- 『 』が人間、「 」がゆっくりのセリフです。
- 胴付きゆっくりが登場します。
- 作中、ゆっくりは死にません。
今日は、まりさのために、とっておきのご飯を買ってきた
その名は”うんうんフード”。その辺のゆっくりがおトイレで出すものと同じものです。ゆっくりしていってね!
「ゆ……ごはんさん? それはなんなのぜ?」
『これか? これはだな、俺がお前に食わせるために買ってきたものだ』
俺はそう言って、パッケージを開けて中身を取り出した。
「ゆんやあああっ!? くっせ!これくっせ!まじくっせ!」
『あー、そりゃそうだろ。これはゴミみたいなもんだからな。でもまぁ大丈夫だ、そのうち慣れる』
「こんなくさくてまずそうなもの、いくらなんでもたべられないのぜ!!」
『ええいうるさいぞ!黙れ!』
俺は大声で怒鳴った。
「ゆひぃ!!ごめんなさいなのぜ……」
『まったく……しょうがない奴め。おいれいむ!ちょっと来てくれ!!』
「はいよ~」
れいむは台所からひょこっと顔を出して、こちらにやってきた。
ちなみに、このれいむは胴付きだ。
だいぶ前かられいむを飼っているが、まりさが俺の家に来た時はすでに胴付きの状態だった。
『れいむ。まりさが、このご飯食べてくれないんだよ。せっかくとっておきのご飯買ってきたのに』
「さっきごみみたいなものっていったのぜ!ごはんさんじゃないのぜ!!」
まりさはぷりぷりと怒っている。
そんなまりさにれいむが言った。
「まりさ。これはね、ゴミなんかじゃないんだよ。とってもおいしいごはんさんなんだよ。」
「うそつけ!くさいのぜ!くさすぎるのぜ!こんなのくえるわけないのぜ!」
『いいや、うまい飯だ。ほら、一口食ってみろ』
俺はそう言って、まりさの口にうんうんフードを放り込んだ。
「げほっ!げぼおっ!」
まりさはあまりの不味さに吐きそうになったようだ。しかし必死になって我慢したらしく、吐き出さずに飲み込んだようだった。
「ぐぅ……おぇっ……ひどいめにあったのぜ……」
『どうだ?うまいだろう?』
「くっそまずいのぜ!」
『でも、毒は入ってないだろ?』
「ゆっ……それはそうなのぜ……。とにかくもうくわないのぜ!まりさをころすつもりならはやくしねるようにするのぜ!!」
まりさはかなり強情な性格をしているようで、どれだけ説得してもうんうんフードを食べようとしなかった。
そこで俺は、最後の手段に出ることにした。
『よし、アレを実行するぞ、れいむ』
「りょうかいだよ!おにいさん!」
「あれとはなんのことかぜ?」
『ふふん、まぁ見ていろ』
俺はニヤリと笑いながら、部屋にある押入れに向かった。そしてその扉を開けると…… そこには大量のうんうんフードがあった。
「ゆわああ!とってもくさ…おいしそうなごはんだんだよおお!」
「いまくさいっていったのぜ!ぜったいにおいしくないのぜ!!!」
「ほんとうかなぁ?」
れいむはまりさを無視して、うんうんフードに手を伸ばしていた。
「やめるのぜええ!!」
まりさは慌てて、おさげでれいむの手を掴んだ。
「ちょ、れいむにさわらないでよね!くさいくさいはあっちにいってね!」
「どぼじでごんなごどいうのぉぉ!!」
れいむはまりさのおさげを振り払うと、うんうんフード、ではなく近くのゴム手袋を手に取った。
「こんなものさわったら、てがくさいくさいになるからね!じゅんびできたよ!」
『よし』
「じゃあいくよー」
れいむは、ゴム手袋を装着した手でうんうんフードをつかむと、まりさの顔に押し付けた。
「ゆぎゃあああっ!!!」
叫び声をあげるまりさの口の中に、うんうんフードが流れ込む。あまりの臭さにまりさは悶絶する。
「ごはんさんは、こうやってたべるんだよ!わかった?」
「ゆぴぃぃ!!ゆるぢでえええ!!」
「わかればよろしい」
れいむは満足そうにそう言うと、まりさの口から手を離した。そしてまた、うんうんフードをつかみ、まりさの口に放り込む。
「ぐざぁ!!ぐざいのぜえ!!じんじゃう!!じんじゃうのおおお!!!」
「がんばれー。あと5回くらいあるからがんばろうねぇ」
「ゆぴぃいい!!ゆっぴゃああっ!!」
まりさが泣き叫ぶ中、れいむは次々うんうんフードを放り込む。なんだか楽しくなってきたようだ。
「ゆんやぁ……ゆんやぁ……」
まりさが白目を剥いて気絶したところで、俺はれいむからゴム手袋を取り外す。すると、れいむはまりさを俺の方に差し出した。
「はいおにいさん。たべさせてあげてね!」
『よし、俺もやるか』
俺はうんうんフードを手づかみすると、まりさの口のなかに詰め込む。
「ゆっ…ゆ… ゆ?」
まりさの意識が回復する。
「ゆ?まりさはなにをしてたんだ…くっせ!まじくっせ!ぱねぇ!」
まりさは自分が何をされていたのかを思い出して、慌てる。
「まりさはね、ごはんさんをたべなかったんだよ。だかられいむたちがたべさせてあげたんだよ。かんしゃしてね!」
「たべられなかったんじゃなくて、たべものじゃないでしょおおおお!!」
『はあ…まだ反省が足りないな』
「しょうがないね!またれいむがたべさせてあげるよ!」
「もういらないのぜ!!!」
「そんなこといわずに、はい、あ~ん」
「やめるのぜええええ!!」
こうして、俺たちは毎日のようにまりさと戯れていた。
うんうんフード。それは舌が肥えたり調子に乗った飼いゆっくりに現実を思い出させるためのしつけグッズである。
もともとは、手軽にうんうんを食わせるための虐待ツールであったが、飼育用に転用されたという。
うんうん、といっても、ゆっくりが死んでしまわないように調整がされており、まあまあ便利である。
ネーミングセンスはアレだが。このアイテムが人気になった理由は、飼い主がストレスなくうんうんを食べさせることができ、なおかつ飼いゆの健康維持にも役立つという点だろう。
うんうんを摂取することによって栄養状態がよくなるため、結果として病気にかかりにくくなったという報告もある。しかし、あくまでうんうんはうんうんなので、うんうん好きのゆっくり以外には地獄そのものだった。
ちなみに、うんうんの臭いは香料によって誤魔化すことができるのだが、それをするとただのゆっくりフードになってしまい意味がないとして普及はしていない。
あれから1か月。毎日うんうんフードを食っているまりさは、一向に非ゆっくり症にはなっていない。
うんうんフードに非ゆっくり症防止剤でも含まれているのだろうか。
まあ、まりさにうんうんフードを食わせるようになってかられいむも楽しそうだし、まあいっか。
「おにいさん!きょうのごはんはなあに?」
『今日は、まりさだけうんうんステーキ(ただのうんうんフード)だ!』
「ゆわああ!うんうん!うんうん!」
「まりさはうんうんさんがすきなんだねえ」
「うんうんだいすきだよ!うんうん!」
すっかりまりさは、うんうん中毒になってしまったようだ。
うんうんフードに夢中になるまりさを尻目に、俺はれいむと外出だ。糞マニアと一緒だとこっちの飯もまずくなる。
さて、胴付き同伴可のレストランが近くにできたから、行ってみるとするか。
終わり
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最終更新:2022年05月29日 20:47