100スレ記念3




「次はここなんだな」

子れいむを盾に取られたまりさの後を追って、青年は2つの巣穴が並んでいる場所に到着した。

「ゆっくりしていってね」
「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」
「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」

この言葉をかけられると反射的に返事をしてしまう性質を利用して、青年は巣にゆっくりがいることを確認する。
それから鞄から取り出した簡易柵で2つの巣を取り囲み、最初の巣で用いた唐辛子を2つ放り込んだ。

「「「「ゆゆっ!ゆっくりできないよ!?」」」」
「「「「ゆっくりしたいよー」」」」
「「「ゆっくちぃー!?」」」

などなど、口々にゆっくりと叫びながら総勢14匹ものゆっくりが2つの巣から飛び出してきた。
まず、右の巣からは7匹のゆっくりが飛び出してきた。
成体が2匹。種族はれいむとぱちゅりーで、子どもはれいむ種3匹にぱちゅりー種が2匹。
ただし、れいむ種のうち1匹は赤ゆっくりサイズであり、最近生まれたばかりの個体のようだ。
一方、左の巣からも7匹のゆっくりが飛び出してきた。
こちらも成体が2匹。種族はちぇんとありすで、子どもはありす種が3匹のちぇん種が2匹。
そのうち赤ゆっくりサイズの個体は3匹。ありす種が2匹とちぇん種が1匹。

「やあ、ゆっくりしてるかな?」

まりさは既に鞄の中に放り込まれているのでゆっくり達には青年の姿しか見えない。

「むきゅ、おにーさんね!ぱちぇのおうちにゆっくりできないことをしたのは!?」
「どうしてそんなことするのー、わからないよー!」
「ゆっくりあやまってね、ぷんぷん!」
「そうよ!あんなのとかいはじゃないわ!」

一歩前に出た成体たちは一斉に抗議の声を上げてぷくぅっと膨れた。
が、青年はそんな4匹に構うことなく一箇所に固まって震えている子ども達の傍へ向かい、赤ゆっくり4匹を捕まえる。
それから悠然とした足取りで元いた場所に戻り、一言。

「今から隣の家族と殺し合え。拒否しても僕が殺す。それに赤ゆどもが酷い目に遭うぞ?」
「「「「「「「「「「ゆゆっ!?」」」」」」」」」」

驚愕するゆっくり達を見るかぎり、そう言ってもおいそれとそんなことするわけが無いだろうが。
そう考えた青年は赤ありすを1匹、成体4匹の前に掲げ、適当に彼女の髪を摘むと乱暴に引っ張りはじめた。

「ゆぅぅぅ!ゆっくりぃー!?」
「ゆっくりやめてね!ゆっくりできないよ!?」
「やめてあげてね!いたがってるよ!」
「わからないよー!?」

戸惑う成体たち。しかし彼は髪を引っ張る手を決して緩めずに引っ張り続ける。
やがて、なんとも形容しがたい音とともに赤ありすの綺麗な金色の髪が根元から引き千切られた。
ついでに皮も少し千切れてしまったらしく、頭から少量のカスタードが漏れ出す。

「ゆぎゅ!ゆぇーん、ゆっくりー」
「む、むきゅぅ・・・」
「ぱ、ぱちゅりー!?」

バイオレンスな光景に耐性のないぱちゅりーはカスタードを見て目を回してしまった。
しかし、青年に彼女を気遣う理由など微塵も無く淡々と「殺し合え」という言葉を繰り返す。
それでも躊躇う成体ゆっくり達。しかし・・・

「やめてね、ゆっくりできないわ!?」
「ゆゆっ!れいむ、なにしてるの!?」
「おかーさん!ゆっくりやっつけてね!ゆっくりしてたらゆっくりできないよ!?」

赤ありすが酷い目に合わされる光景に恐怖した1匹の子れいむが子ありすに体当たりを仕掛け始めたのだ。
周りでは他の子ゆっくりが「やめてね!ゆっくりしてね!」と騒いでいるが命がかかった状況では素直に応じるはずも無い。
何度も何度も子ありすに執拗に体当たりを繰り返す子れいむ。

