【4日目】
ゲスまりさとゆうかと子れいむのスペースを交換してやった。
というのも、様子を見に来た私に向かって彼女がこんなことを抜かしたからだ。
「そうだぜ!まりささまのおうちのおやさいがはえないのはたねがだめだからだぜ!」
流石ゲスまりさだ。責任転嫁と自己正当化にかけては右に出るものがいない。
適当にあしらっても良かったのだが、どうせなら徹底的に打ちのめしたほうが良いだろうと言う事で交換に応じた。
そんな訳で、昨日までゆうかのいた場所でゲスまりさがふんぞり返っている。
「ゆっへっへっへ・・・さすがまりささまだぜ!ゆっくりしているだけで“め”がでてきたんだぜ!」
そして、なんか良く分からんが訳の判らないことを言って粋がっている。
まさか本当に忘れているとは思わないが、都合の悪いことは忘れやすい餡子マインドだからなぁ・・・。
このままだと自尊心の破壊に悪影響が出るかもしれないので、釘を刺しておこう。
「育てたのはゆうかだけどな。 そんなことも忘れたのか? 馬鹿なの!? 死ぬの!?」
「ゆがっ!?そんなごどわがっ・・・でかまら!? ぺにすっ!?」
「・・・ばかね。 しんでくれない?」
「ゆゆっ! きょうもおうたさんをうたうんだね!」
こいつらノリが良いなぁ・・・おかげでこっちは助かるけど。
そんな訳で今日も軽く馬鹿コールの四重奏をゲスまりさに聞かせてやった。
「ばーか、ばーか! ばーか、ばーか! ばーか、ばーか!」
「まーら、まーら! まーら、まーら! まーら、まーら!」
「・・・ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか」
「ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪」
「ゆっがああああああああああああ! いいかげんにずるんだぜえええええええええ!?」
昨日と同じように地団駄を踏むゲスまりさ。
しかし、私達の四重奏は止まらないどころか加速する。
「ばーか、ばーか! ばーか、ばーか! ばーか、ばーか!」
「まーら、まーら! まーら、まーら! まーら、まーら!」
「・・・ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか」
「ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪」
「ばりざざまはばがじゃないっていっでるでぢょおおおおおお!!?」
昨日の古傷もあってかあっという間に涙目になるゲスまりさ。
それでも私達は自重することなく、さらに調子に乗ってピッチを上げる。
「ばーか、ばーか! ばーか、ばーか! ばーか、ばーか!」
「まーら、まーら! まーら、まーら! まーら、まーら!」
「・・・ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか」
「ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪」
「もうやだ!おうちかえる!?」
さっきからゲス口調が消えているゲスまりさ。
昨日の激突からしっかりと柵越えは危険と学習しているらしい。
もう一押しだ。
「ばーか、ばーか! ばーか、ばーか! ばーか、ばーか!」
「まーら、まーら! まーら、まーら! まーら、まーら!」
「・・・ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか」
「ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪」
「ゆびゅあああああああああああああああああああああああああ!!?」
悲鳴を上げながら一目散に寝泊りするためのゆっくり用の小屋へと逃げていった。
が、まだまだ私達は止まらない。
「ばーか、ばーか! ばーか、ばーか! ばーか、ばーか!」
「まーら、まーら! まーら、まーら! まーら、まーら!」
「・・・ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか」
「ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪」
「ばばぁのばぎゃあああああああ!!ぢねえええええええええ!!」
小屋の中のゲスまりさは必死になって応戦するが完全に涙声。
しかも、数で負けているのでは何を言ったところで意味がないし、そもそもこの状況では負け犬の遠吠えである。
その後、でっかいみょんの頭の上に座って、子れいむとゆうかが畑仕事に精を出しているのを見届け、帰宅した。
ゆうかは手付かずだったゲスまりさの畑を耕していたので面倒くさそうだったが、土を弄っているときの彼女はやっぱり楽しそうだった。
【5日目】
流石はゆうか種と言うべきだろう。
私が我が家のゆっくり全員を連れて様子を見に行くと、全ての畑の土から芽が顔を覗かせていた。
どう考えてもおかしな話なのだが、ゆうか種に成長促進させる能力でもあるのだろうか?
