ゆっくりとりひきしていってね!2
翌日、れいむたちが起きたのは正午。
満腹だったから熟睡できたのだろう。
しかし、起きてすぐにれいむは思い出した。
「ゆ・・・たべものどうしよう・・・」
そう。
自分達の何かを代償に、食べ物が得られる仕組み。
れいむは素直というか物分りがいいというか。
このシステムに反対はしなかった。
無論、まりさも。昨日までは。
「ゅ・・・おなかすいたよ!」
まりさもやっと眠気から覚めたようだ。
無論、まりさの餡子脳では昨日のシステムを覚えているはずも無い。
「まりさ、たべものどうしよう・・・れいむたちのからだをおにいさんにあげなきゃいけないんだよ」
「ゆ?・・・ゆゆ」
まりさもやっと思い出した。
しかし、基本自己中心であるまりさ。
そんなこと言われれば言うことは唯一つ。
「まりさはいたいのはいやだよ!!れいむがやってね!!!」
「ゆ!!?れいむだっていだいのい”や”だよおおおおおおお!!!」
まあ自己中心でなくとも痛いのが好きだどというマゾヒストはそういないだろう。
こうやって口論になるのは当然といってもいいことだ。
しかし、ゆっくりの中で頭の良さはまりさが上なのだ。
まりさはれいむをゆっくり口説いていく。
「・・・ゆ!ならきょうはれいむがやってよ!あしたはまりさがするよ!それでいいでしょ?」
「ゆ・・・」
まりさの提案。
日代わりで交代して食料を貰う。
確かにそうすれば多少痛くてもゆっくりできる。
れいむはまりさがうそつきということを知らない、あっさりと信用してしまった。
「ゆ・・・ゆ!わかったよ!きょうはれいむがやるからまりさはあしたゆっくりよろしくね!!」
「わかったよ!きょうはれいむおねがいね!!」
まりさがこの時おおこわいこわいの顔をしていることはれいむは気づかない。
頬を千切られる恐怖でいっぱいだった。
結局昼は抜いた。
寝起きはあまり食べる気はしないのはゆっくりも同じだった。
夜
呼び鈴を押すと少年が舞い降りた。
それはもう満面の笑みで。
「食料が欲しいのか、そうかそうか。なら何がいい?
生ゴミか?くず野菜か?果物?3日分の・・・は無理だな。
1週間外出するか?楽しいぞ?」
れいむは察した。
おにいさんはたのしんでいる。
れいむたちをいじめること。
れいむたちのあかちゃんをころすことをたのしんでいる。
しかし、ここから出れない以上、逆らえない。
逆らえば食料を貰えず、そのまま餓死。
少しでも生き延びたいならここは押さえるべきなのである。
「ゅ・・・おにいさん!この『なまごみ』ってかいてるのをちょうだい!」
「生ゴミでいいのか・・・?まあいいさ、ご希望には全力でお答えするのが俺のルール。」
そう言うと少年はれいむを持ち上げた。
まりさにはそれがれいむだけを逃がそうとしているようにしか見えない。
「ゆゆ!!ずるいよ!!れいむだけおそとにだそうとしないでね!!」
「違うさ。すぐに戻る。すぐにな。さて・・・」
少年はれいむのほうを見る。
れいむは既に恐怖で震え怯えている。
「ゆ・・・ゆっくりしてね」
「ほお、いいのか・・・ゆっくりで。それじゃはじめるぞ」
少年はれいむの右頬をつまむ。
そして少しずつ、れいむの言われたとおりにゆっくりとねじる。
少しずつ、ブチブチと、亀裂が走る。
「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”!!!!いだだだい”いだいだいだいだい!!!!!」
「ならやめるか?その場合食料はなしだ。」
「れいむ!はやくしてね!たべものがでなかったらゆるさないよ!!!」
「どおじでそんなごどいう”のおおおおおおおおおお!!!!!???」
まりさから罵言を受けるれいむ。
そのときの少年はにやけていた。
「いたいのか。じゃあやめてやる」
少年は手を離しれいむをケースに戻そうとする。
「や”り”ま”す”う”う”う”う”う”!!!た”か”ら”や”め”な”い”て”ぇええええ!!!!!」
「どっちだよ、仕方ない」
少年は再びゆっくりとねじる。
「は”や”く”し”でぇええええ!!!い”た”い”の”おお”お”お”お”!!!」
「なら見せてやる、これが俺の全力全開!」
「ふんっ」と気合を入れて少年は千切る。
その千切りはまさに神速。
ありのままに説明すると気合を入れたと思ったら既に千切れていた。
何を言っているのか分からないとは思うがナレーションを勤める私にさえ分からない。
ただいえることはこの少年には何か秘められた力がある。
今はそれが少し垣間見えただけである。
しかしそれが開花するのもそう遠くないだろう。
それはおいておいて、ちぎられたれいむはというと、
「・・・!!!???いあだあだあだああああいあいいい!!!!!!」
