『ゆっくり地に還れ』

四日前、私の所有する農場がドスまりさを有する
大規模なゆっくりの群れに襲撃を受けた。

農場を任せている管理人の報告を受けて慌てて駆けつけると
そこには千を超える飢えたゆっくりの大群が
苦悶の声を上げながら農場中でひしめいていた。
たいした下調べもせずに『巨大な人間の畑』という事で襲ったのだろう
ゆっくりどもには未知の植物だったのだろうが、この農場では『綿花』しか育てていない。

群れは期待していた餌にありつけず
ドスや側近のぱちゅり種を罵倒しながら
共食いを始める寸前まで飢えている様子だった。

だが饅頭の事などどうでもいい、私の目に映ったのは
つい先週、視察に訪れた時には広大な農場中に整然と並んでいた綿花が
薄汚い饅頭どもに「ぺっ!たべられないくささんはゆっくりしねっ!」等といわれながら
踏まれ、手折られ、蹂躙され尽くしている光景だった。

今でこそ私は、ほかにもいくつもの農場を所有・経営している。
その中では、この農場は大規模ではあるが大して利益を上げては居ない。
高価な果物を育てている果樹園や、羊毛の取れる牧場に比べれば
ほんの微々たる収益しか上げていない。

だが、ここは私にとっての唯一の『原点』だったのだ。

両親を亡くし、いじけて自堕落に生活していた私に
早世した両親や先祖が残してくれた土地を、遊ばせて置くのも勿体無いと
後見人に強引に勧めらて渋々開墾を始めたのがまだ十代の頃

ここは土壌が悪く、乾燥しているので
手間をかけて育てられる植物を探し、いろんな人の知恵を借りて綿花を育て始めた。

莫大な財産を食いつぶしながら、ダラダラと生きていた私が
初めて沢山の人の手を借りながら、初めて成功させたのが…この畑だ。
高齢だった後見人が、幾許も無い余命に焦りながらも
私と共に奔走し、死の床で誇らしげに笑い語った農場だ。
そんな農場が…無残に荒らされている。

怒りの余り、意識が遠のく
憎悪や殺意すら沸かない、私を襲うのは途方も無い疲労感だけ。

速やかに加工場に連絡を取り
加えて近隣のゆっくりハンター、我が家の使用人たち、
そして何処からか現れて無償で手伝ってくれた数十人の自称『虐待お兄さん』という謎の人物とともに
ほぼ丸一日がかりで農場を完全包囲し、『一匹も逃がすことなく』群れに壊滅的な打撃を与えたのだ。






長いといえば長く、短いといえば短い戦いが終わり
加工場の職員やハンターたちが謝礼を受け取って帰った後
私は使用人たちにある『作業』を命じた。
私自身も使用人らと共に、鍬を振るい
誰よりも必死に作業に没頭した。

『作業』の後、使用人たちには、この農場を『一年間閉鎖』する事にした旨を伝えた。
皆戸惑いを隠せないようだったが、当面の生活費となるだろう臨時給与と
人里近くの果樹園での再雇用を約束すると、納得して帰っていった。

今農場に残っているのは、(頼んでも居ないのに)何故か嬉々として『作業』を手伝ってくれた
『虐待お兄さん』達だった(心なし人数が増えている気がする)

農場全体を見渡せる場所で佇む、私と『虐待お兄さん』達
口を開くものは誰一人居らず
皆一様に、風に聴き入っている。
虐待お兄さんの中には陶酔した表情で涙を流す者も居るようだ。

私は閉じていた瞼を開き、夕日に染まる農場を一望する
数日前まで幻想卿でも最大規模の綿花畑だった眼前に広がる広大な敷地

今、この大地には
無数のゆっくりが『生きたまま』埋められている。
乾いた大地に隙間無く敷き詰められた苦悶の表情
この地域特有の砂塵混じりの風に乗って
饅頭たちの苦痛・飢餓・憎悪・悔恨・絶望と怨嗟の声が絶えることなく響いている。

―――嗚呼、コレはまるで

      地獄の風景ではないか―――

真っ赤に染まる大地を瞼に焼付けて、私は農場に背を向ける
この地は年間を通して雨が降らない
食べるものが無いため、獣は愚か鳥すらも近づく事はない。

この地を埋め尽くす饅頭どもは、雨に打たれて溶け朽ちる事も無く、
外敵に命を奪われる事も無く、ただ風に吹かれて枯れ朽ちていく。

これから一年
ココに訪れるのは、私だけだ。

埋設する際に与えた固形栄養剤は、ゆっくりを飲まず食わずで一月生かすと言う。
私はこの地を後にする
一月後の再訪を誓いながら、真紅の地獄に背を向ける。

「貴様らは…苦しめ

 花も咲かせず、実も種子も結ばず――不毛の荒野の地に還れ。」

私の口から漏れた呟きが、風に乗って届いたのだろうか
一際激しい叫びが、背後で大気を振るわせた


「「「「「「「ゆ゛ っ゛ ぐ り゛ ざ ぜ で ぇ゛ ぇ゛ ぇ゛ ぇ ゛ぇ゛ ぇ゛ ぇ ゛!!!!!!! 」」」」」」」



END

スレで土からはえるゆっくり、というネタが投下されていたので思わず描いてしまいました。
なんか微妙な出来になったかもですが…というかキモい文になった気がしますが、ご容赦の程を…

さておき、みなさん聴いてみたくありません?
れいむ・まりさ・ぱちゅり・ありす・ちぇん・みょん・らんしゃま・etc…
無数無尽の膨大な数のゆっくりの悲鳴と絶望の調和……
多数のゆっくりを時間をかけて虐待するSS…もっと増えるといいなぁ…(邪笑)


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最終更新:2022年05月03日 16:50