・・・いや、そんな考察は非科学的なゆっくりのせいで幾人も発狂した学者先生に任せるとして、私は私のやるべきことをしよう。
「ち~んっぽ!」
「よう、みょんすけ」
9匹ものゆっくりと荷物の乗った猫車を押しながらやってきた私の隣にやって来たでっかいみょん。
妙に楽しそうに、というか嬉しそうな表情を浮かべて私の後ろのついてくる。
彼女が跳ねるたびにべったん!びったん!となんとも形容しがたい音が響き渡る。
「やっぱり、ちゃんと芽が出たんだな?」
「あ、おねえさん・・・。 うん、みんなゆっくりしてるよ」
「ゆゆっ! おねーちゃんにおかーさんたちだ! ゆっくちしていってね!」
「「「「「ゆっくちしていってね!」」」」」
「「「「ゆっくりしていってね!」」」」
我が家に生息するゆっくり共は我先にと猫車から飛び降りると、5日ぶりの再会に喜び、頬ずりを始めた。
一塊になっている10匹だか10個だかの饅頭(饅獣?)というのはゆっくりが浸透した現在においてもやはりシュールな光景だ。
しかも、頬ずりと言うよりもおしくら饅頭みたいになってるし。
「れいむぅ~、ちょっとおおきくなったね!」
「ゆふぅ~ん、れいむおとにゃのかいだんのぼったんだよ!」
「「おとにゃのかいだん?」」
「すっきりでもしたんだぜ?」
「こどもなのにえっちなんだね!すいかゆっくりびっくりだよ!」
「すっきりー、なんてしてないよ、ぷんぷん!」
久し振りに見るやり取りを眺めていた私がふとゆうかとゲスまりさの方を見る。
するとゆうかは頬を朱に染めて子れいむの方を見ており、ゲスまりさは落ち込んでいた。
何だろう、おおよその想像はつくが状況が良く飲み込めない。
「なあ、みょん?」
「ちんぽ?」
と、言うわけでさっきから私の太ももに頬ずりしているみょんに訊いてみた。
が、“その質問は野暮”だとみょん語で返されてしまった。
「・・・・・・仕事しよう、仕事!」
釈然としない気分を無理やり切り替えると、私は猫車の荷物から大量のお菓子を取り出した。
そして、シートを広げ、その上にお菓子を並べてゆく。
一通り準備を終えると、私はでっかいみょんを背もたれにしてシートの上に腰を下ろした。
分かりやすく言うと2日目の再現である。
「さて、お菓子を食べたい奴はこっちにおいで」
その言葉を聞くや否や物凄い勢いで群がってくるゆっくり共。
その数なんと我が家の10匹に加えてでっかいみょんとゆうかで12匹。
ただ一匹、ゲスまりさだけが私の下に来ずに、柵の向こうから物欲しそうな表情でこちらを見つめていた。
「ゆゆっ!まりさもゆっくりこっちにおいでよ!」
「そうだよ!まりさもみんなといっしょにゆっくりたべようね!」
と、言われたところで柵から出て行くことが出来ないのでどうしようもないのだが。
手を貸そうにも、ゲスまりさを外に出せそうなのは私くらいで、私にはゲスまりさを外に出す理由がない。
そんな訳で・・・・・・
「来ないってことはいらないんだよ。 強要するのはゆっくり出来ないから止めなさい」
「でも、たべたそうなかおしてるよ!」
「生まれつきあんな顔なんだよ、きっと」
「ちがうんだぜ! まりささまもたべたいんだぜ!」
「おねーさん、ああいってるよ!」
「それならこっちに食べに来るでしょ?」
「ここからでられないんだぜ!」
「おねーさん、かわいそうだよ! ゆっくりだしてあげてね!」
「はっはは、まさか子れいむでも出られたのにあのまりさがこの柵から出られないなんてあり得ないよな?」
「ゆぐぅ!? ま、まりささまをばかにするんじゃないんだぜ!!」
