ロロン・ドネア

登録日:2021/07/23 Fri 10:33:56
更新日:2024/03/29 Fri 07:21:41
所要時間:約 5 分で読めます。





この俺が大将を務める以上、

敗北はあり得ない。


ロロン・ドネアとは『ケンガンオメガ』の登場人物。

●目次

【プロフィール】

通称:「マニラの怪物」「双王(そうおう)」「キング」
所属:フィリピン軍→煉獄
身長:180cm
体重:84kg
戦績:422勝0敗*1
年齢:37歳
誕生日:11月16日
好きなもの:努力、謙虚
嫌いなもの:傲慢、弓ヶ浜ヒカル

【概要】

拳願会と並ぶ日本最大規模の裏格闘技団体「煉獄」最強の男で、A級を越えた全闘士の頂点「キング」の称号を持つ。
白い長髪でオールバックが特徴的な偉丈夫。黒いズボンと白いタンクトップを着たラフな装いをしていて、戦闘時はタンクトップを脱いで上半身裸*2で戦う。

対抗戦前年に行われた『最強闘士決定戦』の覇者で、煉獄の絶対王者として全闘士の頂点に君臨する煉獄最古参にして最強の男。
自身に比肩する実力者の嵐山十郎太と合わせて双王(そうおう)と呼ばれる。

山下一夫の見立てでは拳願会でも最強クラスで、王馬から「人の形をした怪物」「今まで闘った奴等の中でトップ5は確実」と評されるほど別格の強さを持つ。
その強さは東南アジア武術界では知らぬ者はいない程で10代の頃からフィリピン軍の武術教官を務め、その後裏社会のボディガードに転身したが、あの黒木玄斎と交戦し決着がつかなかった(=黒木が倒せなかった)ほどである。
ただしその圧倒的な強さ故に加減が効かないことが仄めかされており、劉はロロンと揉めることに対して「タダじゃ割りに合わないヨ」と難儀し、カーロス・メデルは暴走する阿古谷とニコラよりもロロンの方を止めなければいけないと考えていた。


【人物】

控室では目を瞑りながら腕組みをして大股開きで座っているだけだが、煉獄メンバーが彼の発言に耳を傾け、弓ヶ浜ヒカルでさえ彼には怯えて黙り、動くだけで煉獄メンバーに驚かれるなど、「キング」の称号に違わない貫禄を持っている

一瞥しただけで、呉雷庵からは「別次元の闘士」と認識されている。他選手の試合に対するコメントが非常に的確で、選手の力量を見極める能力においても他選手とは一線を画す。

作中では一貫して鉄面皮だったが、6戦目の加納アギトVS呂天戦の際、相手チームの暫定主将アギトを拳願仕合の王と褒め、作中では初めて笑みをこぼした。
ただし、読者はそのロロンの反応と呂天の明らかな三下発言も踏まえて、決着前から大方アギトが勝つだろうと予想せざるを得なくなっており、蟲の格落ち感がますます加速する恐れがある。

一方で、弓ヶ浜のことは割と本気で嫌っている
以下その一例
  • 理人に押され始めるを見て)弓ヶ浜「雑魚にもたつきやがって」ロロン「黙れ弓ヶ浜」
  • 三朝の策に嵌められた弓ヶ浜を見て)「アンタ、こうなることがわかっていたな?」ロロン「忠告してやる義理はない。」
  • ニコラの戦法を見て)劉東成「ヒカルと同じだナ」ロロン「あの馬鹿と一緒にしてやるな。」「……アンタ、弓ヶ浜が本当に嫌いなんだな」

こういった言動から辛辣さ一辺倒の人物かと思いきや他の闘士には内心だと気付けと心配するようなことを考えていたり、忠告をしてたしなめたり危険行為に介入して止めたりなど、
全体的には寡黙ながら仲間意識がキチンとある頼れるリーダーのような人物である。

更にはたとえ明らかに殺人も辞さないレベルで暴走している人物が相手でもロロンがここまでの嫌悪感を見せたことは無く、*3
今のところは全ての対人関係においていかなる危険人物や悪党よりも弓ヶ浜ヒカルのみが大嫌いと言っても過言ではない人物像をしている。*4

