ゆっくり加工場系5 プチゆっくり魔理沙の生涯

 -初めに-

 このSSを読む前に“ゆっくり加工場”を読むことをオススメします。(加工場を書いたのは私ではありません)
 このまま“プチゆっくり魔理沙の生涯”を読んでもかまいませんが、以前私がUPした“ゆっくり霊夢の生涯”
 を読むと、内容が理解しやすいと思うのでオススメします。 
 ゆっくりに対する過激な虐待表現が含まれておりますので苦手な方は読まないほうがいいかと思います。
 また、本編冒頭は前作と同時間軸の部分なので一部表現が同じ部分があります。ご了承下さい。

 -本編-

 そのゆっくりの意識は暗いまどろみの中で何かを待っているかのように眠っている。
「ゆっくりしていってね!」
 眠っていた意識が反応する。
「・・・ゆ、っゆっ、ゆっくりしていってね!」
 そう言いながらそのゆっくりは目を覚ました。周囲では同じようにゆっくり達が目覚める。
「ゆっくり!」
「ゆっくりしていってね!」
 周囲を見渡すと自分と同じゆっくりと自分とは違う形状の赤いリボンをしたゆっくりが複数いる。
 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。
 その時、離れたところにある扉が開き一人の男が入ってきた。
「ゆっ!おじさんだれ?」
「ここはどこなの?」
 ゆっくりが達が尋ねると男が説明をしてくれた。
 ここがゆっくり達の繁殖施設であること。自分はゆっくり魔理沙で赤いリボンのゆっくりがゆっくり霊夢という
 こと。自分はたった今生まれたばかりであること。そして最後におじさんはこう言った、
「ここで安心してゆっくりすればいいよ。」
 優しそうなおじさんの説明を聞いて自分を含め周囲のゆっくり達は素直に受け止め喜んでいた。
 そしておじさんはお菓子をくれ、ゆっくり達はおなかいっぱいに食べ、ゆっくりと夢の中へ旅立っていった。


 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する。するとおじさんがこう言った。
「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから
ね。」
 ゆっくり達は素直におじさんの言うとおりにすることにした。
 そしてそのゆっくり魔理沙はおじさんについて行き、生まれた部屋を後にした。


 部屋を出るとおじさんが、
「生まれた次の日に引越しなんてさせてしまってすまないね、お詫びと言ってはなんだがゆっくり専用のプレイル
ームで遊んでみないかい?プレイルームって言うのは遊び場のことだよ。」
 それを聞くとゆっくり達は、
「ゆっくり遊びたい!」
「おじさんやっさしい!」
「遊びたい!」
 ゆっくり達はおじさんの提案を歓迎し、まだ生まれたばかりの小さな体を使いめいいっぱい跳びはねて喜んでいる。
 そしておじさんはプレイルームのドアの前まで案内してくれた。その扉は先ほどの部屋のものとは違いゆっり達専
 用なのか小さかった。
「さぁ、ここだ。ゆっくり楽しむんだよ。」
 そう言っておじさんは扉を開けた。
 ゆっくり達の目の前には、広い部屋が広がっていた。
 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねて中へ入っていく。扉を閉める際男は、
「しばらくすると別の部屋につながる扉が開くから中でゆっくりしていればいいよ」
「おじさんありがとう!」
「ゆっくりするよ!」
 ゆっくり達は目をキラキラさせおじさんにお礼を言った。そして扉が閉められ鍵がかけられた。
 プレイルームでゆっくり達は跳びはねたり、集団を作ってゆっくりしている。
 しばらくすると上から液体のようなものが落ちてきた。そしてどこからかおじさんの声が聞こえる。
「やぁゆっくり達聞こえるかい?その部屋は適度な雨を降らせる部屋なんだ。その液体は安全なものだから安心す
ればいいよ。」 
 ゆっくり達は初めて見る雨に興味があるようで、陽気に飛び跳ねて楽しんでいる。
「きもちいい!」
「ゆっくり!」
 しばらくすると雨がやみ、入ってきたときと反対の方にある扉が開いた。
「さぁ、次のプレイルームに進むといいよ」
 おじさんの声を聞くとゆっくり達はわくわくしながら次の部屋に進んだ。
 ゆっくり達の体は入ってきた時よりきれいになっていた。だがそのことに気が付くゆっくりは一匹もいなかった。


