虐待に飽きたので虐殺してみた。











耳障りなゆっくりの悲鳴を聞きながら、私は何度目かわからない溜息をついた。
悲鳴を上げているゆっくりまりさは、私に繰り返し殴られたせいか、ゆっくりとしての原型を留めていない。
左目は殴られたせいで眼球が飛び出ているし、壁にぶつかった際に右頬の皮が破れたのか、中の餡が露出していた。

「もう゛やべでぇねぇぇぇ!!ばりざぁなんぼぉわるいごどぉじでぇないでしょぉぉぉ!?」

私が再び近づくと、まりさは泣きながら私に訴えた。
無言で近づく私を見て、まりさは必死に逃げようとしていたか、既に私の虐待によって底部を黒コゲにされたのでそれは叶わなかった。
そして、私がまりさの前に立ちまりさを見下ろすと「ゆびぃっ」と耳障りな声が聞えた。

「もういい、死ね」

「や、やべぇでぇね……ゆぎゃぁぁぁ!!」

そのまま思いっきり右足でまりさを踏み潰すと、まりさはそのまま永遠にゆっくりできなくなった。

私は満足した気持ちになれなかった。
ゆっくりという個体が現われてからはや数年、私は自分の趣味としてゆっくりを虐待してきた。
虐待を始めた当初はシンプルに暴力を振るい虐待し、それが飽きれば親ゆっくりの前で赤ゆっくりを殺すことを楽しんだ。
それも飽きれば今度は夫婦や、親友だったゆっくりに殺し合いをさせた。

そうやって様々な虐待方法を考え、実行してきたのだが、ついには虐待という行動すら飽きてしまった。

……虐殺でもしてみるか

物言わぬまりさだった物を見ながら、私はそんなことを思った。
虐待と虐殺は、ゆっくりに恐怖を与える点では共通しているが、その内容は大きく異なる。
時間をかけ、多岐にわたる方法でゆっくりに可能な限りの苦痛を与える虐待は、言わば「質」を求めた行為といえる。
それに対し、ゆっくりを殺すことだけに主眼を置いた虐殺という行為は、「量」を追及したものと言えるだろう。

私がゆっくりの虐待を始めたのは、ただゆっくりを殺すだけの虐殺の事を好きになれず、むしろその過程を追及した虐待に心惹かれたからだった。
しかし、虐待という行動に飽きてしまった今となっては、これまで見向きもしなかった虐殺をやってみるのもまた面白いかもしれない。

思い立ったらすぐ行動する性格の私は、早速ゆっくりを虐殺するための準備を始めた。

幸い、過去の虐待に使った道具の中にはそのまま虐殺に転用できる物も多くあったので、あまり準備に時間をかける事はなかった。
もう夕方近いので、今日中に虐殺を行うことは難しいだろうが、明日の朝には実行に移せるだろう。

1、2時間ほど経つと、私は虐殺に必要になりそうな準備を終えた。
その後風呂で一汗流した私は、新しい事への期待を胸に秘めながら、寝床に就いた。


まだ辺りが薄暗い頃、私は家を出た。
日が出ていない早朝の空気は冷たく、あまりの寒さに私は身震いした。
私は軽く伸びをして体をほぐした後、ゆっくり達の群れを目指した。

今回目指すのは、まりさ種が長である群れだ。
これは虐待をしていた頃からマークしていた群れで、ドスが居ないことから虐殺の手始めには手頃だろう。

私が目標の群れに着いたのは、家を出てから一時間あまりが経過してからだった。
すでに森の中には太陽の光が差し込んでいるが、まだゆっくり達は眠りこけている頃合だろう。

私は虐殺道具を入れた袋から爆竹を取り出すと、それに火をつけて次々とゆっくりの家に放りこんでいった。

「ゆべべべべべ!?」

「むぎゅ~!!?ばぢゅりーの゛ぼっべがあづい~!?」

「わがらない、わがだぁなぢよぉ~!?」

「ゆぎゅぐぅげぇご!?」

「ゆゆううううううう?!あぢゅい!!あぢゅい!!」

数秒後、けたたましい爆発音が森の静寂を打ち破った。
驚いた鳥たちが、慌てて飛び去って行くのを見て、私は少し反省した。
流石に最初の爆竹が爆発するまでに全ての巣へ爆竹を放りこむことはできなかったが、ゆっくりが巣にいる間は次々と爆竹を放り込む。

「なっなにが起きたん、ゆぶぇ!?」

ゆっくりの絶叫と爆音に叩き起こされたのか、爆竹の投下されてない巣からまりさが飛び出てきたのでそれを踏み潰した。
他にも火傷したゆっくりや、突然の事態に驚いたゆっくりが巣から出てきた。

