※タイトルと作中一部で使われている元ネタについてはスルーの方向でお願いします
※一行だけですがうんうんやしーしーネタが出てしまいます。ごめんなさい
※少々汚いです
ある所にちょっとしたゆっくり一家をペットとして飼っている青年がいた。
親子合わせて五匹程の、平均のゆっくり一家よりはやや少ないがこれといった特徴のない一家だった。
れいむとまりさ種の五匹家族は飼いゆっくりのため、もちろん野生よりは良い生活を送っているのだが、納得いってない事があった。
それは青年がゆっくりの他に飼っているペットの猫だ。青年はゆっくり一家よりも遥かにこの猫を溺愛している。
夏場の涼風や冬場の暖房など、いわゆるゆっくり達の言う〝ゆっくりプレイス〟を青年は優先的に猫に与えている。
粗相をした時などは猫の場合は軽く叱るだけで丁寧に後始末をするというのに、ゆっくり一家がうんうんやしーしーの粗相をすれば死ぬ程殴られる。
それになによりも食事の格が違う。
ゆっくり一家が与えられているのは料理の際に出た野菜クズや残飯。その上自分で採って来いと軒下や庭に放り出される事もある。
それに比べて猫が与えられているのはニキロ三千六百円もするキャットフード。
月にニ、三は高級の猫缶までついてくる。
ゆっくり達に円の相場は分からなかったが、自分達のそれに比べて遥かに高級で美味しいということは理解できた。
同じ家に住んでいながらこの差は何だ。
親れいむと親まりさは憤怒し、子供たちもそれに倣う。
「ぷんぷん! まりさたちにおいしいごはんくれないで、ねこさんばっかりゆっくりさせるなんて!」
「れいむたちもゆっくりしたいよ!」
「「「ぴゅんぴゅん!!」」」
ゆっくり一家の怒りももっともだが、青年が猫の方を圧倒的に可愛がるのも無理もない事ではある。
その猫はもう十数年は生きている老猫であり、青年が子供の頃より一緒に暮らしてきたのである。
人生の半分以上を共に過ごして来た家族と、短命の新参饅頭を比べれば当然猫の方に情が傾くというものである。
ゆっくり一家が生まれる何年も前は元気に走り回っていた猫も、今や日がな一日寝ては食っての生活。
後はもう余生をゆっくりまったりと暮らすのみである。ゆっくりよりもこの猫の方が遥かにゆっくりしている。
青年としても、残り少ない余生を親愛なる家族に幸せに暮らしてもらいたいと思っている。当然の事だ。
だが、そんな事は知らないゆっくり一家の怒りが爆発するのも、時間の問題だった。
ある日の事。ゆっくり一家と老猫は同じ部屋でゆっくりしていた。
南側に面するその部屋には窓から陽気な日差しが降り注いでいる。猫はその陽を浴びながらゆっくりと寝ていた。
ゆっくり一家も日差しを直接浴びてはいないものの、ぽかぽかと暖かい部屋でソファでゆったりとくつろいでいた。
現在この部屋に青年はいない。つまり、止める者は誰もいない。
今こそ絶好のチャンスだと親れいむと親まりさは思い立った。
「ゆゆっ、れいむ、ねこさんゆっくりしてるよ」
「ゆっくりしてるね」
猫に聞こえないように小声で(本人達が思っているだけでちゃんと猫の耳には届いている)話し合う二匹。
子ゆっくり達も親達のたくらみに気付いたのか息を潜めて気配を殺そうと努めている。
ゆっくり一家の不満は募りに募っていた。
同じ家で暮らしている家族でありながら自分だけ美味しい物を食べてゆっくりしている。
野菜クズをほおばる自分たちに見せ付けるかのように美味しそうにご飯を食べる老猫。
本来その怒りは飼い主の青年に向けるべきであろうが、そんな考えはゆっくり一家にはなく、ただ自分達を差し置いてゆっくりしている猫が許せないという思いが先立っていた。
そうしてゆっくり一家は反乱を企てた。いや、ただの八つ当たりか。
「そろ~り、そろ~り」
ゆっくり一家は声をそろえて猫が寝ているところまで息を殺して這い始める。
もちろんバレバレだ。全然気配を殺せていない。