「ゆっくりやめるんだよー!」

それが子ちぇんの逆鱗に触れた。
彼女は子ありすを助けるために子れいむに体当たりを仕掛ける。
二本の尾を操ることで他の種とは比較にならない運動能力を有するちぇん種の体当たりは一撃で子れいむを弾き飛ばした。

「ゆぐぅ!?ゆっぐ・・・いぢゃいよぉ、ゆっぐぢでぎないー」

弾き飛ばされた子れいむはころころ?と地面を転がり、青年の設置した柵にぶつかった。

「ありす、だいじょうぶ?」
「ゆっ・・・ゆぅ、だいじょうぶよ・・・」
「ゆゆっ、おねーちゃんをいじめるなぁ!」

今度は姉妹を気遣う子ちぇん目がけて先ほどの子れいむとは別の子れいむは体当たりを仕掛けた。
しかし、若干体の小さな彼女の体当たりでは子ちぇんを少し怯ませるのが精一杯で、すぐに立ち直った彼女の反撃に遭う。

「さきにれいむがゆっくりできないことしたんだよー」
「ゆぅ?・・・!おねーちゃんのわるぐちはゆっくりできないよ!?」
「わるぐちじゃないよー、わかってねー」

先ほどのように体当たりで弾き飛ばさず、子れいむの上に乗って何度も飛び跳ねる子ちぇん。
その執拗な攻撃を前に子れいむは少しずつ追い詰められ、あっという間に心を折られてしまった。

「やめてよー、ゆっくりできないよー!ゆえーん!」
「ゆゆっ!やりすぎだよ!?ゆっくりやめないとれいむおこるよ!?」

予想外の場所から聞こえてきた抗議の声。声の主は成体れいむだった。
れいむ種はゆっくりの中でもあまり頭が良くない上に母性が強い。
流石にれいむの知能でもちぇんの方が正しいことは理解できたが、自分そっくりの2匹が泣きじゃくる姿を見て我慢が出来なくなったらしい。

「ゆゆっ、そんなのおかしいわ!ありすにひどいことしたのはれいむでしょ!?」

困ったことにれいむの発言に成体ありすが噛み付いてしまった。
どちらも伴侶は困った風な表情を浮かべて諌める努力をしているが、2匹とも一向に落ち着く気配を見せない。

「ありすなんて、ゆっくりできないいなかものでしょ!?」
「そんなことないわ!ありすはれいむとちがってゆっくりしたとかいはよ!」
「でもれいむのおちびちゃんにひどいことしたよ!?」
「さきにれいむのおちびちゃんがゆっくりできないことをしたからでしょ!」
「れいむのおぢびぢゃんはゆっぐりじでるよ!?ぷんぷん!」

エキサイトする2匹を尻目に青年はのっそりと立ち上がると成体のぱちゅりーとちぇんの頭を掴む。
そしてぱちゅりーを子ありすに、ちぇんを姉の子ぱちゅりーに頬擦りしてもらっている子れいむに向かって放り投げた。
信じがたいことに一匹たりともよける気配を見せず、いとも簡単にぱちゅりーとちぇんの下敷きになって、息絶えた。

「ゆぎぃ!?」「むぎゅ!?」「ゆ゛っ!?」

3匹のそれぞれ異なる中身が飛び散り、柵によって仕切られた地面を甘く染め上げる。
ちぇんとぱちゅりーもまた投げられた痛みで悲鳴を上げるが、ようやく園痛みから立ち直った時真っ先に見たのはつがいの2匹。
それは3匹が下の子ども達はもう助からないことを察し、なおか青年の意図を把握出来るほどに優秀であることを示していた。
案の定、彼女らの視線の先ではれいむとありすの正視に堪えない殺し合いが繰り広げられている。

