それは幻想郷の森深く、とある大きな大きな木のうろの中
そこには数匹のちびゆっくり霊夢の楽しそうな姿があった
「おーしくーらまんじゅ♪」
「おーされーてなーくな♪」
木のうろの中で、まだあどけない声でちびゆっくり達が体を寄せ合い無邪気に遊んでいる
きゃっきゃっとはしゃぐちびゆっくり達
飛んで、跳ねて、でんぐりがえって、それはなんとも仲睦まじい光景である
「ゆっくりしていってね!」
日が暮れた頃、一際大きな体をしたゆっくり霊夢が現れる
ご飯の調達から帰ってきたお母さん霊夢だ
「ゆっ!おかえり!ゆっくりしていってね!」
「おかえりっ!おかえりっ!」
母が帰るのををまちどおしくしていたちびゆっくり達が元気にその場で跳ね回る
自分を待っていてくれる可愛い子供達の笑顔に、お母さん霊夢の顔も思わずほころぶ
「ゆっくりたべていってね!」
お母さん霊夢は口の中をモゴモゴと動かし、ペッ!と、ほおばっていた虫やら草やらを次々に吐き出していく
べしゃべしゃに濡れたご飯に群がるちびゆっくり達
「ゆっくりたべるね!」
「うめえ!めっさうめえ!!」
今日の収穫は上々だ、ちびゆっくり達も大満足である
「ごちそうさま!」
「おいしかったよ!」
ご馳走を平らげて満面の笑みを向ける子供達
やがて、満腹になって眠くなったのかちびゆっくり達はうとうとしはじめる
「ゆっくりしていってね」
お母さん霊夢の子守唄を聞きながら、ちびゆっくり達は体を寄せ合い眠りに落ちた
そうやって毎日、幸せそうにゆっくり霊夢達の日々が過ぎて行く…

早朝、暖かい朝の日差しが樹木の隙間を抜けてうろへと届く
木の上から聞こえてくる鳥の鳴き声に、ちびゆっくりは目を覚ました
「ゆっくりしていってね!」
朝の挨拶である
加減のきかない声に、次々と目を覚ましていくちびゆっくり達
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
全員起きたことを確認すると、ゆっくり霊夢の家族はお母さん霊夢を先頭に巣から出て行く
朝の散歩である
「ゆっゆっ」
と、お互いに声を掛け合い、はぐれる事のないようにぴょんぴょんと進むゆっくり霊夢一行
まもなく行列のたどり着いた場所は小さな小さな池であった
その池の横の小さな水溜りにちびゆっくり達は飛び込んでいく
「おみず、おみず、んぐんぐ」
「きもちいい!ゆっくりできるよ!」
水を飲んだり、水に浸かって汚れを落としたり、パシャパシャと音をたてて遊ぶゆっくり霊夢達
ひとしきり遊んだ後、水溜りから出ると体をブルブル振って水気を飛ばした
「すっきりー!」
水浴びを終えたゆっくり霊夢達はとても気持ちよさそうだ

水浴びを後にしたゆっくり霊夢の行列は、次に森を抜けたところにある草原に向かった
背の低い草が並ぶ広い草原は、ゆっくり達の格好の遊び場所である
ポカポカと暖かい日差しを受け、ちびゆっくり達は蝶々を追かけたり、花を見つめて微笑んだり、
その花を食べてみたり、ポカポカ陽気でおひるねしたりと自由気ままに遊び始める
その姿を笑顔で見守るお母さん霊夢
やがて、お母さん霊夢の前にちびゆっくり達が集まってくる
「おはな!おはな!」
「ゆっくりしてね!」
子供達が一本のたんぽぽを加えて母にプレゼントする
お母さん霊夢の髪にたんぽぽをさしこみ、お洒落完了だ
「ゆっ♪ゆっ♪」
子供達の予想外の贈り物に嬉しくて飛び跳ねるお母さん霊夢
「おかあさん、だいすき!」
「おそとでおなかがへったら、たべてね!」
広い草原の真ん中、ゆっくり霊夢の家族はお互いに向かい合って微笑んだ

巣に戻りお夕飯を済ませると、子供達はくたびれたのか、すやすやと寝息をたてはじめる
お母さん霊夢に身を寄せて眠るちびゆっくりたち、寝顔はまさしく天使そのものだ
可愛い我が子の幸せそうな寝顔を眺めながら、お母さん霊夢も眠りについた

