「れいむ、赤ちゃんが欲しくないか?」
ボール遊びをしていたれいむが、こちらを向く。
俺の飼っている、ゆっくり霊夢だ。
「ゆ?」
ぴょんぴょんと跳ね寄り、俺の足元までやってきた。
質問の意図がよく分からないようだ。
「お前ももう大人だし、赤ちゃん産んでも死なないだろ」
「ゆ!あかちゃん!」
ようやく理解したのか、眼をキランキランと輝かせて俺を見上げている。
ああ!れいむ可愛いよぉおお!!
「赤ちゃん産んでも、ウチで飼えるから大丈夫だぞ」
「ゆー!!れいむ、あかちゃんと
ゆっくりしたいよ!」
今まで家ではいつも独りだったれいむ。
きっとさびしい思いをしていたに違いない。
飼育に慣れ、2匹以上のゆっくりを飼う余裕がでてきたので、そんなことを提案したのだ。
「ゆ?でも、れいむはゆっくりできるゆっくりがいないよ!?」
「ああ、それなら安心しろ。お隣のまりさちゃんがいるだろ?」
隣人はゆっくり魔理沙を飼っている。
大きさもれいむと同じくらいの大きさ。
赤ゆっくりの頃から、何度か庭で一緒に遊ばせていた。
「ゆ・・・!まりさ!・・・ゆっ・・・ゆふぅ~ん♪」
ぽっと顔を赤くしたところから察するに、れいむはまりさをお気に入りだったようだ。
もともと、隣人からの提案だったのでまりさも受け入れバッチリなはず。
「それじゃ、今週の土曜日にまりさと赤ちゃん作ろうね」
「ゆっくりりかいしたよ!」
そんなわけで今週の土曜日。
隣人宅に招かれた俺とれいむは、フローリングの部屋でお見合いをしていた。
「ゆっゆ!れれっれいむ!まりさは・・・れいむとっ!ゆっゆっくり・・・・ゆっくりしたいよ!!」
「れいむもまりさとゆっくりしたいよ・・・。いっしょにゆっくりしていってね!」
その場でプロポーズまで決まってしまった。
ああ、あんなにちっちゃかったれいむがこんなに大きくなって・・・!
でも泣かない。
だって、別に嫁に出すわけじゃない。
れいむだってそれは理解している。
いままで通り、れいむは俺の家で、まりさはここで飼われる。
結婚が目的ではなく、赤ちゃんゆっくりを産むのが目的なので新婚早々別居だ。
「まりさ、良かったね!これでれいむちゃんと赤ちゃんが作れるよ!」
「ゆゆ~おねーさんのおかげだよぉ!まりさとってもゆっくりできそうだよ!」
「れいむも良かったな。可愛い赤ちゃんを作るんだぞ」
「ゆ!おにーさんにかわいいあかちゃんみせてあげるね!」
れいむもまりさも、目がとろーんとしている。
幸せな未来を思い描いているのだろうか。
ふと、まりさがれいむに近寄り、すりすりをはじめる。
最初はいつもと同じすりすりに思えた。
しかし、だんだんとねっとりした擦りつけに変わっていく。
顔が紅潮したところで、れいむは飼い主である俺達の存在を思い出したようだ。
「ゆひっ!お、おにいさん・・・ちょっと、まりさとゆっくりするから、あっちいっててね!」
それにまりさも同調する。
「ゆ・・・おねーさんも、おねがいだよ!れいむとのゆっくりタイムをじゃましないでね!」
交尾を見られるのは恥ずかしいようだ。
しかし、俺も隣人のおねーさんも動かない。
「おっ、おねがいだよ!おにーさん、おねーさん!れいむゆっくりしたいのぉお!!」
「いじわるしないで、ゆっくりさせてねっ!ゆひっ!まりさ、すっき・・・ゆっくりしたいの!」
もちろん、動かない。
なぜなら俺達は飼い主だから。
「ダメだよまりさ。ゆっくりの交尾は、とーっても危険なんだから!」
「れいむ。もしすっきりしすぎて死んじゃったらどうするんだ。ちゃんと俺達が見てないと、何度もすっきりしちゃうかもしれないぞ!」
もう2匹は止まらない。
スイッチが入ったのに、すっきりせずに終わることは「ゆっくりできないこと」なのだ。
「おねがいいぃい!!おにーざんみないでぇえええっ!!れいむのえっぢなトコみないでぇええっ!!!」
「おねーざんもやべでぇええっ!!ごんなんじゃずっぎりでぎないぃいい!!」
ぬちょぬちょした汁と、涙、ヨダレをまき散らしながらよがり狂う2匹。
まあ人間にもこういうプレイもあるし、別にいいよね。
「ゆほぉっ!ゆふっ!!す、すっきりじじゃうよぉおお!!!」
「れいむぅうっ!!んほっ!!ほうぅっ!!ずっ!!じゅっぎりじじゃうぅう!!!」
「ずっぎりぃいいい!!!」
2匹とも、なんだか納得しない顔ですっきりした。
終わり。
最終更新:2009年01月23日 14:53