最近幻想郷にゆっくりとかいう生物があらわれた。
その体は餡子でできてる故幻想郷の食糧事情に貢献したわけだが1つだけ被害を受けたところがあった。
それは菓子屋だ。




  ゆっくり増えるよ!by昔話



そして俺は幻想郷で菓子屋を営んでるうちの1つ
名前はわざわざ言うまでもないだろう

さて、どうして恩恵を1番受けそうなところが被害を受けているのかというと・・・

カランっ

「あ、いらっしゃいませ~」




「この店もまだお饅頭高いわねぇ 隣町の○○さんのところなんか~」
「はぁ・・・気をつけます」
「次くる時までに安くしておきなさいよね!」

っとこのとうり値段でしか物事を考えないババアに何かと言われるからだ。

利益目的で饅頭の中身をゆっくりにした菓子屋に
小豆から作っているうちの菓子屋が値段で勝てるわけないだろ 常識的に・・・


かと言ってもゆっくりを使っているところは値段をうちの半額ほどにしている
(と言っても以前はうちのところくらいが適正価格だったのだが)



そういう訳で物は試し
長い物には巻かれろという言葉もあるとうりうちの店も普通の饅頭の半分の価格の
ゆっくり饅頭を作ってみることにした。


まず材料として当然ながらゆっくりが必要だ
ゆっくりを捕まえるためのエサはうちの店の廃棄品でいいだろう

ゆっくり自体はそこら辺の野原に行けばいる

っとみつけた

日光がよく当たる位置でぼーっとしている
数は1匹しか見当たらないが自分で作ってみる分には1匹だけで十分だ

「ゆ?おにいさんはゆっくりできるひと?」
「あぁ、その証拠にあまあまを持ってきたんだ 食うか?」
「ゆっ! ゆっくりたべるよ!」

ほれっ
そうやって俺は饅頭を作った時のあまりの餡子を放り投げる

「むーしゃむーしゃ しあわせー♪」

そりゃあうまいに決まってるだろ・・・
お前たちみたいにどこから湧いてきたかわからんような餡子じゃなくて
本物の小豆から作ってるんだからな


そう思いゆっくりを計画どおり連れて帰ることにした
あまあまをやったかどうか知らないが、簡単についてきたのでうるさく騒がれずにすんだ。


とりあえず・・・次は洗えばいいか
饅頭はもっとあまあまをよこせとかどうのこうの言っているけど無視をして
洗面所で軽く洗う

「ゆ? おふろなんだね! ゆっくりするよ!」

「ゆ~ゆゆ~ゆ~♪ ゆっくり~♪」

そういえば底部も洗わんとな
そう思いれいむをひっくり返す

「ゆ~ゆ~ゆぎぇ!」

突然ひっくり返したせいか舌をかんだようだ

「どぼじでぞんなごとするのぉおおおぉおおお!!」

よし、次は餡子を取り出すだけだ
何かと喚いてるれいむを無視し台所まで抱えて行く

「ゆ?なんかあまあまの匂いがするよ! おにーさんかわいいれいむにもってきてね!!」

その前に味の確認をしてみないとな・・・
れいむを横に寝かせ髪など邪魔な物がない底部を切断してみる

「ゆぎゃぁぁぁあああああぁあ でいぶのあ゛んよがぁぁあ゛ああ゛ぁあ」

ん、意外とうまいじゃないか
この味ならなかなか売れるんじゃないか?










あの後ゆっくりから作った饅頭を売ってみたが意外とよく売れた
評判もなかなかよかったので新製品として取り入れようと思うのだが
問題はゆっくりの入手方法だ

加工所で購入するのはゆっくり饅頭の魅力である安さをなくしてしまう
自分で捕まえるのも毎日休みの時間をつぶしてまでやりたくはない
2匹捕まえて子供を産ませるのもエサ代や育つ時間で効率的とはいえない

さて・・・どうしたものか

そういえば昨日ゆっくりの餡をスプーンでえぐりとっていた時
たしか3分の2ほどまでとってもわずかに生きていたな・・・

もっとも「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」としか言わない壊れた玩具のようになっていたが


