ゆっくりいじめ系2547 ゆーぶつえん

※俺設定注意
 厨ゆっくり注意
 ほぼ虐めてません










ゆっくり。
いつ間にか現れ、社会に浸透していった不思議な饅頭。
彼らは愛でられ食われ虐待され加工され・・・と、さまざまに人間の役に立ってきた。
普段は虐待される側ばかり目立つ彼らだが、ちゃんと愛でられるゆっくりも存在するのだ。
今日はそんな愛でられるゆっくりを紹介したいと思う。それも、ただのゆっくりではなく特殊な奴を。
ここは『ゆーぶつえん』。その名が示す通りゆっくり版の動物園である。










ゆーぶつえん










某都内の某動物園の近くで、ゆーぶつえんは開園している。
今日もゆーぶつえんは家族連れ、あるいはゆっくり連れの人々でごった返していた。
この人々の約半分程はニュースで紹介されたゆっくりを見に来たのだろう。

てるよふが立った。
マスコミが取り上げ、各家庭のTVで流されたその光景は、今やちょっとしたてるよふブームを巻き起こすに至っている。

件のてるよふは屋内に誂えられたガラス張りの部屋の中にいた。
観客がカメラを向ける中、ふかふかの座布団の上に寝転がり、起きる気配を見せない。
カメラのシャッター音が鳴り響く。例えフラッシュを焚かれようとも、図太いてるよふは平気なのだ。

11時。飼育員がてるよふの部屋に入ってくる。テレビと、複数のゲーム機を持って。
途端に反応するてるよふ。むくりと起き上がり、飼育員がゲームの用意をするのを今か今かと待っている。
ちなみにこの時点でシャッターを切るものは多い。半身を起こしている光景だけでも非常に貴重だからだ。

飼育員が古そうなゲーム機の電源を入れる。テレビ画面に映し出されたのは<トランスフォーマー・コンボイの謎>。
同時にてるよふは重過ぎる腰を上げる。伸ばしていた足を地面につけ、ゆっくりと、立ち上がる。

観客からの歓声が上がる。
きゃーっだの、かわいーっだの、特に可愛いともいえないてるよふに黄色い声を出す人々。

初めて立ったクララばりのスピードでよちよちと歩き、ゲーム機の前に腰を下ろすてるよふ。
この時点でシャッター音は物凄いことになっている。

最初は偶然だった。
たまたまガラスの向こう側を通りがかった少年が持っていた携帯ゲーム機にてるよふが異常な反応を見せたのを飼育員は知ったのだ。
それから試しにゲーム機を与えてみた。その結果がこれだ。まさか立つとは彼も思っても見なかっただろう。

そうしている間にも、てるよふはあっという間に一面をクリアしていた。
どれだけやりこんだのかは知らないが、マグナスは全く死なずにステージを駆け抜けていく。
なんという廃人。

ちなみにてるよふのゲームの腕前は凄まじい。
ひとつのジャンルに拘ることなく、古今東西あらゆるゲームを極めようとしている。
少年のときにゲマを倒し、256周目まで到達し、ジェノサイド砲を持っており、天帝をクリアし、金閣寺の一枚天井だって取っている。

飼育員はそんなてるよふを見ながら部屋を後にする。
12時になったらまた来て、ゲーム機を回収しよう。そう心に誓って。
ゲームは一日一時間。某名人の教えを、彼は忠実に守っていた。

そんな彼の思惑など露知らず、あっさりとゾイドっぽい何かを倒すマグナス。
てるよは流石にこれの2周目には興味ない。電源を切り、別のコントローラーに手を伸ばす。
最近お気に入りの中世っぽいところで悪魔を狩ったり狩られたりするゲームだ。