 次の部屋にすべてのゆっくりが入ると扉が閉まり鍵がかかった。
 しばらくするとゆっくり達の体が宙に浮いた。
「ゆっくり!?」
「おっと、説明する前にスイッチを入れてすまないね。その部屋は床から風が吹き出して体が宙に浮くようになっ
ているんだよ。危険なことはないから安心してゆっくりすればいいよ」
 はじめはびっくりして戸惑っていたゆっくり達だったが、今まで跳びはねることしかできなかった体が宙に浮き、
 とても楽しそうにしている。
「ゆっくーり」
「ゆ~ゆ~ゆ~♪」
 しばらくすると風が止み、ゆっくり達はゆっくりと床に着地し、次の部屋への扉が開いた。
「もっとゆっくり浮かびたかった!」
「ゆっくりしたかった」
 何匹かのゆっくり達は不満を漏らしたが、おじさんになだめられ次の部屋へ進んでいった。
 先ほどの部屋でぬれたゆっくり達の体はすっかりかわいていた。


 次の部屋へ進むとそこは一面の白い世界であった。ゆっくり達は初めて見るものを不思議そうな顔をしてい眺め
 ている。そしてまたおじさんの声が聞こえてくる。
「その白いものは雪と呼ばれるものだよ、その上で遊ぶととても気持ちがいいよ」
 おじさんの言葉を聞くとゆっくり魔理沙が恐る恐るその白い世界へ入っていった。そして、
「サラサラしてとっても気持ちいいよ!みんなも来て一緒にゆっくりしようよ!」
 それを聞くとた躊躇っていたゆっくり達は一斉に飛び込んでいった。
 白い粉が一斉に宙を舞い、ゆっくり達を包み込んだ。ゆっくり達はそんなことは気にもせずに飛び跳ねて遊んで
 いる。しばらくするとゆっくり達は真っ白になっていた。そう、これは雪ではない。しかしゆっくり達は本物の
 雪を知らないため、真っ白になっても何の疑問も持っていなかった。
 「ゆっくり霊夢真っ白、真っ白w」
 「ゆっくり魔理沙も真っ白w」
 そして次の部屋の扉が開き真っ白になったゆっくり達は次の部屋へ進んでいく。


 次の部屋にはいくつかのくぼみがあり、黄色い液体で満たされていた。またおじさんの声が聞こえる。
「この部屋は泥遊びの部屋だよ。部屋にあるいくつかのくぼみに泥が入ってるから泥まみれになるのもよし、飛ば
しあうのもよし、好きに遊ぶといいよ」
 そう聞くと好奇心旺盛なゆっくり魔理沙が先陣を切って泥だまりへとダイブした。衝撃で泥が飛び散り様子を伺
 ていたゆっくり達に飛び散った。
 「ゆっくり霊夢にあたったあたった!」
 「ゆーーーー、ゆっくり魔理沙!」
 泥のかかったゆっくり霊夢は負けじと泥だまりへダイブし、ゆっくり魔理沙に泥を飛ばす。これを見ていたほか
 のゆっくり達は続々と泥へダイブしていく。そして楽しそうに泥遊びをした。
 しかし、先ほど体についた白い粉に黄色い液体がまとわりつき、次第にゆっくり達のうごきは遅くなっていった。
「うぅぅ、体が重いよ」
「動きにくいよ」
 ゆっくり達は苦痛をもらす。その時次の扉が開きおじさんの声が聞こえた。
「次の部屋で体にまとわり付いたものが落とせるよ、さぁ行った行った。」
 それを聞いたゆっくり達はこぞって次の部屋へ進んでいった。


 ゆっくり達は次の部屋へ行くため重たい体で飛び跳ねながら通路を進んでいる。すると突然電気が消えた。
「なに?」
「どうしたの?」
 ゆっくり達がわけがわからずその場で立ち尽くしていると、暗闇の中でなにやら音がした。そして体が急に転が
 りだす。今まであった床が傾き、坂となりゆっくり達は続々と暗闇の中へ転がっていく。
「ゆっくり止まってね!」

