「はぢめての虐待をするまえに・・・」
とりあえず、
ゆっくりお仕置きの続き、
あと現代設定だったりする。
今回も、余りいじめてない?。
俺は、
ゆっくり虐待をしたことが無い。
家で飼っている胴付きゆっくりうどんげは賢いから、お仕置き程度で済んだし、
今まで、野良に入り込まれた事も無かったから。
~~1時間前~~
「んほおおおぉぉぉぉぉ!!!ありすとすっきりしましょぉぉぉぉ!!」
「ゲラ!!ゲラー!ゲラー」
俺が居間でくつろいでると、寝室の方から、そんな声が聞こえた。
駆けつけてみると、案の定、家のうどんげが、野良ありすに押し倒されていた。
寝室は、閉じていたはずの窓が開いていて、掃除機が部屋の中央に置かれていた。
うどんげが、掃除しようと、換気をよくしようと窓を開けたら、
野良ありすに襲われた。そんなところだろう。
当然だが、俺は、うどんげを野良にヤらせる気はない。合意ならともかく。
野良ありすを、持ち上げて、うどんげから離す。
「なにをするのよ、このいなかもの!!そのゆっくりとすっきりさせなさいいなかもの!!
あとおなかすいたから、とかいはなごはんをよういしなさいいなかもの!!」
「だ~め、うどんげは俺の物!!俺が食べるの!!」
ついつい、みょんな反論が口から出た。
~~ここまで1時間前~~
~~ここから現在~~
ありすは、透明な箱の中に入れられてテーブルの上にいた。
加工所という場所で作られた。ゆっくりには壊せない頑丈な箱だそうだ。
ちなみに、この箱は、私物ではない。
俺の隣の家には、虐待お兄さんと呼ばれていた方が住んでいる。
今は、虐待はそれほどしていないらしい。
そのお兄さんに事情を話して、借りたのだ。
事情を話すと、
「野良ありす!!俺がお仕置きしますよ!!是非!!」
と、言っていた。少し怖い。
襲われたばかりで、独りになりたくなかったのか、
一緒に来たうどんげも俺のズボンの端をぎゅっとつかんで怯えていた。
ありすが、何かわめいているが、何も聞こえない。そういう箱らしい。
「うどんげ、俺はこのありすを虐待する・・・いいな?」
「・・・ゲラ」
うどんげは、自分にされたことを許せなかったのだろう。
思ったより、すんなり返事してくれた。
「しかし、どんなのにしようかな、虐待なんてしたことないから、わかんないな」
「ゲラー?」
「まぁ、寝室掃除しながら考えるか」
「ゲラー」
~~~~2時間後~~~~
「ふぅ・・・」
泥まみれの野良ありすが入ったおかげで寝室を綺麗にしていたら、
思ったよりも時間がかかってしまった。
うどんげが手伝ってくれていなかったら。もっと時間がかかっていただろう。
時計は、18時を指している。
時間に気がついて、うどんげが、台所に向かった。
夕飯の支度をするのだ。
俺はついこの間うどんげにお仕置きした後に、
『台所の物に許可なく触るな』と言う約束を少し変更した。
『俺がいないときに台所の物に触るな』と。
それ以来、よくうどんげと一緒に料理したりしている。
「うどんげ今日は、夕飯作らなくてもいいぞ」
「ゲラ?」
うどんげが不思議そうに聞き返している。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
「ちわーす、トミノピザでーす」
玄関を開けると、ピザの配達員がいた。
俺が今日うどんげが昼寝しているうちに頼んだのだった。
「今日の夕飯はピザだぞー」
「ゲラー!」
テーブルの上に、置いてあるありすの入った箱を端に寄せて、
できたスペースにピザを置く、
「うし!!好きなの食べていいぞー」
「ゲラー!!」
うどんげは、両手を挙げて喜んでいる。
店屋物のピザは余り食べる機会がないからだろう。
早速一口食べたうどんげは、喜びの余り、
ピザを持ってない方の手を振り回して喜んでいる。
そんな、うどんげを目の端にとらえながら、俺も一口、
「ウマー」
ピザって頻繁に食べると、飽きるけど、
間をおいて食べるとすごくおいしいから不思議だ。
そんな風にピザを食べていると、箱がガタガタ動き出した。
見てみると、中のありすが、何かを言っている。
何かの汁を飛ばしながら、しゃべる姿は、とても汚らしく、
食事中に見るものではない。
俺とうどんげは、
(・・・無視しよう)と目配せ、
食事を再開した。
ピザはあっというまに無くなった。
後片付けしながら、
「うどんげ、今日が何でピザだったかわかるか?」
「ゲラー?」
「今日は、うどんげが家に来て1年目の日だからだ!!」
「ゲラ!」
俺は、冷蔵庫の中から、ケーキを取り出した。
昨日買っておいて、奥の方に隠しておいたのだ。
そのケーキと小皿とフォーク、それと紅茶をテーブルに用意する。