翌日もまた、暖かい朝の日差しが木々を縫って巣に届く
「ゆっくりしていってね!」
いつもの朝の挨拶が巣に響き、その声で目を覚ますゆっくり霊夢達
しかしその声は、いつものちびゆっくり霊夢の声とは異なるものであった
「ゆっくりしていってね!」
その挨拶の主は、金色の髪と金色の瞳を持つ、別の種類のゆっくり、ゆっくりアリスであった
どうやら朝の散歩中にゆっくり霊夢の巣を見つけて飛び込んできたようである
その姿に気がつき、ゆっくり霊夢は礼儀正しく挨拶を交わす
「はじめまして!ゆっくりしていってね!」
「よろしくね!」
元気に飛び跳ねるちびゆっくり達
ちびゆっくり達は、自分達以外の種類のゆっくりを見るのははじめてだ
自分達とは異なる姿に興味津々である
「ゆっくりしていってね!」
ゆっくり霊夢のお母さんも笑顔で挨拶
子供達にお友達ができるかもしれない、今日も良い一日になりそうだ
しかしそろそろ水浴びに出かける時間である…
…そうだ一緒に水浴びに出かけよう!そしてみんな一緒に遊ぶのだ
そんなことを考えていると、突然ゆっくりアリスがお母さん霊夢に頬擦りをしはじめた
「ゆっ♪ゆっ♪」
くすぐったそうに笑うお母さん霊夢
仲良く頬擦りしている二人の姿に、ちびゆっくりも嬉しそうに笑みをこぼす
体を擦り付けあう二人
その姿は次第に艶をおびていく
「れっ、れっ、れっ、れいむっ!」
のしかかりながら体を強く擦り付けるゆっくりアリス
「ゆっ、ゆっ、ゆっ」
ゆっくり霊夢のお母さんは抵抗することなくそれを受け入れる
交尾である
ちびゆっくり達は勿論交尾などという行為を理解していない、お母さん霊夢とゆっくりアリスが遊んでいるように勘違いしているようだ
性的な快感に耐えられず、気持ちよさそうに涎や鼻水を垂らす母の姿を眺めて、おおはしゃぎするちびゆっくり霊夢達
横目にふざけて自分達も体をぶつけあったりしている
「れ、…れいむっ!ハァッハッ…れ、れいむ!」
「ンフーッ!ンフーッ!」
ガタガタと激しさを増す二人の動き
荒げる吐息
「ハァッ…ン…ハァハァ……ッッ!…ッゆっくりしていってねっ!」
ゆっくりアリスは声をあげると、途端にぶるぶると体を震わせはじめる
生殖の開始だ
「ん゙っ!ん゙ぃ゙っ!ん゙い゙い゙っ!!」
顔を真っ赤にしながら、白目をむくゆっくり霊夢
強く食いしばった歯はギリギリと音をたて、口の横からは泡が漏れている
その声と危機迫る表情にただならぬ雰囲気を感じたちびゆっくり達
先ほどまでの笑顔も消え、心配で不安そうにお母さん霊夢を見つめる
ビクビクッ
お母さん霊夢は激しく体を痙攣させた後、仰向けに倒れこんだ
「ゆゆっ!!」
状況が読み込めずに駆け寄るちびゆっくり達
お母さん霊夢の反応は無く、ただ体中から汁を垂らしながら痙攣するだけである
一方、ゆっくりアリスの顔はつやつやだ
「ゆっくりしていってね!」
そう言うと、ゆっくりアリスは子供達の心配そうな声を背に、ゆっくり霊夢の巣からでていくのであった

夕暮れ時
「…さん」
「…おか…」
「おかあさんっ!」
誰かに呼ばれる声で目を覚ます
「おかあさんっ!!」
ひし、と跳び付くちびゆっくり達
「よかったよう!よかったよう!」
ちびゆっくり達はお母さんの無事を確認すると声をあげて大泣きする
一方、お母さん霊夢はよく状況を理解できていない様子
「へいきだよ!へいきだよ!」
とりあえず子供達を泣き止ませなければ、そう思って飛び跳ねてみせる
「もっとゆっくりしてねっ!もっとゆっくりしてねっ!」
子供達の顔は涙でくしゃくしゃだ
お母さん霊夢の元気そうな姿に安堵すると
嬉しくってもう一度大きな声で泣きはじめた
子供達をなだめるお母さん
泣きつかれたのだろう、安心したちびゆっくり達はお母さん霊夢にくっつきながら眠りに落ちていった
子供達に心配をかけてしまっていたようだと反省する反面
そうやって心配してくれる子供達の思いに、お母さん霊夢はそっと涙した


その翌日、目を覚ましたちびゆっくり霊夢達はお母さん霊夢の頭のうえに思いがけないものを見た
お母さん霊夢の頭の上からニョキニョキと蔓がのびており、その先にゆっくりアリスの赤ちゃんが沢山実っているのだ
ゆっくりアリスの赤ちゃんは、幸せそうに目を閉じてすやすやと眠っている
様子を見るかぎり、生れ落ちるのもそう遅くはないだろう
「おかあさん!あかちゃんだよ!」
それがゆっくりの赤ちゃんであると気がつくやいなや、嬉しくて跳ね回るちびゆっくり霊夢達
初めてできる自分達の姉妹にうれしくてたまらない様子
「わたしたちも、おねえちゃんになるね!」
みんなで顔を合わせてむふーっと笑い始める
姉妹の誕生を楽しみにする、微笑ましい光景である
新たな命の誕生を嬉しく思ってくれる子供達に、ゆっくりお母さんも笑顔がこぼれる
「ゆっくりしててね!」
赤ちゃんを実らせている身を案じて、その日の昼食はちびゆっくり霊夢達が調達してきてくれることになった
と言っても、まだ生まれて間もないちびゆっくり霊夢達のことである
その辺に落ちている落ち葉を集めることくらいが精一杯なのだが、お母さん霊夢はその心遣いがとても嬉しい

