畑の横を
ゆっくりの家族が散歩をしている親まりさに子3匹はまりさ2匹とれいむ1匹だ。
畑を荒らされては困ると思い今回は先手を打つことにした。
列の一番後ろにいる子まりさに静かに近づき帽子をつまみとる。
「ゆ"ゆ"っ!!まりさのぼうしがないよ!!!」
頭上に違和感を覚えてから帽子がなくなったとすぐに気づいた。
みんなが振り返ってこっちを見る。
「それはまりさのこどものぼうしだよ!!!」
「「おじさんはやくかえしてね!!」」
「ぼう"じぃ~!!がえ"じでぇー!!」
全員が同時にしゃべってくる。実にやかましい。
特に親まりさの膨れっ面と頭から蒸気が出るくらいの怒りようには殺意を覚える。
「ぼう"じっ!!まりさのぼう"じをはな"ぜぇぇぇ!!!!」
帽子を取られた子まりさは必死だ。ジャンプして取り返そうとしたり
足に体当たりをしたりする。
「ほ~ら返してあげるから自分でとりに言ってね~www」
俺は帽子をフリスビーのように放り投げた。
涙を流し口を歪めながらぴょんぴょん飛び跳ね帽子を追いかける子まりさ。
「まてー!まてー!」「はやくおちてきてね!!!」
それに続いて家族も追いかけた。
ようやく帽子が着地したのだが落ちた場所が悪かった。
「ぐざい"よ"ぉぉー!!!」「ここなんかへんだよぉー!!!」
なんと肥溜めに落ちてしまったのだ。
「ああーっ!!まりざのぼう"じぃい"い"い"!!!!」
しかし余程帽子が大切なのだろう、肥溜めもなんのその夢中で飛び込む。
バチャッ
この肥溜めの深さはちょうど子まりさの高さほどあった。子まりさは溺れないように
真ん中にある帽子に向かっていく。
「ぶぇえ"え"っ!ぐぇえ"え"っ!!」
糞尿の海に飲み込まれないように必死に泳いでいく。
「あともうすこしだよ!!」「はやくもどってきてね!!」
異臭漂う中家族も力いっぱい応援する。
「う"え"ぇえ"え"え"っ!!げぇえ"え"え"!!!」
おそらく結構飲み込んでしまっているだろう。だが何より今は帽子が大切みたいだ。
夏の日差しが照りつける。それと同時に上がってくるアンモニアを含んだ蒸気は耐え難いものであろう。
ようやく糞まみれの帽子にありつきまた溺れないように必死に戻るまりさ。
「ぜぇー・・ぜぇー・・・」
最後の力を振り絞ってみんなのいるほうに飛び出した。
タンッ
「おかあさん!まりさぼうしなくさなかったよ!!ほらっ!!」
しかしみんなの前に現れたまりさはもはや汚れた異臭を放つ饅頭以外のなにものでもなかった。
「こんなのまりさのこどもじゃない!!!こんなくさいこにそだてたおぼえはないよ!!!」
「おお、くさいくさい」「はやくどこかにいってね!!」
頑張って帽子を無くさなかったにもかかわらずまりさに容赦ない言葉を浴びせる。
「そ、そんな"の"ひどい"よ"ぉぉ!!!」
生まれたばかりのとき帽子は絶対になくしたら駄目だよと母親に教わった。
その教えを守った結果がこれだよ!
「くさいのとはゆっくりできないよ!!」「「ゆっくりしね!!」」
なんとも簡単に親子・姉妹の縁が切れてしまった。ゆっくりとはこんなものなのか。
「じゃあもうべつのばしょでゆっくりしようね!!」
母親が提案するとうんこまりさを残して去ろうとする3匹。
「み"ん"な"まっでよ"ぉお"お"!!!」
その場に立ち(?)尽くして泣きじゃくるうんこまりさ。
(まだだ、このままじゃ終われない)
そう思った俺は次の行動に移る。
「おい!おまえら!!」
「ゆゆっ!?なにーおにいさん?」
その場に止まって振り返る3匹。
「せっかくだからこいつ虐めて遊ばない?」
そう言って今度はうんこまりさごと肥溜めに放り込んでやった。
「あぶぶっ!!んぎゃんぎゃっ!!!」
必死にもがき脱出を試みるうんこまりさ。
「ぎゃははははwwww!!」
先に親まりさが笑い始めた。もう完全に見下している感じだ。
「ゆっくりもどっていいよwwww」「あたらしいゆっくりすぽっとができてよかったねーwwww」
続けて子供たちも笑い出す。
必死に戻ってきたうんこまりさはまたすぐに肥溜めに戻してあげた。
「そこがまりさのあたらしいおうちだよーww」「おお、よかったよかったww」
3回くらい繰り返したがこいつらは何回でもげらげらと笑い転げる。
なんというひどいやつらだ十数分前までは家族だったと言うのに。
こいつらは懲らしめてやらないといけないな。
「よしお前ら、もう笑いすぎておなかすいただろ。ご飯にしようか!」
うんこまりさは肥溜めでもがいているがもうやめて次の行動に移る。
「そうだね!!」「やさいがいいよ!!」「だいこん!だいこん!」
野菜を要求するあたりやはり畑を狙っていたようだ。
「よーし、すぐに持ってくるからねー」
俺は脱出したばかりのうんこまりさをつまんで持ってきた。