ケーキはチョコとショートケーキがひとつずつ。
ケーキを取り分けながら、
「うどんげ、どっちが食べたい?」
聞くと、結構迷った挙句、ショートケーキを選んだ。
うどんげが、ショートケーキを食べると、
すごい笑顔になった。目に涙も浮かべている、
と、その時、また箱がガタガタ鳴った。
見てみると、さっきよりもひどい表情で汁まみれの何かがいた。
お祝い中に見るものではないので、
(・・・ほっとこう)と目配せ。
幸せそうなうどんげを、見ながら食べると、こっちも幸せになる。
ふと思いついた。
「はい。うどんげ、あ~ん」
俺は、チョコケーキを、フォークに刺して、うどんげにすすめる。
ぱくっと食べたうどんげは、
(また、いい顔するな~)
つい、見とれてしまった。
見つめていると、うどんげも
「ゲラ~♪」
と、フォークにケーキを刺して、俺に勧めてきた。
ぱくっと、食べた俺は、
「幸せ~」
ついゆっくりのような声を上げてしまった。
とその時、ガタン!!とありすの入った箱が音を立てて、
よく見てみると中のありすは、何かつぶやきながら、細かく痙攣している。
「どうしたんだこれ?・・・隣のおにいさんにでも見せてみるか、
うどんげ、留守番よろしく」
「ゲラ~」
~~20時~~
「・・・これは、すごいストレスでダメージを受けたみたいだな」
ここは、隣のお兄さんの家の居間、痙攣しだしたありすを見せたら、
少し時間がかかる、わかるまで居間でくつろいでいてくれと言われて。
家の中で、待たせてもらった。
「ストレス?箱の中に入れてただけですけど?」
「それだけか?それだけでこうなるとはとても思えないんだが?」
お兄さんが、疑念の声を上げた。
「ええ・・・テーブルの上に置いて、うどんげと一緒に、
ピザ食べたり、ケーキ食べたりしただけです。まだ、虐待なんてはじめていないのですが」
それを聞いたお兄さんは、少し暗い顔をした。
「・・・う~んたぶん、その、
お腹空いたところに目の前で美味しい物を食べてるのをみたのが原因だな?」
「ゆっくりってそんなんでこんな瀕死のダメージ受けるのか?」
「そういうのもいるさ」
「そっか・・・、まだ何もしてないつもりで、
結構ひどいことしちゃったんだな」
「ところでこのありすは、どうする?
もしよければ俺が後始末するが・・・」
「いいのですか?なんだか悪い気もしますが・・・お願いします」
「ああ・・・、任せておけ」
ゆっくりの目の前でおいしいご飯を食べて、ゆっくりには何も食べさせない。
それは、虐待としてはありふれた話だ。だが、
2時間くらいでゆっくりが瀕死のダメージを受けることは無い。
加工所のデータによると、そうやって、
ゆっくりを虐待した場合、瀕死のダメージを受けるのは、
おおよそ、半月後というデータがある。
ゆっくりは、痛む胃が無いからか、ストレスには結構強いのだ。
このありすのストレスは、それによるものではない。
もしかしたら、と隣のお兄さんは思いついた仮説の為に、ありすを箱から出す。
―――ありすは、隣のお兄さんの家に来てすぐ永遠にゆっくりした。
ぼさぼさになっている。ありすの髪をまさぐると・・・あった。
ありすが人間に飼われていることを示す銀バッジだ。
これで、恐らくだが原因がわかった。
元々ありすは飼いゆっくりだったのだろう。
しかし、何らかの理由で、捨てられてしまった。
あのありすがレイパーになっていた。理由はこれだ。
愛情が与えられなかったゆっくりはレイパーになる。
飼い主から捨てられて、十分な愛情が与えられ無かったのだろう。
そして、ありすは、あの家のうどんげを襲った。否、襲ってしまった。
通常なら、レイパーは殺されてお終いである。
家の外に追い出しても、執念深く家に入ってくるし、
レイパーを飼う気がある人間なんてまず居ない。
しかし、あの家の主人は、変に生真面目で、少し、お灸を据えて反省させてから、
野に返すつもりだったのだろう。今時珍しい。
とは言え、虐待なんてできる人間ではなく、方法も思いつかなかった。
それが、ありすにとって、最悪の虐待につながってしまった。
ありすは、見てしまったのだろう。
主人とゆっくりが、楽しそうに、ピザを食べている所を
主人とゆっくりが、楽しそうに、ケーキを食べている所を
友達のように、仲のいいところを、
恋人のように、仲のいいところを、
自分が、
どれほど渇望しても、
どれだけ欲しても、
叫んでも、
喚いても、
手に入れることが無い。
ありすの理想の『ゆっくりプレイス』を
まざまざと見せ付けられたのだ。
~あ~と~が~き~
はぢめての虐待をするまえに・・・ゆっくりが死んでしまった。という話を書こうとしてこうなった。
最終更新:2011年07月30日 01:14