ゆっくり虐めもの
水虫
「「「ゆっくりしていってね!」」」
「おぉう?なんだゆっくりか。」
男が仕事から帰ってくると無人のはずの我が家で何故か出迎えを受けた。
どうやら野良ゆっくりの一家が入り込んで来たらしい、本来の家主のことなど知ってか知らずか我が物顔で振舞っている。
「ここはまりさたちのおうちだよ! おじさんはゆっくりしないで でていってね!」
「そうだよ! ここでゆっくりしたければ ごはんをよういしてね!」
ゆーゆーゆーゆー・・・
次から次へと自分勝手な主張を述べるゆっくり達、普通なら泣き叫ぶまで虐待されてもおかしくないのだが
「あー、それはすまんかったな。ちょっと片したらすぐ出てくから、ゆっくり待っててくれ。」
「ゆゆゆ? それならゆっくりまつからゆっくりしていってね!」
実はこの場所、家といっても居住区間ではなく、農具を収納したり汚れ作業を行うような土間作りの納屋であった。
寝食を行う家屋とも隣接しているのだが、そこへの通路は段差と戸により区切られておりゆっくりでは侵入できない。
食い散らかされる食料は置いてなかったし、農具などもゆっくりにどうこう出来るほど重量の軽いものではなかった。
そして幸いにも、この男にはゆっくりを痛めつけるような趣味がなく、それどころか軒先を饅頭に貸すほどに心の広い人物であった。
男は怒ることもせず、ただ一言ゆっくりに詫びると淡々と部屋の隅に積まれている荷物を弄り始めた。
一方のゆっくり達は、ここが人間の住居であると理解した上での確信犯であった。
そのため男が帰ってきたときとっさに強がってハッタリをかましたものの、内心は戦々恐々であった。
ところが男は一家を咎める事もなく、ここから出て行ってくれると言うではないか。
そこで下手に機嫌を損ねるのも損と考え、(ゆっくり的に)丁寧な対応で男の挙動を見守ることにしたのだ。
しかし、数分過ぎたころ
「ゆうぅぅ、おじさんまだー?」
「悪いなぁ、もうちっとだから待っててくれよー。」
「しかたないね! とろいおじさんはさっさとしてね!」
男が下手に出ているところから、一家は彼を自分達より下と判断した。
結果、態度は次第に悪化して行き悪態を突きながらプンプンと膨らみ始める始末である。
そしてもう10分も過ぎて
「いやー、やっと終わったよ。待たせてごめんよ。もうおじさんは出て行くからね。」
「おじさんゆっくりしすぎだよ!こんどゆっくりしたいならたべものよういしてきてよね!」
やっと終わったか、こんなに待たせるなんて図々しい人間だ。
おまけにまりさ達のおうちにガラクタなんか置いて。
一家はそんなことを思いながらも、ようやく男が出て行くと言い出したためホッと一息ついた。
だが次の瞬間
「はぁー、どっこいしょっと・・・。」
男は地面に腰を下ろし、おもむろに履物を脱ぐと底についた泥を落とし始めた。
「ゆぐぅ!? まりさたちのおうちをよごさないでね!!」
「れいぎしらずなじじいはいたいめにあってね!!」
ついに痺れを切らした親ゆっくり達が男めがけて飛び掛ったのだ。
しかし、いざ男に近づいたところで
「「ゆっがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」
「「「どうじだの!? おぎゃあしゃぁん!!」」」
「「ぐ・・・ぐぅぢゃい”いぃぃぃぃぃ!!!」」
男は無類の油足だったのだ!
おまけに今はたっぷり外で汗を流し帰って来た所、履物も脱ぎたてのホヤホヤである。
拘束する物を失ったその足から、ようやく自由になれたと言わんばかりに臭気が立ち昇った。
「ははは!酷いなぁ、そんなに臭いかい?」
「「「ゆべえぇぇぇぇ!? こっぢごないでえぇぇぇ!!」」」
ほーれほーれと男は足を一家へと近づける。饅頭一家はその臭いに毒され今にも吐かん勢いである。
「おれ~の足は~いい臭い~♪びっくりするほどフローラルゥ~♪」
「「「や”っ!や”べでええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
乗ってきた男はゆっくり達にその足ですーりすーり♪をしはじめた。
「す~り~す~り~ごくらく~♪」
「ゆぎゃあぁぁぁぁ!! くちゃいいぃぃぃぃ!!」
「ゆうぅ!? にゃんだかべちゃべちゃでにゅるにゅるしゅりゅうううぅぅぅ!!!」
ゆっくりできない!!