頬に電流走る――――
ではなく頬に激痛が走っていた。
あまりの痛さに最初は気がつかないほどだ。
しかし、それよりも驚くのはまりさだ。
れいむが傷ついているのもなんのその。
「おにいさん!はやくたべものをちょうだい!!」
「まりさ”あ”あ”あ”あ”あ”・・・・!!!!」
「勿論だ。ほれ、生ゴミだ。」
少年は袋を持ってきて1食分の生ゴミを放り入れる。
まりさの帽子に見事ヒットし、まりさの帽子から「ベチャッ」と音がした。
「ま”り”さ”の”ほ”う”し”か”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」
「昼食、一人分だけだ。残してもいいが生ゴミに関してそれは推奨しない」
れいむを放り投げそうだけ伝えると少年は姿を消した。
「まりさ!ひどいよ!!れいむよりたべものなの!?そんなまりさとはゆっくりできないよ!!」
れいむは頬を膨らまし威嚇する。
それを見たまりさは必死に弁明した。
「ごかいだよれいむ!おなかがすいてればひっしになるのはとうぜんだよ!ゆるして!!」
それを聞いたれいむはまたもあっさり認める。
「ゅ・・・。わかったよ!あしたはまりさがやってね!!」
「わかったよ!まずはごはんをたべようね!」
まりさは我先にと生ゴミをかぶりついた。
「ゆゆゆ!!ずるいよ!れいむのぶんものこし・・・て?」
まりさの顔が青く、苦虫を噛んだような表情に変わってゆく。
B級ホラー映画になら出演できるような顔になっていた。
「ぶぅっぇええぇえええ!!!!まずいよ!くさいよ!こんなのたべものじゃないよおおおお!!!!!」
ベッとまりさは生ゴミを吐き出した。それは確かに臭くて食べられなそうだった。
それを嗅いだれいむは怒った。
「ゆ!!きっとおにいさんがまちがってだしたんだよ!もういちどおにいさんをよぶよ!!!」
れいむは呼び鈴に何度も体当たりする。
少しして少年がやってきた。
今回は舞い降りず、走ってきた。鬼の形相で。
「うるせぇよ!呼び鈴は一度押すだけでいいんだよ!!今度何回も押したら焼き土下座させるぞゴルァアアアアアァァァ!!!」
「「ごめんなああっさああああぁあぁぁぁああいい!!!!!」」
それはまさしく鬼。後半言ってることは分からなかったがとにかく次からは1回だけにしよう。
無論、よいこのみんなもピンポンダッシュはだめだぞ?
「で、何か?」
「ゆ・・・!おにいさん!!これはたべられないよ!!まちがえたんでしょ!?はやく『なまごみ』をもってきてね!!」
「は?」
「だから『なまg「それが生ゴミだ。」
れいむは意味が分からず、言葉を失う。
次はまりさのターン!
「おにいさん!これくさくてまずいよ!ほかのたべものをもってきてね!!」
「何言ってるんだ、それを得る為にれいむの頬を一回千切ったんだぞ。その分がそれ。
それにそれはまずくて臭かろうが栄養は保障する。但し3食分くらいで初めて1日分の栄養が補えるんだけどな
何を言われようが一回じゃあそれだけだ。じゃあな」
「ゅ・・・ゆぅうう・・・」
まりさは落胆した。まさかこんなものが出るとは思いもしなかった。
しかし、れいむは違った。
「・・・むーsy・・・んぎゅう!!んぶぶ・・・・・・-しゃ・・・むーしゃ・・・しあわせー・・・」
「!!?」
まりさは心底驚いた。
れいむがそのまずくて臭いものを食べたのだから。
「れいむ!なにかんがえてるの!?ばかなの!?なんでそんなくさくてまずいものたべるの!?」
「これをたべればいきれるよ!!これをたべないまりさはしぬんだよ!!かわいそうだね!!れいむはいきれる!ゆっくりできるよ!!」
「いや”あ”あ”あ”あ”あ”!!!ゆ”っく”い”した”い”い”い”い”い”い”!!!」
しかしもうまりさの分は無い。れいむが全てたべ終えたのだ。
れいむは口の中が不満だが、空腹は満ちたし段々と元気になってきた。
生ゴミでも一応、栄養は補えるのだ。くず野菜と比べれば微々たる物だが、最低でも死ぬことは無い。
「まずかったけど・・・きょうはゆっくりねむれるよ!!」
まりさは暫く泣いていたが、れいむはすぐに眠りに着いた。
2日目は終わった。
しかしこの時点でまだ2匹に変わった様子は無い。
ゆっくりとりひきしていってね!2 終
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あとがき
虐待要素はあまりないよなぁ・・・
頬を千切るとかしかない。
子供を渡すのは精神的虐待だし。
自分自身もう少し少年に虐待させたい
と少し後悔してますw
代表作
ゆっくり大福
ゆっくりとりひき 2~以下続
最終更新:2022年05月03日 19:15