裸で古城を駆け抜けていくてるよふの分身。
別の意味で白熱してきた歓声を受けて、てるよふはご機嫌に悪魔を狩っていった。





勿論てるよふの他にも人気のあるゆっくりはいる。

檻の中には一匹の獣がうずくまっている。
いや、違う。獣ではない。この黒い羽、肉食獣の四肢、鹿と像の角、そして蛇の尾・・・きめら丸だ。
このゆーぶつえんは、「神獣」「宇宙怪獣」とも名高いきめら丸を所有していた。

「おお・・・退屈退屈」

言葉どおりに、退屈そうに独りごちるきめら丸。
どうやらてるよふに客を取られたことが少々不満なようだ。
見れば、檻の外には観客がちらほらといるだけ。いつもならば満員御礼でもおかしくないのにこの閑古鳥の鳴きっぷりは異常といえた。

今、てるよふブームが起きているのは知っている。だが、いくらなんでもここまで寂れるとは思わなかった。
人間とは気ままな生き物だ。もしかしたら、自分はこのまま誰からも必要とされなくなるのではないか?
少しばかり暗い想像をしすぎて、憂鬱になるきめら丸。

「あ、きめら丸だ!かっこいー!」
「きめら丸ー!こっち向いてー!」

そんなきめら丸を叱咤するように、檻の前で少年と少女が声をかけた。
おお、不覚不覚。そうだった。まだ自分には、見てくれている人がいるではないか。
ゆっくりと立ち上がり、彼らに近寄っていく。

「おおー!こっち来たー!」
「きゃー!すごーい!」

こんなに近くできめら丸を見るのは初めてだったのだろう。大興奮する二人。
そんな彼らを慈しむように、檻越しにじっと二人を見つめるきめら丸。

「仲睦まじく」

笑顔(とてもそうは見えないが)で二人に話しかけるきめら丸。
子供には少々わかりにくい言い方だったが、言いたいことは全て二人に伝わっていた。

「うん!おれたちすっごい仲良しだよ!」
「今日はお兄ちゃんといっしょにきめら丸をみにきたの!」

こちらも嬉しそうに、笑顔でお互いの顔を見交わす二人。どうやら兄妹だったようだ。
今日は私を見に来てくれた。その言葉に、少し胸が温かくなるきめら丸。

「おお・・・感謝感謝。私もその期待に応えなくてはいけませんね」

そう応えるや否や、きめら丸は天に向かって吼えた。
まるで獣そのもの。否、それ以上に荒々しく雄々しい咆哮。

半径十里にまで届くその声は、ゆっくりや動物の差などなく全ての者を萎縮させる。
だが今きめら丸はこの2人のために吼えている。畏怖させるためでなく、誇示するでもなく、まるで感謝するように。
それ故だろうか。二人の中に驚嘆はあっても、恐怖はかけらも見られない。

「すっげー!!」
「すごーい!!」

きらきらと目を輝かせる二人。
きっとこの思い出は二人の中に残り続けるだろう。

見れば、きめら丸の声に惹かれるように人々が集まってきていた。
なんてことはない。ただ単に彼らは昼食を終えて戻ってきただけ。きめら丸の心配は杞憂だったのだ。
おそらくはこの子供達の親であろう、優しそうな夫婦が近づいてくるのも見える。

結局のところ、きめら丸の人気は不動のものなのだ。
きめら丸がいる限りこのゆーぶつえんは安泰といえる。
この生活が気に入っている彼女はそんなこと知りもせずに、人々に囲まれながら咆哮を繰り返していた。





時計は既に1時を回ろうとしている。
食事の話でもしよう。

遊園地とか動物園の食事は高いと相場が決まっていて、このゆーぶつえんもそのご多分にもれず食事は割高だ。
例えば休憩所にある飲食店で売られているカレーは八百円もしたりする。
さらに園内のレストランは一品二千円以上とかもザラ。
ぶっちゃけボッタクリ価格だが、何故かそれを文句ひとつも言わずに食べるお客もいるから不思議なものだ。

しかし、このゆーぶつえんは普通の食事でぼったくっていても、デザートや甘味については信頼が置ける。
ゆっくりという饅頭を扱う以上、そこだけは力を入れているらしい。
動物園で言えば焼肉に力を入れるようなものなのだろうが良いのだろうか?