猫まで二十センチというところで、それまでゆっくり一家を無視していた猫が顔を起こしてゆっくり一家へとけだるそうな視線を向けた。
「ゆゆっ! きづかれちゃったよ!」
「いまさらきづいてもおそいよ!」
れいむは焦ったがまりさは怯まなかった。
猫が顔を起こしたのを確認するやいなや、猫に向かって一気に跳ねて体当たりを食らわせた。
ボヨン、とまりさの体が猫にぶつかる。
猫は慌てて跳ね起きた。ダメージこそないものの、バレーボール大の大きさの物がぶつかって来たらそりゃ驚く。
だが猫にとってそんな当たり前の行動も、ゆっくり一家にとっては親まりさの攻撃に恐れおののいたと思えた。
「ゆゆ~っ、まりさすご~い!」
「「「まりしゃおきゃぁしゃん、しゅごぉぉぉぉい!!」
「ゆゆ~、てれるよ~」
頬を若干赤く染めてくねくねと身を捩るまりさ。
一家の賞賛とそれに照れるまりさという茶番を尻目に、猫は少し離れて再び寝に入ろうとしていた。
だがそれを親まりさは許さなかった。
「ゆゆっ! ゆっくりしないでね、ねこさん!」
ボスン、と再び体当たり。猫は再び跳ね起きて後退する。今度は無視せず、親まりさの方へとその鋭い眼を向ける。
「ゆゆ~、に、にらんでもだめだよ! まりさたちよりゆっくりしているねこさんは、ゆっくりしないでね!」
親まりさは年季を感じさせる猫の眼光に一瞬怯むも、すぐに強気に出た。再び体当たりを敢行しようとする。
だが、それにクロスカウンターを決めるかのように猫も飛び掛った。
両前足でまりさの体を挟み込むと、その牙を親まりさに突き立てたのである。
「ゆ゛っ!? ゆびぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! いぢゃいよ゛ぉぉ!!」
「まりざっ!?」
「おきゃあしゃん!?」
普段のんびり寝ている姿しか知らないゆっくり一家にとってこの猫の反撃は予想外だった。
実はゆっくり一家の知らない所ではあるが、この猫は若い頃近所の猫と毎日喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた歴戦のつわものであった。
「ゆびびびびっ! ばりざをだべないでね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」
両前足で動きを封じられ猫に牙をつきたてられた親まりさは、先ほどの威勢もどこへやら涙で顔をグシャグシャにしている。
ちなみに噛んでいるだけで食べている訳ではない。
「ゆ゛っぅぅぅ!!! まりしゃおきゃーしゃんをだべないでね゛っ!」
「ねござん、やべちぇね゛っ!」
「ゆわ゛ぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「ゆゆっ! まりさ、いまたすけるよ!」
親のピンチに涙を撒き散らして泣く子を尻目に、親れいむは駆け出した。親まりさを助けるために。
正面から行ってもパワーもスピードも上回る猫からまりさは救い出せない。ならば弱点を突くのみ。
親れいむは親まりさを夢中で前足で弄んだり噛んだりしている猫の後ろ側に回り込むと、その尻尾に全力で噛み付いた。
「ぶにゃっ!?」
さしもの猫もこれには怯んだ。親まりさを解放するとすかさずその場から離脱しようとする。
だが、猫の尻尾に全力で噛み付いている親れいむがそれを許さない。
猫は自分の尻尾に噛み付いている親れいむに猫パンチを繰り出すが、親れいむは必死に踏ん張って離そうとしない。
親れいむはかつて、青年が猫の尻尾を踏む場面を見ており、猫の弱点が尻尾であると知ったのだった。
「ゆゆっ! れいむゆっくりありがとう! いまたすけるよ!」
必死に涙目で猫パンチを耐えている親れいむの加勢をするべく自由の身になった親まりさが体当たりをしかける。
子ゆっくり達はそんな親達の勇姿に声援を送る。
数の力だろうか。今やゆっくり一家は既に勝った気でいたのだった。