流石に出てくるゆっくりを全て殺せないので、まりさ種を優先的に踏み潰した。
何故なら経験上まりさ種は他のゆっくりを裏切りやすい事を知っているからだ。
もし多くの裏切り者がまりさ種から出ても、私一人では対処しきれないで逃がしてしまうだろう。

「ゆわぁぁぁん!!おきゃぁあちゃんあぢゅいよぉぉぉぉ!!!」

「ゆううううう!?でいぶのあがぢゃんゆっぐりじでねぇぇぇぇ!!」

「ゆがあああぁあぁ!!ばでぃざのすでぇぎぃなおぼうじがああぁあぁあ!?」

「あづぅいいいいい!!ゆ゛っぐりでぎないぃぃぃ?!」

私があらかた爆竹を投下すると、辺りは阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
一瞬で赤ゆっくりが全滅した一家ではれいむが半狂乱となって喚き、幸い……いや不幸にもというべきか、生き残ったものの爆竹で全身を焼けどした子ゆっくりや赤ゆっくりがのた打ち回っている。
命にも等しい帽子に火が引火したまりさは火傷も忘れ、必死に火を消そうとするが適わない。
周囲には焼けた饅頭の臭いが充満し、そこら中にゆっくりの餡子と体だったものが飛散していた。

ここまで大騒ぎになると群れの殆どのゆっくり達が出てきたようで、皆呆然と仲間達の惨状を眺めていた。
私はその隙にまだ健康体である赤ゆっくりや子ゆっくり達を篭の中に放りこんでいった。

「ちぇみゃいよ~!!おきゃぁさんたちゅけてぇ~!!」

「ゆきゅりでぇきにゃいよ~!!」

「ゆゆ!!おじさんなにをしてるの!!ありすのとかいはなあかちゃんをゆっくりしてないでかえしてね!!」

「かえせぇぇ!!れいむのかわいいあかちゃんをかえせえぇぇ!!」

放心していた親ゆっくり達もそれに気付き我に返ったのか、私に抗議してきた。だが私は構わず逃げる赤ゆっくりと子ゆっくりを捕まえる。
どうせこいつらも後で殺すことになるが、親ゆっくりが逃げないように人質に出来るので、しばらくの間は生かしておく。

「ゆぐぅぅぅ!!ゆっくりしね!!」

無視する私に怒ったゆっくりれいむが足に向かってきたので、カウンターで力いっぱい蹴り飛ばした。

「ゆぎぃぃ!?」

まともに蹴りを食らったれいむはそのまま後方に吹き飛び、運悪く背後にあった岩に激突した。
びちゃっと餡子が飛び散る音がすると、れいむはそのまま動かなくなった。

「でぃぶううぅうぅう!?

「どぼぢでぇごんなごどずるのぉぉぉ?!」

「ゆわぁぁぁ!!でいぶあんだぁにゆっくりじでぇだのにぃぃぃ!!」

目前で起きた仲間の死に歎くゆっくり達を尻目に、私は頬がゆるむのを感じながら赤ゆっくり、子ゆっくりの回収を終えた。
捕まえたゆっくりが逃げないように厳重に篭に蓋をした上で、私は始めてゆっくりに話しかけた。

「おい、ゆっくりども黙れ、さもなくばこの赤ゆっくりを皆殺しにする」

「「「ゆゆっ?!」」」

有無を言わさぬ私の口調にゆっくり共はびくんと体を震わした後押し黙った。
それに満足した私は、次ぎの命令を下した。

「よし、いいか親のゆっくり共は一箇所に集まれ、逆らえばこいつらを殺す」

ゆっくり達は、ある者は怨嗟の篭った眼で私を見ながら、またある者は無言で滝の様な涙を流しながら私の命令に従った。
やがてゆっくり達が一箇所に集まり終えると、ある一匹のまりさが私の質問をした。この群れの長まりさだ。

「おにいさんが……おにいさんがあんなことをしたの?」

まりさの視線の先には、先の爆竹の火傷のせいで身動き取れぬゆっくり達が居た。
中には逃げようと試みる者もいたが、その動きはひどく緩慢だった。皮が破れてるようで、そのゆっくりの後ろには餡がこぼれ落ちている。もう長くはないだろう。

「そうだ」

まりさの問いになおざりに答えた私は、荷物から投げ網を取り出し、ゆっくり達に投げた。
一箇所に集まった親ゆっくり達はあっさりと捕まった。
網にかかったゆっくりは何とか逃げようと無駄な抵抗をしていたが、加工所で作られた網はゆっくりには抜け出せない。