とにかく、ここの甘味処や喫茶店は非常に人気が高い。
美味しい上に安いともっぱらの評判である。
それだけではなく、新メニューの開発にも余念がない。

例えば、甘味処『山女』。
ここでは店の名に相応しい新メニューを考案していた。

「すいません、このやまめ飴っての一つ」
「はーい」

ちょうどその新メニューを頼んだ客がいたようである。
女性店員が厨房に引っ込み、なにかを運んでくる。

「はい、お待たせしました。こちらになります」

彼女が運んできたのは、一本の割り箸と・・・

「じごくからのししゃ、やーまっ!」

ゆっくりやまめであった。

「くらえ!すぱいだーすとりんぐす!」

言うや否や、口から細く白い糸を吐くやまめ。
糸は割り箸に絡まり、徐々に大きくなっていく。

やまめが作っていたものは綿飴だった。
中身が粗目糖であるやまめは、口から糸状の綿飴を吐くことが可能なのだ。
しかもただの綿飴ではない。伸縮性に富み、まるでガムのような食感を持っている。

「くもりなきひとみをしんじるゆっくり、やーまっ!」

さぁ食えと言わんばかりに、綿飴を客に向かって突き出すやまめ。
自分も甘味処の店員のつもりなのか、その瞳は自信に満ち溢れていた。

ちなみに、この新メニュー『やまめ飴』の評判はそれほどよろしくない。
やれ綿飴なのに良く伸びるだの、普通の綿飴より口元にくっつくだのいろいろ言われている。
やまめはそんなことは知らずに、期待を込めた目で客を見続けていた。

補足だが、ゆっくりやまめ自体もこのゆーぶつえん内で飼育されている。
彼女達は捕食種館にいるので、気に入ったら会いに行ってやると良い。





『山女』を出てすぐ近くに柵で囲われた広場がある。
ここは『ゆっくりふれあい広場』。その名の通り、人々がゆっくりと触れ合えるスペース、だった筈なのだが・・・・・・

「ヒャッハー!我慢できねぇ虐待だぁ!」
「ゆぶぇっ!!」

我慢の限界を超えたといわんばかりの奇声と、まるで腹でも殴られたかのような悲鳴が響きわたる。
名は体を表すなどどこ吹く風、触れ合いどころか一方的な蹂躙だ。

ここにいるのは数人の虐待お兄さんと、その哀れな犠牲者だけ。
触れ合いの名を冠した虐殺が連日行なわれている始末である。

そもそもここにいるゆっくり達は何の変哲もない基本種達。
特に珍しくもない、街にいればいくらでも見かける彼らに客の目が向く道理はない。

だがそんな場所に目をつける者達がいた。
それが虐待お兄さん達。彼らはほぼ毎日、ゆっくりふれあい広場で遊ぶためだけに入園を繰り返していた。
無駄に財力のある奴らである。

「オラァ!喰らえぃ!」
「ぼぎゅっ!!」
「勢ィ!破ァ!」
「ゆぎぃっ!!げぼぁっ!!」
「なんと腰抜けの奥義!!」
「ゆぎゃあああああああああああああ!!!!」

今日も今日とて、お兄さん達は一山いくらの饅頭たちを屠ってゆく。
狩る方は元気一杯、狩られる方も元気(?)一杯だ。

ちなみに、彼らの死が無駄になることはない。
閉園時間後に彼らは死骸もまとめて回収・加工され、ゆーぶつえん内のゆっくり達の食事となる。
彼らの後釜を勤めるのは飼料として送られてきたゆっくり達だ。

一匹につき原価20円という異常事態が引き起こしたこのシステム。
全くの偶然か、それともスタッフの思惑通りだったのか。
ゆーぶつえんは虐待お兄さんという通常とは少々異なるニーズも捕らえて離さない。

