※CAUTION!!
  • 世界設定が現世です。
  • 個人的なゆっくりに対する視点が盛りだくさんです。
  • この作者は東方事態は地霊殿(体験版)しかやった事ありません。


~猫と踏み切りとゆっくりと~

 夏が過ぎ残暑が残る昼頃、俺は大学の通学途中だった。
携帯を取り出し時間を見て自分が受ける講習には十分間に合うのでのんびりと自転車をこぎながら、
「今日のアイツ(教師のことね)の講習メンドクセー」「今日放課後はカラオケで合コンか」などと考え事をしていると、
普段通る通学路の目の前に線路がある道路をなにやら黒い三角帽子が跳ねるように動いていた。
俺はそれが何なのか知っていたので一瞬で分かった。

それはゆっくりと言い突如この21世紀の現代社会に現れた生きた饅頭だ。
その饅頭は奇妙にも人語を理解し「ゆっくり」すること生き甲斐とした生物だが、問題なのはその知能の低さである。
獣よりも活発なクセに饅頭なので虫よりも脆弱、
しかもゆっくりの餡子脳は低知能のクセに自身をこの世の頂点に君臨するモノと妄信しているかのように性格は非常に傲慢かつ厚顔無恥、
一部そうでないゆっくりも存在するがそんなのはちゃんとペット用に赤ん坊から躾けられたもので野良では雀の涙程だ。
特に今俺の目の前にいる黒い三角棒を被ったまりさ種はその野良ゆっくりの模範だ。
自分の保身が最優先で命の危機に関わると仲間はおろか家族すら裏切って逃げたり騙したり更には罪を擦り付けようとする最悪な饅頭である。
他にも家族愛や仲間意識が強いが自分がゆっくり出来ない同族に対して容赦ない外道となるれいむ種、
自らを「とかいは」などと言い張り無駄にプライドが高いが、別種のゆっくりに対してはそんな都会派とはかけ離れたレイプに近い性行為を行うありす種、
他のゆっくりより知能はあるがそれを差し引いた貧弱さと知能が高い事に対する無駄な自尊心を持ったぱちゅりー種がゆっくりの中では一番多い種類だがどれもロクなのがいない。
だが全てがそういう腐れた根性を持ってはいないのだがそれでも雀はおろか蟻の涙程しかいない。
更に言うと、ゆっくり達が言う「ゆっくり」とは言葉の通りのんびりする事ではなく(一部ではそう言う意味でもあるのだが)、
自分の本能のままに行動し自身の我が儘を突き通すことと言われている。
そんな野良ゆっくりは見つけた食べ物や民家を「見つけた」と言う理由で自分のモノにしてしまう。
そんな事は野良猫や他の動物でもやりかねない事でゆっくり自身もそれは本能的に自分の見つけただけでは自分のモノではないと分かってはいるのだが、
その見下した態度と言動が本来の持ち主の神経を逆撫でして大抵は殺されるのが殆どだ。
ゆっくりの死因は大抵己の無知と性格からくる自滅が9割なのだが、そのゆっくりの後先考えない性行為による某宇宙怪獣並の繁殖力が一向にゆっくりの数を減らさないのである。
何故俺がそこまでゆっくりについて熱く語り出すというのは俺自身そんな野良ゆっくりに家を荒らされた挙げ句、
隣人の飼っていた飼いゆっくりが飼い主の留守中に家に忍び込んで来た野良ありすに強姦され殺されたのを期に俺は馬鹿な野良ゆっくりは嫌いで、
俺の通う大学では生物学を専門に勉強しており、俺はその中でゆっくりに対する研究を行っている。
理由は無論将来馬鹿な野良ゆっくりの完全殲滅を夢見ているからだ。

そんな時、目の前の線路の信号が点滅し踏み切りが降りてきたので俺は踏み切りの前で止まった。
「ゆ?おにいさん、ゆっくりしていってね!」
「はいはいゆっくりゆっくり」
自転車のブレーキの音でこちらに気付いたまりさはゆっくり特有のかけ声をかけ俺はそれを軽く受け流す。
「はいはいっかいだよ、おにいさんばかなの?しぬの?」
馬鹿だから死ぬのはテメェ等だけだろうが。
俺の知らない世界の氷の妖精だって馬鹿だが死なないぞ・・・って何処の電波だ。

俺は内心に怒り込み上げ早く踏みつぶそうとしたが、俺はふと踏み切りで遮断された線路に目が移った。
なんと線路の上に猫が気持ちよさそうに寝ており、そして真横、猫が寝てる線路の上を電車が走ってきた。
と言うか今のゆっくりの大音量の声と線路から伝わってくる電車走る振動で起きないとは、どんだけ饅頭共よりゆっくりしてるんだ。

早く助けに行こう。そう思った時だ。

「おじさんまりさを無視しないでね!」
俺は今足下で不遜な態度を取るゆっくりに目を向けた。
ってかおじさんって俺はまだ二十歳だぞ・・・ってゆっくりに突っ込んでも無駄か。
コイツ等の言う「おにいさん」や「おねえさん」はゆっくりが人間に媚びる時につかう人間の呼び方だ。
だがコイツ等は自分の要求を受け入れないと掌を返したように口汚く呼び方も変わる。
しだいに「じじい」や「ばばあ」そして「くそ」と言い始めた時がコイツ等の本性・・・って説明してる場合じゃなかった。