実際に弓ヶ浜と同じ若手でも、素直で前向きな光我に対してはビックリするほど大らかかつ穏やかな態度で接しており、
対抗戦後に懇意となったアギトともども光我にプライベートレッスンを施すなど大盤振る舞いを見せている。
ちなみに指導力も優れており、完全武装の兵士を鍛え上げた実績もあるほか、王馬の感覚派な教えに「出来てたまるか」と困惑していた光我にもあっさり高度な技法を会得させている。
なお前者の兵隊を鍛えた時は若干20歳であった。とんでもない早熟であり、かつ長く実力を保ち続けている怪物と評して差し支えない。


【戦闘スタイル】

詳しくは下述するが、原則としては格闘家というよりむしろ「素手でも途轍もなく強い傭兵・武器使い」と形容したほうが妥当な人物。
流儀は「シラット」。ただし流派は三朝とは別物*5
基本的に派手な大技や特異な能力を一切使わない、シンプルかつ正確無比な打撃の猛ラッシュを駆使した戦術で戦う。
加えてシラットの性質上超至近距離(ゼロレンジ)での超高速の打撃の打ち合いを得意とする。
単純な肉体スペックやパワーはトア・ムドーよりも劣るようだが、
  • ガオランのフラッシュに匹敵する打撃速度に雷庵以上の技のキレ
  • とにかく堅実かつ多彩な対応力
  • 投げ技や極め技、経穴を突いて動きを封じる小技といったシラット以外の技巧
により一切の穴が無いあらゆる戦局に対応できる究極の万能型で、どのようなタイプの相手でも淡々と攻撃が可能。
また技量による防御を差し引いても「完全解放させた前借りによる一撃のクリンヒット」という普通なら死んでいるであろうレベルのダウンから即復帰するなど、タフネスは十二分に化物じみている。
何より戦いに高揚はしても決して顔芸したり叫んだりハイテンションにはならない淡々とした冷静さがあり、例えダメージがどれほど蓄積してもシラットの多彩な攻めを最後まで続ける強固な粘り強さを誇る。
単行本の作者解説によると対抗戦時点での純粋な実力は「ロロン≧雷庵≒王馬」くらいらしいが、「3人とも実力が紙一重の差なためひっくり返る可能性は全然ある」とのこと。

上記のように素手でも異常に強いロロンだが、実は本作のメイン格闘家では割と珍しい銃火器やナイフなども使いこなせるタイプである。
現実でもシラットにはナイフなどをはじめとした武器術を含むことがままあるので、違和感のない設定だろう。
更に素手及びナイフによる対銃火器戦闘*6にも長け、銃火器持ちを素手とナイフにより余裕で殲滅した後に「銃を使わなかったのはお前たちが弱すぎるから」と発言している。
つまりは闘技者で言うならムテバに近いスキルの持ち主なのだが、戦場働きが主体の彼と異なり生業が素手格闘であることが大きな違いである。
このため多様なシーンにおける総合力では、王馬や雷庵は言うに及ばず黒木やアギトさえ凌駕する作中屈指の才人と言える。

技術

  • 先の先
敵の気の起こりから攻撃を見切り、相手の攻撃が来る前に回避する先読みの極致。
ロロンの場合これを攻撃に転用し、敵の動きを先読みして相手が動く前に打撃を加える攻めの先読みを駆使する。
この技術により相手の先の先を無効化する手段としても機能。その精度は王馬の先読みをも上回る。
恐るべき高等技術だがロロンは扱っていても息一つ切らさない。

  • 関節の脱力
筋肉ではなく関節部のジョイントを脱力によって緩め衝撃を散らす防御技法。
首関節を脱力することで首へ放たれた強烈な打撃の一撃を最小限に抑え込んだり、脱力によって肩関節の可動域を大きく上げて腰でなく肩の回転を利用する突きでガオランに匹敵する打撃速度を発揮した。
時には肩の回転を応用して打撃の軌道を瞬時に変化させたり、肩関節を入れて打撃の間合いを伸ばすトリッキーな攻撃にも用いられる。

