• かなり好意的に見たゆっくりがいる世界です。
  • 馬鹿で変なドスが出ます。
  • 生き残るゆっくりもいます。
  • ぬるいじめ



あるところに人間と仲良くしているゆっくり達の群れがいた。

ゆっくり達はゆっくりにしては勤勉で畑作業を手伝ったり(雑草を食べるなど)子供達と遊んだり、と仲良く共存をしていた。

そのゆっくり達がある日トンと来なくなった。これはおかしいと思って何人かが様子を見に行ったのだが。

数時間後、村で一番ゆっくりと仲の良いであろう青年の元に調査をしにいった者たちがやってきた。

「ど、どうしたんだ皆、そんな恐い顔をして」

「ドスまりさがいて、調査どころじゃなかったんだよ」

「ドスまりさ……」

ドスまりさ、何と言うか普通にデカく、リーダーシップもそれなりにあるゆっくりである。

『ゆっくりをゆっくりさせる』と言う信念を持つ、というゆっくりらしいのだが……。

「で、コイツがアンタと何か話したいというから連れてきたんだ」

と、かなりやつれた感のあるまりさを持ち出した。

「おぉ、長まりさ!って、やつれてる……何かあったんだね?」

「お、おにいさん……まりさたちをたすけてね」

まりさの話はこうだ。 

……かれこれ一週間ほど前にドスまりさがやってきた。群れの皆はそりゃぁもう喜んだ。

で、伝承どおりにドスまりさはゆっくり達をゆっくりさせてくれた。

問題に気づいたのは翌日からであった。ゆっくりしすぎていたのだ。

体がだるい。寝返りするのも億劫。 というか食べることすら面倒くさい。

「これじゃぁ、くささんをとってこれないよ!!」

しかし、どすはのんきなもので

「ゆゆっ! みんなゆっくりしているね! どすはうれしいよ!!」

ドスまりさになると、何も食べなくても生きていけるようになる。

だから、食べ物も食べれなくなるとゆっくりがどうなるのかをドスは失念していた。

「どす! ゆっくりおーらをゆっくりやめてね!! これじゃゆっくりできないよ!!」

「ゆっ! ゆっくりしてないこだね!! もっとこくおーらをだすよ!!」

「「「「「ゆっくりぃぃぃぃぃぃぃ!!」」」」」

千事が万事この調子である、ドスはゆっくりできても皆がゆっくりできなくなってしまったわけだ。

もういいから、ドスはどこかに行ってねと言っても

「ここはゆっくりできるからずっとここにいるよ!」

気に入られたらしい。

そんなこんなで一週間飲まず食わずだったのだ。

「ぱちゅりぃやあかちゃんたちがゆっくりできなくなったんだよ………」

それを聞いてお兄さんの顔色が変わった。 

お兄さんはゆっくりが大好きで大好きでしょうがない。まりさもれいむもありすもちぇんも他のゆっくりも等しく可愛がっていた。

それがドスゆっくりの傲慢で沢山死んだと聞き、彼の怒りを頂点を突破した。


人間それなりに付きあってると情も沸くものである。彼の怒りの根源もそれなのだというかはかなり疑わしいがまぁそうしておこう。

「お、お兄さん?」

無言でお兄さんは部屋に飛び込むや否や、現代で歩いていたら即座に職質かけられそうな物騒なモノを腰に背負い込み、群れのある場所へと走っていった。

「……行っちまったなぁ」

「いっちゃったねぇ……げほっ」

「……とりあえずオレンジジュース飲め」「……うん」

残された一同は唖然としていた。とりあえず、長まりさにはオレンジジュースを飲ませておいた。


とあるゆっくりの群れの営巣地にて。

「なんて酷い……」

たどり着いたお兄さんは思った以上の惨状に頭を抱えていた。

巣を散策してみた所、ゆっくりの餓死した姿・かろうじて生きてはいるもの衰弱している者たちの姿がが目についた。

顔が実にゆっくりしてるのが、妙に痛々しい。

「ゆっ? おにいさんはゆっくりできるひと?」

声に気づき、お兄さんはドスまりさに気づいた。デカイ、実にデカイ。全長は3mほどだろうか?

「なんでこんなにゆっくりが死んでるんだ、ドスまりさ?」

「ゆゆっ! みんなゆっくりしすぎてずっとゆっくりしちゃったんだよ!! しつれーなおにぃさんだね!!」

このとき、お兄さんは気づいた。こいつの価値観は少しおかしなことになっている、と。

どすまりさは『ゆっくり』させることにしか興味が無かった。

自分だけが食料を要らない、ということを完全に失念してこのドスは皆も食べ物を要らない、と思い込んでいたのだ。

「あのな、おまえがどう思おうと、このゆっくりはどう見ても死んでるんだが?」

「ゆがっ!? ……(お兄さんが持ってきたゆっくりを観察して) どぼぢでみんなじんでるのぉぉぉぉぉ!?」

「いや、ずっとご飯も食べずにゆっくりさせてたら普通こうなるだろう、常識的に考えて」

「おにぃざんがごろじだんだなぁぁぁぁぁぁぁ、じねぇぇぇぇぇ!」

何故そうなる!?と思いつつドスまりさプレッシャーをお兄さん難なく回避。

「どう見てもお前のゆっくりオーラが原因の衰弱死じゃないか!! この無能ドス!!」

「うるざいうるざぁぁぁい!! どずずばーぐをぐらえぇぇぇ!!」

「ドススパークドススパークと煩いよ!!」

チャージなどさせるか!とばかりに、お兄さんはドスに接近し、ドスの口内にタバスコを放り込んだ。

「か、かりゃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「ついでにもういっぱぁつ!!」

そう叫び、お兄さんは工事仕事に使うパイルバンカーをドスまりさに打ち込んだ。

「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! ど、どずはみんなをゆっぐりざぜだがっだだげなのにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

中枢を打ち抜いたらしく、餡子をボドボドと吐きながら、ドスまりさは倒れた。

「ゆっくりったってねぇ……限度があるんだよ!!」

こうして、このゆっくりの群れに降って沸いた災害は終結した。

これからはまた人間とゆっくりは(この村では)仲良くやっていくのだろう。

「あれが最後の変なドスとは限らない……、きっと第二、第三の変なドスがいるに違いない……」

そこ、ゴジラみたいな終わらせ方しない。



後書き

群れの皆をゆっくりさせるって行為曲解するとこうなる気がするんだ。

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最終更新:2022年05月18日 22:36