- 「 」はゆっくり、『 』は人間のセリフです。
- 独自設定があります。
- 虐待描写薄め
帰宅すると、飼いゆのまりさとれいむが俺を待ち構えていた。
「おかえりなさい!おにいさん!」
「おかえりなさいだよっ!!」
俺は苦笑いしながら答えた。
『ああ……ただいま』
「きょうはね、とってもゆっくりできたよ!!でもおにいさんにおねがいがあるよ!」
「そうだよ!おにいさん!まりさたちにごはんさんをつくってね!!」
「ちがうでしょおおお!!」
この糞饅頭どもは何を言っているんだ?
『お前ら、何言ってるんだよ?』
「だってまりさがへんなこというんだよ!」
『いや、別に変なことは言ってないだろ。腹でも減ってるんだろう』
「ゆっ!れいむはそんなこといいたいんじゃないんだよ!」
『じゃあ何だよ』
「あのね、まりさたちはこれからもずっとここにいるから、ごはんさんをつくってほしいんだよ!」
『え?なんでだよ?お前らは勝手に住み着いただけだろう』
「ゆ、ゆぅ・・・」
1カ月程前に勝手に家の中にやってきたこのれいまり夫婦は、おうちせんげんもすることなく、初めから飼いゆっくりだったかのように俺に接してきた。俺もちょうどゆっくりを飼おうとしていたところ、ちょうど良かったのでそのまま飼うことにして現在に至る。
ちなみに、このまりさは”だよまりさ”であり、初めて見たときは少し驚いた。大体見かけるまりさは”だぜまりさ”であり、まあまあ希少である。
「ゆ、それはそうだけどぉ・・・」
『まぁ、また今度作ってやるよ。それより今日はちょっと疲れてるんで寝させてくれ』
「わかったよ。おやすみなさい!」
『おやすみ』
そうして1日が平和に終わ「ゆっくりまってね!」
『どうしたれいむ。まだ何かあるのか。飯なら明日な』
「ちがうよっ!れいむは、おちびちゃんがほしいっていおうとしたんだよっ!!」
『は?』
「だからっ!れいむのおちびちゃんをきょかしてねっ!!」
『は?』
「だからっ!れいむのおちびちゃんをきょかしてねっ!!」
『聞こえなかったわけじゃない。意味がわかんねぇんだよ。おちびなんて無理に決まってんだろ』
「おちびちゃんはゆっくりしてるんだよ!だからできるよ!ゆっくりすればなんでもできるんだよっ!!」
『うるせぇ黙れ。とにかく俺はもう寝るぞ。話は明日にしてくれ』
「どおしてそんなこというのお! おちびちゃんはゆっくりできるんだあ!」
『俺は子ゆっくりまで飼うつもりはないし、そもそもお前じゃ育てられねーよ』
「れいむならできるよ!れいむはゆっくりしてるからねっ!れいむ、かんぺきすぎてごめんねー!」
『あっそ。どうせ家庭崩壊のテンプレパターンだろ。先は見えてんだよ、バーカ』
「ゆううううううううう!! まりさもだまってないで、なんかいえええ!」
脇の方で大人しくしていたまりさがビクッとした。
「ゆ、ゆぅ・・・・」
「ゆ?」
「ゆ・・・ゆん・・・」
「ゆん? ゆんってなんだああ!」
「ゆっ、ゆぅ・・・」
『大丈夫かこいつ』
「まりさは、れいむのことすきなんだよっ!」
『はいはい。好き好きだから早く寝ようぜ』
「れいむをばかにするなあ!」
「ゆ、ゆう・・・」
『お前らうるさい。もういい加減にしろ』
俺は居間から出て寝室に向かった。後ろから2匹の鳴き声が聞こえるが無視することにした。
次の日の朝、俺が起きるといつものようにまりさとれいむが待っていた。
「きょうこそはおちびちゃんつくりたいんだよ!」とれいむ。
「まりさはぽんぽんぺーこぺーこだよ!」とまりさ。
『はいはい。今日はお前らの好きなもん食わせてやるから待ってろ』
俺はそう言って朝食の準備を始めた。
まりさとれいむは俺の後をついてまわり、ご飯ができたころには定位置に付いていた。れいむがおちびちゃんおちびちゃんとうるさいが、取りあえず無視。
「いただきます! ゆ、ゆゆゆぅ〜♪」