  • 不可視(フカシ)(ヒジ)
相手の死角から肘を高速で振るうだけのシンプルな技。これを高速で何度も繰り出す。
ただしロロンが使用した場合、相手の身体を刃物で切り刻むのに等しい必殺技となる。
分かりやすく言えば肘でやるレイザーズエッジ
敢えて比較するとレイザーズエッジよりも射程距離が短く一撃の威力も低め。
だが、その代わり遥かに隙やモーションが小さいため超高速の斬撃のラッシュを放ったりシラットの高速体術のコンビネーションにも無理なく組み込めるのが利点。


【作中での活躍】

上記の通り10代からフィリピン軍の武術教官を務めていたが、20歳の時に彼の育成能力に目をつけた「」の勧誘を受ける。
実は当時ロロンが育成・指揮していた精鋭部隊の構成員は全員蟲であったが、ロロンは上級戦闘員を含むメンバー全員を皆殺しにし、他にもフィリピン軍に潜伏していた蟲を一掃すると軍を去り、
裏社会のボディガードとなったが、その後も報復に現れる蟲を一人残らず返り討ちにしてきたという。

対抗戦では控室のベンチに腕組みをして座りながら各試合の分析をメンバーに語っているだけだが、劉がナイダン・ムンフバトの死にマジギレして臥王龍鬼を殺そうとした際には「対抗戦が中止になれば、ナイダンの死は意味を失うぞ。」「友の死を無駄にするか?」と指摘して騒ぎを収めた。

そして第9試合ではレフェリー制止を無視して阿古谷清秋とニコラが暴走した際には止めるために自ら止めにリングに上がり、消耗していたとはいえ作中最高峰の反射神経を持つ阿古谷とそれに迫る最高反射速度と人間の限界を超越した反射速度の持ち主であるニコラの2人を同時に相手取り、阿古谷の背後からの攻撃を振り返ることなく躱し、2人を一蹴するほどの強さを見せた。
具体的には振り返ることなく背後の阿古谷を裏拳一発で吹き飛ばし、ニコラをワンパンで昏倒させている。

しかしそれでも尚攻撃を続けようとしたためか王馬の制止を受け、更にメデルが阿古谷を昏倒させ、「後は試合に集中しようや」「俺達は、プロだろう?」と指摘されたことで「……アンタの言うとおりだな」と引き下がった。

そして対抗戦最終試合にて王馬と戦う。
「先の先の領域」で攻撃を躱し続ける王馬に打撃を届かせた後はハイレベルな打撃戦となり、当人の技量の差で互角以上の立ち回りを見せ、一方的な痛撃を与える場面も何度かあった。
しかし王馬が新たに習得した呉の技や前借りの応用で攻撃の予測をずらすことで徐々に対抗され、何度か強烈な有効打を貰ってしまう。
壮絶な一進一退の攻防の中で満身創痍に追い込まれるも、全くパフォーマンスを落とすことなく攻め続けるが、最後は一瞬の読みの差で直撃を受けてしまい、立ち上がれずに敗北した。

対抗戦後はアギトと共に光我に修行をつけており、その指導力と的確な教えで彼に「気の起こり」を叩き込み、更に「強くなれ」と激励し送り出す。


【余談】

異名に加え容姿や佇まいが他作品同じ渾名の人に似ていると読者から指摘されている。
そのせいなのか再登場時は短髪にイメチェンした。

女体化すると長髪で線の細い美人になるが相も変わらず座る時は大股開き。……アンタ、その座り方が本当に好きなんだな。




追記・修正は「キング」の称号を得てからお願いします。

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最終更新:2024年03月29日 07:21

*1 C級時代からの通算

*2 ケンガン流に云うならば「ノーギ」。

*3 アランを殺害した雷庵に対しても、嵐山が「外道め」と吐き捨てる後ろで純粋に実力のみを見ていた

*4 プロフィールを見る限り弓ヶ浜ヒカルの様なタイプとはとにかく相容れないのだろう。

*5 三朝曰くシラットは数百の流派があるとのこと。

*6 アサルトライフルを突き付けられ完全に囲まれた状態から余裕で逆転している