「ゆ!うごけないよ!ゆっくりしてないでだしてね!」

「こんなことするいなかものはしね!」

捕まったゆっくりは喚きだしたが、構わず爆竹を放り込まれたゆっくりの元に向かった。

「いたいよぉ~わからないよぉ……」

「ゆゆっ!!このままじゃちぇんがしんじゃうよ!ゆっくりしてないでたすけてね!」

長まりさが私に懇願したが、そんなつもりは毛頭なかった。
私は瀕死のちぇんを素通りすると、軽傷で済んだゆっくりや、逃げる気力のあるゆっくりを殺していった。
ゆっくり達は一様に救いを求める目で私を見たが、そんなゆっくり達を虫けらの様に殺していくと、私は得もいえぬ快感を味わった。
仲間思いの長まりさや他のゆっくり達の絶叫も、私の心を満たしてくれた。

「なるほど……虐殺もいいかもしれない」

私が再び網に捕らえられたゆっくりの元に帰った後には、爆竹によって死にかけたゆっくりと原型を留めぬゆっくりの残骸だけだった。

「ゆぅぅ……きちゅくてゆっきゅりできにゃいよ……」

「おきゃあちぇんなにゃんでたしゅけてくれにゃいの……?」

「あがぁぢゃあぁぁん!いまだずげるがらじなないでぇねええぇ!!」

篭を見ると、ぎゅうぎゅうに詰められ圧迫されたせいか、赤ゆっくり達が衰弱している。
「おねがいだよ……まりさはしんでもいいからあかちゃんだけはたすけてね……」

為す術もなく殺される仲間を見せられた為か、長まりさは叫ぶ元気がさえなくなっていた。
それでもまだ子供の助けを請う性格ゆえに、この群れの長となれたのかもしれない。

私はおもむろに篭を手に取ると、中に入っている赤ゆっくりや子ゆっくりを外に出した。
それを見た親ゆっくりや長まりさの表情が僅かに明るくなった。

「ゆゆ!おにいさんあかちゃんをたすけてくれてありがとう!!」

「あかちゃんをだしたられいむもだしてね!」

親ゆっくり達は私が子供達を解放したと思ったらしい。
この惨状を引き起こした本人だと忘れて、礼すら言ってくる。
勿論、私に助けるつもりなどない。
そのまま私が足下にいる赤ゆっくり達を踏み潰すと、ゆっくり達が固まった。

「ああぁぁぁあぁれいぶのいもうどがぁぁああ!?」

「だずげでぐれるんじゃながっだのぉぉぉ?!」

「じねえぇぇ!!ゆっぐりでぎないじじいはじねぇ!!」

「きょわいよぉおおぉお!!たずげでぇよぉぉお!」

「にげでぇぇぇ!!ゆっぐりしでないでにげでぇええ!!」

姉妹が殺されることに恐怖した赤ゆっくりと子ゆっくり達は親の言葉に突き動かされて必死に逃げ始めた。
しかし、全力で逃げようが所詮は赤ゆっくりや子ゆっくりで、数分の内に踏み殺されて全滅した。

「あ゛あ゛あ゛゛ぁぁあがじゃんがぁぁ、ばりざどありずのあいの゛げっじょうがぁぁ」
「ゆぐぐぐぅうぅ!!!しねぇぇ!しねぇぇ!」

「どうじでぇぇ?!だでぃもわるいごどぉじでぇないどにぃぃぃ!だだゆっぐぢじでぇだだげぇだどぉにぃぃぃ!!」

「ゆげげげげげげげげげげげげ!!!」

捕らえられた親ゆっくり達の反応は、あまりのショックに気絶する者、ひたすら私に恨みを込めて叫ぶ者と様々だった。
長まりさは遂に精神が崩壊してしまったのか、気味の悪い笑い声を上げながら、白目を剥いて泣いていた。

「そう泣くな、すぐ殺してやるから」

楽しい、楽しすぎる。
私は愉悦の笑みを隠すことなくゆっくり達に宣言した。

森にゆっくりの断末魔が響く。




大抵のゆっくりを殺し終えた後、私は生き残りがいないか隈なく探した。
隠れたゆっくりを発見することは実に簡単だ。
なにせ、ただ「ゆっくりしていってね」と言えば、奴等は本能に逆らえず返事を返す。

そうして何匹かのゆっくりを殺すと、もう群れには生き残りはいないようだった。
群れを後にした私は、久方ぶりの充実感に包まれていた。

いずれドスの群れを滅ぼそう。
新しい目標を見つけた私は、軽い足取りで家に帰っていった。



あとがき

なんとなく思いつきで書いたので突っ込み所満載かも。

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最終更新:2022年05月19日 11:41