「ゆううううううう!もうゆるざないよ!?」
「ありずだってもうがまんでぎないわ!?」

互いに距離を取って助走し、勢い良くぶつかり合う。
ぶつかってはころんと地面を転がり、皮を傷つけながらも起き上がってまた距離を取る。
何度も何度も何度も何度もそれを繰り返しながらお互いに傷つけ合ってゆく。
そして、13度目のぶつかり合いの時、変化が訪れた。

「ゆっくりやられて、ねぇ!?」

れいむが疲労で重い底部に鞭打って全力でぶつかろうと跳ねた瞬間、ありすは左に飛びのいた。
相手からもぶつかってくることを見越して跳ねたれいむは体勢を崩し、地面とキスをする。
一瞬、その体勢のまま痛みのせいで泣き出しそうになるが、その痛みのせいで泣くことはなかった。
直後にありすに底部を噛み千切られて、それどころではないほどの痛みを味わう羽目になったから。

「ゆ゛ぐぅ゛ぅぅぅううぅ゛ぅ!!?」
「ゆっくりでぎない!でいむなんで、ぜっごうよ!?」

そう言って先ほどの子ちぇん同様にれいむの上に飛び乗ったありすは彼女の上で執拗に飛び跳ねる。

「ゆびっ!?」
「れいむなんて!」
「ゆぐぅ!?」
「ゆっくりでぎない!」
「ゆ゛っ!?」
「いながものなのよ!」
「もっど・・・ゆっぐり、ぢだがったよ・・・」

10回も飛び跳ねた頃にはありすの落下の衝撃によって底部から大量の餡子を撒き散らし、れいむは動かなくなった。

「ゆゆっ!こんどはぱちゅりーよ!」
「ふむ・・・」

青年は威勢よく吼えるありすを掴むと再びチャッカマンを取り出して彼女の底部を焼く。

「ゆびゅ!い、いぢゃいいいいいい!?」
「やべ、やべでぇ・・・どがいはぢゃなわああああ!?」
「ゆぎぃ・・・やべでぇ・・・」

もちろん、つがいのちぇんも彼に向かって抗議の声を上げている。
しかしそんな声を青年が聞くはずも無く、あっという間にありすの底部はこんがりと焼き上げられてしまった。

「さて・・・なあ、ぱちゅりー」
「む、むきゅ・・・なあに、おにーさん?」
「君たち家族はどのくらいの付き合いなんだい?」
「むきゅ?・・・れいむとぱちゅりーはしまいよ」
「へえ、そうなんだ。じゃあ、聞かせてくれよ、君たちのゆん生を。そしたら赤ちゃん達は助けてやる」

青年は近くの木に体重を預けてリラックスした姿勢になった。
ぱちゅりー達には彼の意図は察しかねるが、赤ちゃん達を助けてくれるのなら断る理由は無い。
そう判断したぱちゅりーはぽつりぽつりと語り始めた。

ぱちゅりーとれいむが同じ茎から産まれたときのことを。
優しい両親に囲まれてすくすくと育っていったことを。
初めてお外に出たその日の出会ったのがありすとちぇんだったことを。
すぐに意気投合した4匹は他の姉妹も交えて沢山遊んだことを。
それから家族ぐるみでの長い付き合いがあったことを。
成体になって自立したとき4匹で一緒にゆっくりプレイスを探したことを。
そうして流れ着いた先でれいむぷろぽーずされて恋仲になったことを。
一方のありすはちぇんにぷろぽーずされていたことを。
ゆっくり出来る巣を作って、すっきりーして可愛い赤ちゃんを宿したことを。
それから子ども達もまたお友達になって一緒にゆっくりしていたことを。
今日、青年に出会うまでの幸福な日々を。

「そうか。ありすはそんなかけがえの無い友達を殺したのか」

それがぱちゅりーの話を聞き終えた青年の第一声だった。
その言葉は思い出話の間に頭を冷やし、自らの行為を悔いていた彼女の心を深く抉った。

「ゆっぐ・・・だっで、だっでぇ・・・」
「言い訳は見苦しいぞ、ゲス」
「あ、ありずはげずぢゃ・・・」
「いいや、ゲスだね。親友を殺した救いようのないクソッタレだ」

