キマイラ(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/08/15 Fri 17:36:22
更新日:2024/02/03 Sat 16:02:20
所要時間:約 9 分で読めます







「…合成しすぎたか」



キマイラとは、TCGデュエル・マスターズ」に登場する種族


概要

キマイラというと、ギリシャ神話に出てくるようなライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つというおぞましい何かをイメージする人が多いだろうが(実際、遊戯王の《有翼幻獣キマイラ》やパズドラテクニカルダンジョンのキマイラシリーズはそのキマイラである)、この場合はむしろ英語読みの「キメラ」、つまり広い意味での合成獣をイメージしていただきたい。
闇文明は科学ではなく魔法をイメージした文明だが、生物実験をするような「命を冒涜したような」クリーチャーはに合わず、また水文明も機械か水棲生物の改造しかしないイメージだったのか、このようなことになっている。まあ魔力で獣を合成するというフレーバーなんだろう。

基本的にダークロードによって生み出され、そのダークロードに使役される。…が、進化するとそのダークロードを取り込んでしまう。
そんな使い魔嫌だ…まだ同じダークロードの使い魔でもガーゴイルのがマシじゃないかなあ…。

名前に非進化の場合「ギガ」がつく。進化すると「超幻獣」がつき、多種族では「魔獣」となる。
進化クリーチャーはキマイラ単種族で2ついるほか、多色にデュアル進化獣の1体である《超機動魔獣ギガランデス》がおり、ナーガ種族だが《蛇魂王ナーガ》は進化元の片方にキマイラを指定する。

中量級~重量級の種族であり、その割には派手な効果を持たないためマイナーな種族だが、数はどの他のマイナーな種族よりも多く、愛好家も多い。
だが、あまりに種族間シナジーが薄く、また重すぎて運用しづらいというカードゲーム上の問題のためか、あるいは進化するとダークロードを取り込んでしまうリスクというフレーバー的な理由なのか、その両者だったりするのかはよくわからないが、戦国編以降ダークロードの使い魔ポジションはダーク・モンスターに移行した。
…さらっと言ってるけどガーゴイルだっていただろおい。


デッキコンセプト

キマイラを使用するデッキは基本的に4タイプに分かれる。
1.《超幻獣グラザルド》を使用したハンデスコントロール
2.《超幻獣ドグザバル》を使用した中量級ビートダウン
3.《超機動魔獣ギガランデス》を採用したアーマロイドとの赤黒ビートダウンで、デッキ名もずばり【超機動魔獣ギガランデス】
4.《蛇魂王ナーガ》を採用したマーフォークとの混成。

だが【超機動魔獣ギガランデス】と【蛇魂王ナーガ】におけるキマイラの採用理由は単に「片方の進化元に指定しているから」というそっけないものであり、純粋なキマイラデッキは上2つになるだろう。ギガランデスはまだキマイラを有効活用してるのかな?

グラザルドは以下の様なスペック。
超幻獣グラザルド 闇文明 (5)
進化クリーチャー:キマイラ 5000
進化-自分のキマイラ1体の上に置く。
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、バトルゾーンにある自分の闇のクリーチャーをタップし、攻撃する代わりに次のTT能力を使ってもよい。
TT-相手の手札からカードを1枚見ないで選び、持ち主の墓地に置く。

人気は高いものの、実際に運用して強いかというと…微妙。自身が重い上にキマイラの進化元も一部を除いては重たい。
どうしても同じ闇文明ではパラサイトワームデスパペットのほうがハンデスは得意であろう。というか、最悪ザマルでいいような…

とはいえ、召喚さえしてしまえばザマルや他の種族にも負けないハンデスコントロールを行うことができる。そのプレイング難度は非常に高いが上級者ならうまく回してみるといいだろう。
基本的に水・闇を併用し、サブにペトローバの光かギガッピを運用できるを採用する形になる。

もう片方のドグザバルはこれ。
超幻獣ドグザバル 闇文明 (5)
進化クリーチャー:キマイラ 9000
進化-自分のキマイラ1体の上に置く
光ステルス
W・ブレイカー

どうしてもステルスがあるような時代の進化クリーチャーなので非常に頼りない。いやまあパワーは高いけどさ…。
しかも黎明期でもゴーストなど優秀な進化を貰ってるのもいるのでなんともはや。

進化元に優秀なのは以下の様なクリーチャーだろうか。

ギガザンダ 闇文明 (2)
クリーチャー:キマイラ 1000
アクセル
AC-このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、相手の山札を見る。その中から1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。その後、相手は山札をシャッフルする。

キマイラではクロスギアを考慮せずとも採用される。
クロスギアを採用する型ではかの《ヘル・スラッシュ》や《ロスト・チャージャー》のような山札ピーピングから一枚捨てるという行動が取れるのだが、なかなか使われない。

ギガスラッグ 闇文明 (3)
クリーチャー:キマイラ 1000
ブロッカー
スレイヤー
このクリーチャーは攻撃することができない。

軽量スレイヤーブロッカーと言う事なしなのだが、種族がより優秀な《封魔メールワスプ》に出番を取られがち。
上位種の《ギガボアー》もいるが、そんなに言及する程でもないか。

ギガバルザ 闇文明 (4)
クリーチャー:キマイラ 1000
S・トリガー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。

《汽車男》の同型再販。ヘドリアンのあちらに比べると悲しくなるが両者とも強く素でも出せなくもない。

翔天魔獣ギガッピ 闇/火文明 (3)
クリーチャー:キマイラ/ファイアー・バード 4000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。

