- 太陽系の各惑星がギリシャ神話の神々の名前で呼ばれるようになったのは、
文献上ではプラトン晩年の作(もしくはその直弟子の作)である『エピノミス』が最初で、
それ以前では「明けの明星」を「heosphoros(夜明けをもたらすもの)」または
「heoios aster(夜明けの星)」で、「宵の明星」が「hesperos aster(晩方の星)」として
出ているのが見られるくらいであるという。金星以外の惑星についての記述は今のところ知られていないとか。
- アリストテレスは『形而上学』の中で、物事の運動の中でもっとも最初のものを天体の運動であるとし、
その最初の運動の始動因となった第一の実体を神々にあて、天体の運動パターンの数だけの神を想定しており、
それに連動して各惑星をギリシャ神話の神々の名前で列挙している。
すなわち
金星を
アプロディテ、
水星を
ヘルメス、
木星を
ゼウス、
土星を
クロノスと呼んでいる。
またアリストテレス『天体論』では、
火星を
アレスと呼んでいる。
太陽系の惑星をギリシャ神話の神々の名前で呼ぶ慣例は文献的には上記の辺りまで遡るのが限界らしく、
アリストテレスは『形而上学』本文で上記の名前を古い伝承に基づいているかのように書いているが、
プラトン以前にそうした呼び方は現状見られないとか。
参考文献
『形而上学 下』アリストテレス
最終更新:2015年03月07日 01:44