淡々と事実を突きつけつつ、ありすを罵り続ける青年。
最初こそ必死に反論しようとしていたありすだったが、やがて言葉を失い、泣きじゃくることしか出来なくなった。
そして、青年はありすの傍に歩み寄り、彼女を見下ろしながら囁いた。

「君のようなゲスは即刻死ぬべきだよ。『さあ、お食べなさい』でもして子ども達の肥やしになるんだね」
「ゆっぐ、ゆっぐぢ・・・りがいぢだわ」

もはや万死に値するゲスであることを受け入れた彼女は力無く頷いた。

「さ、さあ、お食べ・・・ゆびゅ!?」
「なんてさせると思ったか?」

せめて我が子の肥やしになれれば・・・そう思って『さあ、お食べなさい』をしようとしたありすに蹴りが見舞われる。
蹴りというより踏みつけるに近いその一撃はありすの歯を何本もへし折り、衝撃だけで目を落としてしまった。
歯が刺さりぼろぼろの口ではもう『さあ、お食べなさい』をすることはままならないだろう。

「君みたいなゲスを食べたらゲスが感染するだろ?」
「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」

ゆっくりもかくやの満面の笑みを浮かべた青年は「君はそれくらい価値が無い田舎物なんだよ」と囁きながらありすに止めを刺した。
彼女の断末魔は「もっとゆっくりしたかった」ではなく「ごべん、なざ・・・い」で、彼女の最期を皆半ば諦めたような眼差しで見守っていた。
彼女らもまた、思い出話に心を挫かれてしまったのだ。
青年はその冷めた目を見て内心毒づく。こいつらはもういたぶる価値がない、と。
傷つければ悲鳴を上げるだろう。家族を殺せと命じれば躊躇うだろう。しかし、それではダメだ。
絶望し、ゆっくりを諦めた彼女らに見切りをつけて、青年は残った5匹をひとおもいに踏み潰していった。



「さてと・・・」

柵を片付けた青年は再び適当な場所に腰を下ろし、鞄の中から道案内役の成体まりさを取り出した。
「んー!んー!」と喚く彼女を膝の上に置き、柔らかそうな頬にナイフを突き刺して皮を切り取り、赤ゆっくりが入るくらいの穴を空けた。
それから服に備え付けられた赤ゆっくり捕獲用ポケットから先ほど捕まえた4匹の赤ゆっくりを取り出し、その穴からまりさの口内に放り込む。
赤ゆっくり達は彼女らの家族の身に何が起こったのかを理解しておらず、まりさの口の中であれこれと喚いている。

『おかーしゃん、ゆっくちー?』
『おねーしゃん、ゆっくちー!』
『『ゆっくちー!ゆっくちー!』』

口内で娘でもないゆっくりに騒がれるまりさはたまったものじゃないだろう。
しかし、青年はそんなまりさの様子をしばし面白おかしく観察した後に、鞄から取り出した小麦粉で穴を塞いだ。
これでまりさの口から赤ゆっくりが外に出てくることは無いだろう。

「さあ、まりさ。早く次の巣に向かうんだ」
「んー『『ゆっくちー!』』!」

またしても渋ったまりさを子どもと増援で脅して次の巣へと向かわせた。
もっとも、実際のところ彼には造園を期待できるような仲間などいないのだが。
彼の住んでいる村やその周辺には現在彼以外の虐待愛好家が住んでいない。
何故なら、このまりさの所属するドスまりさを中心とした群れによって殺されたから。

「んー!」
「そうか、ついたか」

失った仲間たちのことを思い出しながら渋い顔をしていた青年はまりさの声いよって現実に引き戻された。
そして、まりさを鞄にしまうと視線の先にある巣にいつも通り唐辛子玉を投げ込んでゆっくりを引きずり出す。

