夜も明けていない不気味な空気が漂う森林に小さな一つの灯りが灯っていた。
この状況で灯りを示すのは己の場所を晒すのと何一つ変わらない。
灯りの正体はキャンプ場で焚き火。肉を焼いてるものだった。
料理と呼ぶよりは生と言った方がいいだろうか。大きい肉に棒を通しただけ。ただそれだけ。
男は肉が焼けているのを確認すると豪快に口を開け放り込む。
極上に美味いとは言いがたいがとても脂身があり口に入れると脂がジュワーと音を立てる。
海王類の肉。聞いたことはないが王と名が付いている辺りそれなりの代物なのだろう。
だが世の中にはもっとたくさん美味い食材が存在する。男は其を知っている。
だから思う。これはフルコースに入れるレベルじゃない。
「アンタちょっといいか?」
目の前に現れた刀を持ったオレンジの髪を持つ少年が言葉を吐き出す。
少年、いや青年と言うべき彼は男に敵対する気は無い様だ。
だが男は怒りを露にする。
とても単純だった。
一つに気配を消していたこと。
自分から話しかけるのに気配を消すとはこちらを舐めている。
そしてもう一つ。ただでさえ突然殺し合いなど意味の解らない状況になって気分を悪くしていた。
それも重なって彼の怒りを最大限にまで引き上げた。
「お前チョーシに乗ってんじゃねぇよ」
食事を邪魔した事。美食屋四天王ゼブラは怒っていた。
★★★
何なんだコイツは?話しかけただけで調子に乗るな?
おいおいおい……って落ち着け。きっと突然の状況で混乱してんだな!
ならここは穏便に……
「いやー、ちょっと何か知ってる事があればほしーなって……」
「ア?殺すぞガキ」
あぁそうか。これはあれだ。俺に喧嘩を売ってんだなコイツは。
「は?何で殺されなきゃいけないんだよ?」
「喋るな、オレンジ頭」
プッチーン
この時俺の頭の中で何か弾け飛んだ。
「あぁ!?何なんだよお前!!初対面の相手に調子に乗るな?舐めてんのか!?そこは何ですか?とかどうしました?とかが基本だろ!
お前は人間としておかしい!殺すって!会って一分も経ってないのに殺す?ハハハ日本じゃ終わってるぞ?
牢屋ですよ、ろ・う・や。
お分かりですか?ってかな!!お前も人の事言えないけどなぁ。オレンジ馬鹿にすんなよ!
お前こそ口裂けオバケかよそん何縫っちゃってしてよぉ!
あーあ怖い怖い。俺も喰われるってか?なら返り討ちにしてやんよぉ!!
ん?返り討ち?お、お前俺が見えんのか!?
いや変な目で見んな!そういう意味じゃなくて……!!」
突然俺は口を閉じる。いや閉じるを得なかった。
あいつの殺気がヤバイとかなんで俺が見えるとかじゃなくて。
もっと。そうもっと。俺には突然だった。
「血の臭い……ガキお前も気づいたか」
俺には血の臭い何てわからない。
でも経験上分かるんだ。霊圧みたいなもんが。
「誰かが死んだ……?」
★★★
隣のエリアか。
血の臭いと気配が消えたのは一緒ぐらいか。なら一撃で頭や首をやられたか。
いや違―な、この音は首が落ちた音だ。しかも手刀か。
アン?コイツはどっか行くのか。でもこっちには来てねーな。どっか別の所に行くのか。
別の所には銃声に地面が砕ける音も聞こえるな。ったくチョーシに……!!
美食屋四天王ゼブラ。あまりの凶暴性により実際に牢屋にブチ込まれた経験の持ち主。
その凶暴性はその種族を絶滅させるほどの危険を持ち世に出るだけで世界経済を怯えさせるほどの存在。
そんなゼブラが長けているのは聴覚。最大70kmの範囲を聞き分ける事ができる。
彼が聞いたのはウルベが死んだ音とまどかが暴れた音。無論名前は知らないが。
そして突然響いた音。耳を澄ませなくても響く音。そして辺りを照らす光。場所は武道会会場か。
そして一瞬。どうやら此処は耳に何らかの障害があるようだ。若干聞こえが悪い。
だがこの音はこの声はたとえ障害が、一瞬だろうが分かる、忘れられない音。
「ココ……」
同じ四天王の一人ココ。昔は一緒に修行をした身。
その音その声その姿は忘れたくても忘れられない。さっきの会場では久々の出会いとなった。若干驚いていたが。
ココが今戦っている。それも最後に聞こえた音は誰かが去った音。だがココの足音ではなかった。
そして戦闘音。明らかに高レベル。肉弾戦向きじゃないココには向いてない。
だがそれは自分には関係ない話。だが――――
「チョーシに乗る奴は殺さないとなぁ?」
そこに対象がいるのならば。答えはとっくに出ていた。
「アンタ!殺すとか殺さないとか!俺は今から行く所が出来た!
あっちの方のからホロウ……化物みたいな気配を感じるんだ!!だから俺は後な!
あっ!俺は黒崎一護!知り合いに会ったらヨロシク伝えといてくれ!!」
そう言うと男黒崎一護は地を駈け始め中々の速さで場を去っていく。
目指すは魔女と為ったまどか。そして彼はこれを倒そうとしている。
その先には最早正常とは呼べない暁美ほむら。
この先一護は死神とは別な力を持った者達との戦いになるは知る由もなかった――――
そしてゼブラも歩みだす。戦っているココのいや――――チョーシに乗ってる者の粛清に。
進路先に飛び出した一護が居るのはまた別のお話―――――
【G-5森林】
【ゼブラ@トリコ】
【状態】 健康
【装備】
【持ち物】ランダム
支給品0~2、基本支給品一式
【思考】
基本: 主催含めチョーシに乗った者は殺す。他は知らない。
1:ココのいや、チョーシに乗った奴(武道会会場)を殺しに行く。
2:一護は後回し。というか進路先に居る
3:小松はついでに救う。あと食料がほしい
【備考】
※グルメピラミッド後参戦
※若干能力の方に制限
※オープニングでトリコと一緒に食べていたのは四天王達です
※ウルベやまどかの音を聞きましたが誰かは分かっていません
【黒崎一護@BLEACH】
【状態】 健康
【装備】 斬月
【持ち物】ランダム支給品0~2、基本支給品一式
【思考】
基本: 主催を倒して元の世界へ帰る
1:怪物の居る所へ急ぐ。
2:知り合いと合流。ウルキオラは保留。
3:男(ゼブラ)はとりあえず。とりあえず。
【備考】
※参戦時期未定。ですがウルキオラとは会っています
※普段より霊圧を感じられません。一エリア。もしくは二エリアが限界です。
※キャンプ場には火が灯ったままです
※海王類の肉@ワンピースはゼブラが食べました
最終更新:2012年01月13日 18:13