明日には今日と同量のゆっくり達が仕入れられ、また同じく命を落としてゆく。
そしてその身体は他のゆっくり達の糧となってゆくのだ。
少なくともそこらの野良よりか遥かに有意義なゆん生と言えるだろう。





さて、一通り紹介が終わったところでこのゆーぶつえんの一番人気をご覧に入れたいと思う。
勿論、てるよやきめら丸も十二分に人気なのは知っての通りだ。
だが、彼女達は例えて言うならレッサーパンダや虎である。ゆーぶつえんにおけるパンダは、これから紹介するゆっくりだ。

ここは希少種館。
一般人には発見することが難しいほど数の少ないゆっくり達が生活している。ちなみに、てるよふもきめら丸もここの住人だ。
ここの一室に、そのゆっくりはいる。

ガラスの前には大勢の観客達がごった返している。
まるでてるよふの光景をもう一度見ているかのような混雑っぷりと言えた。これだけでもどれ程の人気か解るだろう。
ガラス張りの部屋の中、そこに彼女達はいた。

黒い帽子。青い髪。赤い瞳。そして、長い比礼。
その名はゆっくりいく。

「およよ?」

部屋の中をふよふよと飛び回るゆっくりいく達に、観客は黄色い悲鳴を上げる。
そんな声に反応してか、ゆっくりいくの中の一匹がウインクをしてみせた。

途端に広がる歓声。彼女達の人気の一つにその性格がある。
ゆっくりいく種は他のゆっくりに比べ、非常によく空気を読むのだ。
傲慢な性格の多いゆっくりの中、こうした者は人々に好かれる傾向にある。

愛嬌を振りまくゆっくりいく達。
彼女達もこの生活をまんざらではないと感じている。

もうすぐ三時。彼女達にとってもおやつの時間となる。
飼育員が扉を開け、彼女達に菓子を配っていく。
むーしゃむーしゃと幸せそうにそれを頬張る彼女達。

「およ、なんだかふぃーばーしたくなりましたわ」

ぽつりと、ゆっくりいくの中の一匹が呟いた。
その言葉に色を無くすのは飼育員。
素早く菓子を配り終わり、あらん限りのスピードで彼女達の部屋から出て行った。

再び彼女達だけとなった部屋の中で、ぷるぷると震えるゆっくりいくが一匹。
その姿はまるで、何か力を溜めているかのようだ。

パチリ、と。何かがはじけるような音がした。
まるで枯葉を踏んだときのような音。いや、これは・・・・・・

再びパチリ。
やはり気のせいではない。この部屋の中で、何かが起こっている。
正確には、ゆっくりいくの周りで、だが。

「ん~~~~~・・・・・・」

彼女の声に応えるかのように、どんどん音は大きく、多くなってゆく。
最早枯葉を踏むなどという生易しい音ではない。バチバチと、聞いたこともないような音が聞こえてくる。

「んんん~~~~~・・・・・・!」

そう、この音の正体は静電気。
ちなみに今は春。どう間違っても、静電気などが起こる季節などではない。
ならば、この放電現象は一体何が起こしているのか。

「んんんんん~~~~~・・・・・・!!!」

今彼女達の部屋はこの音で埋め尽くされている。他の音は聞こえなくなった。
もう静電気などといったレベルを超えて電気は集まり続けている。
膨大な量の電気が、その臨界を迎えようとしたその時。

「ふぃーばー!!!」

その掛け声と共に、部屋の中から閃光が放たれた。



観客達は、息も忘れて目の前の出来事に見入っている。
部屋の中には一匹、青白い光を纏ったゆっくりいく。

部屋に備え付けられた電力計は、今この部屋に満ちる電気の総量が雷のそれとほぼ変わらないことを示している。
この異常ともいえる電力は、一匹のゆっくりいくによって齎されていた。

