注意書き

人間に飼われるゆっくりがいます
うーぱっくが登場します
さらにうーぱっくは自分の脳内設定全開です
あとすこし人間、飼い主虐めな部分もあるかもしれません
では、本編行きます




「おにいさん!まりさはゆっくりいってくるよ!!おひさまがしずんだころにはかえるからね!!」
「ああ、ゆっくり気をつけてな」
畑で農業をやっているお兄さんに大切に飼われているこのまりさは毎日朝ごはんを食べた後は夕方、日没まで外で遊ぶのが日課になっていた。
「ゆゆ!きょうもゆっくりたんけんするよ!!」
このまりさは人間に家から出してもらえない飼いゆっくりのために家の外の楽しいもの、面白いもの、怖いものを見聞し、ゆっくり集会で発表するのが楽しみだった。
今日もその集会のネタ探しのために里のはずれの野原まで跳ねていった。

「ゆ~、おひさまがちもちいいね!!」
目的地の原っぱについたまりさは原っぱのど真ん中で日向ぼっこをしていた。
ここは飼いゆっくりや野生のゆっくりがたまに訪れるゆっくりプレイスであり、ここに来る野生のゆっくりは温厚なものが多いため野性と飼いゆっくりの衝突もほとんど起きていなかった。
今日は自分以外のゆっくりがいないな?そうまりさが思ったとき、自分の後ろから声が聞こえた。
「う~、たべちゃうぞ~」
「れ、れみりゃだぁー!!」
なぜ昼間にれみりゃが居るんだ?
まりさにはその理由は分からなかったがそこにれみりゃがいることは確か、まりさは全力で森の中へ逃げ出した。
このれみりゃは昨日の夜から餌を探していたが餌が見つからなかった、一日ぐらいなら我慢できたが二日も餌が見つからないと空腹で辛くなる、
そのためれみりゃは本来活動時間ではない昼間も起きて餌を探していたのだ。
ちなみにれみりゃが白昼堂々飛んでいるのを見た周囲一帯のゆっくりみんなが巣にこもってしまい逆に餌が取りにくくなったことは言うまでもない。

まりさは何とかれみりゃの攻撃をかわしていた。
もともとれみりゃは旋回性能が低い、全速力で飛んでるときは致命的なまでに。
河に流されていたれいむを救ったれみりゃが目の前の電柱をかわしきれない…そんな絵はかなり有名なので見たことがある人も多いと思う。
そのためれみりゃは「たべちゃうぞ~」とゆっくり達の恐怖心を刺激し、恐怖したゆっくりは直線コースでしか逃げようとしないためれみりゃにつかまってしまう。
だがある程度成長したゆっくりや、飼いゆっくりはれみりゃの欠点を知っているためれみりゃの進行方向に対し垂直に動くことでれみりゃの攻撃をかわすことができるのだ。
「う~逃げると食べちゃうぞー!!」
何度も自分の突撃をかわすまりさにしびれを切らしたれみりゃは全速力で突っ込んできた。
「まりさはれみりゃになんかたべられないよ!!ゆっくりしね!!」
れみりゃの牙がまりさに刺さる直前、まりさは横にはねた。
「う~?うああぁぁぁぁ!!!」
目の前にいたまりさがいなくなったと思ったら目の前には切り株、れみりゃはよけることも止まることもできずに正面から激突してしまった。
「う~…」
そのまま白目をむいて気絶するれみりゃ、これで一安心だ、しばらくは目を覚まさないだろう。
「ふぅ、これでやっとゆっくりできるよ…ゆ?」
そのとき、まりさはある事に気づいた。
「ここ゛どこ゛お゛ぉぉぉぉ!?!?」
そう、まりさはれみりゃから逃げるのに夢中になり、森の奥深くに入った結果、道がわからなくなってしまったのだ。
さらにもう夕方じゃないか、このまま日がくれればれみりゃの時間になる、もし複数のれみりゃに襲われれば自分は簡単に食われてしまうだろう。
お兄さんとの約束を破って怒られるのは怖くなかった、悪いのは自分だからだ。
でもお兄さんにもう二度と会えないと思うと震えが止まらなかった、れみりゃに食われることよりもお兄さんの方が大事だったのだ。
その時、饅頭に神がいたかどうかは知らないがまりさのすぐ近くを通りがかったうーぱっくがいた、あれに乗ればゆっくりできる!そう思ったまりさはうーぱっくを呼びとめた。
「ゆゆ!そこのうーぱっく、ゆっくりとまってね!!」
「う~?」
「まりさはみちにまよっちゃったの!かえりたいからゆっくりのせてね!!」
「うー!うー!」
うーぱっくから了承を得たまりさはうーぱっくの上に飛び乗った。
うーぱっくが上昇してくれたおかげでまりさはなんとか里の方向を特定した、まりさはうーぱっくに目的地と方角を告げるとうーぱっくの中へ入って行った。
「ゆぅ…これでゆっくりできるよ…」
これで家に帰れる、つく頃には真っ暗になっているかもしれないがそれで怒られるのなら仕方がない。そうまりさは思った。
そういえばうーぱっくにあげるお礼、持っていないな…お兄さんにお願いしなきゃ…
そのまままりさはうーぱっくのなかで眠ってしまった、きっと精神的な疲れと肉体的な疲れがどっと溢れたのだろう。