妙に可愛らしい上背中にチャックと、キマイラのコスプレをしただけのファイアー・バードであるが、ファイアー・バードデッキやドラゴンデッキにおいての使用率は0。基本的に軽量高パワーのためにキマイラデッキに持ちだされる。

とまあ、ここまで書いてきたが、なかなか悲しいものがある。少数の優秀なクリーチャーには優良種族の同型再販がおり、ほかは重すぎて運用しづらいと、流石に酷いレベルの不遇っぷりである。

しかしデザインが秀逸だったり、ブラックモナークに作られた設定(一部だろうが)などから、愛好家は絶えない。
またギガランデスやナーガの運用上では必須なので省みられなくなることはまだまだないだろう。


その他の代表的なクリーチャー

キマイラデッキという場合はあまり投入されないが、デッキパーツとして一部のデッキで使われ続けるものもある。
このへん、後に登場したダーク・モンスターと似た部分もある。

とはいえ全体が重いので、多くの枚数を投入することはさすがに難しいか。

ギガンデュラ 闇文明 (5)
クリーチャー:キマイラ 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見る。その中から1枚選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。そうした場合、相手のマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。

ジェニーちゃんに比べるとコストは重く、また手札枚数こそ減らないものの、《パクリオ》同様にマッドネスが発動しないのが魅力のハンデスクリーチャー。
マナゾーンからの回収は自然くらいしか得意ではないので、この除去は意外と痛い。

なによりピーピングであるため、相手が次に出してきそうなものをピンポイントで落とせる。

ギガルゴン 闇文明 (8)
クリーチャー:キマイラ 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、クリーチャーを2体まで、自分の墓地から手札に戻す。

8コスト3000と重いながら、除去対策として時々積まれることがある。もともとDMC-02「黒城暗黒デッキ」のメインカードとして投入されている。
似たスペックのアビス・ムグムールに比べると種族の恩恵はないがあちらは1枚のみ戻せるくらいであるため、時と場合によってはいっそそのマナコストならリアニメイトしたくなるかもしれない。こちらはリアニメイトこそできないが、返しに除去されても2枚戻せるのでマナコスト分の仕事はしてくれる。

漫画版でDr.ルートが初デュエルでこのカードを出し、≪腐食虫スワンプワーム≫を戻して切札勝舞を殺害した時がこのカードの黄金期である。
それで印象に残っていたコロコロキッズは実物を見てガッカリしたらしい。

ギガクローズ 闇文明 (5)
クリーチャー:キマイラ 2000
ターボラッシュ
TR-このクリーチャーが攻撃するとき、相手は自分自身の手札をすべて、持ち主の墓地に置く。

最低2体でアタックするというリスクに見合う、《ロスト・ソウル》内蔵クリーチャー。
ただし最近はマッドネス警戒もあるご時世、このタイミングで手札を強烈なはたき落としするには逆に「早すぎる」危険性もある。

何度でも発動できるため、相手がトップデッキしたものをすぐに出せない限り、恒久的にハンデスは続く。先にブレイクしてしまったシールドもはたき落とすことができるのは魅力的。

ギガジョーカー 闇文明 (4)
クリーチャー:キマイラ 3000
相手のターンのはじめに、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは、可能であれば自分の進化クリーチャーを攻撃する。
バトルゾーンにある自分の進化クリーチャーはすべて「スレイヤー」を得る。

非常に面白い能力。
軽量進化を多用するデッキでは、相手のクリーチャーをスレイヤーでバンバン落とせる。特に墓地進化を使う場合は挿しておくとボードアドバンテージが取れるだろう。
また、大型進化を扱う場合はスレイヤーで相打ちにすることもなく相手を特攻させることができる。

基本的に進化を扱うデッキで使うことになるため、キマイラデッキよりは他の種族デッキに挿す形が基本だろう。
一体しか選べないのはやや痛いが、それでも確定除去と考えるとなかなかのもの。

Gigagrax 闇文明 (8)
クリーチャー:キマイラ 5000
このクリーチャーが破壊された時、相手のクリーチャーを1体選び、破壊してもよい。

The tour guide to the Abyss of Eternal Despair.

海外のみ登場したプロモーション・カード。あくまでおまけなので、ちょっと使いづらい。

このクリーチャーはキマイラであり、骨と腐敗の種族であるにもかかわらず、「グロテスクな表現の禁止」「暴力表現の禁止」「武器をイメージさせるイメージの禁止」と禁止ばかりでイラストレーターのAtsushi Kawasaki氏は苦労したらしい。そんなイラストなんだから日本でも登場させてもいいんじゃないかなあ…実際かなり秀逸。

邪闘 シス OR 闇文明 (6)
クリーチャー:アビスキマイラ 9000
アビスラッシュ:このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-∞する。
このクリーチャーが攻撃する時、アビス・W・メクレイド5してもよい。(アビス・W・メクレイド5:自分の山札の上から6枚を見る。その中から、コスト5以下のアビスを2枚まで、コストを支払わずに使う。残りを好きな順序で山札の下に置く)

すっかりマイナー種族の立ち位置が板に付いてきた頃、なんと基本拡張パックの最上級レアリティで登場した。
しかも、今シリーズの主人公である斬札ウィンが扱うアビスと複合し、アビスキマイラとなって21年越しに種族カテゴリ化を果たす事に。
効果もcipによる無限パワー低下やアタックトリガーのW・メクレイドなど非常に強力で、キマイラとしては異例の好待遇となっている。



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最終更新:2024年02月03日 16:02