一家はそういい残し、スゴイ勢いで外へと飛び出していった。
後には、やりすぎたか?と一人笑う男だけが残された。
数時間後
「ゆうぅ・・・やっぱりにんげんはゆっくりできないよ・・・」
「おかーしゃん、まりちゃたちまだくちゃいよぉ・・・」
「ゆっくりがまんしてね、おかあさんたちもがまんしてるからね」
森の中にはすっかり意気消沈した一家の姿があった。
男の家から脱出したものの、未だに体についた油がとれずゆっくりと臭っているのだ。
「あ、まりさ!ゆっくりしtみょぎゃあぁぁあっぁぁ!!?」
「ゆっぐりごっちごないでえぇぇぇぇぇ!!!」
「あっちのほうでゆっくりしていってね!こっちにはこないでね!?」
すれ違う群れのゆっくり達にも避けられる始末、べっとりした結果がこれだよ!!
3日後
「くんくん・・ゆ! もうだいじょうぶだよ!!」
「くさくなくなったまりさたちはいっしょにゆっくりしようね!!」
「「「ゆっくりしていってね!!」」」
あれから3日過ぎた頃、ようやく臭いも薄らぎ、群れのゆっくり達にも無事受け入れられたのだ。
悪夢のような日々からようやく開放された一家、まさにこの世の春と言わんばかりの有頂天ぶりであった。
ところが・・・
「ゆ・・・?なんだか からだかゆいよ! れいむ、ゆっくりかいてね!!」
「ゆっくりわかったよ! ポーリ、ポーリ・・・」
「しあわせぇ~♪」
この頃から突如として一家の体が痒みに襲われるようになってしまったのだ。
更に1週間後
「ゆうぅぅぅ・・・かゆいぃぃ・・・」
「ゆ!・・・ゆ!・・・とどかないぃぃぃぃ!!!」
痒みに襲われる奇病は群れ全体にまで広まっていた。
皆が皆、体が痒いと呻き声をあげ、そこらかしこからポーリポーリという声が聞こえる。
更にもう1週間
「ひは・・・!ひは・・・!もうがまんできないいぃぃぃぃ!!!!!」
「ゆっくりがまんしてね!! ぽーりぽーりするとゆっくりできなくなるよ!!」
「もういいぃぃぃ!!! ゆっぐりなんがいらな”い”いいいぃぃ!!!」
ゴリリリリリリリリr・・・!!
激しく体を木に擦り付けはじめるれいむ、その目は血走り焦点も合っていない。
「ぼぉり”ぃぼぉり”ぃぃぃじあ”わ”!!??」
そこまで言ってれいむの体は崩れ落ちた。
その死に顔は後一歩で手が届かなかったような、なんとも悔しいようなじれったいような顔であった。
数週前、突如このゆっくりの群れに発生した体が痒くなる奇病。
始めの頃は痒みも大したことが無く、他のゆっくりに掻いてもらえば治まる程度のものであった。
だが時間が立つにつれ痒みは次第に酷くなってゆき、そして更に悪化がすすむと・・・
「ポーリポー『グヂィ』ゆ?」
「ゆぎゃあぁぁぁ!!? れいむのきれいなおがおがあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「どうなっでるのおおぉぉぉぉ!!?」
患部を掻いているとそこが崩れ落ちるゆっくりが出始めたのだ。
そこでこれ以上被害を出さぬため、群れのリーダーはポーリポーリを禁止した。
だが痒みに耐え切れず体を掻き毟る者は後を絶たなかった。
それどころか体が崩れ落ちるに留まらず、ついには命までをも落とす者まで現れた。
また、痒みに負けず己を自制することに成功したゆっくりでも次々と押し寄せる痒みの波に耐えかねて発狂してしまったり、
心は無事でも次第に患部が水気を帯びてきて、まるで川に落ちたようにグジュグジュに爛れたりと散々であった。
中でも特に悲惨だったのがゆっくりありす種だろう。
ありす種の命ともいえるぺにぺにが痒みを帯びたと思うと、ある日急にポロっと落ちてしまうのだ。
最愛のぺにぺにの突然の別離は想像を絶する悲しみらしく、ポロったありすは1晩泣き明かし翌朝脱水により命をおとした。
また、これが引き金で二次災害、恐怖したありす種による大規模な集団レイプが発生した。
どうせ朽ちるなら最後にスッキリしようということか、タガのはずれたアリス達は止まらなかった。
しかし、それすらも叶わぬのか
「ゆうううう!!まりざあああああっあっあっもういぐよおおおおおお!!!」
「やだあああぁぁぁぁぁぁ!!! ずっぎりじだぐな”いいいぃぃぃぃぃ」
「んほおおおおおおお!!!! ずっぎrぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
病気に侵された体が耐えられず、もう一歩と言うところでぺにぺにがもげてしまうのだ。
寸止めのありすも堪らないが、もっと堪らないのは襲われていたほうである。
「ゆがああぁぁぁぁぁぁ!!! まりざのまむまむがらでてってえええぇぇぇぇぇ!!!」
もげたぺにぺにが、まむまむの中に残ってしまうのだ。
