このSSはゆっくりいじめ系2451 駆除屋の続きです。
俺設定多分注意。
人間と共生関係のゆっくりがいます。
しかも、「俺の考えたゆっくりTUEEEEEEEE!!!」状態。
それでもよければ、道端のカエルの死骸でも見るような目でお読みください。





「お兄さん!朝よ!起きるのよ!」

人里の最北のある民家で、布団をかぶった男の上をゆっくりゆかりんが跳ねていた。
金髪を揺らし、柔らかい体を弾ませながら、男の腹部にのしかかる。

「なんだ…せっかくのいいところで…」

男は腹にかかる重みで目を醒ました。
目覚めてすぐに、不満をゆかりんに漏らした。

「知らないわよ。それより、ゆっくりを殺したときのきめぇ丸みたいな顔でねてたけど、どんな夢を見ていたの?」

「ああ、俺が厨お兄さんになって活躍する夢」

「本当に夢ね。お兄さんはただの人間じゃないの」

「いいじゃないか、夢なんだから」

このゆかりんは、非常に頭がよく、小学生レベルの漢字なら読み書きができ、ゆっくりには決してできないと言われた割り算はおろか、1次方程式さえ解くことができるのだった。
もりのけんじゃ(笑)と言われるぱちゅりー種ですら足元にも及ばないどころか、同じ土俵に上がることさえ恐れ多いくらいだ。

「あれ?らんとちぇんは?」

「お散歩よ」

ゆかりんには、2匹の部下(ゆかりんは「しき」と呼んでいる)がいた。
それがゆっくりらんとゆっくりちぇんである。
2匹は、行き倒れていたところをゆかりんに拾われ、育てられたゆっくりであった。
ゆかりんにはおよばないが、こちらも非常に頭のよいゆっくりである。

「みょん!お兄さん、おはようみょん」

「お~は~よ~う~」

男の真正面にあるドアが開き、2匹のゆっくりが入ってきた。
ゆっくりよーむとゆっくりゆゆこだ。
よーむのほうは体つきで、傍らに餅でできた「はんれー」が浮かんでいる。
ゆゆこは直径が80cmほどの、比較的小さいタイプだ。
この2匹は、ゆかりんとらん・ちぇんの関係と同じく、主従関係である。
よーむは生まれた頃から体つきで、気味悪がれ親に捨てられたのをゆゆこに拾われ「じゅうしゃ」になったそうだ。

男は5匹のゆっくりと暮らし、そしてある商売を営んでいた。
ゆっくり駆除屋である。
妖怪の間でも評判で、人間の友達がいない男はそのおかげで妖怪の友人がどんどん増えていった。
男の駆除方法は、主に爆殺だったため、河童の協力を得られることは大きかったようだが。

「さて、今日の仕事だが。場所は紅魔館だ。あの辺一帯のれみりゃを駆除してほしいらしい。あそこのメイド長と主がかなり頭に来ているようだ。
それが終わったら、今度は西の村だ。なんでも、ゆっくりの大群がやってくるらしい」

男は立ち上がり、枕元においてあった紙の内容をゆっくりたちに伝えた。

「今日はゆかりんとよーむを連れて行く。ほか3匹は留守番だ」

「「ゆっく(か)りりかいしたよ(みょん)!!」」

「りょ~かい~」

「じゃ、ちぇんとらんが帰ってきたら行くぞ」

捲り上がった布団の中に依頼書は放り込まれ、1人と3匹は部屋を出て行った。






「じゃあ、行ってくる。昼飯は尾根江さんにたのんどいたからな」

辰の刻になり、ちぇんとらんが帰宅すると、仕事に出るために支度をした。
よーむに小太刀を持たせ、自分も大きなかばんを背負っていた。
留守番をする3匹に声をかけ、ゆかりんをよーむに持たせて玄関前に立った。