俺はいまだ叫ぶまりさをむんずと掴み上げると、それを猫に向かって勢いよく投げつけた。
「ゆ~おそらをとんでるみた・・・ゆべっ!」『ナ"ァァァァァ』
見事クリーンヒット、流石俺。
まりさをぶつけられた猫は飛び起き逃げるように向かいの踏み切りを走り抜けていった。

「じじいなにするの!ゆっくりしね!!」
一方まりさは有無を言わず投げられおまけに猫にぶつけられた事に対し完全にご立腹、本性を現していた。
だが別にどうでもいい、電車はもう間近、このまま轢かれるかあるいは・・・。
「ゆ?まりさのぼうしがぁーっ!」
するとまりさはたったいま頭の上の違和感に気付くと、さっき投げ飛ばされた勢いで帽子が脱げ、風に乗って空を飛んでいた。
ほとんどのゆっくり達は生まれた時から帽子やリボンと言った装飾品を頭に付けている。
さらにゆっくりはその低知能から飾りでしか種や仲間ましてや自分の子を判断することが出来ず、
逆に帽子がなければ人間以上に異端を拒絶するゆっくりは「ゆっくりできない」と言う理由で仲間や家族爪弾き、悪くて殺されてしまい、
ゆっくり達にとって頭の飾りは自身の命と同等なモノなのである。
無論そんな帽子を命に代えてでも取り返そうとするまりさの考えられる行動はたった一つ。

「まりさのぼうしぃーっ!!」

哀れにも血相を変え上空の帽子に向かってジャンプしてしまった。
無論其処に待っていたのもは・・・。


ビッチャァ


まりさは電車の正面に激突、普通でも簡単に死ぬのだがその電車は特急。
数秒後、ゆっくりがぶつかっても止まることなく突き進む電車が去り踏み切りが上がった線路には、
ゆっくりの寒天質の目玉も砂糖菓子の歯も全てバラバラとなり、少量の餡子と皮か金色の髪繊維があたりに飛び散り、まりさの帽子がゆっくりと線路の上に静かに落ちた。
ほんとゆっくりは哀れな生物だ。
帽子の事を気にせずその場でしゃがみ込むか横に跳んで後で取りに行けば少なからず助かっていた可能性があったかもしれないのにゆっくりはソレをいとも簡単に投げ捨てたのだ。
いや、もし帽子が脱げていなくてもあの勇気と無謀をはき違えているまりさならゆっくり出来ないという理由で俺か電車に喧嘩売って飛び跳ねるか威嚇して(だが意味はない)顔を膨らませるかして自滅していた。
線路に放り投げていなくてもあの早い電車を見てこれまた「ゆっくりできない」とかの理由で喧嘩売る為に電車に体当たりしようと突っ込んで自滅していたかもしれない。
結局のところ俺がなんもしなくてもまりさの運命はあそこにいた時点で決まっていたのだ。
こういうゆっくりは総じて後先のことを考えず、予測する力がない。
いや、あったとしてもそれは自分に都合の良いように解釈された妄想のみである。
どうせ散る命だったのだ。このままもう一つの尊い命を無駄に犠牲にせずに済んだんだ。
つまりゆっくりというのはその命を散らして初めて役に立つ生き物だ。


だがよくよく考えたら電車の前に、しかも故意にゆっくりを投げ入れた。
もし周りに他の人がいたり電車が急ブレーキをかけてしまっていたら俺は多額の賠償金を払わされた事になっていただろう・・・。
そう思うと首筋に冷や汗が垂れた。



数時間後、太陽が沈み人気の少ない道路は外灯だけが唯一地面を照らしていた。

俺は研究仲間と合コンカラオケを終えて帰路につく途中、またあの踏み切りへと差し掛かると、
踏み切りのすぐ横の外灯の真下になにやら佇んでいた。

それは見間違えるはずがない。俺がまりさを投げつけ助けたあの猫だ。
するとあの猫は俺と目があった瞬間耳をピクリと動かしその目を見開いた。
まるで俺を待っていたみたいに。

俺はふと猫の目の前で自転車のブレーキをかけ止まった瞬間、猫はすばやい動きで俺の足下に近寄りそして・・・、


「いっつっ!!」

俺はあまりの痛みについ大声を上げてしまった。
猫は俺の足下に近寄った瞬間、運悪くカーゴパンツを履いて肌が剥き出しの俺の脛へとその研ぎすまされた爪をたて引っ掻いてきたのだ。

その後猫はやり遂げたかのようにそのまま素早い動きで暗闇へと消えていった。

どうやらあの猫は昼寝を邪魔された事を復讐する為にこの踏み切りの前で何時間も待っていたらしい。何という執念だ。
もしあのまりさが生きていたとしてもゆっくりは都合の悪い事はよほど強い恨みでもないかぎり簡単に忘れてしまう。

それにこんな恩を仇で返すような行為も猫だから許されるのかもしれない。


~終~

あとがき
ゴメンナサイ、処女作なのでいろいろと見逃してください。(オイ)

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最終更新:2022年05月03日 16:24