※台詞のみで構成されます
※虐待分は薄めです










「やあ、れいむにまりさにおちびちゃんたち。 ゆっくりしていってね・・・」
「「ゆっくりしていってね!」」
「「「「「ゆっきゅりちていってね!」」」」」
「ゆゆっ! おにいさんはゆっくりできるひと?」

「・・・分からない」
「ゆぅ? どうしてわからないんだぜ?」
「なら、君たちは今ゆっくりしているかい?」
「あたりまえだよ! れいむたちはすごくゆっくりしてるよ!」
「そうか。 でも、私には君達の言うゆっくりが何なのか分からないんだよ」
「ゆぅ? ゆっくりはゆっくりだよ! ゆっくりりかいしてね!」
「それじゃ答えになっていないよ・・・。 そうだ、君に質問してもいいかな?」
「ゆっくりこたえるよ!」

「ありがとう。 なら、ご飯がいっぱいあればゆっくりできるかい?」
「あたりまえだぜ! とってもゆっくりできるんだぜ!」
「そうか。 なら、君の子ども達を全員殺す代わりにたくさんの食べ物をあげると言ったらゆっくり出来るかい?」
「ゆゆっ!れいむのおちびちゃんたちにひどいことしないでね!?」
「そんなつもりじゃないんだ。 もし、そう言ったらどうするか、と聞きたいだけなんだよ」
「そんなのおことわりなんだぜ! みんなでいないとゆっくりできないんだぜ!」
「でも、君たちはさっき食べ物がたくさんあればゆっくり出来ると言っていたよね?」
「ゆっ!? でも、やっぱりおちびちゃんがいないとゆっくりできないよ!」
「じゃあ、おちびちゃん達がいれば食べ物がなくてもゆっくり出来るのかい?」

「そんなわけないんだぜ! ぽんぽんがぺこぺこだとゆっくりできないんだぜ!」
「おかしいな。 食べ物がいっぱいあればゆっくり出来る。 家族がいればゆっくり出来る」
「「「「「にゃにがおかちいの?」」」」」
「だって、家族が少なければ一人当たりの取り分が増えるだろう?」
「そうだね!・・・・・・ゆゆっ!?」
「じゃあ、なんで食べ物が少なくなる原因である家族が一緒にいないとゆっくり出来ないんだ?」
「でもまりさたちはゆっくりしてるんだぜ!?」
「ああ、それは知ってる。 じゃあ、なんでゆっくり出来るんだ?」
「それは・・・」
「だって、そうだろ? ご飯がいっぱいあればゆっくり出来るんなら子どもがいないほうがもっとゆっくり出来るはずじゃないか?」
「そんなことないよ!」
「でも、食べ物がいっぱいあればゆっくり出来るんだろ?」
「あたりまえなんだぜ!」
「でも、君たちは家族がいないとゆっくり出来ない」
「あたりまえだよ!」

「なら、冬になって食べ物が少なくなっても君たちはゆっくり出来るのかい?」
「「「「「ぽんぽんがぺきょぺきょだちょゆっくちできにゃいよ!」」」」」
「でも、家族がいればゆっくり出来るんだろ?」
「「「「「しょーだよ!」」」」」
「しかし、ご飯がないと家族が死んでしまうよ?」
「そうならないようにあきになったらいっぱいごはんをあつめるんだよ!」
「そうだね。でもその間他の動物も越冬の準備をしているよね?」
「ゆぅ?それがどうしたんだぜ?」

「ご飯を集めに行っている間に子ども達が食べられてしまうかもしれない」
「「「「「ゆえーん! どうちてしょんなこちょいうにょおおおおお!?」」」」」
「だったらまりさがおうちでおちびちゃんたちをまもるんだぜ!」
「ご飯集めはどうするんだい?」
「れいむががんばるよ!」
「それじゃあ、その間れいむは全然ゆっくり出来ないじゃないか?」
「そのぶんふゆにゆっくりすればいいんだよ!」
「頑張って集まるなら苦労しないだろ? ご飯が集まらなくて子ども達を死なせたらまりさがおうちに残った意味がないじゃないか」
「ゆゆっ! ちがうよ! まりさがまもってくれないとふゆのまえにしんじゃうんだよ!」
「大体、まりさがいたところで熊や人間に襲われたらひとたまりもないじゃないだろう。 勝てると思うか?」
「それでもまりさはおちびちゃんをまもりたいんだぜ!」

