ゆっくり射的

今日はお祭りの日。
いろいろな出店がある。ゆっくりにちなんだ店も今では珍しくなくなった。
ゆっくり焼きや冷やしゆっくり、水上まりさ釣りやカラーゆっくりなどもある。
もちろん普通の店もある。微妙に高い焼きそばとビールを買って花火でも見たいな、と思ったがそうもいかない。
俺も店を出してるからだ。その名も『ゆっくり射的』。
類似店がないからか、そこそこ盛況だ。ほら、また少年がやってきた。

「お兄さん!あの写真本物?どうやったらもらえるの!?」
写真とは射的の景品のことだ。あるスジから譲ってもらったり買ったりした。盗撮なんかじゃないヨ?
「おうともよ!あの写真は正真正銘の本物だ。むこうにゆっくりがいるだろ?
アレを撃って、当たったら1点だ。点数に応じて写真をあげよう。簡単だろ、やってくかい?」
人里では妖怪に憧れる者も少なくはない。時に恐怖の象徴ともなるが、惚れこんでしまうものもいるという。
滅多に姿を見れない大妖怪ともなると、一部ではものすごい人気だという。
そういう人気の高い妖怪や、なかなか写真に撮られない(要するに写真自体が少ない)妖怪は高得点を出さないともらえない。
逆に人気があっても写真の枚数が多い妖怪などは簡単にもらえるようになっている。そのへんはお客の頑張り次第ということで…

「やるやる!いくらなの?」
「1回100円で弾は10発。
赤ゆっくりに当たるとどこでも1点。親ゆっくりは目と口に限り1点だ。それ以外は点数にならないぞ」
そう、この射的、的となるのはただのゆっくりではない。植物型にんっしんっ!をしたゆっくりなのだ。
頭に赤ゆっくりを生やした親を剣山で固定する。それを少し離れた所から狙い撃つというものだった。
ルールを説明するとお兄さんは少年にライフルを渡す。もちろん本物ではない。
「じゃあ撃っちゃってよ!」
「よーし、狙い撃つぞー!」
第一射。親ゆっくりに命中!
「いだいぃぃぃぃぃぃっぃい!どぼぢでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「「「おがぁしゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」
「お、なかなかやるな。でも親のほっぺただから点数にはならないぞ」
「くっそー、ところでお兄さん、レミリアの写真は何点でもらえるの?」
「レミリアか、えっと、5点だな。あと9発ある。がんばれよ」
実はこの射的、そこそこ難しい。親が少しでも痛みから逃れようと動く。頭上の赤ゆっくりも動く。
ただでさえ小さい的が動くのだ、10発全部はずれということもよくあることだ。
「次は当てるよ!」
第2射。はずれてしまった。
しかしゆっくりからするとはずれははずれで怖いものだ。何せ自分の近くを弾が飛んでいくのだから。
ゆっくりにとってはどちらにせよ地獄だった。

その後少年は6発はずしてしまった。
「お兄さん!難しいよこれ!」
「んー?じゃあちょっとサービスな」
そう言ってお兄さんは親ゆっくりを剣山に深く差しこむ。
「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!でいぶのあんよがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「これで親は動かない。がんばれよ」
「ありがとうお兄さん!」
第9射。サービスのおかげか赤ゆっくりの眉間(?)に命中し、それを吹き飛ばした。
「でいぶのあがぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「「おにぇえちゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
「もっちょ、ゆっきゅりしちゃかっちゃ…」
「どぼぢでごんなごどずるの!?でいぶのあがぢゃんがえじでね!!」
「うるせーなー。少年、次は親の口に当てちゃってよ。黙らせたら特別に4点あげるよ」
「えっ!?本当にいいんですか、やっちゃいますよ!」
「ゆっぐりじでないででいぶのあがぢゃんなおじでね!!ぞれどだべものももっでぎでね!!」
本当にうるさい饅頭だ。当然今自分が置かれている状況なんざ理解してないんだろうな。
そして第10射。口には当たらなかったが。
「でいぶのづぶらなおべべがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「みょうやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!おうぢぎゃえりゅぅぅぅぅぅぅぅ!!」」
まだ生まれてすらいないのにどこに帰るってんだ。それはともかく。
「お、目か。特別に2点だ!おめでとう!じゃあ写真はこのなかから選んでね」
合計3点。なかなかいいスコアだ。写真も中堅妖怪ならあらかたそろっている。

