ここまで来れたのはまさにぱちゅりーの根性と言えるでしょう。
ようやっと給水ポイントに来ましたが既にそこは瓦礫の山。これでは給水できません。
「どぼじできゅうすいぽいんとがこわれてるのおおおおおおおお!!!!!!?????」
その瞬間、ぱちゅりーの中で何かが弾けました。
「ゲホッ!!!エ゛ッ…エ゛ッ…ムギュエ゛エ゛エ゛エ゛!!!!!!」
さっきも言ったとおり、ぱちゅりーは体がきわめて貧弱です。自身もマラソンに出場しようなどということがそもそも無茶だったのです。
ぱちゅりーはそこでこと切れてしまいました。
れいむ、虐姉、ぱちゅりー…脱落
残り4人
7km地点…
レースもいよいよ佳境に入ってきました。現在は上り坂、そこをまりさが懸命に跳ねています。
「ゆっへっへ!おにいさん!このままついていってさいごにぬいてやるんだぜ!!」
「くっ…。まさかゆっくりごときがここまでやるとは…。」
「まだまだゆっくりには不思議が多いってことですよ!」
さすがにお兄さん二人組も焦り気味です。
まりさはぽいんぽいんと二人をあおります。その横にはスィーに乗ったまりさの伴侶、ありすが現れました。
「だああああありーーーん!!がんばってぇえ!ゆうしょうしたらゆっくりすっきりしましょおねえええぇぇぇ!!!」
「ゆぅぅ~ん!!ありすありがとうなんだぜぇ!!がんばるんだぜえぇぇ!!」
植物型にんっしんをしているありすはまりさの横にぴったりとつき、スィーで追いかけながら応援しています。が…。
ピピー!!!
審判の笛が鳴り響きました。
「ゆっ!しんぱんさん、なんなんだぜ!?まりさはいまはしってるんだからじゃまするんじゃないんだぜ!!」
「まりささん、ありすさん。伴走により失格です。」
「ばんそう!?なんなんだぜそれは!?」
解説お姉さんの解説コォナ~☆
「マラソンや駅伝での伴走、つまり応援者が選手の横で一緒に走るのは普通禁止されているの。
他の選手の邪魔になるからね。
だからマラソンの応援をする時には十分に気をつけてね。
これをやると失格になっちゃうわよ…。」
おわり
ルールブックを読み上げられたまりさは思わずありすに駆け寄りました。
「どぼじでよごにづいでぎぢゃっだのお゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!!!」
「ぞんなのじらだいわよ゛お゛お゛お゛おおおおぉぉぉぉ!!!!
ばりざだっでよ゛ろごんでだでっじょぉぉぉぉぉ!!!!????」
「ばかなありずはじねええええええ!!!!!」
さっきまで仲良しだったのに喧嘩を始めてしまいました。
個体的にはまりさの方が上のはずですが、既に7km走ったあと。体力を相当消耗しているのでまりさは確実に負けます。
まあありすも頭の上の赤ゆっくりがどんどん落っこちてることに気付かないのでどっこいどっこいですが。
ご冥福をお祈りいたしまーす。
まりさ…脱落
残り3人
ラストの下り坂!…
お兄さん二人組が熾烈な争いを繰り広げています!
はたしてどちらが優勝するのでしょ…う………か?
「まりさがゆっくりするんだよおおおおおおおお!!!!!!!」
「むぎゅ!」
「ふぎゅ!」
どすまりさはその丸い体を生かして一気に坂を転がり下りて行きました。
お兄さん二人組は不意の事態に対応できず、どすまりさに轢かれてしまいました。
フィクション補正によってダメージは軽減されたものの、もうどすまりさには追いつけません。
ペラペラになった体は風にゆられてどこかに飛んで行ってしまいました。
鬼井山、愛で兄…脱落
残り1人
…………………
『ゴーーーーール!!!!!優勝はどすまりさーーーー!!!!!』
「ゆうううううう!!!!!やったよおおおおおお!!!!!!!」
まさかの事態に隣村では歓声が挙がります!
まさか、まさかゆっくりがマラソンで人間に勝つとは!!四方八方から拍手が飛んできました。
『では選手の皆さんはゼッケンを返却して退場してくださーい。ん?』
『ゼッケンつけてねえじゃん。』
え?え?うそだ、うそでしょ?
やっとのおもいでゆうしょうしたのに?おやさいがてにはいるはずなのに?
じゅっきろなんてながいきょりをはしってきたのに?
いままでのくろうは
みずのあわ?
『うん。』
- ゼッケンをつけていなかった
- 他人のぶんの水を飲んだ
- お兄さん二人を轢いた
どすまりさ…脱落
残り0人
大会終了後…
「ゆうう…。けっきょくおやさいがてにはいらなかったよ…
どぼじですにだれもいないのおおおおおおおおおおお!!!!!??????」
みんな大会でこと切れたり歩けなくなったりしてしまったので当然です。
「……ユヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ユッハハハハハハハハハアアアハハハハハハハハハhhhhhhh!!!!!!!!
ヒイイイイイイイイイイギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!??
イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
ゲボラッ!!!」
どすまりさは歓喜から絶望に叩き落とされた事に耐えられず、我を失ってついに餡子を吐き出して絶命してしまいました。
………………………
「きよくただしいきめぇ丸でございます。
今日行われたマラソン大会は波乱の展開となりました。
選手が全滅しました。」
『ゼッケンつけてねえじゃん。審判さーん!ゼッケン付けてあげてくださーい!』
4人の審判が大きなゼッケンを持ってきてどすまりさの下腹部にピンをとめはじめました。
「ゆいいいいいいっっっ!!!??
いだいいだいいだいいだいいだいいだいいいいいいいっっっっ!!!!!!!」
おまけおわり
あとがき
東京マラソンが近いということで、マラソンをテーマにしてみました。
ゆっくりがマラソンやったらペース配分失敗したりポカやらかすんだろうな…
ということを考えながら書きました。
とりあえず以前から考えてたアイデアを消化できたので満足です。
ちなみに自分の専門は110mハードルだったよ!
byロデイ
最終更新:2009年02月27日 17:38