「で、れいむ一人を残して死ぬのかい? それじゃれいむがゆっくり出来ないだろう?」
「ゆぐっ・・・・・・じゃあ、どうすればいいんだぜ?」
「君がおうちに残れば虫からは子どもを守れる。 でも、強い生き物と出会ったられいむを一人にさせてしまうし、ご飯も集まらない」
「ゆぅ・・・」
「君がれいむと一緒にご飯を集めに行けばご飯がたくさん集まるけど、子ども達は小さな虫に殺されるかも知れない」
「「「「「みょーわからにゃいよー!」」」」」
「それだけじゃないぞ」
「ゆゆっ! まだなにかあるの!?」
「一緒に外に行くとれみりゃに襲われたりした時に子ども達を育てるものがいなくなってしまう」
「ゆぅ・・・みつからなければいいんだぜ!」
「そうだな。 でも、れみりゃ達だって冬を越えるために必死なんだ。 そう簡単にいくと思うかい?」
「ゆ・・・それは・・・」

「だったられみりゃがはいってこれないおうちにすればいいんだぜ!」
「「「「「ゆゆっ!しゃしゅがおかーしゃん!」」」」」
「答えになっていないし、それじゃあ狭いぞ?」
「でも、あんぜんだよ!」
「だったら、どうして今お前達は広いおうちに住んでいるんだ?」
「ゆっくりできるからだぜ!」
「じゃあ、狭いおうちでゆっくり出来るのかい?」
「おちびちゃんたちがあんぜんならゆっくりできるよ!」
「だが、さっき広いおうちはゆっくり出来るといっていたじゃないか?」
「おちびちゃんたちのあんぜんがいちばんだよ!」

「それに・・・狭いおうちはそんなにも安全なのか?」
「「「「「ゆぅ?」」」」」
「もし、蛇や大ムカデが来たらどうするんだ?」
「れいむたちがやっつけるよ!」
「しかし、狭いとお前達は這いずることしかできないだろう? そもそも勝てるかも怪しいな」
「じゃあ、ひろいおうちのほうが・・・」
「広いおうちに住むとその分大きくて強い敵に襲われるぞ」
「「ゆゆっ!?」」

「じゃあ、ちょっとだけせまいおうちにするよ!」
「中途半端が一番危ない。 人間が腕を突っ込めればそれでおしまいだよ」
「「ゆーーーーーっ!?」」
「そもそも、人間が腕を突っ込めない大きさの巣じゃ親の君たちが中に入れない」
「「だっだらどほずればいいの!?」」
「分からないな。 それに、まだ問題がある」
「まだあるの!?」
「ああ。 狭いおうちだと殆ど身動きが取れないかもしれないだろう?」
「「「れーみゅたちはおきゃーしゃんがいれぇばゆっくちできりゅよ!」」」
「「まりしゃもだよ!」」

「お前達は大丈夫だろう。でも親の君たちはどうなんだい?」
「まりさたちはおちびちゃんがいればゆっくりできるんだぜ!」
「れいむもだよ!」
「そうか。でも、ずっと動かないでいると春になったときに殆ど動けないぞ?」
「「「「しょんにゃのかんけーにゃいよ!」」」」」
「いや、関係あるんだ。 春になったときにどうやって餌を集める?どうやってれみりゃから逃げる?」
「ゆ、ゆっくりがんばるよ!」
「頑張ってどうにかなるなら苦労しない」
「ゆゆっ!でも、おちびちゃんがぶじならそれでじゅうぶんだぜ!」