「がんばってきてくださいね!」

「きょうはごちそうなんだねーわかるよー」

「お~み~や~げ~」

3匹は男を見送った。
男は扉を閉め、鍵をかけるとそれを隣人の投函箱に入れた。

半刻ほどかけて、湖に到着した。
相変わらずあたりには霧がかかっていた。
その中で男たちの隣に建つ紅い洋館は目立っていた。

「さて、もう1度言うが、駆除対象はれみりゃだ。ほかのは放っといていいだろう。ただ、もし邪魔をするようだったら潰してくれてかまわない」

「じゃあよーむ、行くわよ」

「わかったみょん」

ゆかりんはよーむを連れて紅魔館を取り囲む雑木林に入っていった。
1人残った男は、かばんから虫取り網と大きな麻袋を取り出し、反対側の林に向かった。






「う~☆う~☆れ・み・りゃ☆う~☆」

見るものをイラつかせる喋り方と、モデルとなった吸血鬼を完全に馬鹿にした姿。
そしてゆっくりの中でも最上級の餡子脳。
林に入って早速、よーむとゆかりんは楽しそうに踊るれみりゃを発見した。

「う~☆あまあまとばばあだどぉ~」

れみりゃも2匹に気がつき、こちらにヨタヨタと寄ってきた。
その歩き方と言ったことで、2匹のイラつきは有頂天に達した。

「うざいみょん!」

「う~?……うああああああああああああああ!!!!」

よーむは小太刀を振り、れみりゃの首から下を右と左に真っ二つにした。
体からは肉汁と具が流れ出て脂っこい水溜りを作っている。
ただ、再生力と体の丈夫さだけが取り得のれみりゃは、致命傷にはならなかった。

「う゛あ゛ー!ざぐやー!ごあいゆっぐりがいるどぉー!」

れみりゃは逃げ出そうとしたが、体が離れているために、歩くことはおろか立つことさえできない。
結局、その場で泣きながら醜い声を発しているだけだ。

「ざぐやざぐやって、じゅうしゃもいないと何もできないのね。どこがカリスマなのかしら」

ゆかりんは喚くれみりゃを挑発した。

「う゛ー!ぢがう゛どぉー!れみりゃはごーま゛がんどあ゛るじでがりすまだんだどぉー!」

「そんなすがたをさらしてどこがカリスマよ。あなたはせいぜいかりすま(笑)ってとこね」

ゆかりんは今朝お兄さんにやったように、割れたれみりゃの胴体の上を跳ね回った。
そんなやり取りをしていると、れいみりゃの中身の匂いに誘われたのか、林の奥から次々とれみりゃが湧いて出てきた。

「れみりゃをいじめてるゆっくりがいるどぉー!」

「わるいゆっくりだどぉー!」

「わるいゆっくりはたべちゃうぞ~!」

等と口々に言っていることから、体がふたつに割れたこのれみりゃを助けに来たのだろう。
あっという間に、ゆかりんとよーむは囲まれてしまった。

「う~☆みんなたすけにきてくれたんだどぉ~おまえらはしぬんだどぉ~」

ゆかりんの下にいるれたれみりゃは笑顔に戻っていた。
助かるとでも思っているのだろう。
まあ、れみりゃは20匹ほどいる、野生なら負けることはないだろう。
野生なら、だ。

「あら、下品な声がすると思ったられみりゃだったのね」

「なんだかものすごく油くさいみょん」

2匹は完全にれみりゃを見下していた。
それもそうだ。
通常の数百倍の知能を持ったゆっくりと、通常の数百倍の戦闘力を持っているゆっくりの2匹に通常の2倍程度の力を持ったれみりゃ20匹で勝てるわけがない。

『う゛あああああ!!!れみりゃはおぜうさまなんだどぉー!じょうひんでうるわしいんだどぉー!』

れみりゃたちは怒り狂い、我を忘れて(といっても、忘れるような我を持っているわけでもないが)2匹に飛び掛った。

「よーむ、2歩下がっててきとうにふりなさい」

「わかったみょん」

ゆかりんの指示通り、よーむは2歩分後退し、小太刀を振りぬいた。

『うびゃああああああああ!!!!』

すると、見事に飛び掛ってきたれみりゃを全て頭と胴体に分離させた。
生きているのは、胴体が割れたれみりゃも含めて8匹。
その8匹も、肉汁が飛び散り、れみりゃたちがただの肉まんに変わるのを呆然と見ているだけだ。

