ゆっくりいじめ小ネタ410 ペットショップを眺めてたらお持ち帰りされちゃった!テヘ

都会のどこかにある公園。
煙草の吸殻やゴミが散乱している水飲み場の横に、15匹のゆっくりがいた。
バレーボール程度の大きさのれいむと、ピンポン玉程度の大きさのれいむとありすである。
大きい方のれいむ……おそらく親であろう。どうやら水飲み場の脇にあるゴミ箱を漁っているようだ。
自らの体を使った体当たりでゴミ箱を倒すと、その中に入りガサゴソとゴミを漁る。



「ゆぅ・・・どうしてごはんがないのぉ?きのうはちゃんとあったのに。」
親れいむは深いため息をついた。ボロボロのリボン、そして左頬にある大きな傷
今まで苦労して生きたのがよくわかる。
そもそもこのれいむ。元は山で家族と平凡でゆっくりな生活を営んでいた。
しかしある日、山に入った人間により、町に連れてこられたのちに虐待
飽きられたので捨てられたのだ。その虐待が原因でつがいのありすは既に亡くなっている。


「みゃみゃぁ?ごひゃんさんにゃいのぉ?」
「あ、ありすはときゃいはだからゆっきゅりまちぇるわよ!」
「れーみゅもゆっきゅちさぎゃすよ!」
「ゆんしょ!ゆんしょ!」
子ども達はわらわらとゴミ箱の中に入ると、そのままポテトチップスの袋などを漁り始めた。


「ゆぐ!きょれきゃらいよ!ゆっきゅちちてないよ!」
「きょのふきゅろしゃんはあまあまがあるよ!」
「むーちゃ!……きょれはゆっきゅりできるよ!」


子ども達は必死にご飯を探していた。れいむはその姿を申し訳なさそうな顔で見ている。
実はれいむの右目は見えていない。子ども達の身代りに理不尽な虐待を受けたお陰で移動にも困るありさまだ。
子ども達に死角になっている右目の役割をしてもらえなければ今日まで生きてこれなかっただろう


「ごめんね……おかーさんがもっとしっかりしてたら。もっとゆっくりさせてあげれたのに。」
ポツリと呟く。


「みゃみゃー!みちぇみちぇ!ありちゅきょんなりっぴゃなとみゃとさんみつけちゃよー!」
ありすがプチトマトを口に加えてピョンピョンと跳ねてくる。それを追うように他の子供たちもこちらへ向かってきた。


「ゆゆ。さすがはとかいはなおちびちゃんね!ゆっくりたべてね!」
れいむは無理やり笑顔を作った。この子達の前だけでも笑顔で居なければ、誰がこの子たちに笑顔を与えるのだろうか。




「ゆっゆっゆー!ゆゆゆのゆー♪ゆっくりしていってね~♪」
「「ゆっゆー!」」
「「「ゆっきゅりちちぇいちぇねー!」」」
れいむは子供たちと歌を歌いながら歩いていた。
普通ならば、誰かに目をつけられてもおかしくないが、常時栄養失調に近い彼らのだす声は実はかなり小さい。
なので車の往来が激しいこの道路ではそれほど目立たなかった。


「ゆ?」
ふと、れいむは横の方を向いた。
分厚いガラスの向こう側に居たのは、一匹のれいむであった。
だいたい子ども達と同じくらいの子。しかし子どもたちとそのれいむの間には明確な壁があった。
肌は見てるだけでもわかるモチモチ肌。髪も朝日を浴びた川のように輝いており、りぼんも立派だった。
透明で大きいケースの中には、立派な神社とお賽銭箱があった。山に居た頃はれいむも近くの神社によく行っていた。
何故か心がとてもゆっくりできるからだ。
ガラスの向こうのれいむが寝ていた。ただしそれはふかふかの毛布の上であり、周りには体を洗う水たまりと、おいしそうな
丸いごはんが沢山置いてあった。確かゆっくりフードと言うあまあまだったはずだ。



「ゆぐぅ……おいちちょうだね。」
「ちょっちぇもゆっきゅりちちぇるね……」
「ちょちえもときゃいはなかみだわ……」


子ども達はガラスに張り付きその様子を眺めていた。
中には口から涎を垂らす子まで居た。


本来ならば止めるべきなのだろう。しかし親であるれいむもガラスの向こうに目が釘付けになっていた。
どうしてだろう。何故あの子はこんなにゆっくりしているのだろうか。
別に人間さんのところで優雅に暮らさなくてもいい。森でゆっくりと暮らしているだけでいいのだ。
ご飯を取っておそとで遊んで、ピクニックや鬼ごっこをして、雨の日はおうちでおうたを歌って
時々、近くに住むみんなでゆっくりとする。
それだけでいいのだ。何故それが奪われて戻らないのか。



「おい。」
急な声にれいむはビクッと声のする方を向いた。そこに居たのは人間のおにーさんだった。
れいむは焦った。が、焦ってももう遅い。
「ごめんなさい!いますぐここからはなれますから!みんないこうね!」
「きょめんなちゃい!ゆっきゅちでていきゅからゆるちちぇね!」


素早く反転して逃げようとするれいむ。すると、男は優しい声で話しかけてきた。


「お前ら、もしかして中に入りたいのか?なら遠慮することもないだろうに。」


「ゆ?」
れいむは何を言われたのか本当に理解できずに、ただ反射的に返事を返してしまった。


「遠慮すんなよ。こんなペットショップでいいなら。お前ら良いなら買ってくれる人間が現れるまで置いてやるよ。」


子ども達は未だに事態を飲み込めていなかった。
ただ親れいむは、ガタガタと震えはじめた。
やがて、震えがピタリと止まると、腹のそこから大きな声で



「あ゛り゛がどござい゛ばず!!!ゆっぐじじでいっでね!!!」


大粒の砂糖水を目から流していた。





「ゆ~ゆ~ゆ~♪」
「すっきりー♪」
「ちょっちぇもときゃいはなしゃわーだっちゃわ!」
子ども達は体を洗われ、たくさんの野菜を食べて腹をパンパンに膨らませ
満足そうにゆっくりしていた。
ここはあのケースの中。さっきの子れいむと違って神社も何もないが、外に比べれば何倍もマシである。
その光景を見てプルプルと震えだす親れいむ。
そして


「ゆー!ゆっくりしていってね!!!」
親れいむは久しぶりに、心の底からこのセリフを言えたのであった。満面の笑みで。














れいむ達親子の入っているペットショップのケースには紙が一つ貼ってあった。
中からはけして見えないその紙には文字が書かれていた。



『餌用格安ゆっくり15匹!!!今なら繁殖用のまりさも付けます!!!お値段なんと1000円!!!』







【後書き】
この後、この店は政府の認可を受けてない事がバレて潰れました。
店長だった男はタイーホ。
れいむ達のその後?
誰かに買われました。果たして誰に買われたのかはわかりませんが


名無しなんださんからのお題「ペットショップ」です
by バスケの人

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最終更新:2009年03月12日 11:13
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