ご機嫌にご飯を食べるまりさに対し、れいむはなかなか食べようとしなかった。
『どうしたれいむ。まだおちびが欲しいとか言うのか?食いたかなければ、まりさにやるぞ』
「ゆ、れいむもおなかすいてるんだけど・・・」
『じゃあさっさと食えよ』
「ゆ、ゆぅ・・・」
『何だよ』
「お、おちびちゃんが、おちびちゃんがほしいんだよ」
『ハア…』
俺はため息をつきながら、れいむを睨みつけた。
れいむはイライラした様子で、目を逸らす。
そろそろ賞味期限か。あんま保たなかったな。
俺はそう思い、れいむの目の前にあるご飯をまりさに食わせた。
れいむの表情が変わる。
れいむの体が激しく震えだしたが、俺とまりさは気にせず食事を続けた。
そして、最後の一口を食べ終わる頃、れいむの口から言葉が出てきた。
「どぼじでれいぶのごはんさんたべるのおおお!!」
れいむは泣き叫び、俺の方に突進してきた。
俺はそれをかわすと、れいむは壁に激突して転がった。
「おぢびぢゃんがほしいんだあああ! だばっでないで、ばりざもなんがいええええ!!」
昨日と同じ展開だな。寝るにも早すぎるな
『まりさ、こいつのことどう思うよ。』
すると、まりさはこっちを見て、こう言い放った。
「こんなやつしんじゃえばいいとおもうよっ!」
「ゆゆっ!?」
マジか。てっきりれいむの味方でもすると思ったんだが。
れいむは歯軋りをして、まりさを睨んだ。
『ほう』
「ごのぐぞばりざ!はなじがぢがうじゃないかあああ!! おばえ、きのうがらおがじいとおぼったら、うらぎったなあああ!」
「まりさはただゆっくりしたいだけだよ!ゆっくりできないげすは、とっととしんでね!いますぐでいいよ!」
「ゆううううううううう!! このくそばりさめええ!おばえみたいなのがいるから、ゆっくりできないんだあ!」
「ゆっ!れいむも、まりさも、にんげんさんのゆっくりだからだいじょうぶっていわれたんだよ!でも、れいむがゆっくりできないげすだから、まりさはにげるよ!」
「ゆぎゃあああ!もうがまんならないんだよっ!!」
2匹は取っ組み合いを始めた。
俺はそれを見ながら飯の残りを食っていたが、2匹の争いを見るのも飽きたので、ゆっくり回収袋を取り出した。
『お前ら、ちょっとこっち来い』
俺の言葉を聞いた2匹は喧嘩をやめ、こちらを見た。
「なにをするつもりだあ!」
『なあに、お前を処分するだけだ。安心しろ。苦しまないように殺してやる』
「ほんきでいってるの?ばかなの?」
『ああ。本気だ。お前は俺に殺されるってことだ』
俺はそう言って、れいむに近づく。
「ゆんやああっ!」
れいむは必死に逃げようとしたが、すぐに回収袋の中に放り込まれてしまう。
『これでよし。あとはまりさだが・・・』
まりさの方を見ると、なぜか暴れていた。見えない敵と戦っているのだろうか。
『おい、まりさ。こっちに来てくれ』
俺はまりさに声をかけるが、一向に来る気配がない。
仕方ないな。
俺はまりさに近づき、話しかける。
『まりさ、本当にこいつ処分するけどいいのか?一応番だろ?』
すると、まりさはポカンとした表情でこう言った。
「ゆっ?ちがうよ! れいむはまりさのおくさんじゃないよ!」
『じゃあ何だったんだよ』
「れいむは、おちびちゃんをつくるためだけにまりさにちかづいたんだよ! ぜんぜんしらないたゆんだよ!」
『・・・そうなのか?れいむ』
「ゆっ、そんなわけあるかああ!!このけだものおおおっ!!」
袋の中から糞饅頭の鳴き声が聞こえる。
『まあいいや。どうせ潰すし』
俺はれいむを潰してゴミ捨て場に持っていく。
立ち去る前に、まりさに一言。
『今回は潰さないでおくが、お前、相当なゲスだな。まさに裏切り者だよ』
今後、まりさがどんなゲス行為を働くのか楽しみになってきた。別のゆっくりでも用意して試してみるか。
どうやら俺は面白い拾い物をしたようだ。
完
最終更新:2022年05月06日 00:13