安いアパートの一室に帰ると出かける前の綺麗な部屋ではなく、物が散らばりガラスは割れ、何かの粕がそこらじゅうに落ちていた。
そしてその中心に丸い物体が居た。

俺は靴を脱ぎ散らばっている物を踏まないようにおそるおそる近寄ると、赤いリボン、黒い髪、そして饅頭のような顔の生き物が俺の洋服に包まりながら寝ていた。

饅頭のような顔をつんと突いてみると、その生き物は目をさました

「ゆゆゆ?!おじさんはだーれ?!れいむのおうちにかってにはいってこないでね!」
起きるなり俺の部屋を自分のお家だと言いやがった。
「でも、せっかくだからゆっくりしていってね!」
俺は直感的に思った、"ウザイ"
とりあえず会話は出来そうなので俺は饅頭に話しかけてみた
「君はここで何をしているのかな?ここは僕の家なんだけど」

「僕の家」というのに反応したのか、饅頭が飛び跳ねながら答える。
「ちがうよ!ここはれいむのおうちだよ!れいむがみつけたんだよ!」
ああ蹴り飛ばしたい、話が通じないのか。
それにしても…この饅頭虐めがいがありそうだな…

俺は饅頭に答えた
「君がみつけても、この世界ではここは僕の家ということになってるんだ、でもね、折角だから家に居させてあげるよ」
俺は無理矢理優しい声を出し、周りの物を片付け始めた
饅頭は飛び跳ねたまま答えた。
「ちーがーうーのー!ここはれいむのおうちなの!わからないのならでていってね!」
饅頭が近くの物に体当たりする、棚の上の物が落ちてきた。
ああクソもう汚すな。

俺は饅頭の前に立つと、饅頭の髪をつかみ上げた
「いたい!いたいよ!ゆっくりやめてね!ゆっくりおろしてね!」

じたばたしてるが、饅頭は手足がないので俺は意に介さない
俺は隅に放置してあったkonozamaの箱に無理矢理饅頭を入れ、足元のガムテープで箱の口を貼り付け、重しに本を使って片付けを再開した。

箱の中で何か饅頭が叫んでいるが、無視する




1時間後、やっと部屋の片づけが終わった。
損害は、冷蔵庫の野菜が少しと、世界の昆虫シリーズ、それとコップや皿などだ。
貧乏な俺はこれだけでも生活が苦しくなる、クソ、どうしてくれようか。

箱の中の饅頭はすっかりおとなしくなった。
俺は十分注意しながらガムテープをはがした

中にはすやすやと眠っている饅頭が居た。
俺が必死にお前の散らかした物を片付けていたというのにこいつは…

頭に血が上ってくる、殴りたい、蹴りたい、踏み躙りたい…

俺はとりあえず饅頭を起こすことにした。
饅頭の髪の毛を掴み上げ、床に叩きつける。
「ゆっ?!」
ビックリして饅頭は目を覚まし、辺りを見渡し始めた
「きれーい!おじさんれいむのおうちを掃除してくれてありがとう!」
「れいむのおうち」だぁ・・・?舐め腐ってやがる

俺は饅頭に近寄り、饅頭の頭を踏みつけた
「ゆっ?ゆっくりやめてね!うごけないよ!ゆっくりできないよ!」
饅頭はなんとか俺の足から脱出しようとぐねぐねと体を動かしている
俺は足に更に力を入れ、踏みつける力を強くする
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」
俺は声に力を入れて言う
「ここは俺ん家だ!お前の家なんかじゃねぇーんだよ!」
饅頭の頭をグリグリと踏む
「ち゛がう゛よ!こ゛こ゛は゛れ゛い゛む゛の゛お゛う゛ち゛た゛よ゛!」
俺は更に踏みつける力を強くする
「なんだと?もう一回言ってみろ、ここは誰の家だって?」
「こ゛…こ゛…れ゛……む゛……」
「なに?聞こえないぞ!」
俺は踏みつける力を最大にする、もうつぶれてもおかしくないくらい
「おらァ!ここは俺の家なんだよ!」
足をふっ、とあげると、すぐに饅頭をタンスに向かって蹴り飛ばす
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ゛!!」
っと声を出しながらタンスにぶつかり、ぷるぷると震える
俺は饅頭に近づいて、髪の毛を掴み上げ、仕上げと言わんばかりに思いっきりふくよかな頬にビンタする
「ゆ゛く゛ぅ゛っ゛!い゛た゛い゛よ゛ぉ゛!」

そして、饅頭の目を見て、もう一度質問する
「ここは誰の家だ?」

饅頭は目を見開いて震えながらも声を出した
「おじ…さん…の家……」
「そうだ、それでいい」
俺はゆっくりと饅頭の髪の毛からパッ、と手を離す
饅頭はドサッと床に落ちると、ゆっくりと部屋の隅へ這っていき、隅で俺を見ながらまた震え始めた

つづく?

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最終更新:2016年11月07日 16:50