 転がるのは止まったが部屋は真っ暗のままだった。ゆっくり達は困惑している。その時おじさんの声が聞こえた。
「さぁ最後の仕上げだよ」
 そして電気がついた。
 ゆっくり達は驚愕した。ゆっくり達は底が円形の吊るされた檻に入っている。そして下には熱気を発する薄茶色
 の液で満たされた大きな入れ物があった。周囲には足場はなく、例え檻から出られたとしても逃げ道はなかった。
「今からゆっくり達が入っている檻の底を端からゆっくりと無くしていくからね。最後に残ったゆっくりは助けて
あげてもいいよ」
 ゆっくり霊夢はあまりの出来事に呆然としている。その時、
「ゆっくり落ちてね!」
 あの好奇心旺盛だったゆっくり魔理沙がゆっくり霊夢に体当たりしたのである。ゆっくり霊夢はなくなった床か
 ら高温の液体の中へ落ちていった。そして悲鳴が聞こえてくる。
「あづいよぉぉぉぉぉ、だずげで!おでがいじばずぅぅぅぅぅ。」
 そして次第に声は小さくなり聞こえなくなった。小さな檻の中で生き残りをかけた戦いが始まった。
 初めは十分にあった床はどんどん狭くなり、そしてゆっくり達はどんどん落ちていく。時間がたつにつれて悲鳴
 の量は増えていく。
「だづげでおねがい!」
「ゆっぐりできないよ!ゆっぐりでぎないよ!」
「おじさん!やざじいおじさん!お願い!」
 ゆっくり達の哀願は届くことはなく次々と力尽きていく。

 檻の中のゆっくり霊夢達はすべて落ちてしまった。ゆっくり種というのは頭はさほど良くないのだが、ゆっくり
 魔理沙は悪知恵が働くらしく、さまざまな手を使い、たくみにゆっくり霊夢を下に落としていった。
「霊夢うぅぅぅぅ、もっとゆっくりしようよぉぉぉ」
 ゆっくり魔理沙は涙を浮かべ霊夢に話しかける、
「魔理沙ぁぁぁ、私もゆっくりぢたいよぉぉぉ」
 つられてゆっくり霊夢も涙を流す。そしてゆっくり霊夢が油断した瞬間!
「ゆっくり死んでね!」
 ゆっくり霊夢へ体当たりをして穴から下へ落とすのであった。
 普段は仲良くしているが、追い詰められると本来の性格が現れるようだ。
 このように姑息な手段を用いて檻の中はゆっくり魔理沙だけになった。
 そして床はどんどんとなくなっていく。ゆっくり達は気が付く。端から床が無くなるのだから中心にいれば助か
 ると。こうして檻の中心の取り合いが始まる。
「さっさとどいてね!」
「ゆっくりさせないよ!」
 中心を陣取るために体当たりするゆっくり達
「もっとゆっくりさせてね!」
「ゆっく!ゆっく!ゆっくりさせてね!」
 中心を死守しようとするゆっくり達
 戦いに敗れたゆっくりは絶望の表情に涙を浮かべて下へ落ちてゆき、悲鳴を上げる。
 そしてその檻の中は1匹のゆっくり魔理沙だけになった。下からは助けを請うゆっくりの悲鳴が聞こえてくる。
 男の声が聞こえる
「どうやら1匹になったようだね。約束通り助けてあげよう。」
 床が元に戻り檻の出口が開く。そして開いた檻の先に見える出口らしき場所から床が伸びてくる。
 ゆっくり魔理沙は安堵する。
「やっと・・・ゆっくりできる・・・」
 しかし伸びてきた床は檻の入り口まで届いていなかった。
「少し距離が足りないようだがそれくらいなら跳べるね、ジャンプして跳び移ってくれるかい?」
 ゆっくり魔理沙は見た。檻の出口と床の間は約ゆっくり1匹分。簡単に飛べる距離であった。
 ゆっくり魔理沙は最後の力を振り絞って飛んだ!目の前に床が見えた。これでやっとゆっくりできる。そう思っ
 た瞬間!

