*警告*

  • 有名コミックの女体化パロです。
  • 何も悪いことをしていないゆっくり一家が永遠にゆっくりできなくなります。
  • 何も悪いことをしていない妖怪も、料理を紹介しただけでゆっくりできないことを
言われますが、原作からしてああなので仕方ありません。
  • 80字改行です。その辺案配していただけると読みやすいです。





↓以下本文

 妖怪の山の裾の森に、ゆっくりの巣があった。豊かな恵みを糧に、つがいはゆっくりと
暮らし、ゆっくりにんっしんっした。昼はまりさの集める森の恵みですくすく育ち、夜に
は巣穴で、まりさににてゆっくりしたこだね! れいむそっくりでゆっくりかわいいよ!
あかちゃんがうまれたらみんなでゆっくりしようね! などと、すーりすーりしては家族
の未来を語りあい、れいむの茎に実る互いのゆっくりの結晶を見上げてはとてもゆっくり
と暮らしていた。そして、芽生えの日を迎えたまさにその時、2匹は巣穴から引きずり出
された。木陰の下生えに、頭から茎を生やしたゆっくりれいむと、頬を膨らませて威嚇し
ているゆっくりまりさが並べられる。
「ゆぅ~っ、いまからあかちゃんがうまれるよ! ゆっくりどこかいってね!」
 下膨れの顔を更に膨らませてぽいんぽいん跳ねるまりさ。2匹を引き出したのは少々太
ましい女妖怪と、栗色の髪の女妖怪、そしてそっぽを向いて不機嫌さを隠そうともしない
黒ずくめの女妖怪。
「ゆゆっ! あかちゃんゆっくりうまれるよ!」
ヘヴン状態の顔で震えるれいむの茎の、最も根元側に実っていた子れいむがぱちりと目を
開いた。子れいむは育っている間中聞こえていた、とてもゆっくりしていた言葉を返そう
と、小さな口をいっぱいに広げたその瞬間。
「ゆっく……」
ぷつりと茎から離れ、親ゆっくりの目の高さまで落ちてきた最初の子れいむは、最後まで
言い終えるよりはやく、2匹の眼前で掻き消えた。大慌てで見回す親まりさは気付いた。
先ほどの3人の、一番ゆっくりしている奴がこのゆっくりできない時に、何かをむーしゃ
むーしゃしてゆっくりした顔をしていることに。
「あかちゃんがきえちゃったよおおおお!」
「ゆっくりしてないであかちゃんをさがすのてつだってね!」
「赤ゆっくりは生まれたてが一番なんですわ。ささ、栗太夫はんもおひとつ」
「あ、この子が落ちそうですね!」
2番目に目を開いた子まりさを、栗太夫と呼ばれた栗色の髪の女妖怪がひょいと摘みとり、
躊躇うことなく口に運ぶ。年経た栗の木の変じた妖怪であろう。
「ゆ゙ぎゃああ?! れ゙い゙む゙のあがぢゃんんん!?」
「どぼぢでそんな゙ことするのお゙!」
はじめてのゆっくりのゆの字を言う前に一口で噛み切られた子まりさの無惨な姿に、2匹
は白目を剥いて痙攣する。
「おいしいー! 爽やかな甘さと、プリっとした食感がたまりませんね!」
「ほほ、この悲鳴も乙でっしゃろ?」
無言のまま不機嫌そうに見ていた黒ずくめの女妖怪は、茎の先でぶるぶる震えている子れ
いむを無造作に1匹摘み取ると、一口に頬張った。しあわせー! に暮らす筈だったゆっく
りの結晶は見知らぬ妖怪の口の中で、ただの饅頭として咀嚼され、嚥下されてその儚い一
生を終えた。指先を一舐めすると、不機嫌そうに鼻を鳴らしてかの女は言い放つ。
「帰りましょ。こんなゆっくり、時間の無駄だわ」
「何てこと言うの!」
「ふん、親ゆっくりの期待と栄養でゆっくり育って、しあわせー! しか知らない、薄っ
ぺらい味で食べられたものじゃない。こんな出来損ないの饅頭をありがたがってるから、
東西丸。新聞の読者は味音痴なんて言われるのよ」
ヒネた目つきの黒ずくめの女妖怪は、山岡シロ子。完結したことで、まだ何にでも噛みつ
いていた頃の山岡さんが幻想入りした妖怪だが、そんなことはどうでもいい。
「ばりざたちはできそこないじゃないいい゙!」
「れ゙い゙む゙のあ゙がぢゃ゙ん゙がえ゙ぜえ゙!」
まだ茎に何匹か子ゆっくりが連なっているのも忘れ、半狂乱で3人の足に体当たりを繰り
返すれいむとまりさ。足にまとわりついてくる涙とかよだれに構うことなく、シロ子は
肩越しに京極はんに挑発的な言葉を放つ。
「来週、ゆ民に来て下さい。本当のゆっくりを食べさせてあげますから」
「ちょっと山岡さん!」
ひょい、と飛び上がるシロ子を追って栗太夫が飛び立つと、足に飛びかかっていたまりさ
はそのまま顔から地面に突っ込む。鈍い音がして、何本か歯が折れる。親れいむの茎の子
ゆっくりは暴れているうちに何匹か落ちて、何匹かは勢いよく放り出されて地面と仲良く
なりすぎて養分となり、無事に落ちた何匹かはふぁーすとゆっくりを言う前に怒りに我を
忘れた親に踏み潰され、ガタガタ震えているのが数匹残っているだけであった。
「おかーしゃあん、れいみゅはできしょこないにゃのぉ?」
「ま、まりしゃをつぶしゃないでね……」
目が開いた途端に、姉妹を目の前で食べられ、出来損ないと呼ばれ、姉妹は親に潰され、
もはや子ゆっくりたちは二度とゆっくりすることはない。親ゆっくりたちもはじめての
ゆっくりしたあかちゃんを摘み取られ、食べられたうえに存在まで否定され、しかも暴れ
て自分たちの子を潰してしまったとあっては、餡子に刻み込まれた絶望は、一家を金輪際
ゆっくりさせることを許さない。

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最終更新:2022年05月03日 19:00