洋館・プリズムリバー邸
「♪~♪~♪~」
邸宅の一室の中で、紙袋を持ちながら気分よく鼻歌を歌っているのは、ここに住む3姉妹の末妹・リリカ。
「ん~いい匂い。しかもふかふか~♪」
どうやら、いつも言っている洋菓子店の新商品を手に入れたようで上機嫌のようだ。
騒霊が食べ物を食べるのか?と言う疑問については、白玉楼の亡霊少女に同じ問いをしてきなさい。
「さ~て、浮かれてばかりもいれないわね。これをどこに隠すかなぁ…」
どうやら、姉達と一緒に食べると言う選択肢はないようだ。さすがリリカ、狡猾である。
「うーん…あっ、この箱がいいわね。なんか綺麗だし、まさかここに入ってるなんて思わないよね」
綺麗な文様の入った箱の中に、洋菓子=チョコパンを入れるリリカ。
「これでよしっと、あとで食ーべよっ♪」
そう言って、部屋を後にするリリカ。しかし、迂闊にも窓を開きっ放しにしていた事に、気付いてはいなかった。
その迂闊さが、残念な結果になろうとは…


再び部屋に戻ったリリカの見た部屋の様子。
荒らされた部屋。開かれた空っぽの箱。開かれた窓を呆然と見ている2体のゆっくり。
これ以上にない状況証拠、理解したリリカに怒りがこみ上げる。
「うぉらぁぁ!」「ゆ゛ぐえ゛っ!?」
思いっきり、ゆっくりまりさを蹴るリリカ。
「まりさになにするの!?ゆっくりできないよ!」
わめくれいむを冷たい目で睨むリリカ。
「人のお菓子を食べておいてシラを切るつもり…ふーん…」
「ゆ!?お菓子くれるの?ならゆっくりはやくもってきてね!」
「わたしの取って置きを食べておいてそんな口を…蹴り殺してやるッ!
 こ の ド 畜 生 が ァ ー ー ー ー ー ッ」
   プッツン リリカの中で、何かがキレる音がした。
「潰すのは一瞬だッ!それでは私の怒りがおさまらんッ!
おまえが悪いんだ!おまえがッ!わたしを怒らせたのはおまえだッ!おまえが悪いんだ!
思い知れ!どうだッ!思い知れ!どうだッ!どうだッ!」
「ぶっ!ぶぎゅっ!!やべでっ!!まっで!!れいぶのはなぢをぎいでねっ!!ゆっぐりぎいで!!」
まだ弁解しようとするれいむを、執拗に、残忍に蹴り続けるプッツンリリカ。
そんな恐怖の光景を見つめるまりさの頭の中は、れいむを助けようと言う気持ちではなく、いかにして自分が助かるかを考えていた。
(もう、れいむはたすかられないぜ。そこでもんだいだぜ!ここからどうやってにげようか?
3たく-ひとつつだけえらびなさい
 答え①はんさむなまりさは、このおねーさんをなんとかするあいであがうかぶ
 答え②はいってきたまどからにげる
 答え③にげられない。げんじつはひじょうである。
まりさがまるをつけたのは②だぜ…れいむはゆっくりしんでね!)
ゲスな結論を出し、逃げようとするまりさ。もちろん、それを見逃さないリリカ。
「逃がすかぁぁぁぁ!」
すでに蹴り殺され、死骸となったれいむを逃げるまりさに投げつける。
まりさが振り向くと、投げられたれいむの死骸がまるでスローモーションのように迫ってくる。
(答え-③ 答え③ 答え③)「ゆべしっ!」べしゃ
まりさの思考が途切れたのは、れいむの死骸がまりさに激突し、大きな餡子の花を咲かせた瞬間であった。
「あーーーちくしょーーーー!」
「どうしたの?リリカ」「騒がしいなぁ…」
悔しがるリリカ。そこに、騒ぎを聞きつけたのか、姉のルナサとメルランが部屋に入る。
「うあ!え、えっと…そう!ゆっくりよ!ゆっくりが部屋で暴れていたから、退治したの!」
まさか、こっそり取っておいたチョコパンを食べられたとはいえないリリカは、とっさにウソを言った。
まあ、ゆっくりがいたのは事実だが。
「ふーん…まあいいや、部屋を掃除したら、お茶にしない?おいしそうなお菓子を買ってきたからさ」
「あのお店の新商品なんですって!楽しみだわ~」
「それって…あのチョコパン?すぐ片付ける!」
ルナサたちも、あのお菓子を買ってきたようだった。
部屋を早々に片付けたリリカは、すぐに姉達と共に新作お菓子を堪能した。
「このチョコおいしーね!」「わたしはこのビターが好みね」「ホワイトチョコも甘くてハッピーになりそう」
やっぱり一緒に食べるほうがおいしいや。そう思ったリリカであった。


この話には追記がある。それは、ゆっくり達がリリカの部屋に侵入したときに戻る。
「ゆゆ!ひろくておおきいね!」「ここをまりさたちのゆっくりぷれいずにしようぜ!」
窓から侵入したゆっくりは、リリカの部屋を好き勝手に蹂躙する。
そんな中、ゆっくりたちは綺麗な文様の箱を見つけた。
「ゆ!なんだかおいしそうなにおいがするよ!」「さっそくあけるんだぜ!」
舌を使い、器用に箱をあけるゆっくりまりさ。
箱が開いた瞬間、何かが飛び出し、窓の外へと消えていってしまった。
「ゆー…」「逃げられちゃったね…」
あまりにも突然だったため、呆然と見ることしかできなかったゆっくり達。
リリカが戻ったのはそんなときであった。

何故、箱の中身であるチョコパンが飛び出したのか。原因はそれを入れていた箱にあった。
リリカも知らないその箱の正体は、かつて自分達を生み出したマジックアイテムが収められていた箱であった。
本来の中身を失った今でもごくわずかに残っていた魔力と、
昨今幻想郷に出没した、歪んだ饅頭生命体:ゆっくりの存在という影響により、チョコパンにも命を宿してしまっていた。
やがて、そのチョコパンは顔が浮かび上がり、どこからともなく帽子を身に着け、新たなゆっくりとなった。
「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりハッピーになってね♪」「ゆっくり…きあつがさがる…」
マジックアイテムの持ち主の影響からか、それらはプリズムリバー3姉妹そっくりになった。


ー後書ー
なんだ、この自分設定満載なSSは、とお思いの方、申し訳ございません。
ただ、虹川ゆっくりを流行らせたかっただけです。
虹川ゆっくり話だけなら作れそうだけど、虐待描写を含めると難しい…
もう1話を考えてますが、虐待描写の推敲に時間がかかりそうです。


書いた駄文
ゆっくりいじめ系1192 ゆっくりさとり
ゆっくりいじめ系1202 ゆっくりプリズムリバー


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年04月17日 00:26