「ゆゆっ! ねこさんゆっくりしたかったら、まりさたちをゆっくりさせてね!」
まりさがそう大声で言って猫に噛み付くのと、青年がその部屋に入ってきたのは同時だった。
「ゆび……ごべっ、ごべんなざい……」
「ゆっぐぢざぜでぐだぢゃい゛ぃぃぃぃ……」
「ゆえ゛ぇぇぇぇぇぇん……」
あれからゆっくり一家の生活は激変した。もちろん、悪い方向に。
まず餌が与えられなくなった。一日の朝、親まりさを軒下か庭に放り出して自力で餌を集めさせる。
もちろん、庭の花を抜いたら死んだ方がましと思える折檻だ。
親れいむはというとゴミ箱になった。
大口を開けさせて器具で固定。もはや生ゴミ等の食べ物ですらない、ちり紙や木屑などが強引に口に入れられる有様だ。
「…………ゅぐっ、ぇっぐ……」
まだその生活を始めて三日ではあるが、既にれいむは枯れんばかりに泣いており、自分の行いを死ぬ程後悔した。
子まりさは雑巾になった。主に親れいむが零した涙や猫の粗相を拭く際に使われる。
「いぢゃい゛っ、いぢゃいよ゛っ! ゆっぐじやべでね゛っ! まりしゃはじょうきんじゃにゃ──ゆぶべっ!」
帽子や髪、底部を強引にこすり付けて痛みと共に役立たせるのだ。もちろん、最後は普通の雑巾で拭き取るが。
子れいむは固形の猫の粗相の処理を命じられた。
嫌がる子れいむの口に強引に黒いそれをねじりこませるのだ。
「ゆっぐりやべちぇね! くちゃいよっ! ゆっぐぢでぎな────ゆぶぼっ!」
そして無理矢理咀嚼させて餡子に変換させる。
ちなみに子ゆっくり二匹が働かない時は、透明の箱に監禁させそこにムカデを放り込む。
片時もゆっくりせずに立ち向かえば食べられない程度の大きさのムカデだ。
そして残りの子ゆっくりは見せしめになった。
最初は生きたまま土に埋めようかと思った青年だったが、あまりの青年の怖さに失禁した瞬間、見せしめに使うことにした。
ゆっくり一家の目の前で竹串で体を貫かせ、ゆっくりと火あぶりにして殺した。
次粗相をしたらこうなるとゆっくり一家に知らしめたのだ。
その生活も二ヶ月もすれば段々と改善されて行き、やがて以前と同じぐらいの生活になった。
その頃には既に家族は三匹にまで減っていたが。
もちろん家族にはもう逆らおうと、生活の改善を要求しようなどという気概はない。
だが、家族が減ったため親れいむと親まりさが新しく産んだ子ゆっくり二匹はそうではなかった。
目の前で自分達よりゆっくりしている猫を見ては日に日に不満を募らせていって、
「ねこしゃんゆっくりしたかったられいみゅたちをゆっくりさせてね!」
二度目のゆっくりの反乱、ゆっくりべりおんが起こった。
おわり
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あとがきのようなもの
最近ネタが出てこないです
と、いうか以前ほどゆっくり虐待衝動が湧き上がってこないんです……冬だからか
ゆッカー
ゆっくり求聞史紀
ゆっくり腹話術(前)
ゆっくり腹話術(後)
ゆっくりの飼い方 私の場合
虐待お兄さんVSゆっくりんピース
普通に虐待
普通に虐待2~以下無限ループ~
二つの計画
ある復讐の結末(前)
ある復讐の結末(中)
ある復讐の結末(後-1)
ある復讐の結末(後-2)
ある復讐の結末(後-3)
ゆっくりに育てられた子
ゆっくりに心囚われた男
晒し首
チャリンコ
コシアンルーレット前編
コシアンルーレット後編
いろいろと小ネタ ごった煮
庇護
庇護─選択の結果─
不幸なゆっくりまりさ
終わらないはねゆーん 前編
終わらないはねゆーん 中編
終わらないはねゆーん 後編
おデブゆっくりのダイエット計画
ノーマルに虐待
大家族とゆっくりプレイス
都会派ありすの憂鬱
都会派ありす、の飼い主の暴走
都会派ありすの溜息
都会派ありすの消失
まりさの浮気物!
byキノコ馬
最終更新:2022年05月03日 20:18