「じゃあお母さんから食べさせてあげるね」
「はやくしてね!!あ~ん」
うんこまりさをぶち込み親まりさの口を素早く閉じる。
「ん"ーっ!!ん"っー!!」
丸っこくてべちゃべちゃで臭いもの。何が入れられたかはすぐに分かったはず。
「おかあさんにひどいことするな!!」「はやくはなしてね!!」
体当たりで対抗してくる子供2匹。体を膨らませて威嚇するが全く効果はない。
「それを飲み込んだら手をどけてあげるよ」
親まりさは体を振り否定のサインを出した。
時間が経ってくると子供たちは異変に気づく。
「ゆ"ゆ"っ!なんかおかあさんくさい!!」「はやくそれをはきだしてよ!!」
母親はもう限界だった。ついに生きたうんこまりさを飲み込んだ。
ゴックン
ようやく飲み込んだので約束どおり手を離した。
「ちがうよ!おかあさんはくさk ぶうぉえぇ!!!」
言い訳をしようとした親まりさの脳天にチョップを食らわし言葉を遮る。
「おいおい、食べた後は『しあわせー!』だろ?」
頭が変形した親まりさは従わないとヤバイと悟ったのか素直に食後のあいさつをした。
「しっ・・・し あ" わ" せぇ"ぇ"ー!!」
涙を流しそう言った。
「おいお前らどう思う?お母さんあんな臭いもの食って幸せって言ってるぞ?」
子供たちに聞いてみる。こいつらならなんていうかだいたい想像できてしまう。
「うわぁ・・・」「もうこんなのれいむたちのおやじゃないよ!!」
やっぱりな。完全に親を軽蔑の目で見ている。
「ぢがう"!!ちがうよ!!!ま"り"ざはみ"ん"な"の"お"や"だよ"ぉ"おおお!!!」
まさか自分の子供と同じ目にあうなんて想像もしていなかっただろう。
「じゃあ汚いお母さんはきれいにしてあげるね!」
バッシャーン
俺は近くにあった透明の水瓶に母親を投げ込んだ。
一旦底まで沈んで再び浮き上がってくる親まりさ。
「ばびぶっっ!!あびばばっぅ!!!」
必死に水面に顔を出し空気を吸う。しかし水面から出口まではどうあがいても届かないだろう。
「あひゃひゃ!!」「きたないおかあさんはゆっくりしんでね!!」
水瓶が透明なため苦しんでいる様子がよく見える。体がぶよぶよにのびてしまった親まりさは
力尽きてゆっくりと底まで沈んでいった。目はしっかり見開き水中ではあるが目が潤んでいるような気がした。
「しんだよ!!ゆっくりしんだよ!!」「きたないこどもとてんごくでゆっくりしていってねwww」
ひどい言い様だ。こいつらにも制裁が必要だな。
「よーしじゃあ2匹ともゆっくりできるとこに行こうか!」
「もうここはいいよ!」「はやくどこかにいこうね!!」
ああ、連れて行ってやるとも。遠いお空にな。
バシャバシャーン
2匹が入水する音が響く。
母親と同様、一旦底まで沈み、ゆっくりと浮かび上がってくる。
「ぶひゃあああ!!!」「あぷっ!!ぷぷっ!!」
2匹はもはや顔に疑問が出る余裕もなく必死に水面に顔を出す。
「な”ん”で!!おじさんはやくたすけて!!!」「お"に"い"さ"んはやぐぅぅううう!!!」
お兄さんと言ってくれたのはまりさの方だ。何だ、結構頭の回るやつだな。
「お"に"い"ざんおねがいじまずぅうう!!!」
れいむのほうも急いで訂正してきた。もう助けるつもりないんだけどな。
「れいむごめんね!」
しばらくもがいていたがまりさがれいむを踏み台になんと水瓶から脱出したのだ。こいつの知恵は恐ろしい。
「どうじでぇぇ!!れ"え"む"もだずげでぇぇぇ!!!!」
その声を背にまりさは急いで森のほうへ逃げていく。
「おい待てよ!」
俺はとっさにまりさを押さえつけた。
「ゆぐっ!!はな"ぜっ!はな"ぜっ!!」
抵抗するまりさを水瓶のほうへ向け頭に釘を打ち込んで固定した。
「い"だい"!!お"う"ちかえる!!!」
水瓶の底には死んだ母親がいる。しかもまりさの方を見ているようだ。
しばらくするとれいむがもがく音が聞こえなくなった。ゆっくりと何かが沈んでくる影が見える。
それはついに固定されたまりさの視界に入る位置まで来た。れいむだ。
「れ"い"む"ぅぅぅ!!!!!」
自分が蹴落とした姉妹の死骸が沈んできたのだ。母親同様体はふやけ、
目を開いたまま、口をあんぐり開けて死んでいた。
母親と姉妹の死骸がこっちを見ている。見たくないが体は動かず視線をずらすことはできない。
「もう何もしないからそこでゆっくりしてろよ」
俺はそう言い残し家へ帰った。まりさのすすり泣く声を背に。
その後まりさは1週間生きた。何も食べず、暑さを凌げず干からびていた。
1週間死骸を眺め続け何を感じたのだろう。絶望か、後悔か。
まぁとにかくこいつらの死骸を放置しておけばこの畑も安全になるだろう。ちょっと気持ち悪いけどな。
おわり
最終更新:2008年09月14日 06:09