宝物を守る蛇

  • ギリシア神話における、ヘラクレスの十二功業のうち十一番目が、
   へスペリスの庭にある黄金のリンゴを取ってくる事だった。
   このリンゴは、不死の百頭竜に守られていたという。


  • ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』
   →シドンの国(現レバノンサイダ)の国境域付近にセラストと呼ばれる雄羊の角を持った蛇がおり、
    角で人間を殺傷したりする。この地域にはコショウが豊富に育っており、ヘビはその守り手であるという。
    人々は胡椒の収穫の際に木々に火をつけ蛇を追い散らす、そのためにコショウは黒くなるのだとか。



  • 『グリム童話集』「蛇のお話・ひきがえるのお話」〈KHM105〉
   →小さな子供がいつも庭でパンとミルクでランチをとっていると、頭に輪がたのついた蛇がやってきて
    ミルクを飲む。そしてそのお礼に、自分の宝庫(たからぐら)から宝石や真珠や黄金のおもちゃなどを
    持ってきたという。
    ある時、子供がこの蛇を軽くスプーンで叩いたのをたまたま母親が見て、やってきて蛇を殺してしまったところ、
    それから間もなく子供も死んでしまったという。



      参考文献
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス
『完訳グリム童話集(3)』



最終更新:2016年11月12日 04:49