「じゃ、出てこられるんだな。 食べたかったら無くなるまでに出て来いよ~」
「ゆぅ・・・でもぉ・・・」
ちなみにこんな具合にゲスまりさを最後まで気遣っていたのは我が家唯一の成体れいむ。
私と一番最初に出会ったゆっくりで、まあ、見ての通り面倒見のいい奴だ。
他者のことを考えられるいい子に育ってくれたものなのだが・・・
「れいむ、チョコだぞ~」
「ゆっ!? む~しゃむ~しゃ・・・しあわせ~!」
所詮ゆっくりなので、お菓子に夢中になってしまえばゲスまりさのことなんてすぐに忘れてしまう。
こうして、ゲスまりさ完全放置状態になった私達は、後からやってきた依頼主の男性も加えて、大騒ぎした。
ただ一匹取り残されたゲスまりさは自分の小屋で「ゆっぐ・・・どうぢでむぢずるのおおおおお・・・」などと泣きじゃくっていた。
若干かわいそうな気がしなくも無いが、半分くらい自業自得なので諦めてもらおう。
【6日目】
芽はあっという間に成長して、私が様子を見に来た頃には野菜の形をなしていた。
勿論、ゆうかと子れいむが今現在耕している畑だけだが。
ゲスまりさの畑は・・・土が掘り返され、芽が引き抜かれ、食い散らかされてボロボロになっていた。
「んあ・・・どうしたんだ、これ?」
「しらないんだぜ!あさおきたらこうなってたんだぜ!」
「ふ~ん・・・」
一番こういうことをやりそうな奴の顔を凝視する。
言うまでもなくゲスまりさのことだが、こういう手合いは中々口を割らないだろう。
もっとも、認めようとしないだけで傍から見ればばればれなのだが。
「な、なにみてるんだぜ! まりさままはなにもしてないんだぜ!?」
「何もって、何のこと?」
「な、なんでもないんだぜ! ばばぁはだまるんだぜ!?」
う~ん、清々しいほどに挙動不審。
大方、自分の畑だけ野菜が出来ていたいのを誤魔化すために畑を荒らしたんだろう。
しかし、証拠がない以上、何を言っても認めようとしないのは目に見えている。
「う~ん・・・参ったなぁ、誰がこんなことしたのかわからないのか・・・」
「まりささまじゃないんだぜ!なにもしていないんだぜ!?」
「それは分かってる。この野菜って芽の段階だと毒が含まれてるんだけど・・・」
当然ながら嘘である。
しかし、それを看破出来ないのがゆっくりがゆっくりたる所以。
ゲスまりさの畑を荒らした犯人は即座にこの話に食いついた。
「どどどどど、どくってどういうことなんだぜ!?」
「毒は毒だよ。わかりやすく言えばゆっくり出来なくなるもの」
「ゆがーん!た、たべちゃったらどうするんだぜ!?」
ちなみにこの時点で子れいむもゆうかもでっかいみょんも犯人が誰なのか確信を得ていた。
一同にやにやと笑いながらゲスまりさを見つめている。
「解毒剤を飲まないと死ぬ。解毒剤は私が持ってるよ」
「ゆゆっ!だったらそれをまりささまによこすんだぜ!」
「いや、アンタにあげても意味無いじゃん」
「はんにんはゆっくりしぬべきなんだぜ! かわいそうなまりささまによこすんだぜ!」
「でも、これ芽を食べていない奴が飲むと毒なんだよなぁ・・・だから渡せない」
「ゆぐっ!!?」
さて、ゲスまりさはこの状況をどう回避するかな?
自白すれば解毒剤は手に入るが、非常に惨めな思いをすることになる。
しかも、自白した瞬間に「ばーか、ばーか!」の大合唱が聴こえてくるかもしれない。
しかし、自白しなければ毒で死んでしまう。
それどころか、死んだ時点で犯人とみなされてしまうのだ。
「畑を直そうとした時に芽を食べちゃった」とか言えば誤魔化せなくもないが、餡子脳でそこまで考えられるか?