「うーん…」
「いいのがなかったのかい?それならもう1回やって、2点以上とれたらレミリアってのはどうだい?」
「いいの?じゃあもう1回やるよ!」
「あいよ、また10発な」
「あ、お兄さん、僕もやる!」
「俺も俺も!」 「私も!」
ゆっくりの悲鳴が集客効果も果たしてくれたようだ。
「よしよし、みんなルールはわかってるな?しっかり狙えよ!」

「やべるんだぜぇぇぇぇぇぇぇ!!ばりざのがわいいあがぢゃゆべっ!?」
「まりざ?どうじだの?みえないよ!?」
「まとなんだねーわかるよー」
「ごんなごどずるなんでいながもの、の?ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「サービスしといたぞ。動かないうちに当てろよー」
「むきゅ…むきゅ…」
「あ、あのぱちゅりー弱ってる!」
「むぎゅぅぅぅぅぅぅ!やべでっ!あがぢゃんじんじゃうぅぅぅぅぅ!」
お客さんも俺も、そしてゆっくりも楽しい時間を過ごせましたとさ。




舞台裏ならぬ屋台裏

「このまりさはもう駄目だな」
赤ちゃんも全部落ちたし、目も口もぐちゃぐちゃだ。
「こんなのでよかったら食べるかい?」
子供たちはくれるものなら、と喜んで食べてくれる。さぞや甘かろう。
おっと、こいつの分を補充しないとな。店の裏手にいる手伝いの虐待お姉さんに声をかける。
「新しいゆっくり用意してー!」
頼まれたお姉さんは大きな箱の中から適当にゆっくりを取り出す。
「今回はれいむか、それと…」
今度は『繁殖用』と書かれた箱の中からありすを取り出す。
「はいありすちゃん、このれいむとすっきりー!しようね」
「はぁはぁ、おねえさん、とかいはのありすはもうすっきりー!したくないよ…」
なんだって繁殖用にレイパーありすを使わなかったんだろと思いつつ、注射器を手に取る。
当然ありすの言うことなんかにいちいち耳をかさない。
「あんたは黙って私の前で汚らしく交尾してればいいのよ」
媚薬をありすに注入する。だんだんと息遣いが荒くなってきた。
手から離したとたんにれいむにとびつくありす。
「れいむかわいいよおおおおおおおおおおおおありすがあいしてあげるからねええええええええええええ!!」
「おねーさんたすけて!れいむゆっくりできなくなっちゃううううううううううう!」
「何事も経験だ、GO!」
「ああああああああああああああああああああ、ずっぎりー!」
「とかいはのありすはいっかいじゃまんぞくできないわ!もっとあいしあいましょれいむうううううう」
「お前はもうおわりね。また出番が来たら出したげるからまってなさい」
「ありすまだすっきりしてないのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
ありすを箱に詰めなおした頃にはもうれいむの頭から赤ゆっくりが生えていた。
そういう薬を使ってるからね。おお、ご都合主義ご都合主義。
「ゆ!?もうあかちゃんできたよ!ゆっくりしてないね!でもかわいいよ!」
「亜阿相界、今のうちによーくかわいがってやりなよ。もうすぐゆっくりなんてしてられなくなるから」
「おねーさんなにいってるの?これかられいむたちはとってもゆっくりするんだよ?ばかなの?しぬの?」
「へいへい、そりゃーゆっくりした話ですこと」
適当に流しながらそのれいむを店の表へ持っていく。
「ゆゆ~♪おそらをとんでるみたい~♪」
「はい着地ー!どーん!」
「どぼじでごんなごとずるのおおおおおおおおおおおおお!でいぶのあんよがああああああああ!ゆっぐりでぎないいいいいいいい!」
剣山に突き刺されるれいむ。まあ動かないという意味ではとてもゆっくりしてるよ、うん。
「あ、このぱちゅりーももう駄目ですね。新しいの持ってきますね」
そういってお姉さんはまた店の裏に戻って行った。







あとがき
ゆっくりんピース?なにそれおいしいの?
俺も射的したい。チルノの写真欲しい。
byまふ

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最終更新:2022年05月22日 10:56