そしてゆっくりの傷はオレンジジュースで回復する

となれば・・・・




一ヶ月後
裏庭には小屋が完成されてあった

河童の技術は本当に恐ろしいものがある。盟友でよかった。

それで小屋といっても普段想像するような粗末な小屋ではない
外からの見た目はまさにそのような物であるが中は違う

まず扉を開けてすぐにボタンがあり、その足元すぐには階段1段分の段差がある
そして床はタイル敷きになっていて水をいっさい逃さないようにしている
排水溝も開け閉めは可能だ

そして1番の変化は壁にところどころ穴があることだ

この穴が何かは後でわかるだろう


ともかく今必要なのはゆっくりである
小屋の完成に合わせてゆっくりを1匹加工所から注文をしておいた
注文といっても何か特別なしつけをしたやつではないのだが
どうせなら上質の餡子を持つやつがいい
自分で捕まえにいってもよかったのだが注文をした理由はそういうわけだ。


小屋の中に入り、目を覚まさせるために箱からだし声をかける

「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっ! ゆっくりしていってね!」

本能に従い目を覚ましたようだ

「ゆゆっ? おにーさんはゆっくりできるひと?」
「あぁ、その証拠におかしがあるのだが食べるか?」
「ゆ! ゆっくりしないでれいむのおかしをおいていってね!!」

適当に持ってきた失敗作をそこら辺に放り投げる
失敗作といっても砂糖が入っているし、食うだろ
れいむが生ゴmいや、失敗作をむさぼっている隙を見計らって壁に移動する
そう、穴ぼこだらけの壁だ
この穴の中かられいむの身長にあわせ真ん中くらいのところの穴に指をいれる
先端がフック状になっており、引っ張ると人間でもよく見ないとわからないような糸がでてきた
ピアノ線だ。

これを反対側の壁までひっぱりフックにひっかけると準備は完了だ。

「おにーさんこれじゃあ足りないよ! もっともってきてね!! のろまはきらいだよ!」

と、準備が終わったと同時にれいむは生ゴミを食いつくしたようだ。
そこで隠し持っていたチョコを3分の1ほど割って放り投げてやる

「むーしゃむーしゃ しあわせー♪ おにーさんこのあまあまがもっとほしいよ!」

そこで残りのチョコを見せてみる

「ゆっ! ゆっくりしないでれいむにわたしてね!!」

無視する。

「ゆっくりしないでね! れいむおこるよ!!」
と言って空気を頬に入れプクーっと膨れあがる。

そこでまた無視する。

「もうかんべんできないよ!! ゆっくりもらうよ!」
と、言ってジャンプをして奪いとろうとする

それを待っていた。
「ゆっ! ゆっ!」と言いながら奪おうとするれいむをかわし
ピアノ線をのりこえてれいむとチョコの中間にピアノ線がくるようにする。

「よし、これを食べれたられいむお前の勝ちだ」

そう言いチョコの位置も今までの人間の手の高さと違いれいむの正面に移動させておく。

「ゆゆっ! こんな高さにするなんてやっぱりにんげんさんはばかなんだね! ゆっくりたべられていってね!」

と言い最後の力をふりしぼり奪い取ろうとする。

がチョコに触れる前にれいむの体に触れたのはピアノ線であった。

「ゆぎゃぁぁあ゛あ゛ぁぁああ でいぶのおめめがぁあ゛あ゛ああ」

どうやら真ん中より少し高くちょうど眼球に位置するところに線はあったらしい
それにしても何故まっぷたつにならないんだ・・・?と思いよく見てみるとわかった。
餡子の粘着性のおかげで両断されたのがくっついているだけであったのだ。

ようするに上にのっかっているだけなのだ。

少々遅れて理解し、まっぷたつになったのを手でつかみしっかりと2つに分けて床に置いておく。

そして小屋の外にあるボタンを押す

これは維持費に少々金がかかるのだがゆっくりの再生に不可欠なオレンジジュースを
段差の半分ほど満たしておける装置なのだ。



こうして次の日様子を見に小屋にいった。



「「ゆっくりしていってね!!」」

うん、やはり2匹に増えている
というか何で一晩ジュースにつかしておいただけで失われた臓器まで再生してるんだよ・・・
物理的におかしいだろ・・・常識的に


とりあえず1匹は捕まえておく
すると当然ながらもう1匹の方も反応した

「ゆっ! れいむをはなしてあげてね!! ゆっくりしてないよ!!」

そりゃあ口を押さえているんだからゆっくりおしゃべり(笑)もできないだろ
するとれいむの堪忍袋に触れたのかどうか知らないがポインポイン音をたて
足もとにむかって攻撃をしてきた。