途端、大歓声が巻き起こる。
彼らは幸運だ。なにせこの珍しいゆっくりいくの発電をその目に焼き付けられたのだから。

ゆっくりいくの人気の秘訣、それは発電能力にあった。
全力であれば電気ウナギなどとは比べ物にならないほどの電力は、そのまま発電に利用されることもあるほどに強力だ。

彼女達は身を守るとき、こうやって放電をすることがある。
彼女達が「ふぃーばー」と呼ぶ放電行動は、どうやらストレス解消の効果もあるらしく、時々彼女達はこうやって
ストレス解消を行なっているのだ。

無論発生した電力をそのままにしておく筈はない。ゆーぶつえんは彼女達の電力で運営され、余った電力は売却されている。
基本的にゆっくりで賄えるものはすべて賄うのがゆーぶつえんのポリシーである。

安全対策も万全で、部屋を覆う強化ガラスはたとえ本物の雷が落ちても割れることはない。
絶縁効果も抜群で、客に万一のことなど心配ない。

ゆっくりとは元来デタラメな生き物である。
このゆっくりいくはその出鱈目さが発電という危険に方向に発達した結果なのだ。
この能力のためか、彼女達は普通サイズのゆっくりとして初めて特定動物に指定されている。
最も、彼女達の性格は穏やかなので虐められたりしなければ人を攻撃することはない。

ちなみにゆっくりいくの発電量が最も多くなるのは土曜日の夜ごろである。
彼女達が「さたでーないとふぃーばー」と呼称するこの習性は今だ解明されていない。

喜びに沸く観客達を尻目に、稲光を纏ったゆっくりいくは上機嫌でフィーバーしていた。
まだ彼女の宴は始まったばかりである。










「ゆぅ~・・・・・・」

深く掘られた堀の中、観客達に見下ろされる形で視線を受けるのはドスまりさ。
彼女は今日も、冷たい視線に晒され続ける。

「ゆっ、ゆっ!ゆぅっ!」

必死になってぐにぐにと身体をひねって"おどり"を披露するドスまりさ。
そんな彼女の努力も空しく、観客達はごく僅か。
これはてるよふブームのせいではない。

ドスまりさとは、人間達から嫌われる傾向にある。
ゆっくりの中では異常とも言える体躯の大きさ、そしてドススパーク。
彼女もまた、猛獣の指定を受けるゆっくりである。

何故ゆっくりいくとここまで扱いが違うのかは、ドスまりさが人間に接触するとき大抵は"協定"の名を騙った脅迫を迫るためである。
近年何度かニュースになったそれは、人々の心にドスまりさ=害獣のイメージを定着させるに至った。

「ゆ~ん、ドスのゆっくりできる"おどり"をみてね!」

堀の中の彼女は、2メートル弱とドスサイズとしてはかなり小型である。
生まれた頃から自身の群れも持たず、このゆーぶつえんで飼い殺しになっていたためであろうか。

ドススパーク用の茸も当然奪われ、ゆっくりオーラも出すことが出来ない彼女は最早ただの巨大饅頭である。
できることと言えば、こうやって不気味に身体を揺らし観客を喜ばせようとするだけ。

見れば、堀の前に立っていた男がドスまりさに向かって何か投げてよこした。
ドスまりさはそれを顔面で受け止め、もそもそと咀嚼する。

「むーしゃ・・・・・・むーしゃ・・・・・・」

今ドスまりさが食べている者の正体は、ゆーぶつえんオリジナルのドスせんべいである。
ゆっくりの皮を加工して作られた、ドス用の餌。ちなみに人間も食べられる。10枚100円。

堀の前には看板が立っている。
『このドスが芸をしたら食べ物を上げてください』。

何故ドスまりさだけがこんな奈良の鹿じみた扱いを受けているのかと言えば、それはズバリ彼女に人気がないためである。
ゆーぶつえんはあくまで見てもらうためのゆっくりを扱う場所。見向きもされない者など、こんな程度だ。
彼女の餌はドスせんべいのみ。既にゆーぶつえんは彼女への餌の供給を止めていた。