「まったく、まりさのやつ遅いな…いったい何をやっているんだろう?」
お兄さんはそう呟きながら家の前を左右に何往復もしていた。
いままでまりさがこんな遅くまで帰ってこないことはなかった、もしかして怒られると思ってすぐ近くで様子をうかがってるのかもしれない、まったく自分には起こる気なんてないのに…
「おい、まりさー!!出て来いよー!!俺は怒ったりはしないぞー!!」
うん、出てこない。
もしかしたら本当になにかあったのかな?お兄さんは胸騒ぎのようなものを感じた。
その時、満月をバックにこっちに飛んでくる物体が目に入った。あれはうーぱっくだ、あの特徴的なシルエットは鳥とか蝙蝠ではないだろう。
「あの糞段ボール…ついに来たか!!」
男は急いで家の中に「ある物」を取りに行った。

うーぱっくは目的地の人間の家を視界に収めた、載せているまりさのいった特徴そっくりだからあそこで間違いないだろう。
「うー、うー!」
うーぱっくが中で寝ているまりさを起こそうとしたとき、自分のすぐそばを何かが通過した。
「う?」
気がつくとうーぱっくの角が削れていた。
「う、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ!!」
その悲鳴でまりさも飛び起きた。
「ゆゆっ!?どうしたのうーぱっく、ゆっくり!!ゆっくりしてね!!」

「糞段ボールがぁ!!こっちに来るんじゃねぇよ!!」
パチンコを連射していたお兄さんが叫んだ。
彼は飼っているゆっくりを愛してはいるがゆっくり愛護派というわけでもない、畑を荒らすゆっくりは今まで撃退しているし、罠にかかった野生のゆっくりは加工所に売り飛ばしている。
しかしうーぱっくはゆっくりを載せ、畑のど真ん中に着地、そのまま畑を荒らし、飛んで去っていく。今までの対ゆっくり用の罠の殆どがうーぱっくのせいで無効化されるのだ。
彼はまだこのうーぱっくを使った畑荒らしの被害は受けたことはなかったが、知り合いから話を聞いて何時自分のところにも来るかと警戒していたのだ、
そして対策用ネットの準備が整うまでの間パチンコで迎撃することにしていたのだ。
当然あのうーぱっくの中には畑を荒らそうとする糞饅頭が入っている、お兄さんはそう信じて疑わなかった。
ふつう畑荒らしの際、うーぱっくは野菜を持って帰る個体が随伴する、つまり最低でもうーぱっくは二匹いるのだが…知り合いから話を聞いただけのお兄さんは知らなかったのだ。
「うー!うー!」
「ゆっくり!!ゆっくりしてねー!!」
うーぱっくは何とか体を左右にずらし回避行動をとろうとするが飛んでくるパチンコ玉はどんどん近くを通るようになってくる。
「う、うー!!」
うーぱっくは引き返そうと思った、指定の位置に積み荷を降ろせないことはうーぱっくの沽券にかかわることだがこのままあの家の前に着陸しようものならあの人間に殺されかねない。
中のまりさには悪いが少し離れた所から歩いてもらおう、そう思い、高度を上げて離脱しようとした。
「逃げる気か糞段ボールが!!」
しかし、人間は許してくれなかった。
「直撃させる!!」
なんか額から火花のようなものを出しながら放ったパチンコ玉。
お兄さんの全力全開のパワーを一身に受けたそのパチンコ玉はうーぱっくの後頭部を突き破り、中のまりさの後頭部を突き破り、眉間から飛び出て、うーぱっくの目と目の間から飛び出した。
「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…」
「まり゛さの゛な゛か゛み゛があ゛あ゛ああ゛あ゛ぁぁぁぁ…」
うーぱっくは飛行能力を失い近くの小川へ墜落していった。うーぱっくのほかにゆっくりまりさの悲鳴も混ざっていたがお兄さんには聞こえなかった。

「ふぅー、すっきりしたぜ!!」
うーぱっくが逃げようとしたときはどうしようかと思ったが撃墜できてよかった、あの高度から落ちたんだ、中のゆっくりも死ぬだろう…
「しかし…まりさは遅いな…」
明日になって帰ってこなかったら、近所の飼いゆっくり達にまりさを見なかったか聞いてみよう、そう思いお兄さんは家の中に入っていった。


結局、飼いゆっくり達の捜索作業にもかかわらずまりさは発見できなかった。
最愛のゆっくりを失ったお兄さんはこの後、堕落していくことになるがそれはまた別のお話

あとがき
自分の脳内設定うーパックについて少し…
内部は空洞、飛行中も中に乗ったゆっくりはうーぱっくの頭の上に乗って周りの風景を見ることができます。
このSS内では説明不足の部分もあるかと思うのでその時は質問してくだされば大抵のことにはこたえようと思います。

8月31日 0111


セイン




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最終更新:2022年05月03日 09:49