さっきまで無理矢理犯してきた憎い相手の、しかも病気でグジュグジュンのそれが体内に入りっぱなし。
しかも水気が多く癒着してしまい自力で排出できない上、これがある限り他のゆっくりともスッキリ出来ない。
極めつけは、これが原因で本来なら外皮で留まっている痒みがまむまむでも発生し、内側からも病触されていくのだ。
不幸にもこのまりさは死ぬまで逃れられない、耐え難い嫌悪と痒み襲われることになってしまった。
さて、この木の根元に開いた穴
ここには数週前に人間の家に侵入し、臭い思いをしたまりさ一家が住んでいる。
いや、正確にはまりさ一家だったものと言うべきか。いまやこの家の主は
「・・・・・げひょっ・・・・・ゆびょっ・・・・・」
この時折奇妙な声をあげる、腐った巨大饅頭のような物体である。
時折呻きをあげ、鈍く震えているところから恐らく生きているであろうことが伺える。
この群れを襲う病気の正体は、この一家が持ち込んだ水虫菌であった。
以前、油足の男に触れられた際に感染してしまったのだ。男は油足と水虫の二冠王だったのだ。
そして、手足を持たないゆっくりは体を擦り合わせるようにして痒みをとる。
これが災いして群れ中に水虫菌が広まってしまったのだ。
しかし、この一家の現状は水虫による病状とは思えない、一体何があったのだろうか?
数日前
「かゆいよぉ・・・」
「ゆっくりがまんしてね、ぽーりぽーりはゆっくりできなくなるよ!」
リーダーのお達しがあった後、この一家も体を掻くことを我慢しゆっくりと耐えていた。
しかし、幼い子ゆっくりの我慢は限界に達しようとしていた。そんな時
「ゆゆ!いいことおもいついたよ! みんなこっちにゆっくりあつまってね!!」
何かを思いついたのか、親まりさが一家を集め始めたのだ、そうして
「これならかゆかゆにならないよ!ゆっくりできるね!!」
「ゆゆ!おかーしゃんしゅごい! これでゆっきゅりできりゅよ!」
部屋の隅で小さく固まり、互いに痒い部位を押し付けあったのだ。
こうすることにより痒みが抑えられ、また体が崩れ落ちるのを防ぐことが出来る。
こうして一家は久々の熟睡を得ることが出来た。
翌朝
「「「どうなっでる”の”おおおおおおおおおお!!!」」」
巣に響く一家の悲鳴、そこには体の癒着した複数の饅頭が涙を流すと言うトラウマものの光景があった。
何と寝ている間に互いの体から伸びだした菌糸がさながら鎹のようにゆっくり達を繋いでしまったのだ。
動くことも出来ず、また群れのゆっくりにも助けるほどの余裕がある訳もなく、こうして一家は次第に1つになっていった。
そうして今
「・・・・・ぼあ・・・・・ぼお・・・・・べべ・・・・・」
グヂョリグヂョリと粘っこい音を立てる物体に成り下がった。
髪飾りにより辛うじてゆっくりだった名残を感じることが出来ているが、もうしばらくすればこれらも分解されるだろう。
時折この物体は奇妙な音を立てるのだが、それは酷く悲しげなものであった。
「あぁー・・・かいかい」
この時期は蒸れて敵わん、そういって足を掻く男は今日も平和だった。
終われ
※こっから蛇足
「こ、こいつは一体・・・!!」
「おい!! 気をつけろよ、毒があるかもしれんぞ!!」
そう男達が叫ぶのは森の中に生えたとある一本の木の前。
この木の根元に開いた穴、そこで何とも奇妙な物体を発見したのだ。
グチョリグチョリと湿った音を立てるそれは、まるで巨大な粘菌、あるいはスライムと言う風貌をしていた。
森でゆっくりを見ない、何かしら好からぬことを企んでいるのかもしれない。
近頃村ではそんな噂が流れていた。恐らくは杞憂であるだろうが万が一という事もあるやもしれない。
そういう訳で、手の開いている村人達で山狩りを行ったところ、本当にゆっくりが1匹も見つからない。
以前大きな群れが住み着いていたらしいゆっくりスポットを捜索してもである。
これは本当に異変か?そう考えている折りにそれは見つかった。
初めは妖怪の類かと警戒したものの、動くそぶりを見せぬことからそうではないとわかった。
消えたゆっくりと関係があるのだろうか?男達は永遠亭に鑑定を依頼し、やってきた兎達にそれは回収されていった。
後日、加工場から永遠亭と共同開発した「溶かして殺す、ゆっくり粘殺剤!」が発売された。
まじで終われ
作者・ムクドリ( ゚д゚ )の人
今までに書いちゃったの
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- キャベツ
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最終更新:2022年05月03日 16:02