ゆっくりいじめ小ネタ552 とかいはれいむ1

※相変わらずゆっくりを超越した設定です。
※ゆっくりじゃなくてもいいじゃんって人は最初に謝ります、ごめんなさい。




とかいはれいむ




ある洞窟に二匹のゆっくりれいむがいた。

「おかあさん、おなかがへったよぅ…」
「ゆゆぅ、おちびちゃんごめんね、おかあさんかりがへただから…」

このれいむ親子は大昔から存在する、自然に暮らし、自然の脅威と戦い、自然の中で何とか生き永らえるゆっくり。
自然派ゆっくり。



近年、ゆっくりを取り巻く環境は大きく変わってきた。
人間による開発が進み、ゆっくりできる森は減ってきた。
人里に降りたところでそこはストリートジャングル、今までのように畑があって、緑があってと言うわけにはいかない。
餌場の絶対数も減り、食物連鎖の下位にいるゆっくりが得られる餌の量はさらに枯渇、個体数を減らして行く一方だった。

その中で新たなゆっくりも生まれる。
町の中に住み、人と共に暮らし、悪意・憎悪と戦い、都会の中で何とか生き永らえるゆっくり。
都会派ゆっくり。





この物語は、薄幸な運命の元、都会の荒波に翻弄されるれいむ親子の物語である。





虫の鳴き声も代わり、秋の訪れを感じさせる日の夕暮れ。
稲妻の様な轟音と共に、れいむ家の前に一台のスィーが駐車した。

「ゆふーん、ナビゲーションの場所はここみたいだけど……石器時代かと思わせるような穴だぜ」

チューニングされ、らしからぬ爆音を振りまくスィーの中から出てきたのは一匹のまりさ。
帽子は金色のチェーンやピアスがギッシリと彩られ、自然界には存在しないオーラを漂わせている。
まりさは顔をしかめながら、今にも崩れそうな洞窟を見上げ入っていった。

「ゆっ、ちょいとお邪魔するぜ?」
「ゆ!?ゆっくりしていってね!?」

入って早々、まりさはゆっくりと帽子を脱ぎ、れいむの前に座り込んだ。
ゆっくりの座り込みとは、身体全体の力を抜き、特徴ある下膨れをさらに弛ませてゆっくりする行為。
よほど仲の良い関係でないと普通はできず、初対面でこの行為ができるゆっくりはかなり神経が図太い。

(ゆぅ……ゆっくりできないぼうしさんだよ)
「ゆっふっふ、そうだったんだぜ、お山ではそれが必要だったんだぜ『ゆっくりしていってね』だぜ」

ゆっくりらしからぬ笑み、むしろ苦笑とも取れる顔とともに、めんどくさそうにゆっくりの挨拶を済ませるまりさ。
戸惑っていた子れいむも思い出した様に挨拶する。

「ゆ、ゆっくりしていってね!」
「ゆんゆん、可愛いおちびちゃんなんだぜ。でもまりさはお母さんとお話があるからちょっとお外で遊んでいて欲しいんだぜ」
「ゆー……わかったよ、まりさはゆっくりしていってね!」

笑顔の中にある真剣な眼差しを読み取ったのか、子れいむはぽいんぽいんと外へ跳ねていった。

「それでれいむになんのごよう?」
「(ゆふぅー情報通り、磨けば光りそうなれいむだぜ)れいむ、単刀直入に聞くけど、都会で女優を目指す気はないかだぜ?」
「じょゆー?じょゆーってなに?」
「女優ってのはみんなの前で踊ったり、歌ったり、演技する人の事なんだぜ」

一息入れると、まりさは帽子の中から煙草を取り出し、ゆっくりと火をつけた。

「すーぱ、すーぱ、ふぃー……」
「ごほっ、けほっ!まりさ、すーぱすーぱはゆっくりできないよ!」

まりさはすまんすまんと笑いながら煙草を壁に押し付けて消した。
れいむは煙草を押し付けられた壁を見て、さらに不快感を露にする。

「じょゆーになったらなんなの!だいいちとかいなんてきょうみないよ!」
「おお、こわいこわい、これだから田舎のゆっくりはゆっくりしてないんだぜ、都会に行けば色んな物が手に入るんだぜ、そこで女優になればゆん生が大きくかわるんだぜ!」
「でもとかいはゆっくりできないってみんないってるよ!」
「ゆっくりねぇ……」

まりさはまた煙草に火をつけ、洞窟内を見渡した。
2、3回程見渡した後、れいむに煙を吹きつけながら告げる。

「ごほっ、ごほっ、けほっ、いいかげんに……!」
「今のれいむの生活にゆっくりがあるとは思えないんだぜ」
「ゆゆっ!?」
「おうちは狭いし、奥の貯蔵庫にもご飯はサッパリ、ご近所にゆっくりがいる気配もなく、生きているのか死んでいるのかわからないんだぜ」
「ば、ばかにしないでね!れーむはそれでもじゅうぶんしあわせだよ!」



「ふーん、おちびちゃんもしあわせなんだぜ?」



その瞬間、れいむの心に激痛とも言える程の何かが走った。

「中々よく出来たおちびちゃんだったけど、お肌の艶も良くないし、良いものどころかあまり食べていないようなんだぜ?」
「ゆぐっ……」
「都会で一山当てれば、人間さんと同じ様なおうちに住み、美味しいものもいーっぱい食べて、それこそしあわせーっ!なんだぜ」
「ゆぅ……」

まりさの言動、そして現実、その二つから受ける悔しさと、自分自身の不甲斐なさに一切の反論ができないれいむ。
震えるれいむを尻目にまりさは振り返り、背中越しにれいむに語る。

「まぁこれがれいむの言う幸せなら、それはそれで甚だ結構な事なんだぜ、お邪魔してすまなかったんだぜ」

帽子からスィーの鍵を取り出すと、まりさは洞窟の出口へと向かっていった。





「まって、くわしくきかせてほしいよ!」
「……じゃあおちびちゃんと一緒にスィーに乗るんだぜ、まりさの事務所でゆっくりお話してあげるんだぜ」





こうして大女優れいむの、激動のゆん生が始まった……



あとがき

勢いで書いてしまった、この後どんな展開にすればいいのか…



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最終更新:2021年02月18日 17:59
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