父母が子供の頃の話をしよう
- てぬぐいのこと
「てぬぐい」ちゅーのは毛の生えとらんタオルちゅーたらええかなーハンカチみてぁーな薄いきれで てやぁてー白地にちょっとした絵が描いてあり「どこそこ農協」とか「何々新聞」と名前がひゃーっとった 新聞のサービスによー呉れたし今でもたんまにくるなーあ 「毎日新聞」と書いたのが ほとんどの男子はこれをズボンのベルトに通して右後ろ(右尻)に下げて学校へ来とった おっさんらーがそうしとったでまねしとっただろーで 今はだーれもしとらんが - 砂ぼこりの国道のこと
今はてぁーてーの道は舗装がしたる どーでこんな山ん中までと思うところまでしちゃる 昔はそうだなかったし国道せぁそうだ無かっただでー ほんまに 自転車こいで高校に通う道もまんだ舗装なんちゅうもんはなかった 三輪やバスが通るたんびに砂ぼこりが立つで息を止め目をつぶってやり過ごしたもんだ - 大雪のこと
昔の雪は多かっただでー 子供時分背丈ほど積もっとった記憶がある それが普通だったなー ふてーツララの下がって寒さが厳しい朝にゃー雪の上を歩けた ほんだけど時々「ふんごむ」さきゃー調子に乗ったらあかんへん 中学を終え高校に通うある年自転車で行けんで待っとった丹海のバスも何ぼ待っても来ん ほいだで歩いて高校まで行かなしゃーれへんわな ほいで歩いて新治まで来たらようやっと登って来るバスに出会おーたけどそれはまんだこれから大呂口まで行って帰って来んなんだーや ほんまなら(通常なら)このバスが思っとった時間に「まんてん」げ(店)のバス停に留まらんなんのに まだこんな所にいた まあそのぐりゃー降ったちゅう話 父も「38豪雪」の年だと後年知った - なんなりと(見出し)
なんなりと(記事)