しばらく黙ってゲスまりさを見守る。
「ゆゆぅ・・・ま、まりさがやったんだぜ!」
「え、何だって?」
「だがらまりさがやったっていってるんだぜ!」
「なんで?」
悔しそうな表情で歯軋りしながら真実を告白するゲスまりさ。
「なんでもいいんだぜ! はやくおくすりをよこすんだぜ!」
「無理無理。嘘をついてるかも知れないんだから、理由も聞かないと渡せないな」
「ゆぎぎぎぎ・・・や、やさいさんをゆっくりさせないはたけにおしおきしたんだぜ!!」
「・・・はたけのせいじゃないわ。 あなたがむのうだからよ」
私に代わって容赦ない言葉を浴びせたのはゆうかだった。
最初は自分が耕していた畑をゲスまりさに荒らされて内心穏やかではなかったのだろう。
一見するとにやにやしているが、明らかに本気で憤っていた。
「そんなわけないんだぜ!?」
「でも、そこって元々ゆうかの畑じゃなかったっけ?」
「ちーんっぽ!」
「ゆがっ! じゃあ、ゆうかがゆっくりさせなかったからなんだぜ」
「でも、いまゆうかおねーしゃんのいるはたけにはおやささんがいっぱいだよ!」
「ゆぐっ!?」
子れいむの突っ込みが見事に決まった。
もごもごと口を動かしてなにか言い訳をしようとしているゲスまりさ。
しかし、ここで手を緩めるつもりも、待ってやるつもりもない。
「それにまりさの畑から芽が出たのってゆうかが来てからだよな?」
「ちーんっぽ!」
「ゆ゛っ!? ぞ、ぞれは・・・まりざざまがゆっぐりざぜであげだからなんだぜ!」
「じゃあ、そっちの畑だってゆっくりできたはずだよね?」
「ゆぐっ!?」
言い訳しようと思えば「手遅れだったんだぜ」とか言えば済む話だが、それでも言いくるめるのに何の支障もない。
もはや返す言葉をなくしたゲスまりさと彼女の言い訳を待つ私達。
しばし沈黙が流れる。
が、やがて命がかかっていることを思い出したゲスまりさが口を開いた。
「さ、ざっさとぐずりをよごずんだぜええええええ!!?」
「ああ、死ぬって言うの嘘だから」
「ゆぎぃ!?」
「ほら、ああいえば犯人が名乗り出るだろうと思ってね」
「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・」
本当に悔しそうな表情で歯軋りするゲスまりさ。
そんな彼女に、ゆうかが容赦なくとどめの一言を放った。
「・・・ばーか」
「ゆ゛っ!?」
瞬間、ゲスまりさの目から涙が零れ落ちた。
そして、先日とは違って地団駄を踏む前に小屋の中へ逃げ込んだ。
「ばーか、ばーか! ばーか、ばーか! ばーか、ばーか!」
「まーら、まーら! まーら、まーら! まーら、まーら!」
「・・・ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか。 ばーか、ばーか」
「ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪ ばーきゃ、ばーきゃ♪」
もっとも、安物の小屋に防音機能なんてあるはずもないのであまり意味は無いのだが。
小屋の中から反撃の罵詈雑言ではなく泣き声が聞こえてくるまで馬鹿コールを無理矢理聞かせ続けた。
【7日目】
最終日、みょん曰く一日中泣き明かしていたゲスまりさが私にこんな事を言って来た。
「まりさはぶとうはなんだぜ!こんなせせこましいことはむいてないんだぜ!」
不得手だからというのは良い言い訳である。
そういう風に自分に言い聞かせることで安いプライドを守っているのだろう。
もっとも、こう言い出すのはゲスの行動パターンから事前にある程度予測できていた。
そして、私は彼女のプライドを完全に粉砕する好機だと判断した。
「よし。 じゃあ、うちの子れいむと戦ってみ?」
「ゆっへっへっへ・・・おばさん、こうかいしてもしらないんだぜ?」
「んなもんしないよ」
そんな訳で農業体験7日目に、何故か子れいむとゲスまりさの決闘が始まった。
柵に囲まれたゲスまりさの荒れ果てた畑にて対峙する子れいむとゲスまりさ。
柵の外では私と依頼主の男性、ゆうかとでっかいみょんがその様子を見守っている。
私以外は子れいむを心配しているが、私は何の心配もしていない。
「ゆっへっへ・・・ゆっくりつぶれるんだぜ!」
「ゆっくりよけるよ!」
早速飛び掛るゲスまりさ。
しかし、その一撃を子れいむは難なくかわしてみせた。
「ゆがあああああ!いだい!?いだいんだぜえええええ!?」
瞬間、何故かゲスまりさが悲鳴を上げて土の上を転げ回る。
よく見てみると彼女の落下地点には干からびて硬くなってしまった芽が転がっていた。
恐らくアレを踏んでしまったのだろう。
「ゆゆっ!こんはどれいむのばんだよ!そろーり、そろーり・・・」
そう言うと子れいむは転げまわっているゲスまりさの頭に近づき、すかさず帽子を奪い取る。
そして、そそくさと自分の柵のほうへと逃げていった。
約1分後、ようやく体勢を立て直したゲスまりさは帽子が奪われたことに気づくと、柵があるのを忘れて子れいむに突っ込んでいく。
そして柵に激突して、意識を失った。
で、12分後。ようやくゲスまりさが目を覚ました。
覚ましたのだが・・・
「ゆゆっ!おにぇーしゃん、ゆっきゅちちていっちぇね!」
一体、こいつの身に何が起こった?
