セイレーン


  • 海上で歌を歌い、その声で通りかかる船の乗員を引き寄せる。

   ペイシノメ、アグラオペ、テルクシエペイアという。
   一人は竪琴を弾じ、一人は歌い、一人は笛を吹いたという。

   自身は船のマストに縛り付けられた状態でセイレーンの近くを通過。
   この際、セイレーンたちは「もし船が航し過ぎる事があれば死ぬ」という予言を受けており、
   オデュッセウスたちが通過したため死んだという。

   他の英雄たちがセイレーンに魅かれて行くのを防いだという。


  • 詩歌散文の魅力をたとえて「セイレーン」を引き合いに出す慣習がローマ時代にまで存続していた。
   パウサニアス『ギリシア案内記』に、ソポクレスが没した際、当時アッティカに侵入していた
   スパルタの指揮官の夢枕にディオニュソスが立ち、
   「慣例的に死者に払うのが相応しいだけの畏敬を新しいセイレーンを敬うべし」と命じたとか。
    この逸話に続けてパウサニアスは、詩歌の魅力をセイレーンにたとえる事は今も行われていると記している。


      参考文献

『ギリシア神話』アポロドーロス
『ギリシア案内記(上)』パウサニアス


最終更新:2015年08月24日 02:50