「けほっ!けほっ!」
「おめめがいたいよー!?」
「とかいはじゃないわ!」

慌てて巣から飛び出してきたのは成体のれいむ、まりさ、ありすの3匹。どれもほぼ同じ大きさである。
成体が3匹も同棲するというのはあまり例の無いことだが、種族の組み合わせで青年にはすぐに合点がいった。
まりさ種とれいむ種は非常に相性が良い。
本能的なものも含めて色々な要因が考えられるが、一般的なのはそれぞれの得意分野が異なっており、上手く共生できるからという説だ。
れいむ種はあまり頭がよくない上に狩りも苦手なので狩りがそれなりに上手でそこそこ頭も良い反面、自尊心が過大なまりさ種のプライドを傷つけないらしい。
食料など表面的にはれいむがまりさに依存しきっているように見えるが、精神面ではまりさもまたれいむに依存しているのだ。
一方、ありす種は彼女ら特有の都会派志向に基づいてまりさ種に好意を抱く傾向がある。
自分は都会派であり、自分と同じ金髪のまりさもまた比較的都会派であると認識するらしい。
なお、同じありす種を好まないのは都会派比べになる、種全体が女性的な性自認をしているので同性愛に通じるからなどの解釈がなされている。
もっとも、知能も狩りの技術もまりさ以上な上に、すっきりーしだすと歯止めが利かない困った性癖のせいでまりさからは嫌がられることが多いのだが。

「やあ、ゆっくりしてってね」
「「「ゆゆっ、ゆっくりしていってね!」」」

にこやかな笑みを浮かべて挨拶をした青年に元気良く返事をする3匹。
しかし、返事をした後に人間がそこにいることの違和感に気付き、一歩後ずさった。

「ど、どうしてにんげんさんがいるの?」
「まりさぁ・・・こわいわぁ」
「だいじょぶだよ!ふたりともまりさがまもるよ!ぷくぅぅぅうう!」

案の定、れいむとありすはまりさにすがりつき、まりさが1匹だけ頬を膨らませて彼を威嚇した。

「なあ、まりさ。君はれいむとありすどっちが好きなの?」
「ゆゆっ!そんなのかんけいないでしょ!?」
「関係あるよ。実は僕のペットのゆっくりがそのれいむの事を好きになったらしいんだ」

さりげなく、彼がここにいることの理由説明までしつつ、自分のペースをつかもうとする青年。
一方、青年の言葉をあっさり信じてしまったまりさは空気を吐き出して、幾分かリラックスした表情を浮かべる。

「ドスとも話をしてね“まりさと本人が良いって言うなら良いよ”って言ってくれた。だからハッキリさせておきたいんだ」
「ゆ、ゆぅ・・・」

誰の目から見てもまりさは明らかに恐れていた。
彼女自身が言葉にしているわけではないが、今の関係が崩れることに恐怖心を抱いている。
どちらかに対しては恋愛感情に通じるものを抱いているのだろう。
しかし、それと同時にもう一方とも深い友情で結ばれている。
と同時に、まりさが友情だと思っている相手はまりさに恋愛感情を抱いている。
「饅頭がラブコメかよ」という突っ込みはさて置き、3匹の間にはそういう危うい均衡が存在するのだ。
変な所で繊細なのがゆっくりというもので、恋に破れたものがこの巣に居座り続けられるはずもないだろう。

「飼いゆっくりで他に友達もいないからできれば望みを叶えてあげたいんだ」
「ゆ、ゆっくりりかいしたよ・・・」
「だから教えてくれ。君はありすとれいむどっちが好きなんだい?もちろん、友達としてじゃないよ」

にこやかな笑みを浮かべてまりさを見下ろす青年。
彼とは対照的にまりさの表情は非常に苦々しいものになっている。
彼女を見つめるれいむとありすはとても不安そうだ。
しばし、3匹と1人の間に奇妙な沈黙が流れる。