目を覚ましたゲスまりさは何故か赤ゆっくりのような言葉遣いになっていた。
ふざけているのかと思って試しにでこピンをかましてみたが・・・
「いちゃい!やめちぇね、いちゃいのはいやだよ!」
うっかり本性を現すようなこともなく、ものの見事に赤ゆっくりだった。
しかも、赤ゆっくり特有のぷるぷると震えてみせる何の意味があるのか良く分からない仕草まで完璧に再現していた。
どうやら、ゲスまりさは本当に幼児退行してしまっていた。
「もしかして・・・子どもに負けたのは自分が赤ん坊だから・・・そういうことか?」
さすがゲスまりさだ。言い訳や自己正当化をさせれば右に出るものはいない。
もはやそういう問題ではないような気もするが、面白いので良しとしよう。
【後日】
結局、ゲスまりさはいつまでたっても赤ゆっくり化したままだった。
もっとも、そのおかげでゆっくりを育てなれていない彼にも育てやすかった。
「しょろ~り、しょろ~り・・・むーちゃむ・・・」
こっそりと男性の用意したゆっくりフードをつまみ食いしようとしたまりさ。
しかし、ゆっくりフードを一口含んだ瞬間、大きな破裂音が鳴り響いた。
まりさの目の前には手のひらを合わせた男性の手。
いわゆる、ねこだましと言う奴だった。
「ゆぅ・・・うぇ・・・ゆえーん・・・ぱぁん、きょわいよぉ・・・」
「勝手に食べちゃダメだろう?」
ゲスまりさがロリまりさ、略してろりさになったあの日女性から預かったゆっくりの飼育本。
その中に載っていたお仕置きの一つで、非常に効果的なお仕置きだった。
「よし、食べていいぞ」
「ゆっきゅりたべりゅよ!む~ちゃむ~ちゃ、ちあわ・・・」
パァン!!
「ゆぴぇ!?」
「むーしゃむーしゃは良いけどし食べながらのあわせ~はダメだって言ったろ?」
『⑨でもわかるゆっくりのしつけ』片手に男性は今度こそちゃんとまりさを躾けよう頑張っている。
きっと、以前のようなゲスまりさになる事はないだろう。
もっともまともに成長する見込みがあるかも怪しいところなのだけれど。
‐‐‐あとがき‐‐‐
「ゆびぃ~~~~~~♪」
「これいむ・・・きみにかちたいな」
「おきゃーしゃんがね、あめしゃんかっちぇくれにゃいの」
とか言わせたかったが自重した
byゆっくりボールマン
‐‐‐以下、俺設定の垂れ流し‐‐‐
ブリーダー:1級と2級がある。
2級:通称ブリニー。爆発はしない
1級:通称ブリイチ。オサレ
決着!ふらんVSのうかりん:ゆらでぃえーたー第113話のタイトル。
設定垂れ流す前にゆらでぃえーたーの作者に謝るべきである。ごべんなざい。
ゆらでぃえーたー:全200話の超大作。ゆっくり以外からも評価が高い。
主人公のパートナーは“もこう”。火の鳥を探す必要がありません。
最終更新:2022年05月21日 22:14