「ゆっ! ゆっ! ゆっくりしねぇぇえええ!!」

…こんな饅頭の攻撃に痛みは感じないのだがオレンジジュースがズボンについて正直うっとうしい
わざわざ相手にするのも煩わしいのでピアノ線でまた両断させてやることにした
れいむの攻撃のタイミングを読み取りうまくピアノ線のところに誘導する
自分が切らないようにうまく足をむこうにどけて…と

「ゆぎぇぇええぇえ!! でいぶのめがぁあ゛ああぁあ どぼじでごうなるのぉぉおおお」

絶叫と共に 双眸は再び裂けた。











そんなわけで本格的に製品化をすることにしたのだが、正直これが売れて売れてたまらない
きっとこれは他店に比べると高級店の位置に分類されるうちの店が他の店と同じような値段の新製品を出したことによる
ブランド効果もさることながら、事実饅頭の皮と餡子の3分の1は普段使っているようなものと差し障りのない物を使用しているからだろう



このことによって他の店と比べ利益率は劣るながらも味の低下は他店よりおさえられることになった
これだけやれば例の値段ババアにも喜んでもらえるだろ・・・










季節が変わりはじめ人々が長い休みを取ることができるような時期になってからそれは起こった。


トゥルルル  トゥルルル

「はい? え、もうそんな時期ですか? わかりました… すぐ準備をします」


うちの店では代々店を継いだものは初めのうち数年間は1年間のある時期に1週間だけ
先代の者に教えを請いにいかなければならないという慣習がある
これは後を継いだ者が独立したことをかさにして代々の技術を低下させないようにするためのものである


そして毎年のことながらこの時期がきたのだ。




そんなわけで例年通りの閉店の準備をする。

一時閉店の張り紙よし
バイト君の休暇宣告よし
あと食材は・・・適当な菓子にでもしてバイト君へのお土産に持たせればよし
現金は・・・銀行にでも預けておいて
あとは店の電気を消すだけで準備は完了。








そして週が変わり・・・

「ふぅ…」

この日はやっと1週間に亘る技術の確認が終わり店へ戻ることができた日だ
といってもまるまる1日休めるわけではなく次の日から再開ができるように準備をしなければならない

張り紙は・・・この日から再開することをかいてあるから問題なし
バイト君たちには通達しているはずだが確認のために連絡をしなければならない
食材は・・・全部使い果たしたから改めて今日買わなければならない
現金は預けてあったのを材料費と小銭のためにおろさなければいけない

店の電気は・・・ん? 何で離れ小屋の電気が・・・?



「・・・ぁ・・・い・・・」

小屋に近づいてみると何やら声がする

そういえばこの小屋はゆっくりを増殖させるための小屋であったのを忘れていた
もしかして店の味の秘密を探るための侵入者であるかもしれない

物音をたてずに扉の前に立ち勢いよく開いてみる














この光景はまさに圧巻であった






半身のないゆっくりが幾重にも重なり合い部屋を埋め尽くしている
だがそれだけならばまだよかった

部屋の底がゆっくりの再生を促すオレンジジュースの絨毯になっており
再生したと同時に餡子がうごめきあいその衝撃で部屋中にひいたピアノ線で身を裂かれているのだ




「ゆぎぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!!」
「いだぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「でいぶのおべべがぁあああああああああああああああ!!!!」
「ごべんなざぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「あやばりまずがらぼうやべでぇええええええええ!!!!!!」
「い、いとさんでいぶのどごろにごなぃでねぇえええ!!」
「ゆ゛っゆ゛っ… ぼっど…ゆっぐりじだがった…」



ゆっくりは餡子が結合していれば痛みは共有する
このゆっくり達の叫びは無駄だとわかっていても誰かに変わってもらいたいという嘆き


そしてこのゆっくりと目があった瞬間触手のようなものが伸びてきて・・・


















目を覚ますと私は店の仮眠室で横になっていた
バイトの話によると私は離れ小屋の前で倒れていたようだ
小屋について聞いてみたがバイトが来た時点では扉は閉まっていたようだ








あれから一年

あの日私は離れ小屋のボタンを消して以来扉には近づいていない。

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最終更新:2022年05月22日 10:40