ゆっくりいじめ小ネタ316 保ゆ

[らんちきーぷ★ゆっくりしていってね−れいむ種(中) 税込2998円]

近所の店に弁当箱を買いに来たら、変な新製品が売っていた。
面白そうなので買った。


「ふんふん」

家に帰ってさっそく、俺は買って来た「らんちきーぷ★ゆっくりしていってね」の説明書を読み始めた。
メロンサイズのゆっくり霊夢は、どうやら生きているようでたまにぷるぷると震えている。
瞳は閉じている・・・というより、瞼がくっついて開かないように見えた。

この新製品は、ゆっくりの品質の良さに着目して生まれたらしい。

ゆっくりに詰まっている餡子は、常に新鮮な餡子だ。
賞味期限が切れたものは入っていない。今回はそういう設定なのだ。

それと越冬の際、保存した食糧が腐らない。
ゆっくりの口に入ったものは腐敗しにくくなるという謎現象が起こるとか。
何か月も巣穴に籠ってるのに、なんで食糧がダメにならないのか不思議だったがそういうことらしい。

それをうまく利用してこの製品が完成したという。
不思議生物サマサマである。



「よーし、じゃあご飯入れてみるか」

弁当箱れいむを持ち上げると、予想よりもはるかに軽かった。
いつも潰して遊んでいる同サイズのゆっくりの1/3もない。
持ち運びに苦労しなくていい。

手で唇こじ開けると、通常のゆっくりよりもはるかに口内が広いことがわかった。

「おー!こりゃいっぱい入るな!」

ついでに歯が一本もなかった。
あっても邪魔だから製品化の際に全部抜いたのだろう。

たまにビクンビクンと震えるところがちょっと気になる。
試しに一発殴ってみたのだが、余計に振動がひどくなっただけだった。

「・・・ッ!・・・・ゅッ!」

3回目の拳が飛んだところで、喉の奥のほうから微かに悲鳴が聞こえた。

「お!」

なので、つい気分がよくなって殴る速度が加速してしまった。

と、次の瞬間。


カコン、カラララ・・・

「ん?なんか取れた?」

喉の奥から蓋のようなものが出てきた。
どうやら中に設置されていたもののようだ。

「・・・・ゆっ!?ゆ゙!?ゆぐっ!?・・・ゆ、ゆっくりおこえがでるよぉお!!!」

取れた蓋は、500円玉くらいの大きさだ。
開発者じゃないので断定はできないが、これをハメて声を封じていたのだと思う。

「ゆゆっ!?まっくらだよ!?み゙んなどごにいるのぉお!?ごわいよぉおお!!」

瞼は依然として塞がれているので、れいむには何も見えない。
また殴ってやろうかと思ったが、これ以上続けて3000円近くもした弁当箱を壊すのは嫌だった。

俺はれいむを和式便所のような感じで仰向けに寝かせ、御飯の盛り付けを始めた。

「唾液とか大丈夫だろうな・・・これ・・・」

食べる時に唾液まみれだったら嫌だなあ。

「ゆ!なんだかゆっくりできそうなにおいがするよ!ずっとごはんでゆっくりできなかったからうれしいよ!これでゆっくりできるんだね!」

口が開きっぱなしのくせにどうやって発声しているのだろう。
そう言えば、威嚇で頬を膨らましているのに普通に喋ってるゆっくりをよく見る。

「むーしゃむしゃ・・・?」

口ではそう言っていたが、まるで顎が動いていない。
多分、動かないように中に固定用の棒とか入ってるんだろうなあ。

「どぼじでむーじゃむじゃできないのぉぉお!?でいぶおながずいだよぉおお!!!」

一人で喜んだりガッカリしたりをするれいむ。
すぐに俺の盛り付けも終わった。

「最後は、このクリップとゴムで口を閉じて終わりか」

上唇と下唇を専用のクリップでしっかり閉じてから、れいむを地球とすると経線を描くようにゴムをはめる。
これで中のお弁当が飛び出ることはない。

俺はれいむをバッグに詰めて会社に向かった。





1ヶ月後。
俺はれいむを取り出した。
あの弁当箱れいむだ。

「あー、すっかり忘れてた」

1か月前に弁当を入れたのだが、あの日は忙しく、弁当を食う時間がなかった。
それからその存在をすっかり忘れ、放置していたのだ。

「さすがにもうダメだろうなこれ」

腐敗臭を覚悟し、ゴムを外す。
だが待っていたのはまるで腐ってなどいない、あの日のままの弁当だった。

「こ、これは凄い!」

レタスは見ただけでシャキシャキ具合がよくわかる。
凄い保存力だ。

もったいないので、それを晩御飯にした。
唾液がついていることもなく、美味しく食べられた。

「ゆぅぅうゔああ゙あああ゙!!ごばんがだべだい゙よぉお!!ごば゙ん゙!!ごはん゙だべだいよぉ゙おお゙っ!!!」

中身がなくなると、ようやくれいむの声が聞こえてきた。
減っていく口内のご飯に気が付いたのだろう。

一か月近くお預けを食らったのだから哀れだ。
しかも口内にご飯が置かれている状況でお預け。
悲惨すぎる。

さすがに餓死されては困るので、付属の注射器に餡子をほんの少し入れてれいむに注入した。
腹の足しにはならないけど、体力にはなるだろう。

明日から、ちゃんと毎日使ってあげよう。
3000円もしたし、元はとらなくちゃ。






おわり。

作:ユユー

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最終更新:2009年01月23日 14:55
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