天空の支配者となるであろうと予言したため、ゼウスはこのメティスを飲み込んでしまう。
やがて誕生の時、
プロメテウス、あるいは一説に
ヘパイストスがゼウスの頭頂を斧で撃った結果、
生まれたのがアテナであるとされる。
- ヘロドトス『歴史』巻四に、リビアにあるトリニトス湖からトリトン河が流れ出ており、
アウエセス人が住んでいる。この種族はアテナをこの土地生まれの女神としており、
同種族の娘はアテナの年祭に二組に分かれて石と棒で戦うのだという。手傷を追って死ぬ娘は似非処女だったのだと
言われるのだとか。
同書の訳者注釈に、アテナには「トリトン生まれの」という異名(Triogeneia)があるとのことで、
しかしこの場合のトリトンはギリシアのボイオティアにある同名の川に由来すると考えられるため、
この記述については、ヘロドトスが現地の神格をギリシア風に記述したものか、もしくは
ギリシアからの移民がこうした習俗をもたらしたものか定かではないという。
- なお、ウェルギリウス『アエネーイス』第二巻にも「トリトンの娘アテナ」という句があり、
上記「トリトン生まれの」という異名か何かがこの時代まで生きていたらしいことを示す。
参考文献
『ギリシア神話』アポロドーロス
『歴史(中)』ヘロドトス
『アエネーイス(上)』ウェルギリウス
最終更新:2016年01月14日 02:52