「さ、時間がもったいないわ。よーむ、やっちゃいなさい」

「わかってるみょん」

れみりゃたちが現実を受け入れられないでいる間に、よーむは残っているもの全ての首を刎ねた。
そのときにも、れみりゃは呆然とし、悲鳴一つ上げなかった。





駆除を始めて1刻後、男とゆかりん・よーむは紅魔館前で合流した。
男は肩にもぞもぞと蠢く麻袋を担いでいた。

「門番さんに報酬ももらったし、次に行くぞ」

封筒を懐に仕舞いながら、男は意気揚々と歩き出した。
よほど報酬を弾んでくれたのだろう。

「お兄さん、それはなに?」

ゆかりんがよーむの頭の上から男に離しかけた。
その目は、せわしなく動く袋に向けられている。

「れみりゃだ。次で使えると思ってな」

男は前を見たまま、淡々と答えた。

「そう。でも、多分つかえないわよ」

「なんでだ?」

「あの辺のれみりゃ、弱いもの」

「まあな。5匹で大群に向かわせるのは無茶だ。けど、多少なりとも小さいゆっくりやゲス避けにはなる」

そんな会話をしつつ、四半刻ほど歩き続けると、次の仕事場である村に到着した。

村の大部分は畑で、その畑も用水路で囲まれていた。
水路の外側には、ゆっくりがぎりぎり跳び越えられる高さ、30cmほどの高さの木の板が立てられている。
その板には垂直に板が打ち込まれ、その板は畑側に大きくせり出し、用水路を覆っている。
さらに、その先端も上に向けて反り返っている。
つまり、普通のゆっくりでは外から侵入はできても、中から逃げることができないのだ。

「こりゃあすごい。これだったら、俺が来なくてもよかったんじゃないですか?」

男は一番大きな畑で、えさに使うのであろう腐った野菜を撒いていた青年に話しかけた。
青年は、作業の手を止め、男に答えた。

「これを乗り越えて、万が一でも生き残ったら次がありますからね。それがないようにあなたを呼んだんです。これ、報酬です」

青年はズボンのポケットから封筒を取り出し、男に渡した。
青年の名前は鬼居。
村の虐待お兄さんにして、村長の孫、村の代表である。

「そうですか。でも、全て殺していいんですか?鬼居さんは虐待したいんじゃないんですか?」

「それは、逃げ出そうとしたゲスを捕まえるつもりですから、ご心配なく。さて、そろそろ来ますよ」

鬼居は200mほど離れた、畑の西に隣接しているある森の方を見やった。
木々の合間から、藪がざわめく様子が見える。

(おいおい、もうかよ!)

今現在、この場に2人しか居ないことが気になり、男は背後を見た。
気付けば、鍬や鎌を持った10人ほどの村人がいた。
みな、真剣な面持ちで森を見据えている。
畑はおろか、村全体が静まり返る。

「いくぞ!」

その静寂は、鬼居の合図によって破られた。
村人が一斉に森に向かって駆け出した。
同時に、森の方からもガサガサと音が聞こえ、大量のゆっくりが跳びだしてきた。
300匹は軽く居るだろう。
それらが、柵を飛び越え、畑に乗り込んだ。

「ここをれいむたちのゆっくりぷれいすにするよ!じゃまするにんげんさんはでていってね!」

『でていってね!』

先頭を仕切っていたのは、珍しくれいむであった。
体長は1mほどで、かなり大きめだ。

「さて、クソ肉まんども、出番だぞ」

男は麻袋の口の紐を緩め、振り落とすようにれみりゃたちを出した。
れみりゃは手足を肉汁が染み出すほどにきつく縄で縛られ、猿轡をはめられていた。
ただ、顔は出してもらえたという希望に満ちていた。

「あそこに居るゆっくりを全部食え。できなかったら殺す。逃げ出しても殺す」

「「「「「うー!?」」」」」

その希望もすぐ様に打ち消された。
男の口から発せられた命令によって。
拘束を解かれると、れみりゃたちは生き残るために必死の形相で人間とゆっくりの戦いの中に踊りこんだ。

「れみりゃだああああ!!」

「だじげでえええ!!」

「ぎゅっぐじじだい゛い゛い゛い゛!!」

「たべられるまえににげるんだぜ!」

男の思惑通り、小さなゆっくりやゲスは元きた森に向かってゆっくりの全速力で逃げていった。
が、見事なまでに水路と柵に阻まれ、鬼居によって捕獲された。

「さて、俺も行くか」

男も、ゆかりんを頭に載せ、みょんを抱えあげると、ゆっくりたちの中心に向かって歩を進めた。
途中、向かってくるゆっくりや、村人と戦うゆっくりも居たが、全て無視した。