 ガコン

「ゆ!?」
 何かに当たったゆっくり魔理沙は表現ができない表情を浮かべ涙を流し落ちていった。そして悲鳴を上げる。
「ゆっぐりぢだがっだよぉぉぉぉぉぉ」
 周囲には自分が落としたゆっくり霊夢や魔理沙がプカプカと浮いていた。既に意識はない。それを見てゆっくり
 魔理沙はさらに絶望するのであった。
「おじざん、やぐぞくどおりだずげでよぉぉぉ」
 ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げる、すると男は話し出す。
「残念だったね透明な板が設置してあってどうあがいても飛び越えられないんだよ。まぁいつものことだ、君を助
ける気なんて毛頭なかったんだよ。ゆっくり達を一気に落とすと油の温度が急激に下がってうまく揚げあがらない
んでね、だから最後に残ったゆっくりを助けると言ったんだよ。そうすれば争い合ってゆっくりと落ちていくから
ね。」
 男は説明するがゆっくり魔理沙の意識は既に無くなっていた。 


 ゆっくり加工場に隣接する饅頭屋には長蛇の列ができている。
「いらっしゃい!いらっしゃい!今日は週に一度のゆっくり揚げ饅頭の販売日だよ!」
 幻想郷の住民の間では今ゆっくり揚げ饅頭は一大ブームとなっている。
 その列を見た金髪の女性は並んでいる住民にこの列はいったい何なのか尋ねた。
「おやまぁ、お嬢さん。ゆっくり揚げ饅頭を知らないのかい?」
「ゆっくり揚げ饅頭?」
「そうさ、そこの饅頭屋で売ってるんだ。見た目は少々アレだが味は抜群だよ。」
 金髪の女性は試しに買ってみることにした。
 一時間並びようやく買うことができた。
「ふぅ、やっと買えたわ。これでまずかったらあの饅頭屋ただじゃおかないわ」
 一口ほおばる、
「こ、これは!」
 おいしい、確かに並んで買うだけのことはあるとその女性は思った。
「あら?」
 その饅頭をよく見ると、どこかで見たことがある顔がうっすらと見える。
 そう、この恐怖におびえる顔はまさしく家で透明な箱に閉じ込めてあるゆっくり魔理沙であった。
「もし?この揚げ饅頭はあの饅頭屋で作っているんですか?」
 自分と同じように揚げ饅頭を買った人間に聞いた。
「いんや、なんでもあの饅頭屋に隣接する工場で作っているらしいよ。まぁ作り方までは知らないがね。」
「どうもありがとうございます。」
 家路に付く途中、その女性は独り言をつぶやいた。
「うふふふふ、いいこと聞いたわ」
 金髪の女性は不敵な笑みを浮かべ森の中へ消えていった。

 End
                                              作成者:ロウ 



 後書き

 最後まで読んでいただきありがとうございます。
 前作の“ゆっくり霊夢の生涯”で生き別れたプチゆっくりたちの結末を書かせていただきました。
 もう気が付いている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のSSは宮沢賢治の注文の多い料理店をモチーフに
 作成いたしました。まぁモチーフと違い料理されて食べられてしまうんですけどね^^;。
 東方のキャラが0人というのは寂しかったので、勝手ながらアリスがゆっくり加工場の存在を知った時という設定
 を入れさせていただきました。

 作成するに当たり、改めて加工場を書いた方がいかに神がかっているかを痛感いたしました。
 とりあえず頭の中に浮かんだネタは一通り出し切りました。
 アイデアさえ浮かべば次回作を書きたいと思います。と言いながらも文章を推敲している間に紅魔館を舞台にした
 ゆっくりいぢめがなんとなく頭の中に浮かんできてしまいました。(もう病気ですねw)
 私のような初心者が書いたSSでも読みたい!という人が一人でもいるならゆっくりですが書きたいと思います。
 個人的には漫画を描きたいのですが、幼少の頃から画力が絶望的なのであきらめています;;

 念のためゆっくり達が入った部屋の説明をしておきますね。
 洗浄 → 乾燥 → 小麦粉まぶし → とき卵づけ → 揚げ
 ちなみにSSの通りに揚げ饅頭を作ってもおいしく出来上がるかは一切責任を持ちませんのであしからず。





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最終更新:2008年09月14日 05:46
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