その晩、ついに誕生の時がきた
体を揺らして、実ったゆっくりアリスの赤ちゃんを地面に落としていくお母さん霊夢
地面に当たった衝撃でゆっくりアリスの赤ちゃん達は目を覚ましていく
「ゆー?」
目を開けて周りをキョロキョロするゆっくりアリスの赤ちゃん
「ゆっくりしていってね!」
それに笑顔で挨拶していくちびゆっくり霊夢
敵意の無いその笑顔に、つられてゆっくりアリスの赤ちゃんも笑顔になる
「ゆっ♪ゆっ♪」
「ゆっくりしていってね♪」
ゆっくりアリスの赤ちゃんをあやすちびゆっくり霊夢達
無事全ての赤ちゃんを産み落とすと、ゆっくり霊夢のお母さんから生えていた蔓はしなしなと枯れていく
その晩、数を倍に増やしたゆっくり達は、幸せそうに寄り添いあいながら朝を迎えるのであった

それから数日たったろうか
可愛い我が子のために今日も食料を調達してきたお母さん霊夢
巣穴に戻ると、そこではちびゆっくり霊夢とゆっくりアリスのあかちゃん達が楽しそうに遊んでいた
「ゆ~♪」
「ゆっ、ゆっ、おんまさんごっこ!」
「きゃっきゃっ♪」
自分より少しだけ大きいちびゆっくり霊夢の上にのって遊ぶゆっくりアリスの赤ちゃん
その姿は仲の良い姉妹そのものだ
「ただいま!ごはんだよ!」
お母さん霊夢の姿に気がつくとみんなでお出迎え
「おかえりなさい!ゆっくりしていってね!」
口に頬張っていたご飯をペッ!と次々に吐き出していくお母さん霊夢
凄まじい勢いで平らげていくゆっくりアリスの赤ちゃん達
姉のちびゆっくり霊夢の分まで食べてしまう勢いである
ちびゆっくり霊夢は可愛い妹達が幸せそうに食事しているのを見てると、怒る気も起きないご様子
「いっぱいたべて、おおきくなってね!」
お母さん霊夢はご飯に群がる子供達を幸せそうに眺めていると、あることに気がついた
なにやらゆっくりの数が減っているような気がする
ひい、ふう…んー
お母さん霊夢は2つ以上の数を数えることができない
気のせいか、と思いその一日を終えた

それからまた数日後
朝起きると、お母さん霊夢は再び違和感を感じた
あれほど沢山跳ね回っていた、ちびゆっくり霊夢の数が3人に減っている
もともと3人だったのでは?といわれるとそうだったような気もしなくはない
最初はゆっくりアリスの赤ちゃんと同じ数くらいいたような覚えがある
それから大きさである
ちびゆっくり霊夢のほうが先に生まれたのにも関わらず、ゆっくりアリスの赤ちゃんのサイズはちびゆっくり霊夢のそれを一回り上回っている
不思議に思うお母さん霊夢だったが、ちびゆっくり霊夢もゆっくりアリスの赤ちゃんも、いつもと変わらず無邪気に遊んでいる
杞憂だろう
自分の子供達が元気に遊んでいるのを見ていると不安が消えていく
ご飯をたらふく食べた子供達は、その日も幸せそうに床に就くのであった

ガサゴソ
その晩、みんなが寝静まった夜
お母さん霊夢は、ある物音で目を覚ました
暗闇のなか、ゆっくりアリス達が何かをしているようだ
一箇所に集まるってもぞもぞと音をたてている
「ァ……ァァ…」
弱々しい声がその中から聞こえてくる
ちびゆっくり霊夢の声だ
しゃぶしゃぶ
小さな音の中、ちびゆっくり霊夢のうめき声と何かをしゃぶるような音がきこえる
お母さん霊夢は目を凝らす
「……ッ!」
それは、ちびゆっくり霊夢がゆっくりアリス達に押さえつけられて食べられている光景だった
「ゆっ!ゆっくりしていってねっ!!」
思わず声をあげるお母さん霊夢
声をあげてもゆっくりアリス達は行為をやめる気配は無い
「ムグ…ッ」
押さえつけられて声があげられないちびゆっくり霊夢は、ものの数秒でゆっくりアリス達のお腹に納まってしまった
「ゆ…ゆ…ゆっ!」
状況が理解できない
そんな
今日も、昨日も、一昨日も
一緒に仲良く遊んでいたゆっくりアリスが
自分の姉を…食べるなんて…!
お腹が一杯になったゆっくりアリス達は何事も無かったように、再度寝息をたてはじめる
お母さん霊夢は只々呆然とするだけであった







──数日後
その巣には、ちびゆっくり霊夢の姿は無く
無機質に食料を調達し続けるお母さん霊夢と、元気に跳ね回る無数のちびゆっくりアリスの姿があった


~ゆっくり霊夢達の素敵な日々~ END














カッコウって鳥がいるらしいですね、
頭の良いヤツはやることが違う。


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最終更新:2025年06月28日 20:07