「お前がリーダーか?」

男は群の中心でさっき鬼居が置いたえさに食らいつくれいむに声をかけた。

「ゆっ!?そうだよ!」

「今すぐ出て行け」

「いやだよ!ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!」

どうやら、れいむの餡子脳の中では、既にここはゆっくりたちのものらしかった。

「ゆ…?ゆかりん!」

男の頭上を見て突然、れいむが反応した。

「あら、れいむじゃない」

ゆかりんのほうも、れいむのことを知っているようだ。

「どうした?このデカ饅頭と知り合いか?」

「ええ、前いたむれのリーダーよ」

「そうだよ!ゆかりん!さくせんはせいこうしたんだね!」

「作戦?」

れいむの言葉が男には理解できなかった。
いや、ゆっくりの言葉など大体理解できないが。

「ああ、あったわね、そんなの。おかげで今はこんなゆうがな生活ができてるわ」

「ゆ!そんなのってどういうことなの!?せいこうしたの!?してないの!?」

「してるわけないでしょう。もともと、そんなものどうでもよかったもの」

「だから作戦って何のことだ?」

男の疑問に対する答えは、頭の上から降ってきた。

「ゆっくりをたくさん殺す人間の家に行って、ペットになって家を乗っ取る作戦よ」

「なんだそりゃ?」

「そうだよ!れいむがかんがえたすごいさくせんなんだよ!」

れいむは自慢げに下膨れを前に突き出している。

「それで、わたしがちぇんとらんをつれてお兄さんの家に行ったのよ。で、今お世話になっているの」

「乗っ取るってのはどこにいった?」

「そんなのどうでもいいのよ。もともと、むのうなくせにいばりちらすばかりのそこのでいぶの群からぬけ出したかったから、乗っただけだったもの」

「ゆがっ!どういうことなのぉおお!!」

でいぶはころりと表情を変え、口を大きく開いている。

「だから言ったとおりよ。あなたみたいな⑨で使えないリーダーがいる群から出るために作戦にさんせいしたのよ。あんなまぬけで現実せいのない作戦を立ててくれてありがとう、おかげで理想の生活を手に入れられたわ、本当にありがとう。むのうなでいぶさん」

ゆかりんの口から次々と流れ出る真相に、でいぶはがたがたと震えていた。
男は、笑いをこらえながら背負った鞄の中を探っていた。

「もうそろそろいいだろ。残念だったな、でいぶ」

「ゆがぁっ!でいぶはでいぶじゃだいいいい!!」

でいぶは男の言葉に食って掛かった。

「自分でもでいぶって言ってるじゃないか、でいぶ」

男はニヤけながらでいぶをおちょくる。
それと同時に、でいぶの背後に回りこんだ。
そして、セルロースでできた髪を掻き分け、でいぶの皮に細長い筒状のものを差し込んだ。
丁度筒が目の真裏に来る位置だ。

「ゆぎゅぅ!なにするの!れいむにへんなものささないでね!」

でいぶは抵抗するように、体を震わせた。
が、筒はしっかりと刺さり、抜ける気配はない。
男はポケットからマッチを取り出し、火をつけると、筒から伸びた1本の細い糸につけた。

「ゆあっ!じじい!なにをしたの!」

でいぶは自分の真後ろでなにが起こっているか理解できず、ぐるぐると回り始めた。
2回転はんした頃、火が糸を燃やしきり、筒の中に入った。

「ぽぴゅん!」

でいぶを内部から衝撃が襲った。
眼球と共に餡子が眼窩から飛び出し、汚い音を立てて畑に落ちた。
筒の正体は、花火であった。
点火されたが、進むべき道を餡子で妨害された花火はそれの中で弾け、その力だけが衝撃として伝わり、でいぶの目を内側から吹き飛ばした。

「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!でいぶどがばい゛い゛お゛べべがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