「お前はそうかもしれないが、子ども達は悲しい思いをするぞ? 餌集めだって自分でしなきゃならなくなる」
「「「「「おきゃーしゃんがいにゃいとゆっくちできにゃいよ!」」」」」
「分かるだろう?こいつらはお前達がいないとゆっくり出来ないんだ」
「ゆぅ・・・なられいむたちがんばってゆっくりするよ!」
「どうやればゆっくり出来るんだ?」
「がんばっておちびちゃんたちをゆっくりさせてあげるんだよ!」
「頑張る、じゃあどうにもならないって言ってるだろう?」

「じゃあ、ひろいおうちでふゆのあいだゆっくりするよ!」
「広いおうちだと人間に襲われるぞ?」
「じゃ、じゃあせまいおうちでゆっくりするんだぜ!」
「運動能力が低下して春先にゆっくり出来なくなるぞ?」
「「ゆううううううううううううう!?」」

「それに・・・・・」
「「まだあるのおおおおおおおおお!?」」
「どんなに頑張っても子ども達を守れなかったらどうするんだ?」
「ゆゆっ!? がんばってまもるよ!」
「頑張って守ろうとしたせいで全員が死ぬことになるかもしれないんだぞ?」
「「「「「ゆゆっ!?」」」」」
「それなら1匹2匹は諦めて逃げたほうがゆっくり出来るんじゃないか?」
「ゆぅ・・・でもぉ・・・」

「それだって問題がある。 君たちは家族全員一緒じゃないとゆっくり出来ないんだよな?」
「そうだよ! みんななかよしさんなんだよ!」
「じゃあ、1匹でも死んだらゆっくり出来なくなるんじゃないか?」
「ゆ゛ぐっ!?」
「でも、下手に守れば全員が死んでしまう。 君たちは子ども達が死んでも平気かい?」
「ぞんなわげないでぢょおおおおおおお!?」
「じゃあ、守れない子は見捨てて逃げるのかい? 大事な家族なのに」
「ゆぎぃ・・・!?」

「子ども達だっていつかあっさり捨てられるかもしれないのにゆっくり出来るのかい?」
「「「「「ゆゆっ!?」」」」」
「お、おかしいんだぜ・・・なにをしてもゆっくりできないんだぜ!?」
「そうだろう。 だから私は分からないと言っているんだ・・・」
「ゆ、ゆっくりって・・・なんなんだぜ?」
「それも分からない。子どもを守る苦しみを味わうくらいなら子どもなんて居ない方が良いのかもしれない」
「そ、そんなわげない・・・よっ!?」
「「「「「しょーだよ!へんにゃこちょいわにゃいでね!?」」」」」
「しかし、子どもが居なければ子どもに関係するゆっくり出来ないことが解消するぞ?」
「で、でも・・・おちびちゃんたちといるとゆっくりできるんだぜ?」
「そうか。 でも、ゆっくりできるもののためにゆっくり出来ないなんておかしいと思わないか?」
「ゆ・・・ゆゆ・・・ゆっくりってなんなんだぜ!?」

「分からない。 分からない・・・。 家族といるとゆっくり出来るが、家族のためにゆっくり出来ない。 広いおうちは危なくて、狭いおうちは動けない」
「やべでよ! もうぎぎだぐないよ! ゆっぐぢでぎないよ!?」
「子どもを見捨てるとゆっくり出来ないけど、助けようとするとゆっくりさせてあげられない。子どもがいるからゆっくり出来る。 でもいるからこその悩みでゆっくり出来ない」
「「「「「やめちぇえええええええええええええ!」」」」」
「分からない・・・私には君達にとってのゆっくりが何なのか全く分からないんだ・・・」
「まりさも・・・わからないんだぜ・・・。 ゆっくりって・・・いったいなんなんだぜーーーーっ!!?」


‐‐‐あとがき‐‐‐
俺は寧ろこのお兄さんに何があったのかを知りたいよ

byゆっくりボールマン

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最終更新:2022年05月21日 23:09