「さあ、早く答えてくれないか?」
「ま、まりさ、まりさは・・・れいむがだいすきだよっ!!」
「ゆゆっ、まりさぁ!!」
「ゆっ・・・まりさぁ・・・」

意を決したまりさの叫びに悲喜こもごもの反応を返すれいむとありす。

「そうか、それは残念だよ」

呟きながらまりさの傍まで歩み寄った青年の手にはまたしてもチャッカマン。
まりさの髪を引っ掴んで自分の顔の高さまで持ち上げると、底部に先端を押し当てて点火する。
彼の足元では「やめてあげてね!」と叫びながられいむとありすがまりさを助けようと体当たりを繰り返しているが、何の意味もなさない。
寧ろ、仲間を呼ばれないように足で押さえつけやすくなって好都合でさえあった。

「言ったよね?僕のゆっくりは“れいむ”が好きだって」
「ゆびゅ!?あぢゅいいいいいいいいい!?」
「なのにさ、お前がれいむが好きって言ったらどうすりゃいいんだよ?」
「やべぢぇええええ!あ゛んよが、ばりざのあんよがああああ!?」
「ひとりぼっちの我が家のゆっくりが可哀想だろ?」
「ゆひぃ・・・ゆぅ、ゆぐぅ・・・」
「お前はありすとすっきりーしてりゃ良いんだよ!お前にはありすがお似合いだ!」

その言葉を聞いた瞬間、ありすの抵抗が弱まったのを安全靴ごしに感じた青年はありすだけを解放し、彼女に告げる。

「だから、そのれいむを犯し殺せ」
「ゆゆっ!そ、そんなのとかいはじゃないわ!?」
「いや、都会派だよ。だってそうだろう?」

青年は詭弁にすらなっていない暴論を振りかざしてありすの説得を試みた。
れいむが死ねばありすはまりさのハニーになれる。
まりさはありすのダーリンとして都会派のゆっくりを満喫できる。
れいむだってすっきりーで気持ちよくなれるし、お母さんになることが出来る。
しかも、産まれた赤ちゃんは青年の家のゆっくりが育ててくれるから手間がかからない。
彼の家のゆっくりだって赤ちゃんがいれば寂しい思いをしなくて済む。
それどころか、良い口減らしになるからドスの群れ全体にまで利益がある。

「な、とっても都会派だろ?」
「ゆぅ・・・でもぉ」

どうやら彼の主張を納得はしているらしいが、やはりれいむとすっきりーする事には抵抗があるらしい。

「だったらまりさを諦めてこの巣から出て行くか?」
「ゆぅ・・・」
「きっと群れの皆は優しくしてくれるだろうよ。でも陰では恋に破れた田舎者って大笑いされるよ」
「そ、そんなのとかいはじゃないわ・・・」
「だから、れいむに都会派の愛を注いであげればいいんだよ。死体の始末もドスの説得も僕がやる」
「ゆ、ゆぅ・・・」

口で言っても応じそうに無い。青年は説得を諦めてありすを掴まえるとおもむろに振動を与え始めた。
ゆっくりは振動を与えることで発情を促すことが出来る。特にありす種は発情しやすい上に色欲を抑えることが苦手とされている。
ある程度発情させたところで青年はありすを地面に置き、代わりにまりさが襲われないように彼女を抱えあげた。

「ゆ?ん!れ、れいむううううう!ありすとすっきりしましょおおおお!」
「や、やめてね!れいむのゆーじんはまりさのものだよ!」
「すっきりしていってね!」
「やべでええええ!まりざのれいぶどずっぎぢぢないでえええ!?」

発情モードになったありすは問答無用にれいむを押し倒し、彼女の上に圧し掛かった。
れいむは何とか抜け出そうと身をよじるがなかなか抜け出すことが出来ず、その間にもありすが体を上下に揺らし始める。
最初はただでたらめに体を揺すっているだけだったが、徐々にリズムが出来上がって行き、ありすの呼吸にもリズムが生まれてくる。
青年の腕の中ではまりさが必死に抗議をしているが、その言葉は決して届かない。