でいぶは痛みのあまり土の上を転げまわった。
そのときに、一緒に自分の目も潰してしまった。

「じじいいいぃぃぃいぃぃいい!!だずげろ゛おおおぉぉおおぉぉおぉおお!!」

目の見えないでいぶは男が居る方とは真逆を向いて叫んでいる。

「やだね。もともとお前がここに来なければそんなことにならなかったんだから、悪いのはお前だろう?なあ、でいぶ」

「ゆぎいいぃぃい!!だがらでいぶばでいぶじゃだいっでいっでるでじょおおお!!」

怒り狂い、見当はずれな方向に怒鳴り散らすでいぶ。

「はいはい、でいぶはでいぶなんだね。わかるよー」

男はちぇんの口調を真似てでいぶをさらに茶化した。
でいぶ全体の色が赤くなっていく。
血液など通っているわけでもないのに。

「目がなくなったら不便だろ?代わりにこれをやるよ」

男はポケットから黒くて丸いものをふたつ取り出し、でいぶの眼窩にはめ込んだ。
偶然にも、ふたつの球体はピッタリと嵌り、義眼のようになった。

「村のみなさーん、ゆっくりをあつめてくださーい」

男は口の前に両手を出し、畑全体に呼びかけた。
たちまち、畑のいたるところからゆっくりがでいぶの辺りに向けて飛んできた。

「では、はなれてくださーい」

村人に離れるよう呼びかけ、先ほどはなったれみりゃを含め、ゆかりん・よーむ以外のゆっくりが全てほぼ一箇所に集まったのを確認すると、男はでいぶの目に嵌めた球体に手を伸ばした。

「じゃ、そこでゆっくりしていってね」

球体から何か引き抜くと、駆け足でその場を離れた。
5秒のち、ゆっくりたちが逃げるまもなく、でいぶを中心として轟音と爆風が起きた。
ゆっくりは弾け飛び、畑に餡子やカスタード・生クリームといったゆっくりの中身の雨が降った。
ほとんどのゆっくりが巻き込まれ、かろうじて無事だったのは10匹程度である。
その全てが、何が起きたか理解できずに、体を捻ってほかのゆっくりを探していた。

「おい、どうした?」

男は餡子の海でもぞもぞと動くまりさに声をかけた。

「ゆ!じじい!みんなをどこにやったんだぜ!」

「どこって、そこにいるじゃないか」

男は餡子を指差したが、まりさが理解した様子はなかった。

「うそをつくなだぜ!これはあまあまさんなんだぜ!」

まりさは、餡子の海に口をつけ、それを貪った。

「ははは、ウソじゃないよ。ほら、これを見てみな」

男は近くにあった赤いリボンを取り上げた
まりさは、それを見て何かを思い出したようだった。

「ゆ!りーだーのおりぼんさんなんだぜ!」

「そうか、これがあのでいぶのか。じゃあ、今お前が食べたのは多分リーダーの餡子だな」

それを聞いて、まりさはしばしの間凍りついた。
何かを考えているようだった。
そして、餡子脳で考えた結果、自分が何をしたか、その結論に至った。

「もっそひゅぎらったんじぇろぱにぇちゃんらぽいしくる!えれえれえれえれえれえれ…………」

まりさは自分の犯した過ちに気付き、奇声を上げ、自身の中身を吐き尽して絶命した。
ほかのゆっくりも、同じような状況であった。
群の惨状に気付き、泣き叫ぶもの。
自分が食べたものが仲間であると気付き、気が狂ったもの。

「さて、こんなものだろ。ゆかりん、よーむ。帰るぞ」

男は餡子の海を遠くから眺めていたゆかりんとよーむに声をかけ、来た方向に歩いていった。






「お兄さん。今日のあれ、もうやらないでね」

夕食の際、ゆかりんが男にそう言った。
あれ、とは西の村でのあの爆破ショーのことである。

「なんでだ?一番効率いいだろう?」

男は茶碗片手に答えた。

「だけど、あれはあんまりに気持ち悪いわ」

ゆっくりにしてみれば餡子は内臓。
それが飛び散っているのだから、相当気持ち悪いはずだ。

「そうか。それで離れてたのか。じゃ、次はゆゆこが居るときだけにするよ」

男に止める気などなかった。











~あとがき~
いや、その…しょっぱなから夢オチですいません。
前回のヒドイあれは、男の夢、ということです。
今回も、前回とさして変わっていないような気もしますが。
これは、まだ続くと思います。
ええ、ちぇんとらんの話とかもまだですから。
そのときは、ハエ叩きにこびりついたハエの足でも見る目で見守ってください。

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最終更新:2022年05月22日 10:34