ドスまりさはその日の糧のために通りがかる人々に向けて不気味なダンスを披露する。
運がよければ何か貰えるし、そうでなければただ通り過ぎられるだけ。
あるいは罵倒、あるいは石ころのサービス。

だがそんな日々にも負けずにドスまりさは餌を得ようとする。
そうしなければ飢えて死ぬから。

偶に飼育員がやってきてドスまりさに火の輪くぐりをさせたりすることがある。
それに比べればこうやって"おどり"をしていたほうがいい。
熱くて痛い思いをするより、こうやってお客の気を引いた方が楽だから。

「ゆっ!ゆゆっ!!ゆぐぇっ!?」

そうして今日もドスまりさは気色の悪い蠕動を繰り返す。
先ほどの男が、今度は拳ほどの石礫を投げつけ、ドスまりさの額にぶつかっていた。










「・・・・・・いや、よくわかったよ。そのゆーぶつえんとやらがとても楽しいところだったって事は」
「いや、実はそんなに楽しくもなかった。殆どうちに住んでいる奴らと同じ種類だし」
「・・・・・・そうか、それはまぁいい。でもな、そんなことより・・・・・・」
「?」
「なんでお前がゆっくりいくを飼ってるんだよっ!!それも胴付き!!」

部屋の中に、友人の叫び声が響きわたる。
この大声さえなかったらいい奴なのだが。

「おいおい、いくさんを『飼う』ってのはやめてくれ。一緒に住んでるんだよ」
「いやそんなことより何でお前が希少種(しかも胴付き)ばっかり所有しているかってのを俺は言いたいんだよ!!」
「おい、だから所有とか飼育とかって言葉は・・・・・・」
「およよ?」

膝の上にいるいくさんが声を上げる。
どうやらちょっとびっくりしてしまったようだ。
だから声でかいって。

「あー、ごめんないくさん。すぐコイツ黙らせるから」
「そもそもゆっくりいくは特定動物だろ!!なんでお前が・・・・・・」
「俺免許持ってるもん」
「ぐっ」

そもそも虐待お兄さんでもなければいくさんを放電させるほど怒らせたりはしない。
正直言って特定動物指定は誤った判断だと思っている。
扱い方さえ心しておけばそれこそ普通のゆっくりよりも安全なのだ。

「なー、いくさん。いくさんはそう簡単に怒ったりしないもんなー?」
「そうです。いくはくうきのよめるおんななのです」
「・・・・・・くそ、いいなぁゆっくりいく。俺も欲しい」

いくさんの頭を優しくなでる。
気持ちよさそうに目を細めるいくさん。
カワイイなぁ。

「おにいさん!てんこも!てんこもおひざのうえのっけて!なでなでして!」
「およ、そうりょうむすめさま。どうです、そうりょうむすめさまもいっしょに」
「おいィ!?なんでいくはおにいさんのおひざのうえをどくせんしてるの!?はやくあやまっテ!!」
「おーい、ゆうかー。ゆうかも膝の上乗るー?」
「・・・・・・いいの?」
「勿論」
「じゃあ、おことばにあまえて・・・・・・」

あっという間にプチハーレムと化す俺の膝の上。
幸せ。ヘヴン状態とはこのことか。

「・・・・・・ち、畜生オオオオオオオオオオォォォォォォ!!!!」

涙を撒き散らしながら吼える友人。
そんなに羨ましいのか。替わってやらないが。

幸福に浸る俺達を余所に、いつまでも友人の慟哭は響いていた。









おわり









―――――
正直何を書いているのかわからなかった。書き溜めです。
ぶっちゃけるといくさんについて書きたかったんですよ。最後のハーレム状態とか。
でも一応虐めスレ用に考えたらそれは無いなと思い、急遽書きかけのネタと融合させました。
相当gdgdしてしまった駄文です。反省。
いくさんとてんことゆうかが好きすぎて生きるのが辛い。

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最終更新:2009年04月25日 01:12
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