「ゆ・・・ふぅ、ゆ・・・ふぅ・・・」
「ゆぅ、やべてぇ・・・れいむ、ずっぎりしだくないよぉ!」

すっきりは頬擦り、次いで胎生と植物型を確実に分けるために出来たといわれる器官を用いてのものが一般的である。
しかし、実際には同じ空間ですっきりーと鳴かせれば良いとか、単体でも生殖できるとも言われており、彼女らの交尾は酷くアバウト。
だから開けた空間で無理矢理すっきりーする場合はこのような体位で交尾することもあるのだろう。

「ゆ・・・ふぅ、ゆ・・・ふぅ・・・」
「ゆっ・・・やめぇ、ゆぅ・・・ありぅ・・・」

あまりゆっくり向きでない体勢での交尾に悪戦苦闘していたありすだったが、慣れてきたらしく少しずつ速度とキレがを増してゆく。
その甲斐あってか、一方のれいむも顔を紅潮させ、全身から粘液を分泌しながら嬌声をあげている。
一応今でも抵抗を続けているが、先ほどまでの激しい抵抗には程遠く、半ばすっきりを受け入れているようだ。

「「すっきりー」」

やがて2匹は同時に絶頂を迎え、初めての交尾を終えた。
しかし、青年の要求はあくまで「れいむを犯し殺す」ことであり、すっきりさせておしまいというわけではない。
今度はありすを足で揺さぶって発情させると、頭に茎を生やしながら「れいむのゆーじんがぁ・・・」と涙を零すれいむに再びけしかけた。

「れいむぅぅううう!もっとすっきりしましょおおおお!!」
「もうやだぁ!おうちかえゆ゛っ!?」
「でいむううううううう!?」

逃げようとするれいむだったが、茎に餡子を奪われた今尚更ありすに勝てるはずもなく、あっさりと捕まってしまった。
そして、ありすに何度もすっきりーさせられたれいむは4本もの茎を生やしたまま黒ずんで朽ち果てた。
未だに発情しているありすを蹴り飛ばしてれいむから引き離すと、れいむだったものの傍にまりさを置き様子を伺う。

「れいむ゛うううううう!?ゆっくりー!ゆっくりしてね!?」
「・・・・・・・・・」
「ゆっくりだよ!まりさといっしょにゆっくりしようよー!」
「・・・・・・・・・」

当然、れいむの反応は無い。物言わぬ恋ゆっくりの傍らでまりさはしくしくと涙を流す。
そんな彼女の後ろに発情モードのありすが迫ってきているとも知らずに。

「なかないでね、まりさ!ありすとすっきりしましょおおお!」
「ゆぐっ!?やべでね!ゆっぎりしでないありずはぎらいだよ!?」
「まりさってばつんでれねえええええ!?」
「やめでえええええ!ゆっぎりでぎないいいいい!?」

こうして、まりさもまたありすにレイプされ、頭に1本の茎を生やした。
それを確認した青年はまだ発情しているありすにゆっくり専用の薬品を無理矢理飲ませて、彼女を眠らせて巣の中に戻す。

「ゆっぐ・・・どうぢで、ごんなごどするの゛ぉ?」

一連の作業を見ていたまりさは青年が自分のほうを向いたのを確認するとそう尋ねる。
が、返ってきた答えは「したいから」ただその一言。
まりさの目には彼が生き物ではない、何か邪悪な化け物のように映った。
彼女の内心の恐怖など意に介さず、化け物はれいむの茎を引っこ抜いてまりさのそばへ。
そして、小さなありすとれいむが生る茎をすべてまりさの額にねじ込んでいった。

「お前は足を焼かれて狩りができない」
「お前の頭の赤ん坊はれいむの形見だ」
「お前たちを養えるのはありすだけだ」

その3つをまりさに何度か言い聞かせ、れいむを殺したありすの待つ巣の中に戻した。
再び口を縫ったまりさを鞄から取り出し、次の巣に向かう道中、青年は思った。
やはりただ潰すだけではつまらない、と。




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最終更新:2014年09月23日 19:41